2011年9月14日水曜日

●電子マガジン・見本号(9-14)byはやし浩司(疑わしきは罰する)

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9月14日




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子育て最前線の育児論byはやし浩司   2011年 9月 14日
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選ばれました!

【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●はやし浩司 2011-09-01

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はげしい雨音で、目が覚めた。
午前5時。
台風12号が、目下接近中。
その影響か。

幸い、台風は、この東海地方をはずれた。
紀伊半島方面~大阪方面に向かっているという。
(そちらの地方の方には、申し訳ないが……。)

かなり大型の台風らしい。
速度が遅いから、雨の量が心配される。
場所によっては、300ミリの雨量が予想されている。
24時間当たり、300ミリ!
それだけの雨が、ドッと下流地域に向かったら、どうなるか?

そんなことも心配になり、そのまま起きてしまった。
書斎に入った。
朝のウォーキング運動は、ワイフが起きてから。
(騒音がはげしい。)
つまり今朝は、運動、なし。
そのせいか、頭は半ば眠った状態。
ボーッとしている。

最初に見たのが、台風進路。
昨夜寝る前に見た進路と、ほとんど変化なし。
ただしやや速度があがったかな?
当初の予想では、3日の午前9時ごろ、名古屋市上空に中心部がやってくるということだ
った。
今朝、見ると、3日の午前9時には、北陸のほうへ抜けている。
被害が心配される。
……というか、このところ日本は、災難つづき。
地震も、再び、活発になってきたような感じがする。

ともあれ、今日から9月。
2011年、9月1日。
今月こそ、充実した1か月にしたい。

++++++++++++++++++++

●紫外線

 おととい、中学3年生のSG君が、目を真っ赤にして教室へやってきた。
「どうしたんだ?」と聞くと、「紫外線にやられた」と。

 話を聞くと、午後1時ごろから3時ごろまで、野外でテニスをしたという。
日差しの強い1日だった。

私「今すぐには症状は出ないかもしれないが、あとになって症状が出てくるぞ」
S「わかっている……」と。

 SG君はそのあと眼科へ行き、目薬をもらってきたという。
炎症を抑える薬だと思うが、しかし紫外線で破壊されたDNAを修復する薬はない。
白内障の遠因になるだけではない。
皮膚ガンの原因にもなる。

 紫外線……オーストラリアでは、2000年ごろから、深刻な問題になっている。
以前、書いた原稿(中日新聞発表済み)を掲載する。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●疑わしきは罰する(紫外線の恐怖)

 今、子どもたちの間で珍現象が起きている。
四歳を過ぎても、オムツがはずせない。幼稚園や保育園で、排尿、排便ができず、紙オム
ツをあててあげると、排尿、排便ができる。

六歳になっても、大便のあとお尻がふけない。
あるいは幼稚園や保育園では、大便をがまんしてしまう。
反対に、その意識がないまま、あたりかまわず排尿してしまう。
原因は、紙オムツ。
最近の紙オムツは、性能がよすぎる(?)ため、使用しても不快感がない。
子どもというのは、排尿後の不快感を体で覚えて、排尿、排便の習慣を身につける。

 このことをある雑誌で発表しようとしたら、その部分だけ削除されてしまった(M誌8
8年)。
「根拠があいまい」というのが表向きの理由だったが、実はスポンサーに遠慮したためだ。
根拠があるもないもない。
こんなことは幼稚園や保育園では常識で、それを疑う人はいない。
紙オムツをあててあげると排尿できるというのが、その証拠である。

 ……というような問題は、現場にはゴロゴロしている。
疑わしいが、はっきりとは言えないというようなことである。その一つが住環境。
高層住宅に住んでいる子どもは、情緒が不安定になりやすい…? 実際、高層住宅が人間
の心理に与える影響は無視できない。こんな調査結果がある。

たとえば妊婦の流産率は、6階以上では24%、10階以上では39%(1~5階は5~
7%)。流・死産率でも6階以上では21%(全体8%)(東海大学医学部逢坂氏)。
マンションなど集合住宅に住む妊婦で、マタニティーブルー(うつ病)になる妊婦は、一
戸建ての居住者の四倍(国立精神神経センター北村俊則氏)など。

母親ですら、これだけの影響を受ける。いわんや子どもをや。
さらに深刻な話もある。

 今どき野外活動か何かで、真っ黒に日焼けするなどということは、自殺的行為と言って
もよい。
私の周辺でも、何らかの対策を講じている学校は、1校もない。
無頓(とん)着といえば無頓着。無頓着過ぎる。
オゾン層のオゾンが1%減少すると、有害な紫外線が2%増加し、皮膚がんの発生率は4
~6%も増加するという(岐阜県保健環境研究所)。
実際、オーストラリアでは,1992年までの7年間だけをみても、皮膚がんによる死亡
件数が、毎年10%ずつふえている。日光性角皮症や白内障も急増している。

