2011年10月25日火曜日

*EconomicCrisis in EU

【もの書き論byはやし浩司】2011/10/24記

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私はしがないもの書きでござんす。
しかし一寸の虫にも五分の魂とか。
そんな私にも、誰にも譲れないものは
あるには、あるんです。
称して、
「もの書き論byはやし浩司」。

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●頭の切り替え

 昨日、ワイフがおもしろいことを言った。
「私、寝るとき、いろいろ考えていると、眠れなくなる」と。

 が、一方、私はこうしてものを書いているとき以外、ほとんどものを考えない。
寝るときはなおさらで、頭の中はカラッポ。
それまで書斎で、何を書いていたかさえ、忘れてしまうことがある。
だから横になったら、昼でも夜でも、数分から、長くても5~10分以内には、眠ってしまう。
「あなたの特技みたいね」とワイフは、よく言う。
そう、私の特技のようなもの。

●書く前

 今もそうだった。
書く前というのは、ツンとした緊張感が走る。
「さあ、書こう」と意気込み。
が、基本的にはカラッポ。

 で、おもむろにキーボードを叩き始める。
まず日付を書く。
ラインを入れる。
しばらくすると、頭の中がモヤモヤし始める
そのモヤモヤが、急速にふくらんでくる。
ときに書きたいことが、怒濤のごとく押し寄せてくる。
あとは、それを文章にし、指先で叩き出していく。

 が、それはけっして、楽な作業ではない。
書いている間は、結構、神経を使う。
重苦しい。
憂うつ。
ときにそこへ怒りが混入してくることもある。

そう(怒り)。
それを感ずることが多い。
他人に対する怒り。
自分に対する怒り。
とにかく「怒り」。

 ときに緊張感が持続できず、意識がもうろうとしてくることもある。
しかし叩き出す。
頭の中のモヤモヤを叩き出す。

●爽快感

 では、なぜ書くか?
少し前だが、こんなことを言った人がいた。
「そんなこと(=原稿を書くこと)をして、何になるの?」と。
あるいは「人間、ものごとをあまり深く考えないほうがいいよ」とも。

 私に好意をもって、そう言ったのではない。
私をさげすんで、そう言った。
だから私は、こう答えた。
「便秘のウンチみたいでね。吐き出さないと、気分が悪くなるからです」と。

 実際、その通り。
頭の中のモヤモヤを叩き出したときの爽快感には、格別なものがある。
頭の中がスッキリする。
カラッポになる。
便秘の人が、1週間分の便をドッと出したときのよう……というたとえは、あまりよくない。
わかっている。
下品。
しかしそれに近い。

●インナー・トリップ

 ものを書くことの楽しさは、それだけではない。
だれもいない原野を歩く。
未踏の原野で、そこには荒涼たる世界が広がっている。
空もあるが、光はあっても、漆黒の空。

 「インナー・トリップ」という言葉を使う人がいる。
「心の旅」という意味でそう言うらしい。
が、私は「脳の旅」という意味で、そう言う。
(あまりちがわないが……。)

 脳の中の、あちこちを旅する。
それがおもしろい。
何があるかわからない。
だから、おもしろい。
が、ものを書く楽しさは、ここから始まる。

 ……だれもいない原野を歩いていると、ときに、その下にキラリと光るものを見つけることがある。
私はそれを「宝石」と呼んでいる。
それまでだれも知らなかったもの。
だれも手を触れたことがなかったもの。
それを見つけたときの喜びは大きい。

 あとはその宝石を拾いあげ、その宝石をみがいていく。
文にする。
それが「私」ということになる。

●死後の世界を生きる

 そういう意味で、私の頭の中には、「読者」というのは、いない。
率直に言って、もう、どうでもよい。
読んでくれる人がいれば、うれしい。
いなくても、構わない。

 「ものを書いて稼ぐ」という卑しい根性は、10年以上も前に捨てた。
「読者を意識して、媚(こび)を売る」という浅ましい根性も、10年以上も前に捨てた。
それよりも重要なのは、時間。
私に残された時間は、短い。
脳みその老化も、このところ、強く感ずるようになった。

 あと5年か?
長くて10年か?
10年といっても、瞬時。
そのことは自分の過去を振り返ってみれば、わかる。
私はもうすぐ満64歳になる。
54歳から、今日までの10年は、瞬時に過ぎた。
これからの10年も、そうだろう。

その間にできるだけたくさん、「私」を叩き出していく。
どうせ死ねば、「私」はこの宇宙もろとも、消えてなくなる。
そのあと、ひょっとしたら、私が書いた文の一部でも読んでくれる人がいるかもしれない。
そのとき私は、時空を超えて、その人と心をつながる。
私にとっては、それが「死後の世界を生きる」ということになる。

●いっぱしの作家気取り?

