2012年7月26日木曜日

At Tokyu Harvest Club

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子育て最前線の育児論byはやし浩司   2012年 8月 1日
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メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!

【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【東急・ハーヴェストクラブ浜名湖にて】 はやし浩司 2012-06―02



Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

今日は、6月2日。
土曜日。
奥浜名湖にある、東急・ハーヴェストクラブ浜名湖(ホテル)へ、やってきた。
会員制のホテル。
が、会員でなくても、一般客として、私たちでも利用できる。
建物は全体に35年前風……といった感じで、廊下も狭く、天井も低い。
東急が開発した別荘地(東急リゾートタウン)の一角にある。

環境は、Aクラス。
すばらしい。
部屋も改装を繰り返しているようで、古さを感ずることはない。
風呂からの景色も、悪くない。
料金に照らし合わせるなら、星は4つの★★★★。
今回は、朝夕、バイキングコースというのを選んだ。
あとは、料理しだい。

それから土曜日の夜は、ロビーでコンサートが開かれる。
今夜はギターとバイオリン演奏。
ギタリストは、HASE。
地元の演奏家という。
オリジナルのCDも何枚か発売している。
午後8時30分からということなので、ビデオカメラに、その様子を収める。
楽しみ。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●東急リゾートタウン

 リゾートタウンといっても、ここを自宅にし、仕事に通っている人も多い。
管理人の男性に聞いたら、約150世帯の人が、住人として暮らしているという。
「近くの三ヶ日町で仕事をしている人が多いです」と。
 
 着くとすぐワイフと2人で、あたりを散歩してみた。
6月の、冷たさを含んだ初夏の潮風が、気持ちよかった。
海の香りがプンと鼻を突いた。

ぐるりと一周して、30~40分ほど。
ワイフが、「オーストラリアへ来たみたい」と何度も言った。
アメリカで見る家々ほど大きくはない。
二回りほどスケールダウンした感じ。
それが東急リゾートタウン。

 日本というよりは、外国風。
どこから見ても、外国風。
やわらかな曲線を描いた道路の間に、別荘風の家々が並んでいる。
ゆるい山坂。
芝生の庭。
新芽が美しい。

伊豆半島へ行けば、こうした別荘地は随所にある。
が、浜松市では、ここだけ。
浜名湖・東急リゾートタウン。

●30年前

 30年前は、このあたりへよく来た。
東急がリゾート地開発を始めたころのこと。
別荘地として、土地が売りに出された。
購入するかどうか、迷った。
迷うたびに、ここへやってきた。

 当時の日本は、高度成長期。
何もかもが輝いていた。
活気があった。
どの人の顔も、自信にあふれていた。
もちろん価格も、月ごとに変わった。
その前月に2500万円だった土地が、翌月には3000万円になったりした。
が、それでも文句を言う人はいなかった。

が、契約する一歩手前までいったが、やめた。
やめて、現在の山荘にした。
山荘だったら、同じ価格で、10倍以上の広さの土地を買うことができた。
が、今にして思えば、こういうところにすればよかったかな、と。
別荘というのは、管理がたいへん。
管理を怠ると、すぐ雑草に覆われてしまう。

 それに売るのもたいへん。
そのときはそこまで気が回らなかった。
いつか不要になったとき、売却しなければならない。
こうしたリゾート地の別荘は、売りやすい。
山の中の一軒家は、売りにくい。

(現在、山荘を売りに出している。
興味のある方は、以下を見てほしい。)

http://bwhayashi6.ninja-web.net/

●止まった時計

 このリゾート地にかぎらず、25年前、日本の時計は止まった。
以来、止まったまま。
バブル経済がはじけ、日本の「失われた10年」は、「20年」になった。
この先、「30年」になるとさえ言われている。

 このホテルにしても、当時は、よく食事にやってきた。
が、今も、当時のまま。
全体に古くなった感じはする。

 本来ならこの地域一帯に、さらに瀟洒(しょうしゃ)な別荘が建ち並んでいてもおかしくない。
目の下のハーバーには、大型ヨットが並んでいてもおかしくない。
しかしそれはない。
大型ヨットにしても、むしろ数はぐんと減った。
湖上に浮かんでいるのは、小型のボート、2隻だけ。
土曜日というのに、出ていくボートはない。
戻ってくるボートもない。

 「繁栄」という女神は、韓国、中国、東南アジア各国へと散っていった。
今、ここに見る「繁栄」は、その残りかすのようなもの。
見栄っ張りで、虚栄心の強い日本政府は、相も変わらず虚勢を張っている。
借金に借金を重ね、見栄えだけはよくしている。
かっこうだけは、つけている。
が、虚勢は虚勢。
そんなものは、いつまでもつづくはずはない。
こういうホテルに泊まってみると、それがよくわかる。

 書き忘れたが、このリゾート地にしても、売り家が目立つ。
白アリにやられたのか、ベランダも朽ち果て、ボロボロになった家も少なくない。

●ミニ・コンサート

 夕食後、ロビーでミニ・コンサートを楽しんだ。
「ビデオに撮っていいですか」と聞くと、HASE氏は、快く承諾してくれた。
HASE氏というのは、「ハセ氏」。
コンサートで演奏するギタリスト。

「並みのギタリストではない」と。

最初の数分聞いただけで、それがわかった。
それに苦労人。
演奏し始めるとすぐ、汗で額が光った。

●夕食

 話は前後するが、夕食はバイキング料理。
大満足!
料金が料金だから、それほど期待していなかった(失礼!)。
が、それが大まちがい。
あの料理で文句をつける人はいない。
一品、一品に、料理人のやる気を感じた。
たとえば鰻の蒲焼にしても、ひとつずつ押し寿司風になっていた。
それだけ10個も食べれば、うな重一杯分くらいにはなる。

