2009年7月1日水曜日

*House Job is a hard One

●育児疲れ

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子育ては重労働。
一瞬たりとも、気が抜けない。
そんな重圧感に苦しんでいる。
KNさん(母親・磐田市在住)も、
その1人。

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【はやし浩司より、KNさんへ】

多分に、育児ノイローゼかと思います。
この時期、家事、育児、生活と、多忙が原因で、多くの人が、KNさんのようになります。
マタニィティブルーのようなものです。
症状も典型的なもので、とくにKNさんだけ……というものではありません。

KNさんは、メールを読んだ私の印象では、いわゆる気負い型ママということになります。
「はやし浩司 気負い型ママ」で検索してくださると、多分、いくつか記事を
ヒットすると思います。
一度試してみてください。

原因は、KNさん自身にるのではなく、あなたの実の両親にあると考えられます。
あなた自身と実の母との関係です。
あなた自身が、あなたの実の母との間の人間関係をうまく作ることができなかった。
遠い昔の、あなたの乳幼児期に、です。
心理学で言えば、「基本的信頼関係」の構築が、うまくできなかった(?)。

どこか権威主義的で、心を閉ざした母親……、そんなKNさんの実の母親の姿が、
想像されます。
しかしそれはあなたの責任ではなく、あなたの実の母の責任です。
不幸にして、あなた自身が、あなたの実の母の温かい、豊かな愛情に
恵まれなかった。

だから気負ってしまうのです。
自然な形で子育てができない。
どこかぎこちなく、ぎくしゃくしてしまう。

しかしこの問題は、そういう不幸な過去があるということではなく、それに気づかず、
それに振り回されてしまうということです。
一度、自分の心の中を冷静に観察してみてください。
そしてこう思うのです。

「私の責任ではない。私の生まれ育った環境の責任なのだ」とです。
1~5年と時間はかかりますが、あとは時間が解決してくれます。
(こうした心に深く根ざす問題は、簡単には解決しません。
しかしそれに気がつけば、向うのほうから、去っていきます。)

で、それが世代を超えて、今度は、KNさんが、KNさんのお子さんに対して、
同じことを繰り返しています。
子どもの心がうまくつかめず、今度はKNさんが、悩んでいるのです。
これを世代連鎖と言います。

つまり、あなたは自分の不幸な過去を、今、お子さんに対して、再現しているというわけです。

では、どうするか?

(1)まず、自分が過去に作られた人間であることに気がつくこと。
(2)あなたに親像、家庭像が入っていず、ぞれが気負い型ママになっていることに気がつくこと。
(3)この時期、多くの人がなりがちな、育児ノイローゼになっていることに気がつくこと。

が、ここが重要ですが、(4)どれもしかしほとんどの人が、そうなるというくらい多い問題ですから、自分を責めないこと、です。

私も不幸な家庭で生まれ育ち、若いころは苦労しました。
親像も家庭像も、満足にインプットされていませんでした。
だから私の子育ても、ぎこちないものでした。
毎日、「これでいいのか」「こんなふうにしていいのか」と、子育てをしながら、悩みました。
が、そのうち、こうしてみなさんからの相談を受けるうち、「なんだ、私も、みなと同じだア」と思うようになりました。

そう、外から見ると、みなうまくいっているように見えますが、それはそうではありません。
みな、もっと深刻な問題をかかえて、苦労しています。
そういう意味で、KNさんの悩みなどというのは、たいしたこと、ありません!

