2011年10月20日木曜日

*Money is Everything for the Japanese?

【1】日本のお人よし外交(日韓経済戦争・10月19日の巻)

●「正義」のない、拝金主義

+++++++++++++++++++++++++

日本の総理が、あろうことか、
ノコノコと韓国まで、自ら出かけ、
韓国救済の申し出をしてきた。
どうして?
どうして、日本が、韓国へ?
どうして、韓国側に一度は、頭をさげさせないのか?

ついでに、もうひとつ。
どうして「ノコノコ」なのか、この原稿を読んでもらえば、
あなたも納得するはず。

+++++++++++++++++++++++++

●お人よし外交

 日本は、どうしてこうまでお人よしなのか。
ブレイン・レスなのか。
外交音痴なのか。

現在韓国は、外貨不足、ウォン安、個人負債の増加で、にっちもさっちも立ち行かなくなっている。
今年度末までに返却しなければならない債務(借金)が、4000億ドル(中央日報)※。
「外貨準備高が世界~位になった」とはしゃいでいるが、大半は有価証券。
一般家庭債務も、「63兆円を越えた」(朝鮮日報)。
 
中身はボロボロ。
4000億ドルだぞ。
63兆円だぞ!
(韓国政府の大本営発表には、じゅうぶん、気をつけたほうがよい。
これらの数字とて、韓国政府が発表したもの。
じゅうぶん疑ってみたほうがよい。)

 日本の経済規模になおすと、つまり人口比に換算すると、4000億ドルx2.5=1兆ドル。
100兆円。
63兆円は、63x2・5=160兆円。
国も、国民も、そんな金(マネー)、返せるはずがない!

 おまけに8月1日以後、韓国からは外資がどんどんと逃げ出している。
当然、ウォンを売って、アメリカ・ドルや日本・円を買うから、ウォン安。
ドル不足、円不足……。

一家にたとえるなら、「借金の返済ばかりで、現金(ドル)がナ~イ!」。
そういう状態。

●スワップ協定

中国とのスワップ協定は、この11月に切れる。
が、中国は、どうも再スワップ協定に応ずる気配がない。
そこで韓国は、日本に触手を伸ばしてきた。
「日本なら、ニコニコ笑って応ずるだろう」と。

 日本経済新聞は、つぎのように伝える。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

 『……通貨スワップ(交換)協定については現行の130億ドル(1兆円)を700億ドルに増やすことで合意した。
2012年10月末までの臨時措置。欧州の債務危機で金融市場が不安定になっていることを受け、外貨不足に備えた安全網を手厚くする。

 日本政府と韓国銀行の間で300億ドルのドル融通枠を新設。
日銀と韓国銀行が現在結んでいる円・ウォンのスワップ協定も30億ドルから300億ドルに増額する。
既存の危機対応のドル融通枠の100億ドルと合わせ、総額は計700億ドルとなる。

 10月に入り、韓国ウォンが対ドルで急落するなど、韓国の金融市場の動揺が目立っていた。
協定に基づいて韓国側が要求すれば、日本は米ドルや日本円をウォンと引き換えに渡す。
逆に日本が日本円と引き換えに米ドルやウォンの供給を求めることもできる。

 供給された外貨は外国為替市場で自国通貨を買い支えるための介入資金や外国との貿易の支払いに使われる……』(以上、日本経済新聞・10月19日)と。

 ロイターもつぎのように伝えている。

『……このところ、韓国から投資資金を引き揚げる動きが強まりウォンが急落、韓国内では中堅・中小企業などで外貨の調達難が生じ、日韓貿易にも間接的に影響が出始めている。
欧州発金融不安の余波を東アジアも受けつつあるなか、日本の通貨当局としては通貨交換の拡充・強化で東アジア域内経済への影響の軽減を図りたい考えだ』と。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●スワップ協定

 スワップ協定というのは、たいへんわかりやすく言えば、「お金、貸します」という約束。
もう少し具体的には、「困ったときには、韓国・ウォンを、日本円で買ってあげますよ」と。

この約束(=協定)によって、仮に韓国・ウォンが紙くずになっても、日本は、韓国・ウォンを買い支えなければならなくなる。
一見、相互に平等に見える協定だが、中身は、一方的なもの。
日本が、「円を買ってください」と韓国に頼むようなケースは、現状ではありえない。
日本には、ありあまる(ドル)がある。
つまりこれほど、不平等な協定はない。
一方的に、韓国を救済するための協定!