 レストランの高級感があり、雰囲気もよかった。
夕食は、もちろん星5つの、★★★★★。
近くに、同じようなホテルがいくつかあるが、料理に関しては、その中でも群を抜いている。

 ただし私たち老人組は、食べ過ぎないように。
隣りのテーブルの客は、大皿に大盛りの料理を、何皿もたいらげていた。
年齢は、70歳くらいだった。
いくらおいしくても、あれでは健康を害する。

●満足度

 客というのは、いつも料金と内容を見比べる。
そのとき、(料金)>(内容)を感ずると、とたんに、不平、不満が多くなる。
(料金)<(内容)を感ずると、相乗効果が起きる。
同じ料理を食べても、「おいしい」となる。

 が、今夜は、先のミニ・コンサートだけでも、私は大満足。
あれだけのコンサートは、市内の劇場でもなかなか聞けない。
チケット代にしても、5000円以下というのは、まずない。
それを10人足らずの少人数で聞く。
つまり、もったいない。
そう思ったとたん、満足度は数倍になる。

 ……ところで、この浜名湖周辺には、いくつかのホテルがある。
気軽に泊まれるホテルとしては、浜名湖かんざんじ荘、奥浜名国民宿舎などがある。
カリアック浜名湖、浜名湖ロイヤルホテルもよい。
もうひとつ上のクラスといえば、ウェルシーズンホテルがある。
さらに……というか、最高級ホテルと言えば、ホテル九重(ここのえ)。
その九重には、この6月に、ワイフの誕生日をかね、1泊することになっている。

 安心して泊まれるのは、浜名湖かんざんじ荘。
清潔度で選ぶなら、奥浜名湖国民宿舎。
静かさで選ぶなら、カリアック・浜名湖。
浜名湖ロイヤルホテルもよいが、静岡県でも集客力ナンバーワンとか。
活気のあるホテルだが、その分、いつも混雑している。

 ウェルシーズン浜名湖は、静岡県下でも最大級の温泉を擁している。
温泉巡りするだけでも、楽しい。
九重の上のクラスと言えば、掛川にある「葛城・北の丸」ということになる。
(北の丸には泊まったことがない。
「いつか、冥土のみやげに泊まろう」と、ワイフと言いあっている。)

●ぼたんインコのPippi

 ぼたんインコが我が家へ来て、ちょうど1か月目になる。
生後、2か月ということになる。
そのPippiが、数日前から、飛び始めた。
利口なのには、驚く。
毎日何かのことで、驚く。
で、今日は、こんなことがあった。

 いつも私はPippiと、二階にある書斎へ行く。
今朝もPippiを抱きながら、階段を上がろうとした。
そのときのこと。
Pippiga突然、飛びあがった。
「アッ」と思っていると、そのまま階段の最上段に。
私が階段を上がっていくのを、こちらを向いて、待っていた。

 Pippiは、先回りして、階段の上に行ったことになる。
私は手を差し出しながら、その上にPippiを乗せ、書斎へ入った。
「こいつは本当に鳥なのか」と、私は何度も驚いた。

●トラウマ

 『コザクラ・ボタンインコ』(誠文堂・新光社)に、こんな興味ある話が載っている。
Pippiを飼うようになってから、書店で買い求めた本である。

何でもインコの中には、店で売りに出される前に、心に傷を負ったのもいるそうだ。
「ヘエ~」と思いながら、その部分を読んだ。
その部分を、そのまま紹介する。
これを読んだら、「たかがペット」という、あなたの先入観は吹っ飛んでしまうはず。

++++++++++以下、「コザクラ・ボタンインコ」より+++++++++++

……ショップで販売されていたヒナは、親から引き離され不安の中で輸送されます。
そのときに大きな音や衝撃を受けたり、慣れない環境で、身体を知らない人に握られるなどの恐怖体験で、トラウマになることがあります。

自家繁殖のばあいも、ふご(=飼育かごのこと)に入れたヒナたちを転んだ拍子に落としてしまい、そのときの目の前にいた人を見ていたヒナ1羽だけが、成長になっても、転んでヒナを落とした人にはよく慣れたのに、落とされたとき、目の前にいた人だけを怖がり、慣れなかったという話もります。
このことから、幼鳥期の恐怖体験はトラウマになることがわかります。(以上、P27)

++++++++++以上、「コザクラ・ボタンインコ」より+++++++++++

 この部分を読んだとき、私は、こう思った。
「これはとんでもない動物を飼うことになったぞ」と。
イヌやネコの話ではない。
ぼたんインコの話である。
そのインコが、「トラウマになることがある」(本文)と。

 トラウマだぞ! 
鳥を飼ったことがある人ならみな、知っている。
ヒナと言えば、目と皮だけの、グロテスクな顔つきをしている。
そのヒナが、そのように傷つく。
その傷のつき方が、人間そっくり。
しかもそのとき、人間の顔を記憶し、以後、その人に対して恐怖心を覚えるようになる、と。

 「たかがペット」と考えてはいけない。
それがぼたんインコ。

●午前4時起き

 午後10時ごろ、就寝。
ぐっすり眠って、今、時刻は、午前4時。
こうしたホテルでは、いつものこと。
いつも今ごろ目が覚める。
ホテルでは、いつもそうだ。

 今日は6月3日、日曜日。

●幼児期前期

 人間の子どもが、ドラ息子、ドラ息子になるのは、幼児期前期(エリクソン)と考えてよい。
幼児期後期には、その症状が現れ始める。
親には、それがわからないかもしれない。
しかし私には、わかる。