そこでオーストラリアでは、その季節になると、紫外線情報を流し、子どもたちに紫外線
防止用の帽子とサングラスの着用を義務づけている。が、この日本では野放し。
オーストラリアの友人は、こう言った。
「何も対策をとっていない? 信じられない」と。
ちなみにこの北半球でも、オゾン層は、すでに10~40%(日本上空で10%)も減少
している(NHK「地球法廷」)。

 法律の世界では「疑わしきは罰せず」という。
しかし教育の世界では「疑わしきは罰する」。
子どもの世界は、先手先手で守ってこそ、はじめて、守れる。
害が具体的に出るようになってからでは、手遅れ。
たとえば紫外線の問題にしても、過度な日焼けはさせない。紫外線防止用の帽子を着用さ
せる、など。あなたが親としてすべきことは多い。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●放射線と紫外線

 原発事故以来、放射線ばかりが、問題になっている。
しかし紫外線だって、放射線だぞ!
区別する方が、おかしい。
多量に紫外線を浴びれば、皮膚ガンを誘発する。
オーストラリアの例をもう一度、しっかりと読んでみてほしい。
日本だけ安全ということはありえない。
事実、SG君のように、目を赤くする子どもが、急増している。
ウソだと思うなら、中学や高校の野球部の子どもたちを見ればよい。
ほとんどみな、例外なく、目を赤くしている。

 で、私はSG君に、サングラスをかけるように提案した。
つぎに帽子。
肩までかかるような、つばの広い帽子がよい。
オーストラリアでは、背中を覆うような帽子をかぶっている。
長袖のシャツ、長ズボンは、常識。

 そう言えば、今回の原発事故でも、こんなことがあった。
半径30キロ圏内にある、ある中学校のテニス部でのこと。
(現在は、避難勧告が出ている地域になっている。)
原発事故当初は、「今、ただちに健康に害を及ぼすことはない」ということで、学校での部
活動も、ごくふつうになされていたという。

 が、やがて……やがてといっても、2か月以上もたってから、放射線量が測定されるよ
うになった。
「ホットスポット」という言葉も、そのころ出てきた。

 その中学校では、(どこでもそうだが)、中学1年生は、球拾いをしていた。
球というのは、あとになってホットスポットと呼ばれるようになる、溝や窪地に落ちる。
その球拾いをしていた。
それを知り、親たちが動揺した(報道記事)。
当然である。
つまり動揺して、当然である。

 で、こういう問題が起きるたびに、私はこう思う。
「指導の教師は、自分の子どもだったら、そういうことをさせるだろうか」と。

 SG君にしてもそうだ。
「自分の子どもだったら、目が真っ赤になるまで、野外でテニスをさせるだろうか」と。
つまりこうした問題は、「自分の子どもなら……」という視点で考えなければならない。
ともすれば、私たちは「他人の子どもだから……」と、ものごとを安易に考えがちである。
どこか無責任になる。
が、これではいけない。

 私の教室のような小さな教室でも、雨の日は、当初、全員に雨合羽を配っていた。
最近は、気温の高い日には、150ミリリットル入りの、アメリカ製の飲料水を配ってい
る。
熱中症の予防のためである。
「もし自分の子どもなら……」「孫なら……」と考えていくと、どうしてもそういうことを
せざるをえなくなる。

 もちろん学校の先生たちも、その程度のことならしている……と思う。
が、「まだ足りない」。
SG君の真っ赤な目をみて、私はそう感じた。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
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紫外線 紫外線の恐怖 はやし浩司 排尿異常)


Hiroshi Hayashi++++++Sep. 2011++++++はやし浩司・林浩司

『シティライフ』誌(大阪府・北摂・高槻・茨木・摂津版)

●巻頭特集の記事より

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【シティライフ編集部のみなさんへ】

 記事を掲載してくださり、ありがとうございました。

シティライフ……アクセスは
http://kurasi.citylife-new.com/e12121.html


Hiroshi Hayashi++++++Aug. 2011++++++はやし浩司・林浩司


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●8月31日夜記

●ゆがむ心

 恨み、妬(ねた)み、怒り、不満、不平……そういった感情を日常的に抱いていると、
心がゆがむ。
ゆがむと気づかないまま、ゆがむ。

 わかりやすく言えば、他人の不幸を楽しむようになる。
ものの考え方が、悪魔的になる。
常識の感覚が疎くなり、軽重はあるものの、反社会的な行為を平気でするようになる。

 とくに気をつけたいのが、恨みと妬み。
ともに原始的な感情であるだけに、心、つまり脳に与えるダメージも大きい。
脳自体が、慢性的な脳ストレス状態になる。
そのため思考回路そのものが、ゆがんでくる。
また一度ゆがんだ心は、簡単には、元に戻らない。