で、あまりイライラするようでしたら、私のばあいは、カルシウム剤をのんんだり、
市販のハーブ系の精神安定剤を服用したりして、対処しています。
あとはワイフの女性用のセパゾンというやはり安定剤を、ときどきのんでいます。
(これは医師に申し出れば、処方してくれます。穏やかな薬ですから、副作用は
ありません。私は1錠のむところを、いつも半分に割って、口の中で溶かしてのんでいます。
女性用のものですが、どういうわけか、私にも効きます。
あとは漢方薬で、ハンゲコウボク湯をのんでいます。
これも女性の精神安定剤(胃腸薬)としてよく使われているものです。)

で、ポイントは、あなたとご主人との関係です。
まず育児は重労働ということを理解してもらいます。
そういう方法は、ないものでしょうか。

そのためには、心を開いて、もっと甘えたらよいと思います。
そう、もっと心を開くのです。
気負い型ママというのは、問題をすべて自分で背負いこんでしまいます。
だから努めて、心を開きます。
ありのままの自分を、もっとさらけ出すのです。
言いたいことを言い、したいことをする。
これを心理学の世界では、自己開示といいます。

今は、閉そく感の中で、苦しいかもしれませんが、そこにある「運命」をそのまま受け入れてしまいます。
運命というのは、逆らえば逆らうほど、キバをむいてKNさんに襲いかかってきます。
が、受け入れてしまえば、向うから退散していきます。
「まあ、私の人生は、こんなもの」と割り切ればよいのです。

なお、子どもには当たらないこと。
子どもというのは、これから先の長い友だちです。
友としてとらえてください。
「友」としてとらえれば、あとはうまくいきます。
(今のKNさんは、親意識が強すぎると思います。
昔風の悪玉親意識です。
そんなものは、くだらないから、今すぐ、捨てなさい!)

で、今は、KNさんにはわからないかもしれませんが、KNさんは、(ふつうの女性)から、
1ランク上の(母親)に脱皮しようとしているのです。
この時期は苦しいかもしれませんが、うまく乗り越えて、よりすばらしい女性になってください。
またなれます。
苦しみ、悩みが、人間を成長させるのです。

そうそう今は苦しいかもしれませんが、そろそろ自分のしたいことを見つけ、その準備もしておくといいですよ。
やがてすぐ子どもは親離れしていきますから……。
あなたはあなたでしたいことを発見し、それに向かって前向きに進んでいくのです。
子育てに埋没してしまうと、自分の姿が見えなくなってしまいます。
そうなると、その先で待っているのは、「うつ病」ということになります。
子どもにも、悪い影響を与えます。

たくさん原稿を書いていますので、また読んでみてください。
参考になると思います。

いただいたメールは、どこにも出しませんので、ご安心ください。
テーマとして、今朝、少し考えてみます。
それはお許しください。
また返事を書きます。

では、今朝も始まりました。

おはようございます!!!

はやし浩司


Hiroshi Hayashi++++++++July.09+++++++++はやし浩司

●精神医学

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発達心理学と精神医学。
似ているようで、似ていない。
まったく異質。
先ほど、統合失調症(精神分裂病)の
診断基準を読んでみた。
内容はともかくも、用語の使い方が、
私が知る世界のものとは、大きくちがう。
そこに興味をもった。

たとえば、「陰性障害」という言葉。
「眼球運動の非円滑性」という言葉もある。

「精神医学の世界では、こんな言葉を
使うのか」と、改めて、その世界の広さに
驚いた。

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●某、精神医学者のHPより抜粋(診断基準)

 「精神分裂病」で検索していたら、つぎのような診断基準が、目にとまった。
トップページをさがしたが、そこには何もなかった。
しかたないので、そのまま、一部を、参考までに、転載させてもらう。

+++++++++++以下、診断基準+++++++++

(認知行動障害)

【1】 基礎障害(分裂性鈍化) ・・・・ 認知障害、陰性症状

(1)中核障害
A、「 連合障害 」 (思考途絶、自生思考など) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  認知障害(思考力障害)
(関連障害:短期作業記憶障害、注意持続障害、眼球運動の非円滑性)

(2)周辺障害
B、「 交流能力・同調能力の著しい低下 」:自閉状態(発話と自発動作の減少)・・・  陰性症状
C、「 感情表出の減少 」(硬い表情)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  陰性症状
D、「 アンビバレンス 」(感情的な判断の困難、意思決定の困難)・・・・・・・・・・・・・・  認知障害