 妙におとなをなめきった様子。
ぜいたくで、わがまま。
生意気。
それなりに頭はよいが、静かな指導になじまない、など。

 あとはお決まり悪循環。
小学生になるころには、やがて手がつけられなくなる。

 幼児期前期は、「自律期」と位置づけられている(エリクソン)。
この時期に、幼児は、自ら律するということを学ぶ。
が、この時期に、飽食とぜいたく、わがままが通用する環境で甘やかされると、子どもは、そのあとドラ息子、ドラ娘になる。
自分で規律することができなくなる。
子どものしつけで、もっとも重要な時期と考えてよい。

 が、今度は、幼児期後期(満4・5歳前後)に入ると、「自立期」へと入る。
人格の核(コア)形成も始まる。
その子らしさが、でき始める。
この時期に入ると、修正がたいへんむずかしくなる。
その子どもを(変える)ためには、(環境)を変えなければならない。
しかし親の育児方法を含め、家庭環境を変えるのは、容易なことではない。
そういう意味で、ドラ息子、ドラ娘は、「環境病」のひとつと考えてよい。

●ドラ息子、ドラ娘

 子どもがドラ息子、ドラ娘になれば、苦労するのは、結局は、その子ども自身ということになる。
それだけの生活レベルが、将来にわたって、維持できればよい。
そうでなければ、そうでない。
その(ひずみ)が、その子ども(人)の、心をゆがめる。
そういうことも多い。

 だから……ということで、幼児期は、(とくに0~4・5歳)までは、子どもは質素に育てるのがよい。
親がぜいたくをするとしても、子どもを巻き込んではいけない。
規律ある生活を大切にする。
YES・NOのはっきりした、メリハリのある生活に心がける。

●家庭教育の崩壊

 話は戻るが、『コザクラ・ボタンインコ』を読んだとき、私は「しまった!」と思った。
その本の中には、こうあった。
「生後3か月くらいは、カゴの中で育てること。
そうでないと、部屋そのものを自分の縄張りと思うようになり、やがて手がつけられなくなる」と。

 つまりインコは、カゴの中で生活をしなくなる、と。
そこで無理にカゴに押し込めようとすると、今度は、インコは人間を「敵」と思うようになる。
人間に対して、攻撃的な姿勢を見せるようになることもあるという。

 (インコのくちばしの力には、相当のものがある。
耳たぶくらいなら、くちばしで、引きちぎってしまうという。念のため。)

 人間のドラ息子、ドラ娘も同じ。
へたに頭から押さえつけると、それに猛反発するようになる。
子どもを自由に育てることはよいことだが、その(自由)をはきちがえると、手がつかられなくなる。
小学3~4年生ごろまでは、まだ体も小さく、母親の力でも指導ができる。
が、その時期を過ぎると、親子の立場が逆転する。
子どもが「主人」で、親が「従者」になる。
家庭教育は、そのまま崩壊する。

 が、Pippiは、すでに家の中でほぼ、放し飼いになっている。
カゴに戻そうとすると、猛烈に抵抗する。
だから「しまった!」と。
頭のよい鳥だけに、飼育が、たいへんむずかしい。

 『コザクラ・ボタンインコ』を読んで、別の心で、そんなことを考えた。

●BW公開教室

 この7月から、BW教室の無料公開を停止する。
まぐまぐプレミアム(有料電子マガジン)の読者だけに、公開する。
理由がある。

 BW教室のほうでは、私は月謝をもらい、子どもたちを指導している。
その月謝を払ってくれる親たちに、申し訳ない。
毎回、遠くから通ってきてくれる。
そういう子どもたちが有料で、家でYOUTUBEを使い学習する子どもたちが無料というのは、おかしい。
以前から、ワイフがそう言っていた。

 それで有料にすることにした。
現在は月額300円(+15円の消費税)。
心ある人は、どうか、まぐまぐプレミアムを購読してほしい。
申し込み方法は、以下のアドレスより。

 よろしくお願いします。

http://bwopenclass.ninja-web.net/

●昨夜

 そう言えば、こんなことがあった。

 昨夜遅く、ワイフが裏庭に入ったとたん、そこに黒い人影を見たという。
家に戻り、「あなたじゃない?」と聞いたので、「ぼくじゃない」と答えた。
息子は、居間でパソコンをいじっていた。

瞬間、「空き巣?」と思ったが、ワイフが「見まちがいかしら?」と言った。
それでそのままになった。
若いころなら、そこらにある棒か何かをもって、外へ飛び出したのだが……。

こういう世相だから、何かにつけ、物騒。
気をつけたほうがよい。

●両極端

 話はぐんと政治的になる。
まず生活保護費。
現在、この制度が悪用され、それが必要でない人にまで、多額の生活保護費が支払われているという。
働いて稼ぐ給料より多いということで、わざと慢性病の診断書を医院で書いてもらい、それをもとに、不正受給している人も多いという。

 これを一方の話とするなら、他方、こんな話も伝わってきている。

 現在、資格や許認可に守られた既得権益者が、巷では想像もつかないような補助金や助成金を受けている。
ハンパな額ではない。
先日も、ある知人が、30万円近いノートパソコンをもっていた。
P社製の、高級パソコンである。
「いいのもっていますね?」と声をかけると、すかさずこう教えてくれた。
「補助金でね……」と。

 そうでなくても、年収が5000万円を超えている人である。
そんな人に、補助金?
そういう人にしてみれば、30万円の補助金など、ポケットマネーのようなもの。
30万円のノートパソコンなど、おもちゃにもならない。
つまり今、この日本では、これら2つの(両極端~が、同時進行の形で、一般の人たちの生活を圧迫している。
重税に苦しんでいる。
あえいでいる。

 が、こんなことをつづけていれば、早晩、日本の国家経済は破綻する。
精神的レベルから破綻する。
まじめに働く人たちが、バカ臭さを覚えたら、おしまい。
というか、私自身、そのバカ臭さを覚えることが多くなった。

 ウソだと思うなら、一度、あの新東名(第二東名)を車で走ってみればよい。
ノー天気なマスコミは、「これで東名の交通渋滞が解消されます」とはしゃいでいる。
またそういうふうに伝えるのが、「報道」のあるべき姿と思い込んでいる。

 まさに、贅(ぜい)の上に贅を重ねた、超豪華な道路。
今の日本に、あれほどまでの道路が必要なのか?
これからの維持費はどうするのか?
30兆円以上にもなった借金を、どうやって返済していくのか?

