2012年4月2日月曜日

*Another Failure of USA





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 子育て最前線の育児論byはやし浩司    4月 6日号
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●オリオン座・ベテルギウス

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

オリオン座にある、ベテルギウスが注目を集めている。
その星が、近く「爆発」するかもしれないという。
(実際には、すでに爆発している?)

星が爆発するのだぞ!

爆発すれば、何と、月ほどの大きさに見られるという。
「壮大な天体ショー」と浮かれている人もいる。
その一方で、その影響で、人類は滅亡すると説く人もいる。
どちらであるにせよ、注目を集めて当然。

そのベテルギウスについて、ウィキペディア百科事典は、つぎのように書いている。

『……2009年時点のベテルギウスは、15年前の測定時と比べると15%も小さくなっており、しかも加速的に収縮しているらしいことがわかった。
また、2010年1月にはNASAが、ベテルギウスが変型している事を示す観測写真を公開。
ガスが流出し表面温度が不均一になるなど、恒星が不安定な状態にあることが示された。近年の観測や研究により、その形状は球形ではなく、大きな瘤状のものをもった形状であるとされている』(以上、ウィキペディア百科事典)と。

何やらベテルギウスでは、とんでもないことが起きているらしい。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●ベテルギウス

 距離は、640光年(ウィキペディア百科事典)。
640光年とはいうが、銀河系の中でも、隣人のようなもの。
見かけの大きさは、太陽についで、2番目!
(夜空を見あげ、いちばん大きく、赤く輝いている星が、そのベテルギウス。)

『ベテルギウスは、地球からの見かけの大きさ(視直径)が2番目に大きい恒星である(1位は太陽)』(ウィキペディア百科事典)と。

 ベテルギウスは、実際、巨大な星らしい。

http://www.flickr.com/photos/86343436@N00/6784318602/



 この写真は、グーグルの「ベテルギウス写真倉庫」に掲載してあったもの。
どこに許可を求めたらよいのかわからなかったので、そのまま使わせてもらった。
詳しくは:http://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%99%E3%83%86%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%82%A6%E3%82%B9&hl=ja&rlz=1T4MOCJ_jaJP363JP363&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=37pJT4WxN43wmAWlnNCbDg&ved=0CE0QsAQ&biw=1622&bih=949

 太陽の大きさは、左下、豆粒というより、針の先の大きさ。
その太陽と比べると、ベテルギウスは、とてつもなく大きな星であることがわかる。

 この星が、近く(明日~100万年後)に爆発するらしい。
表面が、でこぼこし、今、加速度的に収縮しているという。
爆発すれば、もちろん太陽や地球にも、大きな影響を及ぼすとも言われている。

MSNニューズはつぎのように書いている。

『……恒星は核融合反応で輝いており、燃料の水素が燃え尽きると一生を終える。
太陽の8倍以上の質量の星は、寿命が近づくと赤色超巨星となり、最期は大爆発を起こして突然、輝く「超新星」になる』と。

●ガンマ線

 「人類が滅亡する」と説く人たちは、ガンマ線の影響を問題にする。
「強烈なガンマ線で、人類は一瞬のうちに焼き殺される」と。

 この話がデタラメでないことは、NASAが、ベテルギウスの地軸を観測していることでもわかる。
大爆発を起こしたとき、強力なガンマ線を発生する。
そのガンマ線は、ベテルギウス自体がもつ磁場によって、指向性をもつ。
わかりやすく言えば、ベテルギウスの地軸の傾きを調べれば、どの方向にガンマ線が飛び散っていくかがわかる。

 で、それによれば、幸いにも、ベテルギウスの地軸は、地球に対して、20度ほど傾いているという(NASA)。
つまり地球に向かっては、ガンマ線は、飛んでこない。

 が、何といっても、未知の世界。
ガンマ線がまったく飛んでこないとも言えないし、さらに太陽がどのような影響を受けるかとなると、まったくの未知数。
すでにその影響を受け、太陽系のほかの惑星の温暖化が進んでいるという説もある。
あるいはすでに太陽が活動期に入っていおり、猛烈な太陽風が地球を襲うという説もある。