 そんなことが、どうして日本政府にわからないのか。
だから、「ノコノコ」。

●わかりやすく言うと……

 理由があるとすれば、今、ここで韓国がデフォルト(債務超過=ドル不足)に陥れば、日本の金融機関が、莫大な損失を被ることになる。
貸し倒れになる。
もう少しわかりやすく説明しよう。

 隣の金さん(=韓国)は、見た目には派手。
「儲かった、儲かった」とはしゃいでいる。
しかし実際には、利益はほとんど、残らない。
それもそのはず。
借金の額も、莫大。
利息分だけで、利益は消えてしまう。
国全体が、ワーキングプアの状態。

 が、この経済危機。
近所でも羽振りのよいの米(アメリカ)太郎(=アメリカ)さんは、金さんへ貸した金を勝手にどんどんと持ち出し始めた(=資金の引き上げ)。
金さんの金庫番は、米太郎さん(=韓国の銀行は、ほとんどがアメリカ資本下にある)。
米太郎さんは、お金(ドル)を金さんの家から、自由に持ち出せる。

 困った金さんは、日雄さん(=日本)に助けを求めてきた。
「現金(ドル)が不足したら、どうか貸してください」と。
日雄さんも、金さんには、ものすごい金額の現金(ドル)を貸しつけている。
もし金さんが、自己破産でもしたら、その金(ドル)が、返ってこなくなる。
焦げついてしまう。

 金さんは、ずるい。
「金を貸してくれ」と言いながら、実は、日雄さんを、内々では、こう言って脅している。
「うちが自己破産したら、あなただって、ただではすまないよ」と。

 そこで日雄さんは、金さんとこんな約束(協定)をかわした。

日「わかりました。万が一のときは、あなたの家にある、絵(ウォン)を買ってあげましょう。700億ドルでは、どうですか」
韓「それはありがたい」と。

ウォンが紙くずになる前に、買い支えてやる、と。
それがスワップ協定である。

●韓国と北朝鮮

 韓国と北朝鮮は、精神構造が同じ。
自分たちは、「ちがう」と思っているかもしれないが、同じ。

 北朝鮮は、同じ手法で韓国を脅迫しつづけている。
「ソウルを火の海にしてやる。戦争をするのがいやだったら、経済援助(食糧援助)をしろ」と。

 北朝鮮が韓国に戦争をしかければ、当然、北朝鮮も、滅亡する。
それはわかっている。
しかし韓国としては、たとえ勝敗が最初から決まっていても、戦争は困る。

 同じように韓国は、日本を脅迫しつづけている。
「韓国が破綻すれば、日本だって、ただではすまないぞ」と。
つまり「損をするのがいやだったら、俺たちを助けろ」と。

●逃げるアメリカ、穴埋めをする日本

 IMFは、韓国は数か月以内に、デフォルトする可能性があると警告している。
韓国政府は、それを否定するのに躍起なっているが、内情は火の車。
それについては、先に書いたとおり。

 で、アメリカ資本が逃げ始めた。
中国資本も逃げ始めた。
そこへ割って入ったのが、日本。
おバカ日本。
お人よし日本。

「現行の130億ドル(1兆円)を、700億ドルに増やす」と。

 だから97年末~98年初頭のあのデフォルト(実際には回避できたので、韓国では「経済危機」と呼んでいる)のときから、私はこう書いてきた。
「韓国に深入りしてはいけない」と。
あのときも、日本政府は、頼まれもしないうちから、総額500億ドルという現金をかき集め、韓国を救済した。
アメリカの反対を押し切っての、救済である。

 その結果、韓国はどうなったか?
日本に感謝したか?
「ありがとう」の一言でも言ったか。
むしろ事実は、逆。
「日本のせいで、こうなった」と逆恨み。
日本が直接貸した110億ドルも、うち半分が、未返還のままという。

●「ありがとう」の一言もない

 今に至るまで、竹島問題、日本海の呼称問題などなど、どれをとっても、「反日、反日」の大合唱。
日本が安保理の理事国入りをめざしたときには、韓国政府は、各国に特使まで送り込み、それを阻止した。
で、最近は、慰安婦問題。
在韓日本大使館前に、慰安婦の慰霊塔建設問題。

 おバカなオバちゃんたちは、そういう外交問題があるのを知ってか知らずか、韓流スターの尻を追いかけている。
ニューズウィーク誌は、「韓流バブル」という言葉すら、使っている。