 もし日本中の10%の人が、国債を現金に交換したら、その時点で日本の国家経済は破綻する。
5%でもよい。
理由は簡単。
金庫の中には、1円も残っていない。

 こんな状態で、貧しい人たちは、生活保護費を不正受給する。
既得権益者の人たちは、さらに補助金を受け、優雅な生活を楽しんでいる。
そのはざまで、コツコツと働いている一般労働者たちは、バカ臭さを覚えている。

●ギリシャ

 話が飛ぶようで恐縮だが、ギリシャ問題。
EUのみならず、世界経済は、ギリシャ問題に翻弄されている。
が、ギリシャだけではない。
先週に入って、さらにクローズアップされてきたのが、スペイン。

 一般労働者たちは、極貧の生活を強いられている。
ならば、緊縮予算を受け入れ、EU本部から資金を注入してもらったほうがよい。
……とだれしも考える。
ギリシャにしても、EUから離脱すれば、国家経済は破綻すると言われている。

 が、そうはいかないところに、……というか、その裏でがんばっている人たちがいる。
公務員と呼ばれる人たちである。
この人たちにとっては、国家破綻など、何でもない。
どうということもない。
戦後直後の日本を思い浮かべてみれば、よい。
私は文部省のことしか知らないが、敗戦と同時に、クビになった文部官僚は1人もいない。
仮に国家破綻しても、公務員だけは、職場と給料が守られる。
ギリシャにしても、そうだろう。

 EUの指導を受け入れ、クビを切られるなら、公務員の身分のまま国家破綻したほうがよい。
公務員の人たちなら、そう考える。
それがギリシャのみならず、他の国々でも、極左勢力となり、緊縮予算の受け入れを拒んでいる。
が、それはそのまま日本の近未来像と考えてよい。

●1000兆円

 国の借金が、1000兆円!
……とは言うが、こんな額を信ずる人は、いない。
これに地方自治体の借金を加えたら、その倍近くになるのでは?
あの旧国鉄だけでも、解体されるとき、17兆円の借金を残している(当時)。
そのあと25兆円にふくらんだという話を聞いたことがあるが、そこまで。
先に書いた道路公団だけでも、30兆円以上。
そうした金額を積み重ねていったら、どうなる?

 日本の国家経済が破綻するのは、可能性の問題ではない。
時間の問題。
しかも先延ばしにすればするほど、傷口も深くなる。
が、そのときも、まっさきに犠牲になるのは、一般庶民。
一般労働者。
で、そのとき。
現在のギリシャと同じ状況が、この日本でも繰り返される。
緊縮予算を受け入れるか、どうか。
その選択を迫られる。

 が、中には、こんな公務員の人もいるかもしれない。
「日本の未来を考えるなら、公務員のクビ切りもやむをえない。私のクビを真っ先に切ってください」と。
しかしそういう公務員が、どれだけいるか?
すでにあの大阪市では、給料の減額に対して、「憲法違反」を盾に、橋下市長を訴える動きも出ている。
懲戒免職、つまりよほどの悪事を働かないかぎり、公務員の人たちは、クビになることはない。
これを「既得権」と言わずして、何という。

 が、一般の人たちがもつ忍耐にも、限度がある。
バカ臭さが、(怒り)に変わったとき、この日本は、精神的レベルから破綻する。
 
●橋下イズム

 最後のあがき。
それが「橋下現象」。
私はそう見ている。

 今、より多くの人たちが、バカ臭さを覚え始めている。
そういう人たちが、「おかしい?」と感じ始めている。
それが(怒り)に変わり、橋下市長を、裏から支えている。

 言うなれば、これは一般民衆と行政の、最後の戦いということになる。
勝つか、負けるか。
それで日本の命運は決まる。

 ……とは言っても、1500年もつづいた官僚制度をここで是正するのは、むずかしい。
不可能と考えてよい。
それにすら気づいていない人が、あまりにも多い。
今、現在ですら、橋下市長は、役人たちの猛烈な反撃にさらされている。
面従腹背という反撃である。
やがて大阪市政は、マヒする。
今回、橋下市長が、大飯原発の再稼働に同意したのもその一つ。
橋下市長は、早々と「敗北宣言」なるものを出した。
この先、こうした事例が積み重なるようにつづく。
ある程度使い回されたあと、ボロボロになって、政界から消される。

 表面的には、橋下イズムvs民主党という構図になっている。
しかしその本質は、橋下イズムvs官僚と考えたほうがわかりやすい。
つまり全国の市長が、それぞれの自治体で橋下イズムを支えないかぎり、橋下イズムに勝ち目はない。
と、同時に、日本の国家経済は、官僚制度だけが温存されたまま、崩壊する。

●ショートする脳みそ

 昨日(6月1日)、アメリカの株価は、大暴落した。
(NYダウ・275ドル安。)
で、気になって、あちこちのニュースサイトを見ると、Bloombergには、こうあった。
「5月米雇用統計:非農業雇用者6・9万人増ー失業率8・2%に上昇」

 この一文を目でかすめたとたん、脳みその中で、火花が飛び散った。
脳みそがショートした。

「雇用者が、6・9万人増えた……しかし失業率が8・2%に上昇した」?