 もしそうなったら、人類に逃げる手だてはない。
どこに隠れても、猛烈な放射線で、みな、焼き殺されてしまう……という。

●400キロ先の野球ボール

 では、実際には、どの程度の大きさと考えたらよいのか。
ウィキペディア百科事典には、こうある。

『……ベテルギウスは、400キロメートル離れた所に置いた野球ボールと同程度である』と。

 福島第一原発から東京までが、約200キロメートル。
この浜松市までが、約400キロメートル(以上、直線距離)。

 浜松市から見ると、福島第一原発のところに野球ボールを置いた距離と、大きさということになる。
それが、爆発する。

 被害はあるのか?
それともないのか?
たかがボール1個。
……と言いたいが、どうやらそうでもないらしい。

 何でも爆発すれば、月ほどの大きさと明るさになり、しかも昼間でも見えるようになるという。
ふつうの核爆発とは、桁外れに大きな核爆発ということらしい。
となると、「天体ショー」と浮かれているようなばあいでもない。

 かなり深刻!

 ベテルギウス……赤くて不気味な星。
夕方になると、東の空に、ひときわ大きく輝いて見える。
毎晩そこに、そのままあればよし。
爆発すれば、数時間後には巨大な星になるという。
が、そのあと、何が起こるかわからない。

 まことにもって、不気味な星……ということになる。
私もワイフも、夕方になると、いつもそのベテルギウスをまっ先に、見る。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 ベテルギウス 超新星爆発 オリオン座)


Hiroshi Hayashi+++++++Feb. 2012++++++はやし浩司・林浩司

●浜松・ダイワ・ロイネット・ホテルにて(はやし浩司 2012-02-26夜)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

今夜、『アンダーワールド』という映画を観てきた。
その帰りに、駅前のダイワロイネットホテルに泊まった。
超ハイテクホテル。
ときどき泊まらせてもらっている。
気分転換にはよい。
よい刺激になる。

で、映画『アンダーワールド』は、星1つの★。
あの手の映画は、見飽きた。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司



Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●教材作り

 ポッカリと空いた、日曜日の午後。
とくに予定はなし。
あえて言えば、明日からの教材作り。
小1~2用の教材が、まだ何も用意していない。
が、今年度分は、予定通り、ほぼすべて消化した。
残るは、「確率」「密度」「空間図形」。

 「小学1年生に、確率?」と思う人もいるかもしれない。
が、心配、無用。
「どちらのクジを引いたら、得かな?」「損かな?」と。
そんなレッスンを展開すればよい。
私のばあい、「確率」という言葉も使う。
遠慮する必要はない。

 「密度」にしても、「どちらが、混んでいる?」「すいている?」と。
そういう切り口から、入っていく。
大切なのは、その糸口というか、概念を種まきの種にように、子どもの脳の中に入れておくこと。
1年後には、それが、ちゃんと頭の中で、立派な木に育っている。

 たとえば先月、「平均」を教えた。
それについてある母親から、こんなうれしいメールが届いた。
「うちの子ったら、毎日、平均、平均って、そんなことばかりを話題にしています」と。
小学1年生の女児をもつ母親からのものだった。

●東京

数日前、ほぼ1年ぶりに、東京へ行ってきた。
東京駅で新幹線を降り、タクシーで虎の門(霞が関)まで。
そこで講演。
帰りは、虎の門から新橋まで歩いた。
そこから山手線に乗り、東京駅へ。

 その東京。
大都会。
しかしこの10年、ほとんど変わっていない。
この10年間、あるいは15年間、時計は止まったまま。

その東京。
東京に住んでいる人たちには、たいへん失礼な言い方になるかもしれない。
しかしこう思った。
「こんなところに、住まなくて、よかった!」と。

 負け惜しみでも何でもない。
本気で、そう思った。
ビル、ビル、ビル……。
どちらを見ても、ビル、ビル、ビル……。

 そういう通りを歩いていると、奇妙な孤独感に襲われる。
人がいっぱい、いるはずなのに、さみしい。
どうしてだろう?
すべてが直線的。
縦と横の線ばかり。
やわらかな線がどこにもない。

通りを歩く人たちも、みな、無機質で無表情。
飲み食い屋にしても、それが「ある」というだけ。
いくつかの飲食店をのぞいてみたが、食欲そのものが、わいてこなかった。
作られた店、作られた雰囲気、作られた味……。
田舎ぽい店もあるにはあったが、それが女性の化粧のようにも見えた。

