2011年11月1日火曜日

●バラバラになる日本人の精神構造

●11月1日(火曜日)2011年

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今日から2011年、11月。
寒い朝。
軽い花粉症もあって、鼻水が出る。
空は、どんよりと曇っている。
低い雲。
鉛色の雲。
気分はあまりよくない。
……ということもあって、朝の運動は省略。
起きるとすぐガウンをはおり、そのまま書斎へ。

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●チンピラの喧嘩

 TBS-iは、つぎのような記事を配信している。

『5、6号機は深刻な事故は免れたものの、津波で押し寄せた海水や事故後に亀裂から流入した地下水が建屋の中に溜まっていて、東京電力では、この水を処理した上で、10月から発電所の敷地内に散水しています。

 東京電力は「放射性物質の濃度は検出できない低さだ」と説明してきましたが、政府と東京電力の統合会見では、この水の安全性について質問が相次ぎ、フリーの記者数名が繰り返し、この水を飲むことを迫っていました』(TBS-i)と。

 そこで『細野原発担当大臣を補佐する内閣府の園田康博政務官が飲んでいるのは福島第一原発5、6号機に溜まっていたとされる水です』(同)と。

 その場のやり取りがよくわからないが、「フリーの記者数名」(同)が、繰り返し、「だったら、自分で飲んでみろ」と迫ったにちがいない。
そこで園田氏が、その水を飲んでみせた。

 が、この記事を読んで、何ともいたたまれない気持ちになった。
「飲め」と迫る「フリーの記者数名」。
それに応じてそれを飲む、「内閣府の園田康博政務官」。
陰湿かつ殺伐とした記者会見であったにちがいない。

 しかしこういう記者を、「バカ記者」という。
仮にそうであっても、つまり安全であっても、また安全でなくても、そんな水を飲めと、相手がだれであっても、迫ってはいけない。
それが人間がもつ、良識というものではないのか。
いくら相手が政府高官であっても、彼らもまた別のところでは記者たちとは変わらない、「1人の人間」。
飲む瞬間に、「もういいです」「飲まなくてもいいです」と、どうしてだれも言わなかったのか。

 飲む側の園田康博政務官にしても、「それとこれは問題がちがう」と、どうして言えなかったのか。
これではまるでチンピラの喧嘩。
「ガン(眼)をつけたな!」と因縁をつけるチンピラ。
それに応じて、金を払う通行人。

 そのフリーの記者数名は、自分たちなりの正義を押し通したつもりかもしれない。
が、やったことは、チンピラのそれと同じ。
低劣。
低レベル。
いくら記者の肩書きをもっていても、「フリー」。
そこらの通行人と同じ。
そんな通行人の要求に応じて、水を飲んでみせる必要はない。

もしこんなことで、通行人が相手を裁判し、罪刑を科していたら、それこそこの日本はメチャメチャになる。
記者にしても、責任を問うことはできても、相手をそこまで追いつめてはいけない。
同じ苦しみを分かち合う、仲間ではないのか。

言い換えると、今、日本人の精神構造は、そこまでガタついている。

 その記事を読んで、たいへん残念に思った。

●狂乱

 このところ連日、世界の株価が乱高下している。
ドルにしても、100~200ドル単位で、乱高下している。
メチャメチャというより、狂乱状態。

 たった一日で、ささいなことに反応しては、乱高下する。
で、今回ほど、私は資本主義体制に疑問をもったことはない。

 たとえばヘッジファンドという、訳の分からない組織がある。
要するに、マネーそのものを、商品のように売買し、金を儲ける組織。
しかもそのやり口が、きわめて投機的。
バクチ的。

 今回もそうだ。
日本政府が「(円高に対しては)、断固たる措置を取る」と、繰り返し声明を出した。
が、ヘッジファンドの連中は、それをこう読んだ。
「近く、日本政府は円売り、ドル買いに走るぞ」と。

 そこでヘッジファンドは、世界中からドルを買いあさり、その日に備える。
日本政府が円売り、ドル買いに出たら、即座にドルを売る、と。
で、その日はやってきた。
昨日(10月31日)、日本政府(政府+日銀)は、円売り、ドル買いの為替介入に打って出た。
円は75円台から一気に、79円台に。

 中身はよくわからないが、日本政府のこの措置によって、ヘッジファンドの連中は、莫大な利益を得たはず。
つまり、ここがおかしい。

 一日、こつこつとまじめに働き、1000円、2000円というお金を稼いでいる人たちがいる。
その一方で、一夜にして、100億円とか200億円とかを稼ぐ人たちもいる。
これを「狂乱」と言わずして、何と言う?
私たち庶民は、打つ手もなく、それに振り回されているだけ。

 で、今朝のニュースを読むと、アメリカの株価(ダウ)は、5日間連騰したあと、昨日は276ドルの急降下。
欧州債務危機問題が再燃。
アメリカのある銀行が経営破綻。
それで急降下。

 そこに「経済」という化け物がいる。
巨大な化け物。
化け物の気分は、毎日、コロコロと変わる。
昨日はニコニコ笑っていても、今日になると、豹変。
ささいなことで、カーッと怒り、ものを投げつける。

 そういう化け物とは、つきあわないほうがよい。
こちらまで気がヘンになる。


Hiroshi Hayashi++++++Oct. 2011++++++はやし浩司・林浩司

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