 が、これは子どもの世界の話ではない。
おとなの世界の話でもある。
しかも50代、60代の人にとっても、けっして、無縁の話ではない。

●X氏

 自治会で親しくしている人に、A氏(65歳)がいる。
そのA氏が、こんな話をしてくれた。

 A氏の隣に、X氏(83歳)という男性が住んでいる。
定年(55歳)まで、国の出先機関の副長クラスの仕事をしていた。
以後、30年近く、仕事は、いっさいしていない。
近所づきあいもしていない。
裏に畑があり、毎日庭いじりと畑での作業だけを繰り返しているだけ。
A氏は、そのX氏に、現在に至るまで、いやがらせ(いじめ)を受けているという。

ふつうの意地悪ではない。
放火、殺人未遂、虚偽の通報、暴力行為などなど。
どれもスレスレの行為で、そのつど警察に通報したというが、どれも証拠不十分で、警察
沙汰にはなっていない。

★放火……塀を燃やされた。
 燃え残った枯れ草や、小枝などが、その下に残っていた。
★殺人未遂……生きたマムシを飼っていて、数度、それを投げ込まれたことがある。
 A氏が問いただすと、強精用のマムシ焼酎を作っているだけと逃げられたという。
★虚偽の通報……A氏の名前を勝手に使い、市役所や近所の地主に、苦情を訴えたりする。
 そのためA氏が、悪者扱いになる、など。
★暴力行為……夜中に、屋根にビンを投げられたり、パチンコでエアコンの室外機を破壊
された、などなど。
窓ガラスも割られたことがあるが、そのときA氏が通報するよりも先に、X氏のほうが、「う
ちの窓ガラスが割られた」と、警察に通報していたという。
実際、X氏の家のガラスには、いくつかの穴があいていた。

 A氏は、あきらめ顔。
「やり方が実に巧妙で……」と。
X氏は、A氏の家の動きをいつも、どこかで観察しているという。
そこでA氏は、監視カメラまで設置したが、いつも電源を入れているわけではない。
その電源を切ったときに、いやがらせをするという。

 心のゆがんだ人というのは、X氏のような人をいう。
ゆがんでいるというより、腐っている。

●『抑圧は悪魔を作る』

 なぜX氏の心が、そこまでゆがんだか。
それについてもA氏は、いろいろ話してくれた。
が、ここでは割愛する。

 問題は、日ごろの生活態度ということになる。
イギリスの格言にも、『抑圧は悪魔を作る』というのがある。
わかりやすく言えば、不平や不満があるにせよ、それをうまく発散できればよい。
それができないと、つまり抑圧されると、心は悪魔的になる。

 X氏は、もろもろの不平、不満を、A氏の責任にした。
あるいは何かいやなことがあると、それをA氏に転嫁した。

 子どもの世界では、それが顕著に表れる。
以前(2009年8月)、書いた原稿を、ここに載せる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●痛ましい事件(抑圧は悪魔を作る)

++++++++++++++++++

またまた13歳の少年が、父親を殺害する
という事件が起きた。
まず、その記事(産経新聞・7月18日)を
読んでみたい。

++++++++++++++++++

+++++++++++++以下、産経新聞より、抜粋転載+++++++++++++

島根県I市で中学2年の少年(13)が、父親(43)を殺害した事件で、少年の付添人
となった弁護士が17日、M市内で会見し、少年が「父親の勉強に対する指導が厳しかっ
た」との内容を話していることを明らかにした。

 付添人によると、これまで4回、少年に面会しているが、落ち着いた様子で応じている
という。付添人は「父親に対する恐怖心が拒絶感になり、事件に至ったのではないかと考
えている」と話した。今後は、少年の主張を代弁するなど少年の権利を保障するとともに、
聞き取りをしていくなかで更生に助力するとしている。

 I市教委などによると、少年は昨年11月、スクールカウンセラーに「成績のことで父
親に頭などをたたかれる」と訴え、竹刀でたたかれる体罰行為もあったという。

 県警のこれまでの調べに、少年は「父親を殺すしかないと思った」と説明。さらに、同
級生には事件前、「おやじ殺しちゃう」と殺害を予告し、当日朝には、「殺した」と伝えて
いた。少年の部屋からは、殺害方法などが書かれたメモやナイフ数本が見つかっており、
県警は少年が計画的に父親を殺害した可能性があるとみて慎重に調べている。

+++++++++++++以上、産経新聞より、抜粋転載+++++++++++++

●「抑圧」の恐ろしさ

 イギリスの教育格言に、『抑圧は悪魔を作る』というのがある。
心理的に抑圧状態が慢性的につづくと、人の心が悪魔的になることを言ったもの。
子どものばあい、それが顕著に現れる。

 まずつぎのテストを受けてみてほしい。
このテストは、表面的には、穏やかで従順な子どもを対象にしたものである。
あなたの子どもは……、

(  )表面的には穏やかで従順である。(親の前では、見た目には静か。)
(  )感情表現、とくに喜びの表現が乏しい。
(  )ときにツンとした人間的な冷たさを感ずる。
(  )ものの考え方が、消費的で刹那的。(小遣いなどもすぐ、使ってしまう。)
(  )「殺す」「死ぬ」という言葉をよく使う。(あるいはあちこちに、書く。)  
(  )「銃(ガン)」「戦争」などに興味をもっている。
(  )ノートなどに残酷な絵を描くことが多い。(「血」をテーマにした絵が多い。)
(  )善悪の判断にうとく、ときに常識はずれなことをする。
(  )何を考えているのか、親にもわからないときが多い。
(  )小動物や人形などに興味を示さない。