 あとはお決まりの、あの都会臭。
排気ガスとゴミの臭い。
ホコリと飲食店の臭い。

 浜松の家に帰ったとき、すでにあたりは真っ暗だったが、草の匂いがした。
若葉の匂い。
そこに甘ったるい春の気配を感じた。
ほっとした。
「ああ、これでいい」と。

●米朝会談

 数日前、米朝会議が終わった。
が、早々と、韓国の中央日報だけは、「双方が合意。協議は成功」と報じた。
それ以外の報道機関は、「たいした進展なし」と。
どちらが正しいのか?
以後、2日間、会談の内容を追いかけているが、どうもはっきりしない。

 アメリカ側の代表は、デービース北朝鮮担当特別代表。
北朝鮮側は、金桂寛(キム・ケグァン)外務次官。

 成果をあせる、デービース(?)。
それを手玉に取る、金。
その様子をテレビで見て、あのクリストファー・ヒルを、そのまま思い出した。

「私が解決してみせます」と、自ら名乗り出た、ヒル。
聞くところによると、クリントン国務長官(当時)に、直接自分を売りこんだという。
結果は、どうだった?
北朝鮮に、よいようにもてあそばれただけ。

ヒルがしたのは、北朝鮮に、現金と原油、食料と音楽(ニューヨークフィルのピョンヤン公演)を与えただけ。
それに何よりも痛かったのが、「時間」。
その時間を与えてしまった。
その間に、北朝鮮は、核兵器を完成させてしまった。

 が、今回は、やや事情が異なる。
平たく言えば、日本は、まったくのカヤの外。
中国は、さらに北朝鮮寄りになった。
たぶんアメリカは、北朝鮮に、こう言っているにちがいない。

「日本から、たんまり現金を取ってやるから、ここはアメリカの要求に応じなさい」と。

 核開発問題についても、日本や韓国が求めるのは、「完全廃棄」。
かたやアメリカは、「凍結」。
 こういうのを、「頭越し外交」という。
が、アメリカにしても、日本のご機嫌を取る必要は、もうない。
自国の利益、第一。
つまり核兵器さえ拡散しなければ、それでよい。
極東アジアの緊張にしても、緊張が高まれば高まるほど、アメリカには利益がある。
中国にしても、そうだ。
北朝鮮がもつ核兵器など、痛くもかゆくもない。
その気にさえなれば、1日で、北朝鮮を焦土と化すことができる。

 では、日本はどうすべきか?

 日本に発言権が与えられないなら、日本は6か国協議から離脱する。
それくいらいの覚悟をもつ。
北朝鮮は、どんなことがあっても、核兵器は手放さない。
核兵器あっての、金王朝。
言うなれば、独裁政権を守る本尊。

 ……というのは、書き過ぎ。
よくわかっている。

ただ、今のままでは、この閉塞感を打破することはできない。
日本は、逃げ回るだけ。
が、それだけでは、問題は解決しない。
もちろん専守防衛。
しかしやるべきときには、やる。
その覚悟を示す。

 「日本は6か国協議から離脱する。日朝協議は別枠で必要に応じてする」と。

 最後に一言。

いざとなったら、アメリカが日本を助けてくれると思っている人は、多い。
しかしアメリカ人に、そんな気は、最初から微塵(みじん)もない。
ないことは、少しでもアメリカ人とつきあったことがある人なら、わかるはず。
(アメリカ人は、そんなお人好しではないぞ!
「トモダチ作戦」なんかに、惑わされるな!)

が、アメリカ本土が攻撃されれば、話は別。
……と書きたいが、北朝鮮だって馬鹿ではない。
そんなことはしない。
そのための「米朝友好条約」。
「アメリカ本土が攻撃されなければ、アメリカは北朝鮮を攻撃しません」と。
北朝鮮の最終目標は、それ。
つまり米朝友好条約。
が、そんな友好条約が結ばれたら、日米安保条約は、そのまま死文化する。
日本は孤立無援。

 ア~ア!

