2009年9月13日日曜日

*How to scold a Child

●子どもの叱り方(How to give a good scolding to Children)

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子どもの叱り方については、たびたび
書いてきた。
本の中でも書いてきたし、雑誌の中でも
書いてきた。
HPの中でも書いてきた。

で、ここでは、その先について書いてみたい。

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●なぜ、叱り方が問題になるのか

 「子どもの叱り方がわからない」と悩んでいる親は、多い。
懇談会の席などでも、よく話題になる。
で、そのたびに私は、こう思う。
「どうしてそんなことが問題なるのか」と。

 で、それについて書く前に、こんなことがある。

20年ほど前に、私が書いた子育て格言集の中に、『子どもは親の芸術品』という
のがある。
親というのは、自分の子どもを、自分自身の芸術品のように考える傾向が強い。
つまり子どもというのは、自分の(作品)というわけである。
こんな失敗をしたことがある。

 ある日のこと。
ショッピングセンターの一角にあるレストランで、食事をしていたときのこと。
隣のテーブルに座った子ども(年齢は5歳くらい)が、自分の顔よりも大きな
ソフトクリームを食べていた。

 おとなにはふつうの量でも、子どもにはそうでない。
そこで思わず、私はこう言ってしまった。
「そんなにたくさん、食べないほうがいいよ」と。

 が、この言葉が、母親を激怒させた。
「いらんこと、言わんでください!」
「あなたの子じゃ、ないでしょ!」と。

 私はその場を、平謝りに謝り、何とかやり過ごしたが、以後、そうしたお節介は
しないことにしている。

●なぜ母親は、激怒したか

 なぜ、あの母親は、そのとき激怒したか?
私は親切心から、そうアドバイスしただけである。
当時、白砂糖の過剰摂取が、問題になり始めていた。
マウスの実験では、脳水腫を起こすことまでわかっていた。

 理由をあれこれ考えてみた。
が、結局は、母親と子どもの間に、(壁)がないことが理由であることに気がついた。
このことは溺愛児と呼ばれる子どもをみると、よくわかる。
(溺愛児についても、たびたび書いてきたので、ここでは省略する。)

 子どもを溺愛する親は多い。
とくに母親に多い。
私は勝手に「溺愛ママ」と呼んでいるが、溺愛ママの特徴のひとつに、親子の間に
壁がないことがあげられる。
密着度が高すぎて、親イコール子、子イコール親といった状態になる。
だからこのタイプの母親は、自分の子どもが批判されたり、けなされたりすると、
それに対して猛烈に反発する。
あたかも自分が批判されたり、けなされたかのように、激怒することも珍しくない。

 子どもどうしの喧嘩でも、中へ割って入ってきたりする。

 溺愛ママは別としても、日本人は、欧米人に比べて、親子の密着度が高い。
とくに母親と子どもの密着度が高い。
こうした日本人に対して、アメリカ人の親のばあい、「子どもは、神からの授かりもの」
という考え方をする。
つまり子どもから一歩退いて、子どもを見る。
そういう見方が、自然な形で身についている。

●親子の壁

 親子の間に壁がないから、(あるいは密着度が高いから)、親は一歩退いたところで、
自分の子どもを見ることができない。
そのため子どもを叱ることに、自ら、ある種の抵抗感を覚える。
「子どものできが悪いのは、私の責任」と。

 だから当然叱るべき場面になっても、自分でその責任をしょいこんでしまう。

 こうした意識が、「子どもの叱り方がわからない」「どう叱ればいいのか」という
問題に、つながっていく。

●では、どうすればよいか

 子どもの叱り方で悩んだら、まず、あなた自身が、自分の子どもをどう見ているかを
判断する。
先にも書いたように、密着度が高ければ高いほど、子どもを客観的に見ることができない。
それが(悩み)につながっている。
そういうケースは、たいへん、多い。

 さらにこの問題は、日本人独特の民族性とも、深くからんでいるため、解決は容易で
ない。
子どもを(自分のモノ)と考える。
1人の独立した人間というよりは、モノと考える。
少なくとも欧米人と比べると、その傾向は強い。
その上さらに、日本人のばあい、父親の存在感が薄い。
その分だけ、母親の影響力が強い。

 これらのことが、親子、とくに母子の密着度を高くする。
それが(叱り方)をむずかしくする。

 が、反対に、子どもから一歩退いてみたらどうだろうか。
子どもの見方が一変するのみならず、叱り方の問題は、自然に解決する。
できれば、自分の子どもであっても、1人の独立した人間として見る。
それができれば、あとは自然体。
そして親は、人生のよき先輩として、また子どものよき友として、子どもを
励まし、ほめ、ときには叱る。

●補記

 ついでに言うなら、(子どもを叱る)ためには、親側の方に、それなりの哲学
や倫理観がなければならない。
親が信号無視や駐車違反を平気でしながら、子どもに向かって、(叱る)は、ない。

 が、むずかしいことではない。
親は、常にルールを守る。
約束を守る。
ウソをつかない。

 この3つだけを、かたくなに守ればよい。
その積み重ねが、その親の人格を作る。
その人格がしっかりとしてくれば、親は、自然な形で、またそれほど考えることなく、
子どもを叱ることができるようになる。

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