2011年12月13日火曜日

*Fools run in where angels fear to tread

●国際経済(買い時、売り時)

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昨夜、遅くまで、オーストラリアの友人と、
国際経済について、チャットした。

が、もちろん、私はまったくの門外漢。
とくにオーストラリア経済については知らない。
その友人が言うには、「今が投資のチャンス」と。
特殊な金属を採掘している、採掘会社に投資
している、とも。

昔から、オーストラリアのことを、「ラッキー・
カントリー」と呼ぶ。
天然資源が豊富にある。
40年前には、世界でも1、2位を争う、豊かな
生活を楽しんでいた。
今も、そうだ。
食糧と資源……この2つがあれば、仮に世界の経済が
ひっくり返っても、何とか生き延びていくことができる。
が、この日本は、ちがう。

すでにあの3・11大震災の前ですら、「日本の
デフォルト(国家破綻)は、可能性の問題ではなく、
時間の問題」(経済各誌)と言われていた。
が、あの大震災で、その問題がどこかへ隠れてしまった。
直後日本政府は、11兆円とも、あるいは30兆円とも
ささやかれる復興資金を市中にばらまいた。
言うなれば、カンフル注射。

が、それでデフォルトの問題が解決したわけではない。
今の今も、闇の奥でくすぶりつづけている。
いつまた火がつくかわからない。
つまり銀行や郵貯に余裕がある間は、日本国債は、安泰。
しかしその余裕がなくなったときが、こわい。
カンフル注射にしても、応急処置。
効果がいつまでもつづくとは、かぎらない。

昨日も、書店で立ち読みをしたが、「EUのつぎは、日本」と。
おおかたの経済誌は、そう書いている。
いつも買っている「週刊現代」誌は、「国債を買う人はバカ」と
まで言い切っている。
(今週号は、立ち読みですました。ごめん!)

オーストラリアの友人は、こう言った。
「今が、投資に最善のとき」と言ったあと、
「Robert Friedland said "when you can feel the urine
running down your leg, then it is time to buy."」と。
(ロバート・フリードランドは、「小便をちびったときが、
買い時」と言っている、と。)
つまり「株価の乱高下で小便を漏らしたときが、投資のしどき」と。

残念ながら、私にはよくわからない。
ロバート・フリードマンは、投資家としてそう言ったのかもしれない。
あるいはヘッジ・ファンド?
が、私たちには、そこまでの余裕はない。
つまり一日中、数字が動き回るモニターをながめている余裕はない。

孔子はこう言った。
「君子、危うきに近寄らず(A wise man keeps away danger)」と。
"Fools rush in where angels fear to tread"(天使が二の足を踏んでいるとき、
愚か者は突進する)ともいう。

どうであるにせよ、プロの投資家を相手に、私たちのような素人が
勝てるわけがない。
能力的な問題ではない。
時間的な問題である。
先にも書いたように、プロの投資家は、ロボット取り引きも含め、
1000分の1秒単位で、取り引きを繰り返している。
また非公式の統計によっても、一般投資家の95%は、
損をしているという。
私の周辺だけでも、金融資産を、10分の1どころか、100分の1
に減らしてしまった人もいる。
何人かいる。

「95%」という数字は、辛らつに解釈するなら、
「資産の95%を失った」とも読める。
だからその友人には、結論として、こう言った。

「もし貴君が今、利益を出しているなら、さっさと債権(bonds)を売り、
現金で資産を保有しておいたほうがいい」と。
「もっと儲かる……」と思っていると、結局は大損をする。と。

今朝は、国際経済論で、(「論」と言えるほど、おおげさなものではないが)、
1日が始まった。
おはようございます。

12月13日(2011)、火曜日。

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●経済記事

 経済記事というのは、本当にむずかしい。
専門用語が多いこともさることながら、それぞれの利害関係が複雑にからみあっている。
さきほども、Bloombergの記事を読んでみた。
そこには、こうあった。

『欧州の銀行は監督当局が求める資本基準を満たすために政府の支援に頼れば、支援した政府の国債がさらに下落し、保有債で一段の評価損が発生するという悪循環に直面している』(Bloomberg)と。

 数度読み返してみたが、それでも意味がよくわからない。

 が、つまりこういうことらしい。

 イタリアやスペイン、ポルトガルやギリシャの銀行は、現在、資本増強を強いられている。
つまり「もっと現金(マネー)をもち、体力を強化しろ」と。
が、そんな現金、どこにもない。
経済は低迷し、失業率も高い。
だれも預金をしてくれない。
そこで新株発行(=借金の申し込み)ということになる。
なるが、新株を発行しても、(=民衆に借金を申し込んでも)、だれも応じてくれそうにない。
そこで最後の頼みの綱は、政府ということになる。
政府に現金(マネー)を借りる。

 が、ここで大きなジレンマにぶつかる。

 政府に頼れば頼るほど、その政府もまたほかの国から、現金(マネー)を借りてこなければならない。
それが国債ということになる。
政府は国債を発行し、現金(マネー)を手に入れる。
(「国債」というのは、このばあい、「借用証書」ということになる。)

 が、借りれば借りるほど、国債の価値はさがる。
その国債を大量にかかえている銀行にしてみれば、国債の価値がさがればさがるほど、そこで多額の含み損をかかえることになる。

 つまり現金(マネー)は、クルクルと宙を回っているだけ。
……というのが、ここでいう「悪循環」という意味らしい。
ナルホドと思うと同時に、「そんなこともあるのか!」と驚く。
この世界、本当に複雑。
利害関係が、ごちゃごちゃにからみあっている。

●相手はプロ

 ……ということで、今朝の私の頭の中は、(経済一色)。
相場の動きに一喜一憂している人には申し訳ないが、まるで将棋の名勝負を観覧しているようなおもしろさがある。
(最近は囲碁のほうに、関心が向きつつあるが……。)
あちこちから情報を集め、つぎの一手を予想する。
もちろん油断は禁物。
突然、「角」が斜めに飛んできて、いきなり「王手!」と来るときもある。

 だからこそ、余計にこう思う。
「素人には勝ち目はない」と。

 ……そう言えば、若いころ、こんなことがあった。

 私はあるプロの人と、将棋の手合わせをさせてもらったことがある。
が、結構いい勝負になった。
私はプロの人の真剣なまなざしを肌で感じながら、こう思った。
「私も、結構、やるじゃないか」と。

 が、結局、私が負けた。
負けたとき、相手のプロの人は、こう言った。
「先日、私の父が死にましてね。90歳でした。
で、あなたをちょうど90手で負かしてやろうと考えました。
あなたをその90手で負かすことができました」と。

 つまり私は、もてあそばれただけ。

 ……といっても、こういう話は、将棋の世界ではよく耳にする。
たとえば相手の「玉」(=下位にある先手の「王」)を、将棋盤の中央で詰みにするとか、など。
プロの人が、アマチュアを相手にするときは、よくそんなことをするらしい。

 で、こういうときは、傍観するにかぎる。
へたに手を出すと、大やけどをする。
相手は、私やあなたが考えているほど、甘チャンではない。
これは株や債権の話。
2011/12/13朝記


Hiroshi Hayashi+++++++Dec.2011++++++はやし浩司・林浩司

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