●宇宙人

 今日も、ワイフと宇宙人の話になった。
今度、またそういう映画がやってくる。
題名は『バトルシップ(Battleship)』。
楽しみ。
それでまた宇宙人の話になった。

 が、どんな宇宙人であるにせよ、地球へやってくるような宇宙人は、人間など相手にしない。
科学力も、けた外れに違う。
彼らがもつ宇宙船にしても、母船は地球程度の大きさがあると思ったほうがよい。
太陽の中にだって、平気で出入りできる。

 そういう宇宙人にすれば、人間など、取るに足りない「動物」のようにも見えるかもしれない。
よく言っても、猿、悪く言えば、ネズミ。
逆に人間は、彼らそのものが、理解できない。
姿を見ても、その姿さえ理解できないだろう。
あまりにもちがいすぎる。

 言うまでもなく、科学力と武器の破壊力は、比例する。
つまり彼らは、想像を絶するような武器をもっている。
ひとたび使えば、太陽だって破壊できる。
言い換えると、それだけの科学力があるということは、それだけの自己規制力があるということ。
自己規制力がないまま、科学力をもったら、自滅、あるのみ。
今の北朝鮮を見れば、それがわかるはず。

 ……だから、人間と宇宙人が戦争をする?
そんなことは、ふつうの常識で考えても、ありえない。
ありえないが、おもしろい。

次回は、『バトルシップ』。
かならず見る。

●団塊の世代

 団塊の世代の人たちは、まだ気がついていないかもしれない。
このところ団塊の世代に対する、風当たりが強くなってきている。
「ジジババ・ゴミ論」などという、生やさしいものではない。
「団塊の世代・害悪論」まで、飛び出している。
2チャンネルに、こんな書き込みがあった。

 「あいつ(=あるタレント)も、団塊の世代だろ」
 「いちばんいい時代を、ノーノーと生きた連中だ。苦労を知らない」
 「いい気なもんだな。日本をめちゃめちゃにしやがって」と。

 意識というのは、恐ろしい。
ものの見方、考え方が、私たち団塊の世代と、180度ちがう。
それをワイフに話すと、ワイフは、こう言った。

「団塊の世代は、もっと発言すべきよ。若い人たちに、そうでないと、しっかりと言うべきよ」と。

 しかし残念ながら、今の若い人たちには、それを聞く耳すら、ない。
以前、私が自分のBLOGに、こう書いたときのこと。

「ぼくたちの世代は、就職と同時に、みな、給料の半分を実家へ送った」と。
それに対して、千葉県に住む若い父親は、こう書いてきた。

「阿呆(あほう)」という題名だった。
いわく、「そういうことで、息子や娘をしばることこそ、家族崩壊だ。ぼくは自分の息子や娘には、そういうことはさせない」(EH氏)と。
 
 誤解がないように、言っておく。

 私自身は、結婚前から、収入の約半分を実家へ送った。
45歳まで、それを欠かさずつづけた。
27歳を過ぎるころから、法事などの諸費用も、すべて負担した。
実家の立て直し費用も、すべて負担した。

 そういう立場で、息子たちには、同じような苦労はさせたくないと思ってきた。
学資にしても、惜しみなく、……言われるまま、全額負担してきた。
その一方で、子どものころ、貧乏の怖ろしさを、いやというほど経験している。
息子たちにはそういう思いをさせたくないと願ってきた。

 が、こうした思いは、戦後生まれの団塊の世代なら、みな、もっている。
程度の差はあるだろうが、みな、もっている。
だからがんばった。
彼らが言うところの「家族」を犠牲にしたかもしれないが、がんばった。
がんばるしかなかった。
が、それに対して、最近の若い人たちは、こう言う。
こう言って、吐き捨てる。
「自業自得」と。

 ……この先、「風当たり」は、ますます強くなる。
弱くなることは、ありえない。
飽食とぜいたくの中で、自分を見失ってしまった。
最初から、すべてがそろっているのが、当たり前。
そこに食べ物やモノがあるのが、当たり前。
その世代の、そういった意識を変えるのは、容易なことではない。 

●私たちの責任

 その一方で、私たちの世代にも、責任がないとは言わない。
私ももうすぐ65歳になる。
が、同年齢の仲間たちをながめても、公務員と一般会社員との間に、こうまで「差」があるとは、思ってもいなかった。

 公務員だった連中は、今でも、準公務員として、天下り先で仕事をつづけている。
(もちろんそれぞれの公務員の人に、責任があるわけではない。
制度がおかしいと私は言っている。)

一般企業に勤めた連中は、50歳を過ぎるころから、つぎつぎとリストラ。
子会社、孫会社へ転職できた連中は、まだよいほう。
たいていはそのあと、職安で職をさがしながら、2~3年ごとに転職。
その繰り返し。
「60歳、定年制」などというのは、まさに絵に描いた餅。