 ……とまあ、いっぱしの作家のようなことを書いてしまった。
「何を偉そうに!」と思っている人も多いはず。
そう、「はやし浩司」などという存在は、そこらのチリよりも軽い。
自分でも、それがよくわかっている。
だから余計に、「私は私」となる。
今さら他人の目など、気にしても、どうしようもない。
どうにもならない。
私のことを奇人と思おうと、反対に奇特な人間(実際、そう言ってきた人が何人かいる)と思おうと、私の知ったことではない。

 「だれもいない原野を歩く」ということは、それをいう。
そこには、だれもいない……。

 ただし一言。

●五分の魂

 私は今まで、他人の文章をまねたり、盗作したことは一度もない。
もしそんなことをすれば、私の努力(=過去)のすべてが、水のアワ。
もしどこかで私が書いているのと似たような文に出会ったら、私ではなく、そちらの人間のほうを疑ってほしい。
名もない、チリのような物書きだが、その心意気だけは、世界の大作家にも負けない。

 ……というか、最近の育児書の中には、明らかに私の文からの流用、盗作といったものが、多い。
新聞広告の見出しを読んだだけでも、それがわかる。
そういうことが平気でできる人というのは、「文」に対する考え方が、私とは基本的な部分でちがう。
言うなれば「金儲けの道具」として、「文」を利用している。
こういう言葉はあまり使いたくないが、私はそういう人を「軽蔑する」。
心底、軽蔑する。


Hiroshi Hayashi++++++Oct. 2011++++++はやし浩司・林浩司
 
●10月25日(EUの経済危機)

 今朝は、何と、午前5時起き。
その少し前、蚊に刺されて目が覚めた。
しばらく天井を見て、おとなしくしていたが、そのまま起床。
そのまま書斎へ。

 このところ毎日の運動量をふやしている。
昨日は、ワイフと1時間、ウォーキング。
夜はサイクリング。
近く、大きな講演会がある。
怠(なま)けた脳みそでは、講演会はできない。

●EU経済危機問題

 一家にたとえるなら、こういうこと。
 
 E子さん(EU)家族には、10人の息子がいる。
E子さんの夫は、すでに他界。
E子さんには収入がない。
が、息子には、でき・ふできがある。

 いちばん年少の息子(十男=イタリア)は、のんきな性格で、ロクに働きもせず、遊んでばかりいる。
趣味は、ヨット遊び。
借金がかさみ、破産寸前。

 そこでE子さんは、長男(ドイツ)と二男(フランス)に、十男を助けるように指示。
が、長男は、こう言った。
「すでに何100万円と貸しているが、一向に返してくれない。もういやだ」と。
とくに長男が、しぶった。
長男は、そこそこの働き者で、それなりに収入もある。
E子さん家族の中では、いちばんの金持ち。
乗っている車も、ベンツ。

●二男

 二男(フランス)には、もうひとつ大きな事情がある。
二男は、三男(イタリア)にも、長男よりも多額の金を貸している。
それだけでない。
二男は三男の連帯保証人にもなっている。
三男に何かのことがあれば、二男がその責任を負わねばならない。
が、その三男と十男は、一蓮托生。
隣同士で、同じ商売をしている。

 言い忘れたが、二男は農業を営んでいる。
裕福ではないが、ブドウ畑でそこそこの収入をあげている。
三男は、二男にこう言った。
「何とかして十男を助けてやろうよ」と。

●E子さんの決断

 そこでE子さんは、十男を除く9人の息子に、1人、100万円ずつ出すように言った。
計900万円。
このお金は、何とか、集まりそう。
それをE子さんが預かり、万が一のときは、そのお金を融通しあって、たがいに助ける。
助け方は、3つある。

(1)直接的に金に困った息子を助ける。

 が、この方法のばあい、900万円では、とても足りない。
十男は何とかなるが、三男は小さいが町工場を経営している。
もし三男が破綻ということにでもなれば、その倍の2000万円くらいが必要になる。
そこでE子さんは、こう考えた。

(2)みなに倍の、200万円ずつ出させる。

 100万円で足りないなら、200万円ずつにする。
が、これには、長男が反対した。
「母さん、甘やかすのも、いいかげんにしておけ!」と。
ほかの兄弟たちも、反対した。
「そんなお金、ナ~イ!」と。

(2)E子さんが、利息の支払いの保証人になる。

 そこで第三の方法。
 
 たとえば長男や二男が、ほかの兄弟を助けるため、銀行から借金をしたようなとき、その利息分について、E子さんが保証人になる。
あるいは一部を、立て替えて払う。
こうすれば、銀行から、より多額のお金を借りることができる。
が、元本は、そのまま。

