2012年4月9日月曜日

Hotel Sen-zan-kaku、Yuya Hot Spring Spa Japan

【日本は……!】

●湯谷温泉・泉山閣にて(はやし浩司 2012-04-08)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

春休み最後の1日は、湯谷温泉、泉山閣で過ごすことにした。
浜松市内から、車で、1時間ほど。
静岡県と愛知県との県境。
ひなびた山あいにある温泉郷。
昔からある由緒ある温泉郷。

この泉山閣には、こんな思い出がある。
「思い出」というよりは、私はこの温泉で、はじめて温泉のよさを知った。
以来、病みつきになってしまった。
つまり温泉巡りが好きになった。
それまでの私は、「温泉というのは、ジジババ様の行くところ」と考えていた。
が、気がついてみたら、私がそのジジ様になっていた。
その洗礼を受けたのが、この泉山閣。
私にとっては、大切な旅館である。

何もかもどこか古くて元気はないが、仲居さんたちのやる気度は満々。
テカテカの大理石も悪くはない。
しかし田舎らしい(失礼)、素朴なサービスを楽しむことができる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●山育ち

 私はもともと山育ち。
そのせいか、海も好きだが、落ち着くといえば、こうした山あいにある温泉。
木々の香りをかぎ、川のせせらぎを聞いただけで、そのまま心が溶けてしまう。
……脳みそが思考を停止し、眠くなってしまう。

が、同時に、こうしていつまでもパソコンのキーボードを叩いていたい。
ほかにしたいことはない。
することもない。
できることもない。

 今の私は、こうして思いつくまま、キーボードを叩いているのが、何よりも楽しい。

●バブル世代

 とは言え、最近、世相を考えるたびに、さみしくなる。
おかしなニヒリズムが、時折、私を襲う。
「どうでもなれ」とか、「どうにもならない」とか。

 つい先日には、BLOGにこんなコメントがついた。
「貴殿のような老人がいる自体が、老害なんだ」と。
もちろん相手は、若い人である。
「あんたがた、バブル世代が、日本の繁栄を食いつぶした。それを率直に認めろ」とも。

 が、私たちの意識は180度、逆を向いている。
私たちバブル世代(=団塊の世代)こそが、現在の日本の繁栄を築きあげた。
そういうつもりでがんばってきたわけではないが、結果として、この日本は、そうなった。
そういう自負心は、どこかにある。
その私たちの世代をさして、「バブル世代」という。
この悲しさ。
この無念さ。
プラス、さみしさ。

 この先、老人虐待は、ますますふえるだろう。
「老人難民」という言葉も、生まれつつある。
孤独死、無縁死、そのあとの無縁仏は、常識化する。

 それをワイフに告げると、ワイフはこう言った。

 「そうでないことを、あなたはもっと若い人たちに伝える必要があるわ」と。
ワイフは、「今の若い人たちは、私たちの世代を誤解しているのよ」と。

●誤解

 誤解といっても、これは意識の問題。
私1人くらいが説明したところで、どうにもならない。
たとえて言うなら、意識というのは、日本という川を流れる大河。
その大河に、竹竿の1本や2本をさして、どうなる?
私の息子たちでさえ、私がもっている意識とは、180度、ちがう。
いつもこう言っている。

 「パパは、仕事ばかりしていて、家庭を顧みなかった」と。

 たしかにそうだった。
その通りだった。
それは認める。
仕事第一人間だった。
しかしそれしか、私には(=私たち団塊の世代には)、やりようがなかった。
あのどん底から、這いあがるには、それしかなかった。

息子たちにだけは、ひもじい思いや、貧困の悲しみを、味あわせたくない。
大学だけは出してやらねば、と。
そんな負担感は、いつもあった。
加えて、私には、実家のめんどうをみるという、重い荷物を背負っていた。
結婚前から、収入の約半分を、実家へ送っていた。

 病気になることもできない。
仕事を休むこともできない。
1か月に、休みが1日しかないという日々が、何年もつづいた。
そういう苦労を、息子たちは、別の目でとらえていた。

(だからといって、息子たちを批判しているのではない。
それが現代の、おおかたの若い人たちの標準的な考え方ということになる。
もちろんそうでない若い人たちも多いが……。)

●温泉

 先ほど、露天風呂に入ってきた。
つづいてたった今、大浴場から戻ってきた。
泉山閣には、失礼かと思ったが、このところどこへ泊まっても、ガンマ線を測定している。
温泉によっては、放射線量の高さを売り物にしているところもある。
それに対して、WHOは、日本政府に対して、「危険」という警告を何度もしている。
アメリカなどでは、放射線の高い地域では、建築許可がおりないという。
が、この日本では、野放し(?)。

 で、いつも放射線測定器をもって、私はあちこちを旅行している。
で、先ほど、大浴場で測定してみた。
湯面から、20センチほどの高さに置いて、測定してみた。
結果は、0・06~0・07μシーベルト。
通常、1メートルの高さで測定する(注意書き)。
それによれば、0・05~0・06μシーベルト。
浜松市内でも、0・05~0・06μシーベルトだから、まったく問題なし。
地下1000メートルからの源泉というから、この程度の値は、当然といえば当然。
誤差の範囲。
(測定器は、エステー株式会社の、Air Counter-S。
主にガンマ線を測定する。)