 テレビでは、毎日、韓国製の洗脳番組が流されている。
オバちゃんたちには、ハングルが読めないらしい。
現在、韓国の各地には、「ここから竹島(独島)まで、~~キロ」という立て札が、あちこちに立っている。

●日本よ、引きあげろ

 日本よ、韓国から手を抜け。
足を抜け。
資金を引きあげろ。
もっと戦略的に行動しろ。
どうしてこんな簡単なことが、わからないのか。

 仮に韓国の経済力が増大し、日本と韓国の立場が逆転したら、日本に明日はないぞ。
韓国の仏国寺へ行ってみろ。
いまだに秀吉の朝鮮出兵を、恨んでいる。
それが韓国。

●最後のババ

 隣国だから、仲よくしたい。
それはわかる。
しかし何も、日本のほうから頭をさげてまで、韓国詣でをする必要はない。
立場が、逆。
借金するほうが、威張っている。
(北朝鮮も同じ。援助を受けるほうが、威張っている。)

 恐らく私の推察によれば、その裏でアメリカが動いている。
アメリカが日本を動かした。
「韓国を救済しろ」と。
つまり最後のババを、引け、と。

●今後のこと

 今回のスワップ協定は、2012年10月末までの「臨時措置」という。
(実質的には、2013年の3月まで。後述。)
期限を設けたのは、賢い。
もしそれまでに韓国が、目に余る反日行動を見せたら、「それ以後、更新しない」と脅せばよい。
が、見方を変えれば、日本の金融機関、投資機関に与えられた猶予期間は、1年。
たったの1年。
みんな、今のうちに、逃げろ!
「また日本政府が何とかする」と思っているとした、甘い。

 韓国には、北朝鮮問題がある。
その北朝鮮。
ミサイル発射実験と核兵器実験を準備しているという。
小競り合いが、戦争につながる可能性もある。
もしそうなれば、万事休す。
浜岡という地震断層の上に原子力発電所があるのと同じくらい、現在の韓国にお金(ドル)を貸すのは、バカげている。
日本の未来、つまり現在の子どもたちの未来を考えるなら、なおさら。

●1967年 

 私は1967年の夏、UNESCOの交換学生として韓国に渡った(第二回日韓UNESCO交換学生)。
その当時、まだ日韓の間に正式の国交はなかった。
だからその人物が、どういう人物だったか、覚えていない。
が、私は「領事」と呼ばれる人から、こう聞いた。

 日本の全額援助で、韓国政府は、ソウルの北に、ダムを建設した。
当初、そのダムの入り口に、「このダムは日本の援助で建設された」という文言を書いた記念碑を建てる約束だったという。
が、建設が完成し、祝典に呼ばれたが、その記念碑はなかった。
韓国という国は、基本的には、今もそのまま。

 今回、こうしてスワップ不平等協定を結んでも、彼らは何も感謝しない。
そういう「事実」すら、韓国国内では伝えられないだろう。
(そのあたりの精神構造も、北朝鮮と同じ。)
だからいつまでたっても、反日感情は収まらない。

 ……だから私はいつも、こう書いている。
救済するにしても、一度は、頭をさげさせろ、と。
それを韓国国民にわかる形で、示せ、と。
こんなことは、当然のことではないか。

 ともあれ、救済する側が、ノコノコと韓国へ出かけて行く。
笑顔であいさつを交わす。
大国意識、丸出し。

 野田政権というのは、うわさどおりの内閣なのか。
経済がどういうものか、まったくわかっていない(?)。
もしそうなら、そんな内閣に、日本の外交を任せておくことはできない。
もう少し様子を見てから、このつづきを書いてみたい。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

【参考】

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

先週、書いた原稿の一部を再掲載する。

(注※)

 ……中身はボロボロ。
『韓国の対外債務、4000億ドルに迫り、過去最高額を相次いで更新している』(中央日報・11年09月)と。
一般家庭債務も、「63兆円を越えた」(朝鮮日報)と。
4000億ドルだぞ!
63兆円だぞ!