 退職金にしても、公務員だった連中は、2700~3000万円(「おいしい公務員」(週刊ダイアモンド(11-10-15)※。
一般会社員については、おおむね、その半額。……それ以下。
今日、大阪市の橋下市長は、バスの運転手の給料をさげると言い出した。
それをそのままここに転載する。

『……大阪市の橋下徹市長が現業職員の給与を民間並みに引き下げるよう指示したのを受け、市交通局が、市バス運転手の給与を4割弱カットすることを盛り込んだ職員給与規定の改定案をまとめたことが26日、明らかになった。
4月からの実施を目指すが、改定には労使間の妥結が不可欠で、難航が予想される。

 交通局によると、市バス運転手の平均年収は、関西の同業5社(544万円)より3・5割高い739万円。
一方、市バス事業の経常損益は28年連続の赤字で、累積赤字は平成22年度決算で過去最高の604億円に達している』(MSN・2012・02・26)と。

 この事実の中に、現代社会の矛盾が集約されている。
累積赤字が604億円もありながら、給料だけは、民間より、35%も高額。

 こうした矛盾に対して、私たち団塊の世代は、何をどう行動してきたのか。
「自分さえよければ、それでいい」「今だけ、何とか、うまくすり抜ければそれでいい」と。
そういうずるい生き方を容認してきたのは、ほかならぬ私たち団塊の世代ではないのか。

 ともあれ、悲惨なのは、蓄財に失敗した個人事業主。
退職金ゼロ、年金ゼロ、貯金ゼロ……。
死ぬまで日銭を稼いで、生きていくしかない。

(注※……退職金)
 『例 北海道富良野町……3408万円、埼玉県朝霧市……3046万円、ほか』(週刊ダイアモンド誌調べ)

●ニヒリズム

 最近、私は、ときどきこう思う。
「まあ、日本も、やがて行き着くところまで行くしかないのでは……」と。
どうしようもないというか、どうにもならない。

 もっとも若い人たちだって、生活は苦しい(?)。
韓国の朝鮮日報に、こんな記事が載っていた(2月26日)。
日本の現状と、たいへんよく似ているので、驚いた。

『……雇用と所得を増やすための韓国政府の積極的対応が求められるが、韓国社会の消費形態を見直す必要もある。
借金をしてでも他人がしていることをしなければならないというのが、最近の消費形態だ。
結婚、マイホーム、子どもの教育を目的に借金をして、その返済に苦しむ人を指して、「ハネムーンプア」「ハウスプア」「エデュ(教育)プア」という新語が相次いで生まれた。
そして、老後の準備ができないまま定年を迎えると、「シルバープア」に転落す』と。

 「シルバープア」?
うまいこと言うね。
ホント!
これからは、この言葉を使わせてもらう。
「シルバープア」。

●シルバープア

 同じ貧乏でも、若いときの衝撃度は、10。
それがシルバーになると、100になる。
(数字で表しても、意味はないが……。)
先がない分だけ、深刻度は大きい。

 が、本当にこわいのは、心がむしばまれること。
心の豊かさや、余裕が消えるだけではすまない。
ものの考えかが、卑屈になる。
いやらしくなる。
ひがみやすく、じけやすくなる。
グチやイヤミが多くなる。
自分では気がつかないまま、そうなる。

 先日、ある知人(女性、55歳くらい)と、たとえばこんな会話をした。

私「……やっと今度、プリウスに乗り換えました」
知「うちなんか、軽よ、軽」
私「何とかがんばって、これからも仕事をつづけます」
知「うちのダンナなんか、倉庫番。万年、倉庫番」
私「楽しみは、温泉へ入ることです」
知「温泉……? もう4年も、旅行してないわ」と。

 自ら、人生の脇道にそれていく。
心の豊かさは、お金(マネー)では買えない。
が、お金(マネー)がない状態で、心の豊かさを維持するのは、簡単なことではない。

●思考回路

 脳みそは、加齢とともに、柔軟性をなくす。
わかりやすく言えば、思考回路が、硬直化する。
早い人で、30代から、そうなる。
40代になると、さらにそれがはっきりしてくる。

 たとえば仕事。
30代を過ぎると、転職がむずかしくなる。
40代になると、さらに転職がむずかしくなる。
たとえばそれまで、バスの運転手をしていたとする。
決めたれた時刻に、決められた路線を走っていたとする。
そんな仕事を10年とか、20年していたとする。