 もしこのテストで、5個以上思い当るところがあれば、あなたの子どもの心は
かなりゆがんでいるとみてよい。
(即席で作成したテストなので、信頼性はあまりない。)

 表面的に穏やかで従順であるからといって、「いい子」とは限らない。
それは子どもの世界では常識。
表面的な様子に、だまされてはいけない。
とくにあなた自身が権威主義的なものの考え方をしているなら、注意したらよい。

(権威主義:悪玉親意識が強く、上下意識も強い。
子どもが口応えしただけで、「親に向かって、何てこと言うか!」と怒鳴りつけるような
タイプの親をいう。

「産んでやった」「育ててやった」と、親風を吹かすことも多い。
妻に向かっては、「食べさせてやる」「稼いでやる」とか言う。
家父長意識も強い。)

 今回、I市で起きた事件の背景が、そうであったというのではない。
しかしこの種の事件は、まさに氷山の一角。
その一歩、あるいは二歩手前で、あやうく事件にならないで、闇に隠れている
ケースとなると、ゴマンとある。
ひょっとしたら、あなたの親子関係も、そうかもしれない。

 もしそうなら、(1)権威主義的発想を捨てること。
(2)友として、子どもの横に立つこと。
(3)今の状態を、これ以上悪くしないことだけを考えて、対処すること。
 この3つに心がけてみてほしい。

時間はかかるが、(というのも、この種の心の問題は、一朝一夕には解決しないので)、
やがて子どものほうから、心を開いてくる。
 それにしても、「『成績のことで父親に頭などをたたかれる』と訴え、竹刀でたたかれる
体罰行為もあった」とは!

 そこまでひどくなくても、毎日、毎晩、「勉強しろ!」「うるさい!」の大乱闘を
繰り返している親子は、少なくない。
もしあなたがそうなら……。
 
「子どもの成績があがったら、どうなのか?」
「それがどうしたというのか?」
そのあたりからもう一度、考え直してみてほしい。
 もし殺された父親に、そういうものの見方の一片でもあれば、少なくとも今回の
ような悲劇は避けられたはず。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て 
Hiroshi Hayashi 林浩司 BW 父親殺害 抑圧は悪魔を作る)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●もまし

 実は私は、「もまし」という言葉を、10年前まで知らなかった。
ある知人(女性、60歳)が、教えてくれた。
その女性は、こう言った。
「あら、あなた、モマシという言葉も知らなかったの?」と。

 もちろん知っている人は、知っている。
それができる人は、日常的に、平気でできる。

もまし……Aさんには、Bさんの悪口を言う。
「Bさんね、あなたのことを、バカって言ってたわよ」と。
一方、Bさんには、Aさんの悪口を言う。
「Aさんね、あなたのことを、イヤな人って、言ってたわよ」と。

 会話の内容は、実際には、もう少し複雑。
告げ口、密告、暴露、ウソなどを混在させる。

つまりこうしてAさんとBさんの間にトラブルを引き起こす。
仲たがいを誘引する。
これを「モマシ」という。

 男の世界では、あまり聞いたことがない。
しかし女性の世界では、モマシがたいへん多いという。
つまり女性のほうが、それだけ社会的に、抑圧されているということか?

私も親類の女性(69歳)に、モマシをされたことがある。
その女性をうっかりと信じてしまった。
信じて、内輪の話をしてしまった。
が、数週間もたたないうちに、その話は親戚中に広がってしまった。

 (こういうモマシにあったら、弁解せず、説明せず、ただひたすら沈黙を守るのがよい。
これは私がそのとき学習した鉄則。)

 こういうモマシが平気でできる人というのも、心がかなる腐っているとみてよい。
ふつうの心では、できない。
というか、ふつうではない。

●根が深い

 心のゆがんだ人を、どうするかということについては、私にはわからない。
牧師のような聖職者の人にとっては、大きなテーマかもしれないが、私には荷が重すぎる。
つまり私のばあい、そういう心のゆがんだ人、腐った人に出会ったら、距離を置き、遠ざ
かるようにしている。

 つきあってよいことは何もない。
ないばかりか、こちらまで影響を受けてしまう。

 もちろん相手が子どもで、私の指導下にあれば、それなりの指導はする。
しかしこの問題は、ふつう、根が深い。
それに先にも書いたように、(もちろん軽重の問題もあるが)、指導により「直す」のは、
簡単ではない。
子どもでも、5年単位の時間が必要。
攻撃的なつっぱり症状を見せる子どもを想像してみればよい。
一度ゆがんだ心は、簡単には戻らない。
さらに歳を取ると、仮面をかぶるようになる。
いい人ぶり、外からはわかりにくくなる。
それこそ80歳を過ぎても、近所の人に意地悪を繰り返すこともある。