 雇用者が増えたのに、失業率が上昇した?
「雇用者」というのは、「被雇用者」のことか?

 で、もう少し詳しく記事を読んでみた。

『6月1日(ブルームバーグ):米国の雇用市場は予想以上のペースで減速してきた。
雇用者の伸びは4、5月連続して10万人を下回った。
失業率も市場予想に反して上昇に転じた。労働市場の回復に陰りが生じている。

米労働省が1日に発表した5月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比6万9000人増。
ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値(15万人増)の半分以下の伸びにとどまった。
4月も7万7000人増と、速報値の11万5000人増から大きく下方修正された。
家計調査に基づく失業率は8・2%と、前月の8・1%から上昇した』(以上、Bloomberg)と。

 やはり見出しに、まちがいはなかった。
雇用者が増えたにもかかわらず、失業率が高くなった。
常識で考えれば、雇用者が増えれば、失業率は下がるはず。
が、失業率があがった。
で、さらに常識で考えれば、雇用者は増えたが、その一方で、クビになった人が、それ以上に増えた。
そういうことになる。
経済の世界では、無数の統計と数字が複雑に入り組んでいる。
数字だけ見て記事を読んでいると、ときとして、頭の中が混乱する。

 が、気になったのは、最後の部分。
同じくBloombergには、こうある。

『失業者に加え、経済悪化でパートタイム就労を余儀なくされている労働者や、職探しをあきらめた人などを含む広義の失業率は、14・8%と、前月の14・5%から上昇した』(同)と。

●恐怖

 政治の話は、ここまで。

 「自分は、だれにも必要とされていない」「自分は、だれにも愛されていない」と。
それを知るのは、恐怖。
大恐怖。
それ以上の恐怖は、ない。

 あのイエスキリストですら、いつも弟子たちにこう聞いていたという。
「あなたは私を愛しているか」(説話)と。

 ここに表れている「14・8%」というのは、そういう数字をいう。
アメリカでは、(日本でもそうだが)、正規雇用とパートタイムの間では、医療保険の分野でも、天と地ほどの開きがある。
そういう人たちの心情を思いやると、ツンとした緊張感が走る。
まさに明日は我が身……というより、まさに我が身。
現在の我が身。

 人も60歳を過ぎると、用なし。
65歳を過ぎると、ゴミ。
70歳を過ぎると、有害物。
2チャンネルなどの中では、老人は、「匹」単位で呼ばれている。
必要とされていないのは、しかたない。
しかし愛されていないのは、つらい。

 だからがんばる。
ふんばる。
しかしそれもやがて限界にくる。
限界にきて、あきらめる。

 私たちは自分の人生を、何のために生きてきたのか……と、そこまで考えてしまう。
失業し、苦しんでいる人も、ただの数字でしかない。
が、こんな残酷な話はない。
経済記事を読みながら、こんなことまで考える人は少ない。

しかし今朝の私は、そんなことまで考えた。

●かぶせもの

 奥歯のかぶせもの(専門用語は知らない)が、はずれた。
が、昨日は金曜日。
しかも30年来通っていた歯科医院が、閉院になった。
しかたないので、瞬間接着剤をつけ、それを歯にかぶせた。

 が、左右、まちがえてかぶせてしまった。
「しまった!」と思ってはずそうとしたが、びくとも動かない。

ア~ア!

 歯のかみ合わせが悪くなった。
その部分が、カチャカチャと当たる。
さらに悪いことに、瞬間接着剤の注意書きには、こうあった。

「有機リン~~を使用しています。口の中では使用しないでください」と。

 ワイフがそれを読み、「だから歯医者さんへ行きなさいと行ったでしょ」と。
が、私はこう考えた。

 「どうせあと10年、もてばいい。10年もすれば、寿命」と。

 このところ、何かにつけ、そう考えることが多くなった。
ものの考え方が、ニヒルになってきた。
前向きというより、後ろ向き。
自分では前に進みたいのだが、見えない糸が、後ろから自分を引っ張る。
言うなれば前の敵と戦いながら、同時に後ろの敵とも戦う。
そうでなくても、体力、気力ともに、衰えてきている。
前の敵と戦うだけで、精一杯。
そのため生き様が、どうしても投げやりになる。
「もう、どうでもいいや」と。

 かみ合わなくなった歯をカチャカチャと鳴らしながら、そう思った。
「もう、どうでもいいや」と。

●猪鼻湖(いのはなこ)

 朝の光がカーテン越しに部屋の中に入ってきた。
窓のカーテンをあげると、浜名湖の北端、猪鼻湖(いのはなこ)が、目に飛び込んできた。
薄曇り。

 一時は農薬被害で、魚が消えたと言われた。
が、昨日見ると、小魚が泳いでいた。
小さなヤドカリも、いっぱい、いた。
「魚が戻ってきた」と、私は思った。
ワイフもそう思ったらしい。
「あら、ちゃんと魚がいるわ」と。

●東急ハーベェスト・クラブ浜名湖

 ここはクラブ制のホテル。
現在3年という年限つきのクラブ会員権を発売している。
募集価格は、163万円。
(入会金が63万円、預託金が100万円。預託金は、3年後に変換される。)
 
 会員になると、1部屋(3~4人)を、1万3000円前後で借りられる。
食費などは別。
詳しくは、0120-024-177へ問い合わせてみたらよい。

 が、これについて、私はこう思う。
歳を取ったら、こうした固定支出は、できるだけ避けたほうがよい、と。
できるだけ、身軽にしておく。
寝たきりになっても、銀行から会員料だけが自動的に引き落とされていくというのは、危険なことでもある。

 それよりもいろいろな場所へ遊びに行った方がよい(?)。
これはあくまでも個人的な意見だが、そのほうがボケ防止にもなる。
人によって、考え方は様ざまだろうが……。

 ……もうすぐ、午前6時。
入浴ができる。
ワイフも起きてきた。
Good Morning!
今日もがんばろう!