 これに対して、韓国政府は、「各家庭の純資産も、その程度あるから心配ない」と、繰り返し応戦している。
が、その中身といえば、住宅バブル。
バブル資産。
そこへ来て、今回の大恐慌。
世界の新興国からの資金引きあげ。
韓国もそのひとつ。

今日のレートでみると、1ドルが、1155ウォン(10月18日)。
3・11大震災のあと、「このとき」とばかり、ウォン安に舵を切った。
徹底した輸出攻勢で、この日本に取って替わろうとした。
が、それが裏目に出た。

 モノを売りたくても、売り先の国々の経済が収縮してしまった。
韓国政府は、「外貨準備もじゅうぶん」と豪語しているが、大半は現金ではなく、有価証券。
(外国からの借金)ですら、(投資)に組み入れてしまう国である。
数字のインチキは、し放題。

先ごろ野村證券は、「韓国はアジアの中でももっとも通貨の安定した国」(東亞日報)という経済報告書を発表した※。
が、その報告書を書いたのは、野村證券の社員だが、韓国人。
野村證券にしても、今ここで韓国がこけたらたいへんなことになる。
先に書いた4000億ドルにしても、その大半がジャパン・マネー。
週刊文春誌の記事をそのまま紹介させてもらう。

(注※)「野村證券の首席エコノミスト、クォン・ヨンソン氏は27日の記者懇談会で、「ファンダメンタルの側面から見たとき、韓国はアジアで通貨危機発生の可能性が最も低い」と主張した(東亞日報・9月27日)。


Hiroshi Hayashi+++++++OCT. 2011++++++はやし浩司・林浩司

●教室で……

 ときどき1時間ほどの、空き時間がある。
たいてい雑誌やカタログを読んで過ごす。
頭を休めるには、カタログがよい。
今も、そのカタログに目を通していた。
SONYの「VIO Z」。
VIOシリーズの中では、最薄。
カタログには、厚さ16・7ミリ。
最薄部で、何と、9ミリ以下!

 ノートパソコンは、薄ければ薄いほど、よい。
もう10年前になるだろうか。
私はTOSHIBA製の、超薄型パソコンを買った。
軽く、持ち運びも楽だった。
しかし買った直後から、故障つづき。
それにすぐ本体が熱くなり、手のひらを置くこともできなかった。

 しかし私は、そのパソコンが好きだった。
いつももって歩いた。
そのときの感触が忘れられない。
だからノートパソコンについては、薄型が発売になるたびに、それに乗り換えてきた。
で、今度は、VIO・Z。

【2】優越感

●数学者

 いつとは書けないが、少し前、「数学者」と呼ばれる人と、話したことがある。
その数学者。
どこかの大学で教授をしているということだった。
そのため頭の回転だけは、やたらとよい(?)。

 しかしどこか、へん。
おかしい。
が、私がここに書きたいことはそのことではない。

●知的優越感

 それぞれの分野には、それぞれ、すぐれた人がいる。
専門、職種を問わない。
その個人について言えば、得意、不得意がある。
しかしこと数学に関していうなら、数学者のもつ「知的優越感」には、並外れたものがある。
「数学ができる人間は、天才(=人間)。できない人間は、バカ(=人間にあらず)」と。

それが鼻持ちならないほど、極端。
それがありありと、よくわかる。
だから、へん。
おかしい。
もちろんみながみな、そうというわけではない。
しかし数学者と呼ばれる人には、そういう人が目立つ。

 どうしてだろう?

●子どもの世界でも

 こうした現象は、進学高校と呼ばれている高校へ通っている子どもにも、見られる。
「勉強がよくできる」ということを、「優秀」と誤解している。
「自分は優秀」と思うのは、その人の勝手。
が、返す刀で、相手を下に見る。

 たとえばこんな人。
テレビで何かの講演をしていた。
その中でのこと。
相手のキャスターが何かをとちった。
その瞬間、その講演者は、すかさず、そのキャスターにこう言った。

「君! 子どものころ、算数は、何点だったの?」と。

親、とくに母親にも、ときどき、同じような現象をみることがある。
都会の有名大学を出たような母親である。
上下意識が強く、相手の価値を出身大学で判断する。

 どうしてだろう?
どうして数学者に、このタイプの人間が多いのだろう。

●数学の特性

 数学という分野は、ほかの分野(国語や社会、英語)とちがい、(できる・できない)が、はっきりとしている。
それが目立つ。
得点差も大きく、出る。

 これは私自身の経験だが、私は中学生のとき、数学と理科が得意だった。
その私は、自分が勉強ができるとは、思っていなかった。
しかしこうは思った。
「どうして、みな、こんな簡単な問題ができないのだろう」と。

 数学ができる人は、当たり前のように、それができる。
当たり前のようにできるから、できない人がいるということが信じられない。
その(信じられない)部分が増幅したのが、「優越感」ということになる。

 数学ができる人は、この「優越感」をもちやすい?

