2009年6月4日木曜日

*Domestic Violence by my Son

●家庭内暴力

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ますます荒れる子ども(中1)。
そんな子どもをもてあまし、悩んでいる
母親がいる。

掲示板への書き込みから……
(090603)

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【UKさんより、はやし浩司へ】

先生の掲示板を拝読するようになってからもう5年がたちました。いつもなにかに迷ったり辛いことがあったときにホームページを開いてきました。そして先生の言葉を心の糧にしてきたこと、今までに何度もあります。でも今回だけはどうしても他の方の投稿を読むのではなく自分の言葉で先生にお話し、先生ならなんとおしゃるのかを聞きたくてメールしました。辛い毎日が続き誰かに聞いてもらいたい、でも学校にどこまで話していいのかわからない。そんな日が続いています。

4月に私立中学に入学した長男のことです。1月に受験も終わり子供の生活が乱れてきたのはそのころからです。特に春休みはひどいものでした。テレビゲームとカードゲームに明け暮れ、テレビを見ながらゴロゴロしてばかり。はじめは注意していましたがだんだん反抗がエスカレートしてきて、子供の顔色をみて生活をするようになりました。黙ってみていることも結構私におは忍耐がいることで、時々やはり口うるさく言ってしまうと、息子はキレて壁に大きな穴を開けるくらい怒鳴り、ベットの背もたれもパンチで穴を開けました。私が無視をすると2歳違いの弟に手を出し始めます。私が弟をかばうとまたそれが気に入らないらしくキレて怒鳴りちらしテレビやエアコンのリモコンを投げつけます。

息子が穏やかに過ごした日は自分のほしかったカードやゲームを買ってあげた日だけです。
春休み中に「彼方の仕事は勉強だからまずは勉強を決めた時間やってからゲームなりカードで遊んだらどうか?」と、比較的穏やかのときに話をしたりしましたが、やはりむしゃくしゃするのか長続きしません。私が無理やりゲームを隠したりしても、結局息子が切れてしまうのが怖くて出してしまうのが現状です。そばに座って話をしようとしても「うるせぇんだよ、黙ってろ、あっちいけ」と。私のことも興奮しているときは「お前」「あんた」と言います。さすがにショックでした。

先日子供の締めたドアに小指が挟まり爪がはがれました。痛さよりも絶望感が私の中でいっぱいになりました。先生のおっしゃっている「許して忘れる」と言う言葉を何回自分に言い聞かせたかわかりません。でもズキズキをする指を押さえながら、「あんたなんか死んじゃえばいいのに」「あなたさえいなかったらこの家は平和なんだ」と、子供に言ってしまいました。あんなに大切に思ってきた子供に私はこんな言葉を言う親になってしまったのです。大切で大切でだからこそ、言いたくないことも言ってきました。でもそれがかえって子供をこんなふうにさせてしまったのかと思うと辛いです。自分の思うとおりにいかないとキレてしまう、わがままに育ててしまったのは私です。私自身、あの子に少しでも楽しませてやりたい、皆がゲームを持っているのなら息子にも買ってあげたい。そんなふうにして育てた私が一番悪いことはわかっています。

私立中学に入った以上多少は勉強してくれないと・・・自分で行きたいと望んで入った学校なのに朝起きれないことから「辞める。あーもう、学校辞めて家でブラブラしているから」と言い出します。やめられたら困ると言う考えが私の中にあり、やっぱり子供の顔色をみています。小学校のころから朝が弱くなかなか起きないことが悩みの種でした。でも毎朝うるさがられながらも私が何十分もかけて起こしていました。いつからか私の中でそれがストレスになっていました。中学に入ったら自分で起きてもらおう。私も仕事があるため、子供に時間を費やしておられずいっぱいいっぱいになっていることに気がつきました。遅刻させることが怖かった私ももう、いいや!!、と割り切り一度起こしてだけでやめてみました。案の定遅刻です。子供から「どうして起こさなかった!!」と怒りの電話が私の職場にかかってきました。遅刻なら今日は学校行かない!と結局休んでしまいました。私は自分の感情を抑えるだけで精一杯でした。その日からまた時間をかけて起こす日々が始まりました。

もういいかなと思った昨日1度起こして私は職場に向かいました。ところが2度寝をしてしまったらしく今度は学校から無断欠席の電話です。私は慌てて家に戻りました。居間でテレビを見ていた息子は学校は行かない!と言い張ります。着信暦を見ると何回も学校から電話が入っていたようでした。息子は電話にでなかったのです。私がこれから我っこに送っていくと学校に電話をいれたことでまた息子は怒鳴り始めました。正直に寝坊したと先生に伝えたのがいけなかったと言うのです。何で体調が悪いと嘘をいわないんだ!