●ネズミを殺すために、家を燃やす

 そこで重要なことは、自分の心を抑圧しないこと。
ゆがみを感じたら、できるだけ早い段階で、それに気づき、原因を取り除くこと。
たいていは人間関係に起因する。
その人間関係を是正する。

 だからある賢人はこう言った。

『Hating people is like burning down your house to kill a rat ー Henry Fosdick
人を恨むというのは、ネズミを殺すために、家を燃やすようなものだ』(H・フォスディック)

 つまり人を恨んでいると、心、つまりその人の人間性全体まで、大きな影響を受ける、と。

 それについて書いた原稿を添付し、このエッセーを終える。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

+++++++++++++++++++++

人を恨んではいけない。
恨めば恨むほど、心が小さくなり、そこでよどむ。
よどんで腐る。
だからこう言う。
『人を恨むというのは、ネズミを殺すために、家を燃やすようなものだ』と。

解釈の仕方はいろいろあるだろう。
しかし簡単に言えば、(ネズミ)は(恨みの念)、
(家)は、もちろん(心)をいう。
(人生)でもよい。
ネズミを追い出すために、家に火をつける人はいない。
もったいないというより、バカげている。
「人を恨む」というのは、つまりそれくらいバカげているという意味。

+++++++++++++++++++++++++

●ある女性(67歳)

 東洋医学(黄帝内経)でも、「恨みの気持ち」をきびしく戒めている(上古天真論編)。

『(健康の奥義は)、精神的にも悩みはなく、平静楽観を旨とし、自足を事とす
る』『八風(自然)の理によく順応し、世俗の習慣にみずからの趣向を無理なく適応させ、
恨み怒りの気持ちはさらにない。行動や服飾もすべて俗世間の人と異なることなく、みず
からの崇高性を表面にあらわすこともない。身体的には働きすぎず、過労に陥ることもな
く、精神的にも悩みはなく、平静楽観を旨とし、自足を事とする』と。

 恨みは、健康の大敵というわけである。
しかし恨みから逃れるのは、(あるいは晴らすのは)、容易なことではない。
妄想と重なりやすい。
「あいつのせいで、こうなった」と。

 ものの考え方も、後ろ向きになる。
ある女性(68歳)は、ことあるごとに弟氏の悪口を言いふらしていた。
口のうまい人で、悪口の言い方も、これまたうまかった。
たいていはまず自分の苦労話を並べ、そのあと弟氏が何もしてくれなかった
という話につなげる。
同情を買いながら、相手が悪いという話につなげる。
自分がしたこと、あるいは自分がしなかったことをすべて棚にあげ、ことさら自分を飾る。

 まわりの人に理由を聞くと、こう話してくれた。
「親が死んだとき、遺産の分け前をもらえなかったから」と。
が、いくら悪口を言っても、何も解決しない。
ただの腹いせ。
愚痴。
聞くほうも、疲れる。

●復讐

 恨みといえば、「四谷怪談」がある。
近くテレビでも映画が紹介されるという。
恐ろしいと言えば、あれほど恐ろしい話はない。
「四谷怪談」と聞いただけで、私は今でも背筋がぞっとする。
「四谷怪談」にまつわる思い出は多い。
子どものころ、怪談と言えば、「四谷怪談」だった。
(はかに「牡丹灯籠(ぼたんどうろう)」というのもあった。
若い人たちは知らないかもしれない。)

 「四谷怪談」のばあいは、男のエゴに振り回されたあげく、1人の女性が
毒殺される。
その女性が復讐のため、幽霊となって男を繰り返し襲う。
そのものすごさ。
執念深さ。

 子どものころ映画館に入ると、通路の脇にローソクと線香が立てられていた。
それだけで私たち子どもは、震えあがった。
そのこともあって、「恨み」イコール「復讐」というイメージが、私のばあい、
どうしても強い。
そういうイメージが焼きついてしまった。
 
 先に書いた「恨みを晴らす」というのは、「復讐して、相手をこらしめる」
という意味である。

●詐欺

 自分の人生を振り返ってみる。
こまかいことも含めると、人を恨んだことは、山のようにある。
反対に自分では気がつかなかったが、恨まれたこともたくさんあるはず。
恨んだり、恨まれたり・・・。

 しかし結論から言うと、生きていく以上、トラブルはつきもの。
恨みも生まれる。
しかし恨むなら、さっさと事務的に処理して終わる。
「事務的に」だ。
そのために法律というものがある。
それができないなら、これまたさっさと忘れて、その問題から遠ざかる。
ぐずぐずすればするほど、その深みにはまってしまう。
身動きが取れなくなってしまう。

 こんな人がいた。

●深み

 当初、500万円くらいの私財をその不動産会社に投資した。
ついで役職を買う形で、さらに1000万円を投資した。
時は折りしも、土地バブル経済時代。
1か月で、1億円の収益をあげたこともある。
で、親から譲り受けた土地を、会社にころがしたところで、バブル経済が崩壊。
結局、元も子も失ってしまった。