●優越感

 優越感ほど、錯覚と誤解によるものはない。
よい例が、「大学出」。
私が子どものころには、まだ、「大学出」という言葉が残っていた。
「大学を出た人」という意味である。

 この大学出。
それはそれで結構なことだが、退職し、70歳になっても、80歳になっても、大学出を鼻にかけている人は少なくない。

 母が生前通っていた、老人ホームでのこと。
その男性は、慶応大学を出たあと、ドイツの大学に留学したこともあるという。
当時、ドイツの大学に留学したということは、かなりのエリートとみてよい。
年齢は、85歳くらいだったか?
 
 いつもグループのいちばん後ろの席で、ふんぞりかえって座っていた。
みなが体操したり、ゲームをしたりしているときも、その輪の中には入らなかった。
が、おもしろかったのは、その話し方。

 ケアセンターの職員が、お茶を渡したりすると、こう言った。
「無礼者!」と。
私が「おもしろい人ですね」と言うと、その職員は笑っていた。

 みながみな、そうなるということではない。
しかし「優越感」を振りかざす人ほど、俗性を失う。

●人間関係は、すべて数学で……

 つまり優越感というのは、「他人を見下す」という点で、自尊心とはちがう。
自己評価能力が高いとも言わない。
つまり、「優越バカ」。
子どもの世界で、それを見ると、よくわかる。

 こと数学に関して言えば、いろいろなタイプの子どもがいる。
瞬時に、数桁掛ける数桁の掛け算をやってしまう子ども。
10~20桁の数字を、やはり瞬時に暗記してしまう子ども。
能力というよりは、「こだわり」。

 たとえば高校生でも、三角関数の微分、積分のような問題を、瞬時に解いてしまう子どもがいる。
神業に近い。
しかし私はそういう子どもを、「頭のいい子ども」とは、思わない。
ほかの部分で、常識に欠けるというか、ふつうでない部分ばかりがよく目立つ。
たとえばボサボサ頭で、いつも臭いとか、など。

 昔、私にこう言った男子高校生がいた。
「先生、人間関係は、すべて数学で成り立っています。
未来も、過去も、すべて数学で証明できます」と。

 頭だけは鋭い。
しかし言っていることが、へん。
その子どもはやがて国立大学の医学部へと進学していったが、「それでいいのかなあ?」と。そういう疑問だけは、いつまでも残った。
(今でも、残っている。
というのも、その子どもは浜松市に戻ってきて、今、市内で、開業医として仕事をしている。)

●頭のよい子

 その一方で、ジェネラルな(=総合的な)意味で、「頭のいい子」というのは、いる。
しかし数学が得意とはかぎらない。
それについてはまた別の機会に書くとして、これだけは確実に言える。

 「数学がよくできるからといって、頭のいい子ということにはならない」と。
もっと言えば、「勉強がよくできるからといって、頭のいい子ということにはならない」と。
「高学歴だから、頭がいい人ということにはならない」でもよい。

 数学バカ、勉強バカ、学歴バカと呼ばれる子どもは、いくらでもいる。
勉強しかしない。
勉強しかできない。
頭の中は、偏差値だらけ。
本当に頭のよい子どもというのは、四方八方に触覚が伸びていて、相手の心を包むように、相手を理解する。

 話していても、ほっとするような温もりを覚える。

●移植

 繰り返すが、もちろん数学者、数学が得意な子どもが、みなそうというわけではない。
もちろん本当に頭のよい子どもというのも、いる。
またそういう子どものほうが、多い。

 しかしあの「受験戦争」を経験すると、たいていみな、おかしくなる。
おかしくなったとは気がつかないまま、おかしくなる。
もちろん親も気がつかない。
そのひとつが、優越感ということになる。
その反対の、劣等感でもよい。
つまり勝てば(?)、優越感。
敗れれば(?)、劣等感。

 さらにおかしなことに、親に、その優越感や劣等感が移植されることもある。
概して言えば、子どもと一体性の強い母親に、そうした現象が多く見られる。
「うちの子は優秀だ。だから私も優秀だ」と。