担任の先生が自分の授業が午後からないので家まで来てくださいましたがとうとう息子はトイレに鍵をかけたまま1歩も出てきませんでした。一生懸命呼びかけてくださる先生に対して「明日は学校にいく」と約束しました。先生が家まで来てくださっているのに申し訳ないと思わないの?と訊ねると「頼んだわけじゃない!」と言い放ちました。私は悲しくてこんなことを言うような子供になってしまった息子が情けなくて怒りでいっぱいになり子供に向かってなにか?物を投げつけました。

もうこうなってしまうと収拾がつかなくて私は家を飛び出ました。でもこのことがあってから担任の先生に少し家でのことを話すことができました。部活も勝手に休んでいることが多いらしいこともわかりました。二言目には「学校行かない。部活やめる。」でも決してそんなつもりはないのだと私は感じます。いままで何十回も繰り返しているものの学校には結局行っているんです。

ゲームのこと、朝起きれないこと、今、この場から逃げ出したいと実は本当に思ったりしています。もうどうなってもいいから。次男と一緒に出て行こうかと考えたりしています。
がんばれって自分に言うのですが、夕方になり息子が学校から帰ってくるのが怖いです。朝になってカーテンを開けるのが怖いです。

いろいろダラダラととり止めなく書いてすみません。でも先生にメールを送れるようになっただけでもここ数日で一番心にゆとりのある日です。先生、私に力を貸してください。がんばれって。

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UNKNOWN様へ

お子さんの心理状態は、「抑圧」という言葉を使って説明できます。

幼いころから、(弟が生まれたときから)、「いい兄」を演じながら、欲求不満を別の心の中に押し込めてきたと考えてください。それが今、思春期で爆発しているのです。つまり今、見せているあなたの子供の姿は、本来の姿ではなく、抑圧され、ゆがんだ姿なのです。ユングは、「シャドウ」という言葉を使ってそれを説明しています。

依存したいという甘え、しかし依存しきれない歯がゆさ、その両者の間で、葛藤している。幼年期は(いい子)で、思う存分、自己主張できなかった。言いたいことも言えなかった。いつも(がまん)を強いられた。プラス、弟への憎しみすら、押し殺さねばならなかった。そういう思いが、抑圧され、別の心にたまってしまったのです。

またこの時期は、(おとな)と(子ども)の間で、ときには「おとなっぽくなり、子ども扱いをされると怒り」、反対に「幼児ぽくなり、そういう自分に嫌悪感を覚える」を繰り返します。つまりその両者を行ったり来たりします。私はこれを(揺り戻し現象)と呼んでいます。

また同一性の確立に失敗し、自分でも何をしたらよいのか、どうしたらよいのか、わからないでいます。楽しくてゲームをしているのではありませんよ。ほかに自分をどうしようもないから、ゲームをしているのです。一番苦しんでいるのは、つまり母親に悲しい思いをさせて苦しんでいるのは、息子さん自身です。が、それすらも、素直に表現することができない。ではどうするか?

(1)お母さん自身が学歴信仰から抜け出ます。「学校なんか、くそくらえ」(尾崎豊)くらいに思うことです。(2)「あなたも苦しんでいるのね」と、子供の苦しみを分かち合います。(3)温かい無視を大切に。(4)子供のほうから求めてきたときが、求めどきと考えて行動します。

あなたが心のどこかで「学校とは行かねばならないところ」という意識をもっているかぎり、その意識は子どもに伝わり、子どもはその意識と現実の間で、もがき苦しみます。掲示板を見るかぎり、あなたはたいへん強い(学校教)の信者のように感じます。反対に言うと、どうしてそこまで(学校)にこだわるのですか? 今はかなり時代も変わり、このあたりでも、約60%の中学3年生は、「勉強でがんばるより、部活でがんばって……」とか、「勉強で苦労したくないから、進学校には入りたくない……」と考えています。

また言えば、あなた自身が子離れできずにいます。子どもの方はとっくの昔に親離れしていますが、それにすら気づいていないように感じます。あなた自身の親意識も強く、中学生のゲームを「隠す」というのも、やりすぎです。つまり一方的に親意識をふりかざし、思うようにならないと、混乱する。

要するに、子育てに対する期待が強すぎます。「よい家庭を作ろう」「よい親子関係を作ろう」とです。気負いが強い分だけ、あなたも疲れますが、子どもも疲れます。「どうせ子どもというのは、去っていく」「去って行きたければ去っていけばいい」「勝手にどうぞ」「私は私で、自分の生活を楽しみますからね」と、心のどこかで割りきってください。

あなたはもうじゅうぶんがんばってきました。それにお子さんは、中1とはいえ、すでにおとなです。長くなりそうなので、つづきは、またマガジンのほうで考えてみます。7月上旬に載せます。できればその前に、また掲示板のほうに書いておきます。

大切なことは、こうした問題には、まだ二番底、三番底がありますから、今を決して最悪と思ってはいけないということです。対処の仕方を間違えると、二番底、三番底へと進んでしまいます。中退、非行……と進んでいく可能性もあります。「今の状態をこれ以上悪くしないことだけ」を考えて対処してください。あまり乱暴がひどいようでしたら、一度、心療内科の先生に相談してみるとよいでしょう。こだわりを取り除く、よい精神安定剤を処方してくれるはずです。