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 HASE 浜名湖ハーヴェストホテル はやし浩司 東急リゾートタウン)


Hiroshi Hayashi+++++++June. 2012++++++はやし浩司・林浩司

●就寝に失敗して……(6月4日の深夜)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

今朝(6月3日)は、午前4時起き。
昼すぎに、昼寝。
これが1時間ほど。
が、夕食後にもう一度。
今度は、うたた寝。
これも1時間ほど。

で、午後10時ごろワイフといっしょに床に入った。
が、頭が冴えて、眠られない。
30分ほどがんばってみたが、ギブアップ。
こういうときは、自然体。
成り行きに任せる。
眠くなったら、寝る。

起きあがり、そのまま書斎へ。
……今、その書斎にいる。

先ほど、ホームページの更新を終えたところ。
現在時刻は、0時05分。
6月4日になったばかり。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●老後の生きがい

 先ほどふとんの中で、あれこれ考えた。
そのひとつ。
「老後の生きがい」。

 まだ人生が終わったわけではない。
その実感は、まったく、ない。
つまり「終わった」という実感はない。
若いころは、老人というのは、そういうものと思っていた。
みな、それなりの準備をしているもの、と。
「それなり」というのは、「死への覚悟」をいう。

が、それはまちがいだった。
自分が、この年齢になって、それがわかった。

 多少、色あせているかもしれないが、青い空は青い。
若葉の緑は、緑。
若いころと、何も変わっていない。
「死への覚悟」など、どこにもない。
むしろ、ほしいのは、「生きがい」。
他人に感謝されるという、「生きがい」。
自分は独りぼっちではないという、「生きがい」。
それに向かってがんばることのできる、「生きがい」。

 どんな小さなものでもよい。
その「生きがい」が、ほしい。

●老後の統合性

 が、「生きがい」などといったものは、向こうからはやってこない。
自分で作るもの。
用意するもの。
が、一朝一夕には、できない。
10年単位の年月をかけ、その下地を作る。
用意する。
それが老後になり、花となって咲く。

 エリクソンは、それを「老後の統合性」と呼んだ。
それについては、何度も書いた。
が、その私ですら、それをつかみきれないでいる。
それがそこにあるのだが、正体を見せない。
ぼんやりと、まるで煙のよう。
輪郭さえ、よくわからない。

●怒り

 統合性と関係があるのか、ないのか?
それはわからないが、夕食のとき、ワイフにこう言った。

「歳を取ると、人間が円(まる)くなるというのは、ウソだね。
むしろ怒りが強くなる。
ぼくなんか、とくにそうで、怒りを感じなかったら、文章が書けない」と。

 そう、ものを書くには、(怒り)が必要。
(怒り)が、ものを書く原動力になる。
が、これに対して、別の心が、即座に顔を出し、私にこうささやく。

「あのなア~、もうお前の人生は、それほど長くないよ。
怒ってばかりいないで、平凡の中に身を沈めたらどうか」と。
つまり、もうあきらめたらどうか、と。

●路上コンサート

 私は負け犬。
英語で言えば、「Loser(ルーザー)」。
よくわかっている。
が、負け犬には、負け犬なりの、締めくくり方がある。
その締めくくり方をどうするか。
それをこのところ、それをよく考える。
考えるが、いつも堂々巡り。

 「まだ何とかなる」「もうどうしようもない」と。
この2つが、交互に顔を出し、出しては消える。

 そう言えば、昨日、あるギタリストに会った。
年齢は40歳代という。
会ったといっても、2、3言、言葉を交わしただけ。
で、ホームページを出しているというので、先ほど、そのギタリストのをのぞいてみた。

 そこには、こうあった。

○月○日……浜松駅前で、路上コンサート
○月○日……浜松駅前で、路上コンサート
○月○日……浜松駅前で、路上コンサート
○月○日……浜松駅前で、路上コンサート、と。

 ほとんど毎晩、浜松駅前で、路上コンサートをしているらしい。
かなりの実力をもっている。
並の演奏家ではない。
が、そんな人物でも、路上コンサート?

 が、考えてみれば、私も毎晩、路上コンサートをしているようなもの。
その演奏家のホームページを読んだとき、恐ろしいほどの共鳴感を覚えた。

 その演奏家もそうだろう。
私もそうだ。
で、だれかが私たちにこう言ったとする。
「いくらがんばっても、どうにもならないよ。
一生、路上コンサートだよ。
だったら、あきらめたら」と。

 が、私たちはあきらめない。
路上コンサートを棄(す)てない。
棄てたら、おしまい。
私が私でなくなってしまう。

●ささやかな希望

 が、悪いことばかりではない。
少し前だが、愛知県犬山市に住む女性(当時40歳くらい)が、こんなメールをくれた。
内容は記憶によるものなので、正確ではない。

「いつか、私が林さん(=私)の年齢になったら、もう一度、林さんの書いた文書を読み直してみます。
私が50歳になったら、林さんが50歳のときに書いた文章を。
55歳になったら、林さんが55歳のときに書いた文章を」と。

 そのときは、「ああ、そう?」で終わってしまった。
が、それが年とともに、私の胸の中で、大きくふくらんできた。
「たとえ1人でも、そういう人がいるなら、がんばって書こう」と。

 つまり、私というより、1人の人間の記録。
その記録が、何らかの形で、この先、老後を迎える人たちの役に立つかもしれない。
ささやかな、本当にささやかな希望だが、そこに私は自分の「生きがい」を感じた。