 ふつうならそこで損切をした上で、会社をやめる。
が、その男性はそのあと、8年もその会社にしがみついた。
「しがみついた」というより、恨みを晴らそうとした。
土地の価格が再び暴騰するのを待った。

 で、現在はどうかというと、家も借家もすべて失い、息子氏の家に居候(いそうろう)
をしている。
今にして思うと、その男性は、(恨み)の呪縛から身をはずすことができなかった。
そういうことになる。

●心的エネルギー

 (恨み)の基底には、欲得がからんでいる。
満たされなかった欲望、中途半端に終わった欲望、裏切られた欲望など。
「四谷怪談」のお岩さんには、金銭的な欲得はなかったが、たいていは
金銭的な欲得がからんでいる。
しかし人を恨むのも、疲れる。

 私も若いころ信じていた知人に、二束三文の荒地を、600万円という高額
で買わされたことがある。
これは事実。
そのあとも10年近くに渡って、「管理費」と称して、毎年8~10万円の
現金を支払っていた。
これも事実。
(その知人はことあるごとに、私のほうを、「たわけ坊主(=郷里の言葉で、バカ坊主)」
と呼んでいる。)

 が、それから35年。
つまり数年前、その土地が、70万円で売れた。
値段にすれば10分の1ということになる。
が、おかげで私は自分の中に巣食っていた(恨み)と決別することができた。
それを思えば、530万円の損失など、何でもない。
・・・というほど、(恨み)というのは、精神を腐らす。
人間性そのものまで破壊する。
心の壁にぺったりと張りついて、いつ晴れるともなく、悶々とした気分にする。

●『人を恨むというのは、ネズミを殺すために、家を燃やすようなものだ』

 私はこの言葉を知ったとき、「そうだった!」と確信した。 
『人を恨むというのは、ネズミを殺すために、家を燃やすようなものだ』と。
心を腐らすくらいなら、損は損として早くその損とは決別する。
決別して忘れる。
忘れて、一歩前に進む。
でないと、それこそ「家に火をつける」ようなことになってしまう。
つまり人生そのものを、無駄にしてしまう。
人生も無限なら、それもよいだろう。
しかし人生には限りがある。
その人生は、お金では買えない。

 実のところ私も、この7か月間、大きな恨みを覚えていた。
理由はともあれ、先にも書いたように、人を恨むのも疲れる。
甚大なエネルギーを消耗する。
だから自ら、恨むのをやめようと努力した。
が、そうは簡単に消えない。
時折、心をふさいだ。
不愉快な気分になった。

 しかし「家に火をつけるようなもの」ということを知り、自分の心に
けじめをつけることができた。
とたん心が軽くなった。
恨みが消えたわけではないが、消える方向に向かって、心がまっすぐ動き出した。
それが実感として、自分でもよくわかる。

 最後にこの言葉を書き残したHenry Fosdickという人は、どんな人なのか。
たいへん興味をもったので、調べてみた。

●Henry Fosdick

英米では、その名前を知らない人がないほど、著名な作家だった。
こんな言葉も残している。

The tragedy of war is that it uses man's best to do man's worst.
(戦争の悲劇は、人間がもつ最善のものを、最悪のために使うところにある。)

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 恨み 恨み論 人を恨む ネズミを追い出す 家に火をつける)


Hiroshi Hayashi++++++Aug. 2011++++++はやし浩司・林浩司

【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●自分を知る

++++++++++++

ほとんどの人は、「私のことは
私がいちばんよく知っている」
と思っている。
しかしその実、自分のことは、
まったくわかっていない。そう、
自分で思いこんでいるだけ。
よい例が、「病識」。「私は病気で
ある」という意識があることを、
病識という。
精神疾患の世界でも、この病識
のあるなしで、病気の軽重が
決まるという。
同じように、心理学の世界には、
「メタ認知」という言葉がある。
自分の思考プロセスを客観的に
知り、それを意識化することをいう。
「なぜ、私はこう考えるのか」と。
考えている内容ではない。なぜ、
そのように考えるか、そのプロセスを
意識化することをいう。
さらに哲学の世界では、「汝自身を
知れ」が、究極の目標になっている。
精神医学、心理学、そして哲学の
世界で、それぞれ言っていることは、
みな、同じ。
つまり、「私を知ること」は、それほど
までにむずかしい。
……それでもあなたは、「私のことは
私がいちばんよく知っている」と、
言い張ることができるだろうか?