 それを知り、2回目の入浴のときは、のんびりと、ゆっくりと湯につかった。

●温泉客

 大浴場で、3人の男たちと知り合いになった。
愛知県の西尾市から来ているということだった。
年齢が、67歳、73歳、もう1人は不明……。

 話題はもっぱら体重について。
みな、70キロ前後もあるという。
私もその程度の体重だから、偉そうなことは言えない。
しかし私のばあい、運動をしているせいか、ブヨブヨ感はない。
割と引き締まっている。
(自分で、そう思っているだけだが……。)
が、大切なのは、大腿筋(太もも)。

 大腿筋(太もも)が、鳥のガラのようになったら、よくない。(……そうだ。)
骨と皮だけ。
3人の中の1人がそうだった。
歩くのも、難儀そうだった。
あとはこの悪循環の中で、ますます足腰が弱くなっていく。
が、それだけではない。

 大きな筋肉は、(その第一が、脚の大腿筋ということになるが)、それ自体がホルモンを分泌するという。
とくに大腿筋(太もも)は、若返りのホルモンを分泌するという。
少し前、何かの本で、そう読んだことがある。
つまり足腰を鍛えると、若返るということ。

 もう一度、その真偽のほどを確かめてみる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

検索してみた。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●マイオカイン

 あちこちのサイトを読んでみる。
その結果、大きく2つの説があることがわかった。

(1) 運動が刺激となり、脳内の成長ホルモンの分泌を促す。
(2) 新しい筋肉ができると、若返りのホルモンが分泌される。

某整体道場のサイトには、こうあった。

『……下半身の筋肉を鍛えて、新しい筋肉ができると「マイオカイン」といって若返りのホルモンが分泌されます。
マイオカインは、脂肪の分解、糖代謝の改善、動脈硬化の予防、また認知症の予防などに効果的に働くと云われています』(某整体道場HP)と。

 そこでさらに「マイオカイン」について調べる。
「マイオカイン」で検索をかけたら、すぐ見つかった。

 「おもいっきりTV」というテレビ番組がある。
そのサイトに、こんな記述が見つかった。

『筋肉から健康によい新物質が分泌されることがわかった。
 その名は「マイオカイン」。

★筋肉から出る新物質マイオカインの健康効果としては、つぎのものがある。

★脂肪組織に働いて脂肪分解
★肝臓に働いて糖代謝改善
★血管壁に働いて動脈硬化予防
★脳に働いて認知症予防

★筋肉の種類とマイオカイン

 白筋・・・激しい運動で出る
 赤筋・・・日常動作で出る

つまり赤筋を増やすことで特別な運動なしで常に健康物質マイオカインを出すことが可能である』(「おもいっきりTV」)と。

 筋肉がホルモンを分泌しているなどということは、20年、30年前には、考えられなかった。
さらに最近では、こんなこともわかった。
何と胃壁からも、ある種のホルモンが分泌されているという。
ある研究者が、あるホルモンを調べていた。
が、脳のどこをさがしても、その分泌先がわからなかった。
で、枠を広げ、体中を調べてみたら、何と胃壁から分泌されていることがわかった、と。
そんな話も、何かの本で読んだことがある。

 これについても、一度、自分で調べてみる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

胃壁からホルモン。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●ガストリン

 Meddic Jpサイトには、つぎのようにある。

『……ガストリン(gastrin)は、主に胃の幽門前庭部に存在するG細胞から分泌されるホルモン。
胃主細胞からのペプシノゲン分泌促進作用、胃壁細胞からの胃酸分泌促進作用、胃壁細胞増殖作用、インスリン分泌促進作用などが認められている。ガストリン分泌は……』と。

 今度は、「ガストリン」?

 要するに、体中が、ホルモンの分泌器官であるということ。
が、それ以上に驚くことが、こうした山あいの旅館にいて、直接調べられるということ。
15年前なら、一日中、図書館にこもり調べてもわからなかった。
そんなことが、瞬時に、わかる。
(驚き!)

 このあたりで追跡調査はやめにしておく。
キリがない。

●要するに……

 「マイオカイン」にしても「ガストリン」にしても、名前だけ。
実物を見ても、ただの何かの水溶液にしか見えないはず。
便宜上、学者たちが、そういう名前をつけ、区別しているだけ。
だから名前を覚えても、意味はない。

 要するに、大切なことは、運動をつづけること。
その運動が、肉体の健康を保つと同時に、心身を若返らせるということ。
素人の私たちは、その程度のことを知っていれば、じゅうぶん。

●夕食

 夕食は、部屋食。
ここ泉山閣の料理には、定評がある。
風呂で会った人たちも、みな、こう言った。
「ここの料理は、いいね」と。

 この言葉に、異論はない。

●仰げば尊し

 『♪仰げば尊し』という歌がある。
今でも、私はその歌を聴いたり、歌ったりすると、涙が流れる。
(ただしワイフは、平気。)
今日、ここへ来る途中、その歌を聴きながらやってきた。
たまたまネットでその歌を、拾った。