●結論

 結論として、言えること。
人間に優劣はない。
あるはずもない。
もちろん上下もない。
あるはずもない。

 仮に数学が得意であるとしても、それは能力の一部。
それがすべてではない。
……というひとつの例として、数学者をあげた。
数学の得意な子どもをあげた。
どうか、誤解のないように。

●10月20日

 昨夜、【1】「日韓経済戦争」と、【2】「優越感」についての原稿を書いた。
一気に書いた。
この「一気」というところが、私にとっては、大切。
それから得られる爽快感が、楽しい。

 とくに【1】の日韓経済戦争については、(怒り)を爆発させた。
97、8年ごろから書いてきたことを、この原稿に集約した。
日本は、繰り返し、同じ「愚」を犯している。
今回も、そのひとつ。

 が、ある人は、こう言った。
私といっしょに、1967年に韓国へ渡った、交換学生の1人である。

「林君、韓国では、政治と経済が2つに分かれている」と。
つまり政治の世界では、反日。
経済の世界では、親日。

 が、こうした精神的なダブル構造は、私もよく知っている。
それについては、テグ大学での経験として、文に書いたことがある。
ネット上で、さがしてみる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●日本が嫌い?(以下、2008年9月28日に書いた原稿より)

++++++++++++++++

韓国での世論調査によれば、
「もっとも嫌いな国は、日本」だ、そうだ。

++++++++++++++++

このほど韓国における、対外国感情についての世論調査が、
公表された(中央N報が創刊43周年を迎えて実施した世論調査、08年)。

それによると、

『好きな国=昨年に続いて韓国国民が最も好きな国、経済的に最も協力すべき国は「米国」だった。 最も嫌いな国、最も見習うべき国は「日本」だった』(原文)という。

『 米国に対する好感と日本に対する非好感は07年に比べて強まっている。 最も好きな国に「米国」を選んだ回答は16%から18%に、経済的に最も協力すべき国に「米国」を選んだ回答も35%から42%に高まった。

最も嫌いな国に「日本」を選んだ回答は38%から57%に高まり、最も見習うべき国を「日本」とする回答は27%から24%に減った。

最も好きな国の2-3位は「オーストラリア」(14%)、「スイス」(9%)、最も嫌いな国の2-3位は中国(13%)、北朝鮮(10%)、最も見習うべき国の2-3位は「米国」(18%)、「ドイツ」(9%)、経済的に最も協力すべき国の2-3位は「中国」(38%)、「日本」(6%)となった』(同)と。

●日本が嫌い

注目すべき点は、「最も嫌いな国に日本を選んだ回答は38%から57%に高まった」という点。
韓国民の約6割、つまり大半が「日本は嫌い」と答えている。
おおむねそんなものだろうと、私も感じている。
しかしその一方で、韓国の人たちのもつ、精神的ダブル構造。

「嫌い」ながらも、日本への「あこがれ」は強い。
この精神的ダブル構造は、40年前の昔と、ほとんど変わらない。

こんな経験がある。

 1960年代の終わり、私は、UNESCOの交換学生として、韓国に渡った。日韓の間にまだ国交のない時代で、私たちは、どこへ行っても、日本攻撃の矢面に立たされた。

 そんなある日、大邸(テグ)大学での議論を終えたあと、私は、ひとり、大邸(テグ)大学の屋上にのぼった。屋上からは、眼下に大邸の町並みが一望できた。

 そこでぼんやりとしていると、ひとりの学生が近づいてきた。私は、「こんなところでも、また議論か……!」と身構えたが、その学生は、こう言った。つい先ほどまで、私たちを、口汚く攻撃していた学生である。

 「ぼくは、日本へ留学したい。君は、何か、方法を知らないか」と。

 私は、その(落差)に驚いた。一方で、燃えるような反日感情をもちながら、その一方で、「日本に留学したい」と(?)。

 つまり、こうした調査結果は、決して、数字だけで判断してはならないということ。現に、台湾の人たちは、ことあるごとに、反日的な姿勢を示している。と、同時に、ではその韓国が、反日的かというと、そうでもない。会って話をしてみると、個人的には、みな、よい人たちばかりだ。

一方、ひとりこの日本に好意を寄せる国がある。
台湾である。

●もっとも、移民したい国は、日本!