+++++++++++++

 たとえば若い女性が、胸や太ももをあらわにした服を着たとする。その女性にしてみれ
ば、それが流行であり、そのほうが自分に似合うと思うから、そうする。
 そこでさらに、店にでかけ、あれこれ迷いながら、自分に合った(?)服を買おうとす
る。そういう女性に向かって、「どうしてそういう服を買うのですか」と質問しても、意味
はない。その女性はその女性なりに、懸命に考えながら、色やデザインを選んでいる。
 が、もしその女性が、こう考えたらどうだろうか。
 「私はフロイトが説いたところの、イド、つまり性的エネルギーに支配されているだけ」
と。
 そう、その女性は、無意識の世界からの命令によって動かされているだけ。そしてその
命令は、種の保存本能に根ざしている。胸や太ももをあらわにするのも、結局は、(男)と
いう異性をを意識しているからにほかならない。が、もちろんその女性には、その意識は
ない。

私「男を意識するから、そういう服を着るの?」
女「男なんて、関係ないわよ。ファッションよ」
私「ファッションって?」
女「自分に似合った服を選んで、身につけることよ」と。

 つまり精神疾患でいうところの「病識」が、その女性には、まったくないということに
なる。「私は正常だ」「ふつうだ」と思いこんでいる。しかし若い男性にとっては、そうで
はない。あらわになった胸や太ももを見ただけで、性的な情欲にかられる。女性には、そ
の意識はなくても、男性は、そうなる。
 「どんな服装をしようとも、女性の勝手」というわけにはいかない。
 もっとも、その女性が、性的エネルギーにすべて支配されていると考えるのも、まちが
いである。動機の原点に、性的エネルギーがあるとしても、そこから先は、(美の追求)と
いうことになる。ファッションショーに、その例を見るまでもない。

 しかしそのつど、もし私たちが、自分の思考プロセスを、客観的に認知することができ
るようになったら、またそういう習慣を身につけることができたら、自分の見方が大きく
変わるかもしれない。それを心理学の世界では、「メタ(高次)認知」という。
 たとえばこの私。毎日、ヒマさえあれば、こうしてパソコンのキーボードをたたいてい
る。実際には楽しいから、そうしている。頭の中の未知の世界を探索するのは、ほんとう
に楽しい。毎日、何か、新しいことを発見することができる。

 が、なぜ、そうするかというと、そこからが、「メタ認知」の領域ということになる。
哲学の世界でいう、「私自身を、知る」という世界ということになる。
 基本的には、大きな欲求不満があるのかもしれない。あるいは心のどこかで女性という
読者を意識しているのかもしれない。さらに言えば、(生)に対して、最後の戦いをいどん
でいるのかもしれない。フロイトは、「性的エネルギー」という言葉を使ったが、弟子の
ユングは、「生的エネルギー」という言葉を使った。

 「性」も「生」の一部と考えるなら、私は、今の自分が、その生的エネルギーによって
支配されているということになる。
 その生的エネルギーが姿を変えて、私を動かしている。それを知るということが、つま
りは、メタ認知ということになる。「私自身を知る」ということになる。

(補記)
 子どもの世界をながめていると、メタ認知というものが、どういうものか、よくわかる。
 たとえば心理学の世界にも、「防衛機制」という言葉がある。自我が危機的な状況に置か
れると、子どもは、(おとなもそうだが)、その崩壊を防ぐために、さまざまな行動に出る
ことが知られている。
 たとえば学習面では目立たない子どもが、スポーツ面でがんばるなど。非行や暴力、つ
っぱりも、その一部として理解されている。
 が、当の本人たちには、その意識はない。「私は私」と思って、(思いこんで)、そういう
行動を繰りかえす。
 相手は子どもだから、ここでいうメタ認知を求めても、意味はない。心を知り尽くした
心理学者でもむずかしい。あのソクラテスですら、「汝自身を知れ」という言葉にぶつかっ
てはじめて、「無知の知」という言葉を導いた。
 しかしメタ認知は、同時に、他人をよく知る手助けにもなる。
 出世主義に邁進する人も、金儲けに血眼になっている人も、あるいはスポーツの世界で
華々しい成果をあげている人も、心のどこかで、何かによって動かされている。それが手
に取るように、よくわかるようになる。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
メタ認知 認識 病識 汝自身を知れ 汝自身を、知れ)

Hiroshi Hayashi++++++++AUG.09+++++++++はやし浩司

●空腹のメカニズム(メタ認識・メタ認知)

+++++++++++++

昨夜、床につく前、猛烈な空腹感
に襲われた。
「パンでも食べようか……」と思ったが、
やめた。
そういうときの空腹感は、幻覚の
ようなもの。
朝、起きると、空腹感は消える。
今までの経験で、それがよくわかって
いる。
それに寝る前に食べると、肥満に
つながる。