●デジタル一眼カメラ

 夜中にひとりで原稿を書いていると、どうしても湿っぽくなる。
暗くなる。

 ……先ほど息子が帰ってきた。
裏の家の玄関を開ける音がした。
昼ごろ出かけた。
「今日はみんなと、バーベキューを食べる」と言っていた。

 ふと気分が和らぐ。
ホーッと息が抜ける。
が、どういうわけか、そのときデジタルカメラが頭に浮かんだ。
今、ねらっているのは、オリンパスのPEN LITE。
デジタルの一眼カメラ。
今までのデジタルカメラで撮った写真とは、ひと味もふた味もちがった写真が撮れるそうだ。
カタログに載っている写真を見ても、それがよくわかる。

ネットショップでは、ホワイトカラーが、4万3000円前後の価格になっている。
レッドカラーが、3万7000円前後。(ともにダブルズームセット付き。)
同じ機種なのに、色(カラー)によって、価格がちがう。

 ……こうしたモノには、不思議な力がある。
見ているだけで、心が安まる。
脳の中で、条件反射運動が起きているためらしい。
視床下部の命令で分泌されたドーパミンが、線条体にできた受容体を満たす。
そのとき脳内で甘い陶酔感が生まれる。

 不正確な記事ではいけない。
以前、それについて調べた原稿がどこかにあるはず。
それを探してみる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●物欲のメカニズム

++++++++++++++++

子どもの物欲を満たすのは、慎重に。
それに慣れた子どもは、さらに強い
刺激を求めて、やがて物欲の奴隷に
なる。

子どもの心をモノで釣るようなことは
してはいけない。

++++++++++++++++

●物欲

孫の誠司を、あちこちに連れていってみて、驚いた。
ショッピングセンターにも連れて行った。
みやげもの屋にも連れて行った。
コンビニにも連れて行った。
もちろんおもちゃ屋にも、連れて行った。
しかしどこへ連れて行っても、モノをほしがらない。

ただその場で、手に取ってみるだけ。
「ほしい」とか、「買って」とか、言わない。
で、私のほうが、「買ってあげようか?」と声をかけるのだが、
だまっているだけ。
つまり、そういう習慣そのものが、ない。
まったく、ない!
日本の子どもなら、「あれ、買って!」「これ、買って!」と言いそうな
場面でも、そういうことは、いっさい、口にしない。

●育て方の問題

 これは息子の影響というより、嫁のデニーズの影響と思われる。
何回か、デニーズと誠司の買い物に、同行したことがある。
そういうときでも、デニーズと誠司は、そういう会話をいっさい、しない。
「必要なものは買う。しかしそれ以外のものは、いっさい買わない」と。
そういう姿勢が徹底している。
つまり先にも書いたように、そういう習慣そのものが、ない。

そういう一例だけをみて、こう判断するのも危険なことかもしれない。
しかし『物欲というのは、習慣によって作られる』。

 が、この日本では、モノで子どもの心を買うという習慣が、日常化している。
子どものほしがるものを先に予想して、それを買い与える親は少なくない。
またそれをすることによって、親子の絆(きずな)は太くなると考える。

しかし実際には、逆効果。
感謝されるとしても、一時的。
つぎに今度は、子どものほうから、それを請求してくるようになる。
が、それですまない。

物欲というのは、それを満たせば満たすほど、エスカレートする。
脳の中では、つぎのようなメカニズムが働くためと考えてよい。

●条件反射行動

 何か目新しいものを見たとき、脳の中で、「ほしい」という欲求が生まれる。
(このときすでに条件反射行動(=条件づけ反応)が起きているとみる。)
視床下部あたりから脳に向かって、強力なシグナルが送られる。
それに応じて、ドーパミン(ホルモン)が放出される。
そのドーパミンが、線条体を刺激する。

「この刺激は強烈で、このとき線条体は、『目的達成に向けた行動を起こせ』というメッセージを受けとる。
この刺激は強力で、意志の力だけでこの衝動を克服するのは、非常に難しい」(K・ローットワイラー・オゼッリほか、「サイエンス」)という。

喫煙者がタバコの煙をかいだり、アルコール依存症の人が、酒の臭いをかいだときと同じような現象が、脳の中で起こる。

とたん、子どもは(おとなも)、そのモノを強烈にほしがるようになる。
それはふつうの反応ではない。
ふつうでないことは、たとえばタバコをやめられない人や、酒をやめられない人のことを考えてみればよい。

 しかしこのとき、ドーパミンの働きを打ち消そうという働きも、同時に発生する。
これを大脳生理学の世界では、「フィードバック」と呼んでいる。
つまり、感覚がマヒしてくる。
マヒしてくるから、つぎのときは、さらに強い刺激を求めるようになる。

(実際には、「薬物依存患者などは、線条体に見られる(D2ドーパミン受容体)の数が少ないのがふつう。
……これはおそらく、麻薬などを何度も摂取するたびに繰りかえされるドーパミンの急増を、脳が何らかの形で相殺しようとしているのだろう」(同、K・ローットワイラー・オゼッリほか)とのこと。)

こうして物欲は、かぎりなくエスカレートしていく。

 だから、子どもにモノを買い与えるのは、最小限にしたほうがよい。
できれば、そういう習慣は、やめたほうがよい。

わかりやすく言えば、一度、物欲にとらわれた子ども(人)は、それを断ち切るのは容易なことではない。
ばあいによっては、物欲の奴隷となる。
ちょうど喫煙者がタバコの奴隷になり、アルコール依存症の人が、アルコールの奴隷になるように、だ。