 その『♪仰げば尊し』が、台湾では、今でも歌い継がれているという。
「和(倭)性のものは、袈裟まで憎し」という韓国、北朝鮮とは大違い。
が、それだけではない。
その台湾で歌われている、『仰げば尊し』の歌詞がすばらしい。

 YOUTUBEの中で歌われている、『♪仰げば尊し』を、紹介する。



『♪校庭の草木が青々と生い茂る。
 恵みの雨のごとく喜ばしい。
 筆とすずりのように、親しく朝晩笑っていた。
 なぜ今日が別れの朝なのか。
 人生の道は多く、人の道は遥かに広い。
 帆を上げて夜明けを待つ。
 真心で教えてくださった、進路は心に抱いています。
 先生の高い志を尊敬します』(歌詞は、YOUTUBE上の翻訳による)と。

 台湾のみなさん、ありがとう。
あなたがたは、日本の第一の友人であり、仲間です。

 なお原曲の作詞者も作曲者も、アメリカ人だそうだ。
最近の研究で、それがわかった(2011年)。
また台湾で、戦後もこの歌が歌い継がれていることについて、ウィキペディア百科事典は、つぎのように説明している。

『……この曲は台湾では現在も卒業式での「定番」として広く使用されており、映画「冬冬の夏休み」では、冒頭からこの曲が流れ、社会での定着度を示している。

台湾へは日本による植民地統治時代に使用されていたものが、1945年以降も引き続き中国語の歌詞によって使用されているものだが、歌詞は「中華文化高揚」というような民族的、政治的な色彩を加えているものの、日本語の歌詞の影響下で作られたものであり、その関連性が認められる』(以上、ウィキペディア百科事典より)と。

 たしかに2番は、政治的な色彩の濃い歌詞になっている。
それは別として、この歌が、アメリカ人による作詞、作曲であることがわかったのは、ごく最近のこと。
が、台湾の人たちは、戦後、そのまま歌いつづけていてくれた。
わかるか?
日本人よ、わかるか?
日本よ、日本人よ、台湾を大切にしよう。
日本にとっては、この極東アジアでは、ただ1人の友人だぞ!

●ニヒリズム

 ともあれ、今夜のテーマは、ニヒリズム。
虚無主義。
というのも、このところ、「どうでもなれ」とか、「どうにもならない」とか、そんなふうに思うことが多くなった。
「日本が……」と考えること自体、馬鹿らしく思うことが多くなった。
それをワイフに話すと、ワイフは、あっさりと、こう認めた。

 「あなただけよ、そんなこと言っているのは! ほかのだれも、そんなことを言っていないわよ」と。
つまり今では、「天下国家を論じている人はいない」と。
「とくに定年退職者たちは、そのまま黙ってしまう」とも。

 が、どっこい!
1人いる。
90歳近くになっても、まだがんばっている人がいる。
田丸謙二先生である。
先週、鎌倉で会ったときも、その話ばかりになった。
本来なら、現役から退き、自分のことだけを考えればよい。
が、そんな立場の先生でありながら、口にするのは、「日本は……」。

 そういう意味では、先生は、いつも、この私に生きる勇気と希望を与えてくれる。
ワイフが言うように、もしこの私さえも、「日本は……」と言わなくなってしまったら、だれが私の代わりをするのか。

 金を稼ぎながら、評論している人は別である。
名声を求めながら、評論している人は別である。
政府やどこかの団体の御用学者は、別である。
そういう人たちが、「日本は……」と論ずるのは、当然のこと。

 大切なのは、私たち1人ひとりが、庶民の立場で、「日本は……」を論ずること。
それを忘れたら、この日本に、明日はない。
今、私がこうして書いている文章にしても、そのまま「絶滅」する。
そうでなくても、もし日本語そのものが、マイナーな言語になってしまったら……?
それを考えると、さみしい。
しかしそれこそ、私たち日本人の魂の死を意味する。
何としても、それだけは、阻止しなければならない。
100年後、200年後の日本。
私たちが目指すのは、そういう日本!

 田丸謙二先生は、いつも私を励まし、支えてくれた。
今も、励まし、支えてくれる。
田丸謙二先生、ありがとう!

●2度目の入浴

 これから3度目の入浴に行ってくる。
ここの温泉は、すばらしい。
本当に、すばらしい。

 たぶん、そのあとは、バタン……と眠ってしまうだろう。
だからここで、今日の日記はおしまい。

 明日からいよいよ仕事。
充実した春休みだった。
やりたいことは、すべて、した。
義兄も、こう言っている。

「来年のことは、わからないよ。年齢というのは、そういうものだよ」と。

私にも、それがよくわかっている。
わかっているから、今、がんばるしかない。

がんばろう。

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Hiroshi Hayashi+++++++April. 2012++++++はやし浩司・林浩司

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