+++++++++++++

 人間の空腹感は、(ほ乳動物もみなそうだが)、2つの相反する作用によって決まるとい
うことがわかっている。「食べたい」という作用と、「食べたくない」という作用である。「食
べたい」という作用が、「食べたくない」という作用よりも強くなったとき、空腹感が起き
てくる。順に考えてみよう。
 大脳の視床下部に、血糖値を感知するセンサーがある。一般的には、血糖値がさがると、
そのセンサーが機能し、空腹感をもたらすと考えられている。
 しかし空腹感のメカニズムは、そんな単純なものではない。私の例で、考えてみよう。
 たとえば昨夜、私は寝る前に、猛烈な空腹感に襲われた。人間には、(ほ乳動物はみなそ
うだが)、ホメオスタシス効果というのがある。「ホメオスタシス」というのは、人間内部
の生理的環境を一定に保とうとする機能を総称したもの(付記、参照)。
 もっともわかりやすい例が、食欲である。体内のエネルギーが不足してくると、生理的
バランスを一定に保つために、ホメオスタシス効果が機能し始める。それが食欲につなが
る。

 猛烈な空腹感に襲われたのは、血中の血糖値がさがったため。それを大脳の視床下部の
センサーが感知した。それが猛烈な空腹感へとつながった。
 しかしならば、朝になると、どうしてその空腹感が消えるのか? 血糖値は、昨夜のま
まのはず。あるいは睡眠中に、ホメオスタシス効果が機能して、血糖値を調整したのか。
その可能性は、ある。あるが、どうも合点がいかない。血糖値だけで、食欲の有無は、決
まるのか?

 この謎を解くカギが、拒食症や過食症の患者にある。
 食欲……正確には、「摂食行動」というが、その摂食行動は、2つの相反する作用によっ
て、決まるという。ネズミの実験だが、ネズミの視床下部の外側野に電気刺激を与えると、
摂食行動が活発化し、反対にその部分を破壊すると、摂食行動が停止するという(春木豊
氏「心理学の基礎」)。

 が、反対に、その視床下部の外側野に隣接した、腹内側核を刺激すると、摂食行動が起
きなくなり、反対にその部分を破壊すると、摂食行動が止まらなくなり、ネズミは過食し
始めるという(同)。
 わかりやすく言えば、視床下部の外側野と、それに隣接する腹内側核が、たがいに相反
した機能をもちながら、人間の食欲を調整しているということになる。以上の話を、もう
一度、まとめると、こうなる。

(1) 視床下部の外側野……(刺激すると)→(摂食行動が起きる)
               (破壊すると)→(摂食行動が停止する)

(2) 視床下部に隣接する腹内側核……(刺激すると)→(摂食行動が起きなくなる)
                    (破壊すると)→(過食が始まる)   

 脳の機能も外部からの刺激で、変調しやすい。ここに書いたマウスの実験では、脳の一
部を破壊することによって、摂食行動の変化を確かめたが、機能が変調しても、同じこと
が起きると考えるのは、ごく自然なことである。 

 たとえば拒食症の人は、視床下部の外側野の機能が、低下した人ということになる。一
方、過食症の人は、腹内側核の機能が、低下した人ということになる。(かなり乱暴な書き
方で、ごめん!)

 で、私のばあいは、どうか?
 昨夜、猛烈な空腹感が、私を襲った。原因として考えられるのは、夕食を、一気に食べ
たこと。つまり短時間で食べた。
 短時間で食べたため、血糖値が、急激に上昇した。それと並行して、(ややタイムラグ=
時間的なズレはあるが)、インシュリンが分泌された。昨夜は、それがやや多めに分泌され
たらしい。

 結果、血糖値はさがったが、インシュリンは、血中に残って、さらに血糖値をさげつづ
けた。そのため寝る前に、私は、低血糖の状態になった。それを大脳の視床下部にあるセ
ンサーが感知した。そしてその信号を、視床下部の外側野に伝えた。
 私は猛烈な空腹感に襲われた。
 しかし私は、それをがまんした。一連のメカニズムがわかっていると、がまんするのも、
それほどつらいことではない。「この空腹感は、幻覚」と自分で自分に、言って聞かせるこ
とができる。

 眠っている間に、ホメオスタシス効果が機能した。体内の生理的バランスを調整した。
結果として、朝起きたとき、空腹感は消えていた。
 ……というように、自分の欲望や行動を、客観的に意識化することを、「メタ認知」とい
う。人間がもつ認知力の中でも、最高度のものである。少し前、ワイフが、「それ(=
メタ認知)ができたからといって、それがどうなの?」と聞いた。私は、それに答えて、
「メタ認知ができるようになれば、さらに自分がよくわかる。自分で自分をコントロール
できるようになる」と答えた。

 以上、「空腹のメカニズム」。おしまい!

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
空腹のメカニズム 過食症 拒食症 ホメオスタシス メタ認知 視床下部 外側野 腹
内側核 はやし浩司 メタ認識)

(付記)
ホメオスタシス……「平衡状態」「定常状態」の意。生物が環境のさまざまな変化に対応し、
生物体内の形態的、生理的状態を安定な範囲に保ち、生存を維持する性質。アメリカの
生理学者のキャノンが提唱(国語大辞典)。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 ホメオスタシス ホ
メオスタシス効果 メタ認知 はやし浩司 メタ認知能力 空腹のメカニズム 視床下部 
はやし浩司 無知の知)


Hiroshi Hayashi++++++++AUG.09+++++++++はやし浩司

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