(精神病症状)
【2】副次的症状 ・・・・ 急性症状 陽性症状
(1)妄想状態
  1、「 妄想気分 」  (理由のない自生的な恐怖感の持続)
  2、「 被注察妄想 」 (不気味な不安感を伴う被注察感)
  3、「 妄想知覚 」  (全てが自分に関係しているように感じられる)
  4、「 確信的妄想 」 (訂正不能な思い込み)

(2)幻覚
  1、「 思考化声 」  (考えた事が声として頭の中で響く)
  2、「 体感幻覚 」  (体中を虫がはっている感触)
  3、「 会話性幻聴 」 (存在しない声が聞こえる)
  4、「 幻視 」     (存在しないものが見える)

 (3)自我障害 (させられ体験:自分の思考や動作が自分の意志から乖離する)
 (4)思考伝播 (自我障害の一種:自分の思考が他人に伝わってしまう)
 (5)緊張病性運動障害 (意味なく暴れたり、石のように固まってしまう)
 (6)著しく混乱した(disorganized)会話 (会話が脱線して意味が通じない)  

(その他の認知・行動障害)
   1、「 易疲労性 」 (思考力・動作能力)
   2、「 社交恐怖 」 (対人恐怖)
   3、「 トゥレット症候群 」 (表情筋チック(状況と無関係の"しかめ面")、言語性チック(攻撃的な独り言))

(生理的症状)
   1、不定愁訴 (頭痛、頭重、身体硬直(肩こり等)、全身倦怠、心拍亢進など)
   2、不眠、昼夜逆転 (生命時計の失調)
   3、社交恐怖 (金縛り)

+++++++++++以上、診断基準+++++++++++++

●独特の用語

 統合失調症について書くのが、目的ではない。
ここでは、その用語の使い方について考えてみたい。
私の知らない用語が、ズラリと並んでいる。
たとえば……。

思考途絶、自生思考、交流能力、同調能力、アンビバレンス、思考化声、感情表出の減少、自我障害、会話性幻聴、易疲労性、社交恐怖、言語性チックなどなど。

 その中でもとくに私の注意を引いた言葉が、「アンビバレンス」という英語。
アンビバレンスとは、どう綴るのだろう。

「unbibakence」?
「umbivalence」?

 手元にある電子辞書(EX-word)を縦横に調べてみたが、それらしい単語は見つからなかった。
逆に、「認知障害」を和英辞典で調べてみたが、それでも見つからなかった。
精神医学の世界では、常識的な言葉にちがいない。
それにしても、興味深い。
たとえば「感情表出の減少」とは!

 顔による感情の表現が乏しくなることをいったものだが、それにしても「うまい」いうか、「的確」というか……。
とくに私の世界では、使わない用語である。
こんな用語を使ったら、それこそ親たちは、チンプンカンプンになってしまう。

「お宅のお子さんは、感情表出に乏しく、交流能力に問題があります。ほかに自我障害、易疲労性なども見られます。言語性チックにも注意してください」と。

 ほかに気になったのは、「眼球運動の非円滑性」という用語。
たしかにこのタイプの人は、目つきが定まらず、ギョロ、ギョロとあたりを見回したりする。
それを「眼球運動の非円滑性」と言うらしい。
だったら、「目つきがギョロギョロする」でもよいのではないか?

 そう言えば法律の世界にも、法律用語というのがある。
たとえば「無限軌道車」と言えば、「キャタピラーのついた車」をいう。
タンクやブルドーザーがそれに当たる。
私はその言葉をはじめて知ったとき、ハタと考え込んでしまった。
「無限軌道車とは何か?」と。

 精神医学者たちは、こういう用語を縦横に操りながら、自分の専門性を維持しているのだろう。
たいへんよい勉強になった。

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