『許して、忘れる』は、まちがっていません。どん底から、さらにどん底へ落とされても、この言葉を心の中で念じてみてください。これは子どもとの闘いというよりも、あなた自身との闘いなのです。その闘いに勝ったとき、あなたの子どもは、こう言うでしょう。「お母さん、ありがとう」と。と、同時に、あなたは「子どもを信じきった」という喜び、「子どもを育てた」という満足感を味わいます。約束します。

で、幸い学校の先生があれこれと心配してくれているようなので、あなたのほうも心を開いて、相談したらよいでしょう。あなたから見ると、特殊な問題のように見えるかもしれませんが、ケースとしては、珍しくありません。そのあたりのことは、学校の先生も、よく知っているはずです。

こうして子どもはおとなになっていきます。それを(巣立ち)と言いますが、巣立ちのしかたは、みなちがいます。中にはたがいにののしりあいながら、巣だっていく親子もいます。しかしそれでも巣立ち。あなたは愛情だけをしっかりともちながら、あとは静かに見送れば、それでよいのです。あとはやるべきことはやる。またその範囲にとどめる、です。いつか子どもは帰ってきます。そのときは、窓をあけ、思いっきり子どもを抱きしめてあげればよいのです。そうそう、悲しくてつらいときがあったら、アルバムを見るとよいですよ。私もそうしました。

この時期も、その最中の人には長く感じられるかもしれませんが、あっという間に終わります。本当にあっという間です。今こそ、親は真の愛が試されているときと覚悟して、この時期を乗り越えてください。あなたはすばらしい女性になりますよ。いいですか、あなたの子どもがあなたを育てようとしているのです。それに気がついたとたん、心が軽くなります。繰り返しますが、『許して、忘れる』ですよ。生活態度がだらしなくなっても、許して、忘れる。どうかあきらめずに、がんばってください。家族がみな、ここにいて、みなががんばっている。そのすばらしさ、尊さを、すなおに喜んでください。

【UKさんより、はやし浩司へ】

早速返信を頂きありがとうございました。
先生に言われてはっとすることが何か所もありました。
何をしたらいいのかわからなくてもがいていて息子も辛いのかもしれません。お恥ずかしいのですがそんなふうに考えたことはありませんでした。私はどうやって息子と向かい合っていいかわからずに、息子から逃げ出したくて自分がどうやったら毎日生きていけるのかばかり考えていました。

単身赴任先でがんばっている主人に現在の子供の状況を話しているとき思わず泣いてしまった私に、背中をさすっている長男がいました。自分の話をしているとわかっていて隠れて聞いていたのだと思います。私が泣いているときに顔を覗き込み、心配そうにしていました。でも私はあまりの子供の態度のギャップに戸惑い、耐えられず「触らないで!」と突き放しました。テレビを見ながら私のひざに顔をうずめてきたりしますが、またその後何分か後にキレたりする事も度々あるからです。私はひどい言い合いをしたときでもしばらく引きずってしまいます。でも息子はまるで何もなかったかのように甘えてこれる!どうして?と思ったりするのです。本当はこんなときに受け止めてあげなければいけなかったのですね。私に心の余裕がなくて・・情け無いです。

ここのところ、本当にこの場からいなくなることばかり考えていました。
逃げちゃいけない、現実から息子から。もう少しがんばらなくては・・
電話で主人に息子の話をしたところ「何のためにがんばっているかわからなくなってしまった。虚しくなっちゃたよ。」と落ち込まれました。遠く離れた場所で聞くほうが辛いのかも知れません。帰って来たくてもすぐには駆けつけられないのだからその分辛いと思います。

4年前に十二指腸にガンが見つかり膵臓と胆のう、十二指腸を切除する手術を受けました。5年間は再発の恐怖におびえながら生活を送っている主人にこんな辛い話を聞かせたことに後悔しました。でも父親として力を貸してほしかった。私も疲れていたんです。遠いところで長男のことを思いため息をついている主人を思うと、私の力のなさが情けないです。2年前単身赴任が決まったときに再発のことを心配しながらも、男の子2人を私1人で育てていけるだろうか? 一番父親の力が必要なときに・・・と不安に思っていました。

たまに帰って来る主人のこの家でのポジションを(家長という)確保しておく事の難しさも感じたりしています。普段父親のいない生活をしているとそれに慣れてしまってペースができてしまうので久々に主人が登場すると家の中が乱れるのも事実です。

先生からすぐに返事をいただけて、それだけで私の心がすごく軽くなっています。言葉の力がありがたくて感謝の気持ちでいっぱいです。

慌てていてメッセージを読んでいなかったのですが(一般の方)に書き込まないといけなかったんですね。すみません。

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