 が、銀行側は、渋った。
「お金を貸すのはいいが、元本はだれが返してくれるのか」と。

 そこでE子さんは、銀行とかけあった。
「借金を、半額に棒引きにしてほしい。もし二男が自己破産するようなことにでもなれば、あなたがには1円も返ってこないよ」と。

 が、銀行にも銀行の事情がある。
もしそんなことをすれば、信用を失う。
銀行の経営そのものが成り立たなくなる。
こうして3者(E子さん、ほかの兄弟たち、銀行)が、話し合いに入った。
「どうしよう」「どうしましょう」と。
兄弟の中には、「思い切って十男とは縁を切ろう」という意見を出す者もいた。
が、そんなことをすれば、家族の結束を誇ってきた、E家がバラバラになってしまう。

 十男(ギリシャ)が破綻すれば、三男(イタリア)もあぶない。
二男(フランス)もあぶなくなる。
こうしてE家の内部では、ああでもない、こうでもないという内部紛争(もめごと)がつづいている。
が、E家の人たちは、もうひとつ、重要なことを忘れている。

 こうした(もめごと)は、E家全体の信用をなくす。
それまでほかの兄弟たちと取り引きをしていた人たちまで、E家全体を、要注意家族として警戒するようになる。

 仮に今回の危機を何とか乗り越えたとしても、さらに大きな経済危機となって、E家を襲う。
あるいはその前に、ドカンと、全体がおかしくなる。
世界の金貸したちは、常に「先読み」をする。
「あの家、あぶないぞ」と。
そのウワサが出たら最後、E家全体が、破産する。

●国の危険度

 国の危険度は、たとえば、国債の利回りをみればわかる。
10月25日現在の、国債の利回りをみてみる。

イギリス・10年国債……2・554%
フランス・10年国債……3・300%(額面割れ)
ドイツ・10年国債 ……2・118%(額面割れ)
イタリア・10年国債……5・927%

 ギリシャ(十男)は、番外。
イタリア(三男)の利回りが、5・927%!
かなりあぶない。
あぶないから、利回りをよくしなければならない。
そうでなければ、だれも国債を買ってくれない。
それが、5・927%!

 今度の経済危機問題は、ギリシャではなく、本命はイタリア、それにつづくポルトガルということになる。

●そこで日本!

 長男と二男は、ズル賢い。
長男はその町内でも、「オオカミ」という異名をもつ。
長男は、こう言った。
「だったらさあ、あの金持ちをカモにしないか? 日本(ニチモト)の馬鹿だよ。あいつなら金を出す」と。

 二男は、即、それに応じた。
「それがいい。あいつは少しおだてれば、すぐその気になる」と。
 
 そこで長男(ドイツ)と二男(フランス)は、ニチモト家に電話をかけた。
ニチモト家は、E子さんの家族から電話がかかってきたというだけで、大喜び。
「一人前に相手にしてもらえた」と、大喜び。
二つ返事で、「何とかしましょう」と。

 ニチモ家の懐(ふところ)には、たんまりと現金(ドル)がある。
プラスみな、経済音痴。
いろいろ災難はあったようだが、ほかの国よりは、マシ。

 ……昨日(10月24日)までの動きを追ってみると、おおかたそういうことになる。

●どうなるか?

 私たちが「どうなるか?」と心配しても、どうにもならない。
日本政府(=官僚)すら、アテにならない。
国民のことなど、何も考えていない。
年金問題ひとつ取りあげても、それがわかるはず。
「いかにすれば、外国で大きな顔ができるか」と、そればかりを考えている。

 となると、私たちの仕事と資産は、(あればの話だが……)、自分で守るしかない。
が、それをここに書くのは、私の管轄外。
いちばん確実なのは、タンス預金。
しかしタンス預金にしても、どんどんと目減りしていくだけ。
そのうち菓子パン一個、300円とか500円になる。

 ただひとつ気になっているのは、3・11大震災以来、バブル経済が始まっているということ。
地域によっては、土地の価格が5~6倍になったところもあるという(新聞報道)。
何千万円という絵画が、飛ぶように売れ始めたということ(新聞報道)。
温泉地でも、1万円前後で泊まれるホテルや旅館がある一方、一泊、10万円前後のホテルや旅館がにぎわっているということ(新聞報道)。

 震災直後、日本政府(日銀)は、30兆円という金を、市中にバラまいた。
それ以後、その額が100兆円になったと報道しているところもある。
銀行はあり余る資金を、どんどんと客に貸しつけている。
それがバブルを引き起こし始めている

 何やら恐ろしいことが、この日本でも起こりつつあるようだ。
……というか、メチャメチャ。
スタグフレーション※下の、ハイパーインフレ。
私はそんな印象をもち始めている。

(注※)スタグフレーション……経済現象の一つ。stagnation(停滞)とinflation(インフレーション)の合成語。


Hiroshi Hayashi++++++Oct. 2011++++++はやし浩司・林浩司

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