 台湾のビジネス誌「遠見」によれば、全4質問中、「移民したい国」「立派だと思う国」「旅行したい国」の3質問で、日本がトップになったという(06年6月29日)

 調査は、台湾全土で、20歳以上、約1000人の人について、行われた。以下、その結果。

「移民したい国」   日本……32.3ポイント
米国……29.1ポイント
カナダ…26.5ポイント

「最も立派と思う国」 日本……47.5ポイント
米国……40.3ポイント
中国……15.8ポイント

 ことあるごとに、日本のアラさがしをしては、悪口を書きたてる、韓国の報道機関。最近でも、「日本の株式市場は、新興市場」(朝鮮N報)とか、「指導国家としての資質なし」(N大統領)とか、書きたてている(06年)。

●しかし、自由主義陣営の中で、日本が敵?

韓国の人たちが日本を嫌うのは勝手だが、日本は韓国なしでも生きていかれる。
しかし韓国は、日本なしでは生きていかれない。
その現実に、もっとすなおに目を向けるべきではないだろうか。

 が、何は、ともあれ、今回の「遠見」誌による調査結果には、ほっとした。「日本の近くには、そういう国もあったのだ」と、改めて思い知らされた。と、同時に、日本は、台湾のような国を大切にしなければならないと感じた。

 で、話は、ぐんと現実的になるが、パソコンの液晶モニターにしても、私は韓国製というだけで、自分の選択肢からはずしている。買うなら、日本製。どうしても……ということなら、台湾製ということにしている。

 近く、液晶テレビを買うつもりだが、それもそうだ。性能のよい日本製にしようか、値段の安い台湾製にしようか、今、迷っている。韓国製などは、もとから、眼中にない。ぜったいに、韓国製だけは、買わない。

【付記】(06年7月1日)も、朝鮮N報の記事にはこんなのがあった。
1~3番の記事は、どれも、日本がらみの記事ばかり。

(1) 韓国の家は、実は日本の家より、狭い……。
(2) 自負心調査では、日本、18位、韓国、31位……。
(3) 韓国の殺人、性犯罪、日本の約2倍……と。

 「韓国の人たちよ、もう日本のことなどかまわず、自分たちの道を行きなさい」と、私は言いたい。韓国の新聞に目を通すたびに、過関心ママに支配された子どものような心境になる。
つまり、イヤ~ナ気分!

●台湾へ向かう日本の投資

 韓国か台湾か?

当然のことながら、日本の投資は今、韓国を避け、台湾に向かっている。
こういう現実に、韓国も、少しは気がつくべきではないのか。
(以上、2008年9月28日に書いた原稿より)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

ついでにその前後(2008年9月末)に書いた原稿を、紹介する。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

● 1ドル=1224ウォン!(2008年9月30日、午前9:30記)

7000億ドルの金融安定化法案が否決された。
その動きを受けて、アメリカドルは、世界的に全面安。
各国通貨は、値をあげた。

現在日本円は、1ドル=104円。

が、ひとり韓国の通貨だけは、ウォン安。
現在韓国ウォンは、1ドル=1224ウォン!

アメリカのドルも売られているが、それ以上の勢いで、韓国ウォンが、猛烈に
売られている。
「1224」という数字は、そういう数字である。

まだはっきりとした数字は出てこないが、韓国銀行の手持ち外貨は、すでに
底をついているはず。
これ以上、為替相場に介入したら、年末の借金が返せなくなってしまう。
なすすべもない。
指をくわえて、見ているだけ。

そのため危機ラインと言われていた、1200ウォンをあっさりと、超えて
しまった。

ゆいいつの救いは、日銀が、市中へのドル資産の大放出を決めたこと(9月29日)。
韓国経済救済のためというわけではないが、これによって、韓国経済は、
何とか生き延びられるはず。
(あるいは、それも無理かも? 9月危機の結果は、今夕までにわかる。)
 (以上、2008年9月記)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●お金(マネー)すべて!

 日本の経済界も、甘えてしまっている。
国家戦略というものが、ない。
ただ「お金(マネー)が稼げればいい」と。
「万が一のときは、国が何とかしてくれる」と。

 今回も、そうだ。
日本の金融界、投資家たちは、貸し金が焦げ付くのを何よりも恐れた(?)。
野田政権に、泣きついた?
が、韓国は、それを裏から見透かしている。
「日本は、金(マネー)のためなら、平気で正義を捻じ曲げる」と。
が、こういうことばかりしているから、日本はバカにされる。
一人前になれない。

 スワップ協定は、来年の10月末までつづく。
原稿の中では、『2012年10月末までの「臨時措置」という。期限を設けたのは、賢い』と書いた。
しかし同時に、「この10月末」というところに、巧妙なワナがしかけられている。

「韓国の9月危機」という言葉があることからもわかるように、毎年、韓国では9月に「危機」がやってくる。
「10月末」ということは、つまりは、実質的に、2013年の3月、あるいは2013年の9月末までの2年間、スワップ協定の期間を延長したに等しい。
なぜ「9月末」にしなかったのか?

