2009年6月9日火曜日

*Overly Optimistic Diplomacy

●認識の甘さ(Overly Optimistic Diplomacy)

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中朝国境付近でK国側に身柄を拘束された、
アメリカ人記者、2人の判決が出た。
「12年の労働教化刑(懲役刑)という。

判決はともかくも、この事件の発端は、2人の
記者の認識の甘さと考えてよい。
報道によれば、2人は一度、K国内に侵入している。
手引きをしたのが、K国側のスパイだったという。
そして中国側に一度出たところで、身柄を拘束
された。
もしそうだとするなら、2人は
まんまとワナにはまったとみてよい。

その結末が、12年の労働教化刑!

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●C・ヒル氏

 この事件を最初に知ったとき、私がまず感じたのが、認識の甘さ。
「アジア情勢をナメている」というか、「甘く見ている」というか。
その心情は、アメリカの前国務次官補のC・ヒル氏のそれと相通ずる。

 あのC・ヒル氏は調子に乗って、ニューヨーク・フィルをピョンヤンまで
連れてくるようなことまでした。
が、K国は、そんな国ではない。
そんな国でないことは、私たち日本人なら、みな、知っている。

 2人の記者への同情心は、残念ながら、私たちには、ほとんどない。
2人の記者は、中朝国境へ向かう前、アメリカ人牧師に警告されていた。
その牧師は一度身柄を拘束されたが、命かながら、K国を脱出した。
そういう経験の持ち主である。
そういう牧師の警告を無視して、2人は、K国領土内に侵入した。

 つまり日本人の拉致問題とは、基本的には、異質の問題である。
入りたくて入ったアメリカ人記者と、行きたくもないのに、誘拐された
日本人被害者。
同じように同情しろというほうが、無理。
そればかりか、その意図が不明。
私には、ハネあがった2人の記者が、自分の名声のために、K国にノコノコと出かけて
いったようにしか思えない。
あのC・ヒル氏のように!

 時事通信は、つぎのように伝える。

【ソウル8日時事】

『K国中央通信は8日、K国の中央裁判所(最高裁に相当)が、拘束中の米国人女性記者2人に対し、12年の労働教化刑を言い渡したと伝えた。オバマ米政権がK国の核実験を受け、テロ支援国再指定検討など制裁強化の動きを見せている中、米国への挑発を強めた形だ。今後、米国は身柄解放に向け、K国との交渉を働き掛ける方針だが、難航するとみられる。

(中略)

 判決を受けたのは、米ケーブルテレビ局のローラ・リン、ユナ・リー両記者。2人は3月17日、中朝国境地帯で脱北者問題を取材中に捕らえられ、その後、「不法入国と敵対行為」などの罪で起訴。K国中央通信は6月4日に「裁判を4日午後3時から始める」と異例の事前報道を行っていた。

 今後の日程は明らかとなっていないが、これで判決が確定する可能性が高い。K国の刑法では、朝鮮民族敵対罪は5年以上の労働教化刑で、特に、事案が重大な場合は、10年以上としている』(ヤフー・ニュース・09年6月9日)。

 同情はしないが、不幸な事件である。
オバマ大統領も、それをよく知っている。
が、これがもし拉致であったとしたら……。
アメリカのカルフォルニアに在住している女子中学生が、拉致され、K国に連れて
行かれたとしたら……。
オバマ大統領は、海兵隊を派遣してでも、その中学生の奪還を試みるだろう。
またそういうことでもしないかぎり、アメリカの世論は、納得しないだろう。

 あのC・ヒル氏にいたっては、リップサービスだけで、拉致問題について本格的に
話し合った形跡は、ゼロ。
そればかりか、「拉致問題を棚上げして、K国援助に加われ。さもなければ、K国を
テロ支援国家指定から解除する」とまで言い切った。
そして事実、2日をおかないで、電撃的に、指定から解除してしまった。
「日本ロビーが動き出す前に……」と。
 
 こうした認識の甘さは、オバマ大統領にもあるのではないか。
いまだに「話し合いを重視」とか、何とか、夢のようなことを口にしている。
C・ヒル氏がしたのと同じ失敗を繰り返そうとしている。
結局は、彼らは、アジアのことは何もわかっていない。
私には、そうとしか、思えないのだが……。

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