●『北朝鮮の不思議な人民生活』(宝島編集部・宝島社)
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数日前、『北朝鮮の不思議な人民生活』(宝島社)という
本を買ってきた。
その本の感想を一言で表現すれば、題名どおり、「不思議」。
「今どき、こういう国もあるんだなあ」と、驚くばかり。
で、その話は別に、とくに私の関心をひいたのは、中国との関係。
現在、6か国協議は崩壊し、日本と韓国は、K国を除く、
5か国協議の開催に力を入れている。
が、中国は基本的には、制裁会議には、消極的。
アメリカは、K国と対話重視の姿勢を崩していない。
が、この本を読んで、中国がなぜ、K国に対する制裁に
消極的なのか、それがよくわかった。
K国と中国は、たがいに密接にからみあっている。
中国の企業家たちだけは、自由にピョンヤンに出入り
することができる。
工場を建てることもできる。
(年間、1万5000人もの中国人観光客がK国を
訪れているという。
これに対して、日本人観光客は、たったの400人弱。)
そしてこうもある。
「04年以後、中国の対北朝鮮投資熱は、(中国側の)
国策的な後押しを受けたものと思われる」と。
そして日本の制裁が強まれば強まるほど、(中国側に
とっては)、「その分だけ、ビジネスチャンスがふえる
だけ」と。
中国は、K国を、国策的に取り込もうとしている。
そのため中国はK国の制裁に加わりたくても、加われない。
そんな内部事情が、この本を読んで、よ~くわかった。
それにもう一言。
「ふつうの日本人は、K国には行かないほうがいい」。
「ふつうの……」というのは、向こうの人たちと
何もつながりのない、ごくふつうの日本人という意味である。
この本の筆者は、在日朝鮮人(?)と思われる。
そんな人でも、旅行記の最後を、こう結んでいる。
「……車が最終検問所を過ぎ、中朝友誼橋にさしかかった
時、『やっと自由世界に戻ってきた』と本気で喜んだ。
中国側の旅行社の担当者の姿を中国側の国境ゲートで目に
したとき、全身の力が抜けてしまった……」と。
K国という国は、そういう国らしい。
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●のろわれた(?)家系
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少し前、「のろわれた家系」という題で、エッセーを
書いた。
それに対して、「私の家系は、もっとすごい」という
メールをもらった。
転載は不許可ということなので、大筋だけ、かいつまんで
書かせてもらう。
その人は、6人兄弟の、上から三番目。
今年、50歳になるという。
仮にX氏としておく。
兄、姉、(X氏)、妹、弟、弟。
6人兄弟なのだが、うち、離婚した人、4人。
残りの2人のうち、かろうじて家族円満なのは、X氏だけ。
もう1人も、別居状態。
うち、家族(夫婦、子ども)の中で自殺者を出した兄弟、3人。
だから「私の家系も、のろわれています」と。
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単純に計算すれば、離婚率、80%以上。
自殺者を出した割合、50%となる。
しかしX氏は、こう言う。
「原因は、すべて私たちの両親にあります。
さらに言えば、父親の両親(=X氏の祖父母)にあります」と。
もっともそれぞれの人には、それぞれの事情というものがある。
離婚するにせよ、自殺するにせよ、それぞれの思いをもって、そうする。
私のような部外者が、あれこれ詮索したところで、意味はない。
どう詮索したところで、その一部を知ることさえできない。
いわんや、「率」だけを見て、とやかく言うのは許されない。
たまたまそういう不幸な事件が重なった……とも考えられる。
が、そのX氏は、こう言う。
「祖母が、精神的に欠陥のある人でした。
その影響を私の父が受け、家庭の中は、私が子どものころから、メチャメチャでした。
父は祖父の財産を乗っ取り、小さなスナックを開きましたが、斜陽になると、自ら
放火。
多額の保険金を手に入れました。
そんな家族ですから、はやし先生が説く、『親像』とか、『家庭像』などといった
ものは、私の生まれ育った家には、まったくありませんでした。
だから兄弟姉妹は、バラバラ。
その結果が今、です」と。
X氏の兄弟たちはみな、幸せな家庭作りに失敗した。
3人の家族(妻、長男、二女)が自殺したことについても、もし幸せな家庭作りに成功
していれば、なかったかもしれない。
「のろわれた家系」ではなく、「なるべくしてなった家系」ということになる。
X氏からのメールを読んで、そんな印象をもった。
Xさん、メール、ありがとうございました。
Hiroshi Hayashi++++++++June.09+++++++++はやし浩司
2009年6月30日火曜日
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