 今ごろ韓国の当局者たちは、こう言って笑っているにちがいない。
「まんまと、うまくやりましたな。これで日本の経済も、一蓮托生。その間に、われわれは、日本経済を叩きつぶしましょう」と。

 これは憶測でも邪推でもない。
今までの韓国の動きを観察していれば、だれにもわかる話。
もしそれを疑うなら、この原稿を機会に、あなたもこれから先、韓国がどのような動きを見せるか、よく観察してみたらよい。

 韓国は、日本に対して、ぜったいに感謝の念を示さないぞ!

 ……前にも書いたが、経済戦争というのは、サッカーの試合とはちがう。
食うか、食われるか。
負けたら最後、日本国全体が沈没する。
国籍不明の若者たちには、それがわからないかもしれない。
しかし日本全体が沈没する。
「沈没」ということは、「沈没」。

 お金(マネー)にしても、食料にしても、天(=親たち)から降ってわいてくるものと思っている若者たちには、それがわからないかもしれないが……。
(はやし浩司 2011-10-20朝記)

●【2】の数学者について

 以前、テレビに「哲学者」あるいは、「心理学者」と呼ばれる人たちが、よく出てきた。
「軍事評論家」と呼ばれる人たちでもよい。
独特の風貌と雰囲気。
見るからに、へん?
……へんだった。

 子どもの世界には、『裸の王様』という、よく知られた物語がある。
そういう点では、子どもの目は、正直。
へんなものは、へんと、すぐ見破る。
そういう子どもたちの目を通してみると、たしかに、へん。
「へん」というのは、俗世間でいう、「ふつう」ではないということ。

 私たちはおとなになるにつれて、「へん」と「ふつう」を見分ける能力を見失う。
たとえば昔、真っ白な顔をしてテレビに出てきた、おばあちゃんがいた。
あるいは、70歳を過ぎても、赤いミニスカートをはき、「うちのトーちゃんがね」と、赤ちゃん言葉を話す、オバーちゃんもいた。

 マスコミの世界では、もてはやされたが、私は「へん」と感じた。

 そこで大切なことは、何かの専門家になることは重要なことだが、その道の「バカ」になってはいけないということ。
先日亡くなったが、アメリカ人の友人(ロン・ケリー)は、いつもこう言っていた。

「ヒロシ、日本の学校では、野球部というと、毎日、野球ばかりやらせている。あれはよくない」と。

 彼は日本へ来る前、30年間、高校で音楽の教師をしていた。
で、私が、「では、アメリカではどうなのか?」と聞くと、こう話してくれた。

「アメリカの高校では、野球部でも、毎週、絵画や音楽の鑑賞会に行く。練習するのは、土曜日だが、日曜日には、しない」と。
専門バカを作らないための、ひとつのヒントとして、大切にしたい。

●さあ、今日もがんばるぞ!

 10月20日が始まった。
ふだんどおりの1日。
仕事もある。
そう言えば、昨日、どこかの週刊誌にこう書いてあった。

「老人たちが仕事を手放さないから、若者たちに仕事が回ってこない」と。

 が、この見方はまちがっている。
仕事はいくらでもある。
その気になったら、いくらでもある。
が、現代の若者たちは、頭を下げるということを知らない。
「仕事というのは、相手のほうから頭を下げて、もってくるもの」と錯覚している。
「仕事がないのは、社会の責任」(中日新聞・投書欄)と書いた女子学生もいた。

 要するに、最初からセレブな生活を前提とするから、仕事など回ってこない。
私たち老人組が、若者たちの仕事を奪っているのではない。

それにもう一言、付け加えるなら、現代の若者たちは、(たくましさ)に欠ける。
仕事がなかったら、電柱に張り紙でもして、仕事を取ってくればよい。
(私は、そうしたぞ!)
そういうことをすべて棚に上げ、「老人たちが……」は、ない。

 ちがうかな?

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Hiroshi Hayashi+++++++OCT. 2010++++++はやし浩司・林浩司

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