2011年10月10日月曜日

*Dexia

●デクシアの経営破綻



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TBS-iは、つぎのように伝える。

『ギリシャの財政危機から始まったヨーロッパの信用不安。
ついに大手金融機関の経営破綻という事態になりました。
フランスとベルギーの両政府は、経営危機に陥っている大手金融グループの「デクシア」を分割、再編することで合意しました』(以上、TBS-i)と。

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●デクシア

 「デクシア」と聞いても、よくわからない。
どういう金融機関なのか。

 そこで調べてみると、従業員、約35200人(2010年)の商業銀行ということがわかった。
本社所在地は、ベルギーのブリュッセル。

 従業員数で見るかぎり、三菱東京UFJ銀行と、ほぼ同じ。
三菱東京UFJは、34797人(2011年3月末、単体)。

 が、銀行の規模は、従業員数だけではわからない。
その国の人口、銀行数、さらにはそれぞれが別の子会社(ファイナンシャル・グループ)がいくつあるかで、決まる。

 が、従業員数は三菱東京UFJ銀行と、ほぼ同じ。
つまりそれだけのメガバンクが、破綻した。
不吉な予感というか、大恐慌の嵐がジワジワと近寄ってきたような印象をもつ。
それぞれの国で、それぞれの専門家が、目下、必死で防波堤を高くしているのだろう。
が、ギリシア問題ひとつあげても、桁が2桁も3桁もちがう。

 ギリシアがデフォルトすれば、フランス(ギリシアの第一の債権国)、ドイツ(第二の債権国)が、大きく影響を受ける。
が、イチ早く、ベルギーのデクシアが経営破綻した。
これはどういうことなのか。

 「嵐」というより、「底なしの泥沼」。
つぎにどこで何が起るか、さっぱりわからない。
リーマンショックのときのように、とんでもないところで、とんでもないことが起きる。
「デクシアがあぶない」という話にしても、ほんの数日前に聞いたばかり。
それが今朝のニュースでは、経営破綻。

 金融機関の経営破綻で恐ろしいのは、ここ。
その前日まで、何食わぬ顔をしていて、その翌日、突然、破綻する。
たいていは金曜日に急変し、月曜日に破綻する。

 もちろんデクシアだけで終わるはずがない。
問題は、それによって、日本のどこの銀行、あるいは証券会社(投資会社)が、大きな損失を被るかということ。
それによって、明日あたりから、日本の経済も大きく動くはず。
忘れてはいけない。

 日本は、ドイツ、フランスの最大債権国である。


Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●人は、見かけによらぬもの!(あるサラ金業者の取り立て屋)

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昨夜、ある人から、こんな話を聞いた。
H氏(当時63歳)。
60歳まで、N通信会社に勤めていた。
役職ゼロの退職。
そのH氏は、私には、こう言っていた。
「退職後は、(N通信会社の)子会社で、調査の仕事をしている」と。

調査というのは、電話料未払いの家庭を訪問し、
その家庭の経済状況を調べるという仕事だった。
私は、そう聞いていた。

体格のよい男性で、その年齢では珍しく、身長も
175センチを超えていた。
が、実際には、「調査」の仕事ではなかった。
「調査」+「脅迫」の仕事だった。
わかりやすく言えば、「取り立て屋」。

H氏はある人材派遣会社に属しているということだった。
ただしモグリの会社。
そこでどこかのサラ金業者の仕事を請け負ったらしい。

私「道理で、おかしいと私は思っていました」
友「どうして?」
私「だってそのときは、伊豆の長岡まで行くと言っていました」
友「……長岡……?」

私「だってそうでしょ。長岡の近くにもN通信会社の支店くらいはあるはずです。
わざわざ浜松から出かけなくても、その近くの人が調査すればいい」
友「そう言われてみれば、そうですね」
私「でしょ。それに電話料の滞納などというのは、あっても少額※です。
そんな少額のために、大のおとなが、一日ががりで、長岡まで行くでしょうか。
旅費と日当だけで、それ(滞納料金)を超えてしまいますよ」と。

(注※:N通信会社のばあい、電話料を滞納すると、1か月から2か月位で電話が止まる。
その際に、滞納してる旨のお知らせが届く。
その後も払わなければ、契約解除となり電話の権利も消滅する。)

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●注意力

 この話には、2つの問題点がある。

 ひとつは、私がその話をH氏自身から聞いたときには、H氏の話を鵜呑みにしてしまったこと。
ほんの少しだけ注意深く聞いていれば、ウソと見抜けたはず。
が、その注意力に欠けていた。

(サラ金の取り立て屋の仕事が、どうこう書いているのではない。誤解のないように!)

 つまり私の注意力も、かなりサビついてきた。
若いときなら、即座に、「そんな仕事はない」と見抜いていただろう。

●ウソつきの心理

 もうひとつの問題点は、そのH氏だが、こちらが聞いてもいないのに、自分の仕事をことこまかく説明したということ。

 心理学の世界でも、「ウソをつく人は、自ら、ことこまかく説明する」と教える。
ウソをついているという意識があるから、それをさらにごまかそうとする。
「取り立て屋」(脅迫業)をしているという、うしろめたさがあるなら、なおさら。
自らの仕事を、カバーで覆い、虚栄で飾ろうとする。

 繰り返すが、その人が、陰でどんな仕事していようが、その人の勝手。
法に触れなければ、(=被害者が出なければ)、私たちがとやかく言う必要はない。
しかし私はその話を聞いて、ここに書いたように、私にも盲点があるのを知った。
「知的盲点」と言うべきか。
その知的盲点が、加齢とともに、ますます、多くなってきた。

●では、どうすべきか

 「人を疑う」というのは、それ自体、気持ちのよいものではない。
しかし「疑う」。
加齢とともに、その訓練もしなければならない。
でないと、それこそ「なりすまし詐欺」の被害者になってしまう。

 言うなれば「疑う」というのは、昆虫の触角のようなもの。
その触角を左右に振りながら、そのつど事実を確かめる。
ノー天気な、お人好しになってはいけない。

 しかし今、私はこう思う。
「どうしてそんなウソが見抜けなかったのだろう?」と。
で、ワイフに聞いてみた。
結婚前、ワイフは、N通信会社(当時の電電公社)で働いていた。
そのワイフもこう言った。

「詳しくはわからないけど、私が働いていたころには、そんな仕事はなかったわ」と。
つまり電話料の滞納者の家を家庭訪問するという仕事は、なかった、と。

 ……一見すると、穏やかで温厚な人物に見えるH氏。
そのH氏が、別の世界では、「テメエ~」「コノヤロ~」と怒鳴り散らしていた。
本当に、人というのは、見かけだけではわからないもの。
それを改めて確認した。


Hiroshi Hayashi++++++Oct. 2011++++++はやし浩司・林浩司

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