だから、先にも書いたように、モノを買い与えても、感謝するのはそのときだけ、ということになる。

が、さらに恐ろしいことは、つぎのステップで起こる。

 こうした欲望の奴隷になった子ども(人)は、それが満たされないとわかると、パニック状態になる。
狂乱状態になることもある。

ときどきショッピングセンターなどで、「あれ、買ってエ!」と、泣き叫ぶ子どもを見かけるが、それもその一例ということになる。

「実際には逆効果」というのは、そういう意味である。

●物欲社会

 で、だからといって誠司が理想的というわけではない。
現代という社会は、物欲を中心になりたっている。
その物欲が、経済活動の原動力にもなっている。

もし現代という社会で、物欲を否定してしまったら、社会そのものが、崩壊してしまう。
子ども(人)の立場でいうなら、社会そのものに同化できなくなってしまう。

「欲しい」という意欲があるからこそ、そこから勤労意欲が生まれる。
だから「ある程度は・・・」ということになる。
ある程度の物欲は必要だし、そのための教育(?)も必要ということになる。
が、あくまでも「ある程度」。
その「程度」を超えたとき、その子どもは、かぎりなくドラ息子化する。

結果として、結局は苦労するのは、その子ども自身ということになる。

それだけは、注意したほうがよい。

(補記)

ドーパミン……快楽追求行動を調整している神経伝達物質
条件づけ反応……報酬と喜びに関連する脳の刺激に対する反応。これによって
       条件づけ反応が生じ、その環境に身を置いただけで、反応が起こる
       ようになる(以上、日経「サイエンス」07-12、p54) 

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Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●買い物依存症

 私の脳の中には、そういったメカニズムができている。
買い物症候群と同じメカニズム。

 ウィキペディア百科事典の中では、「買い物依存症」として紹介されている。
「精神疾患」のひとつだそうだ。
そのまま紹介させてもらう。

『買い物依存症(かいものいそんしょう、かいものいぞんしょう)とは精神疾患の一つであり自身にとって不必要、あるいはすでに同様の物を所持しているにも関わらず、大多数の物品を購入してしまうという症状。
買い物依存症の主な原因としてはストレスが挙げられており、イライラしたり不機嫌になる毎に、デパートなどに行き買い物をし、物質的に満たされるという快楽を得ることで心を癒している。

比較的女性の方が買い物依存症に陥る傾向が高い。
対して男性の場合は同様のストレス解消の手段としてギャンブルを行っており、その症状はギャンブル依存症と呼ばれている。

自己顕示欲の強い人に多く見られる症状であり、自身の経済力を省みずにブランド品や高級品を購入してしまいカード破産やローン破産に陥ってしまったという事例も存在する。

最近ではインターネットによる通信販売が普及した事により、支払能力が無く親の金を利用する学生やひきこもりが買い物依存症となる例も存在する』(以上、ウィキペディア百科事典)と。

●私のばあい

 私は、ギャンブルはしない。
しかし「物質的に満たされるという快楽」というのは、よく理解できる。
欲しかったものを手に入れたときの安堵感というのは、たしかにある。
ただ、この中で、ひとつ書き忘れていることがある。

 たとえばカメラだが、完成されたものには、完成されたものの美しさがある。
その美しさを見ていると、心が安まる。
買い物依存症というと、意味もなく同じものをほしがる……というように考えられがち。
が、私のようなケースも少なくないはず。
精緻なカメラには、それがある。
完成された美しさ。

 さらに言えば、「それを使って、美しい写真を撮ってみたい」という願望もある。
だから「同様の物を所持しているにも関わらず、大多数の物品を購入してしまう」(同)ということはない。

 で、もうひとつ付け足すと、こうなる。

 私は子どものころから、金属製のものを指先でいじっているのが好き。
これについても、いろいろな説明がなされている。
指先からの刺激により、脳内にある種のホルモンが分泌される。
モルヒネ系のホルモンと考えると、わかりやすい。
それが脳内を甘い陶酔感で満たす。
子どものモノいじり(毛布の切れ端や、ボタン、貝殻など)も、そのひとつと考えられている。

●見るだけで満足

 が、ブレーキをかけられないわけではない。
私のばあい、それがほしいと思い、店へ行く。
現金をてにもって行く。
ほとんど買うつもりで、家を出る。
そのときのこと。

それを見たり、いじったりしているだけで、満足感を覚えてしまう。
そういう私が、ワイフには不思議に見えるらしい。
あとになって、「どうして買わなかったの?」と、よく聞く。

 理由のひとつに、子どものころ、家が貧しかったということがある。
(どこの家も貧しかったが……。)
いつの間にか、見るだけで満足する……という習慣を身につけてしまった。
が、こんな男性もいる。

●原動力

 詳しくは知らないが、今度、TOYOTAから、スポーツカーが発売になった。
何でも、ものすごい性能らしい。
その車を知り合いの男性が買った。
買ったといっても、納車は3か月先の秋ごろとか。
ほとんど毎日、その店に行って、その車をながめている。

 その気持ち、ヨ~ク、わかる。
そういうときというのが、いちばん、ハッピー。
物欲には、そういう力もある。
つまり(生きる力)の原動力にもなる。

●就寝

 先ほど、熟睡剤を、半分のんだ。
それが効いてきたらしい。
あくびが、連続して出始めた。

 そろそろ就寝のとき。
時刻は、午前2時。

 では、今日は、ここまで。
どうということにない、平凡な1日だった。
2012/06/04


Hiroshi Hayashi+++++++June. 2012++++++はやし浩司・林浩司


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【BW教室から】(紹介:カルワン 浜松市大工町・エスニックレストラン)

●年長児クラス……数の大小について



●小4児クラス……植木算など。




【おまけ】

 友人が経営するエスニック・レストランを紹介します。
インド・パキスタン料理を食べさせてくれます。



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【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

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