 そういう人が、その仕事をやめ、別の仕事に就くのは、たいへんむずかしい。
「明日から、事務職を……」というわけにはいかない。
それが思考回路。

 人は、ひとつの仕事をしながら、その分野では、専門的になる。
が、同時に、そのほかの部分を切り落としていく。
その「切り落としていく」という部分が、怖い。

そのため、自分の専門分野以外の仕事が、できなくなる。
無理をすればできなくはないが、その分だけ、大きなストレスを覚えるようになる。
実際、50歳を過ぎると、そのため分野の違う世界への転職は、不可能と考えてよい。

 私の知人は、それまで国鉄の工場で働いていた。
で、55歳で定年退職を迎え、その翌月から、市内のY楽器工場で働くことになった。
が、たった1日で、やめてしまった。
「あんなきつい(=きびしい)仕事は、わしにはできん!」と。
現在、85歳だが、以後、1日とて、外で働いた経験はない。

 その思考回路。
私にも、ある。
(もちろんあなたにも、ある。)

 では、どうすれば脳みその柔軟性を保つことができるか。
方法は、「環境適応能力」を、逆に利用する。
つまり自ら、ちがった環境の中に、自分を適応させていく。
わかりやすく言えば、「刺激」。
さらに言えば、「好奇心」と「行動力」。
もっとも効果的なのは、若い人たちと接触すること。
たとえば昨日も、こんなことがあった。

 ある中学生の机を見ると、見慣れない道具があった。
「何、これ?」と聞くと、「テープのりだよ」と。

 テープのり?

 珍しそうにそれを手に取りながめていると、ほかの中学生たちがこう言った。
「みんな知っているよ」「みんなもっているよ」と。

 で、私もひとつ買ってみることにした。
「今度、ぼくも買ってくるよ」というと、1人の中学生が、「いいよ、ぼくのをあげるから」と。
(もちろんその申し出は、断ったが……。)

 こうしてまた私の思考回路が、ひとつ訂正された。
仕事がら、のりを使うことは多い。
テープのりなるものを知らなかったら、20年前、30年前のままの(のり)を使いつづけていた。

 こまかい話を書いたが、こうして自分の脳みそを刺激する。
柔軟にする。
小さな、日々の積み重ねこそ、大切。

 思考回路……それがあるから、ほとんどの仕事は、楽にできる。
が、同時に、その思考回路があるがゆえに、脳みそは硬直化しやすい。
ときには、その思考回路を、自ら破壊してみる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

思考回路について書いた原稿を探してみる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

【常識の壁】

●思考のパターン化(思考回路の形成)

+++++++++++++++++++++++

同じことを繰り返す。
繰り返していると、やがて脳みそは、やがてそれを
パターン化する。
パターン化して、そのまま脳の中に叩きこむ。
これを「自動化」という。

たとえばコップを手に取り、お茶を飲む。
そのとき、手でどのようにコップを握るか、
それをいちいち考えてする人はいない。
手は自動的に動き、コップを手にし、それを
口に運ぶ。
これが自動化である。

もう少し複雑な自動化としては、タイピングがある。
パソコンに向かって、キーボードを打つときを、思い浮かべて
みればよい。

私もこうして文字をパソコンに向かって、キーボードを
打つとき、どこにどのキーがあるか、いちいち考えて打たない。
短い言葉なら、指がまとめて動く。

「まとめて」というのは、たとえば「言葉」と打つとき、
何も考えなくても、「KOTOBA」と、一気に指が動く。
「K」「O」「T」……というように、ひとつずつの
キーを意識して打つわけではない。

だからふつう、口で話すよりも速く、文字を打つことができる。
この自動化のおかげで、私は、能率よく、かつ無駄なく、自分の
仕事をこなすことができる。

++++++++++++++++++++

●思考回路

 ある作業を繰り返していると、脳はそのパターンを認識し、それを記憶する。
脳の中に、一定の回路をつくる。 
そうした回路のうち、作業に関する回路は、手続きが記憶されるという意味で、「手続き記憶」とも呼ばれている。
わかりやすく言えば、頭が覚えるのではなく、体が覚える。
(本当は、頭が覚えるのだが……。)

 たとえばここに書いたタイピングにしても、最初は、一本の指だけでパチン、パチンと
打つ。
が、慣れてくると、カチカチと打てるようになる。
さらに練習を重ねていくと、キーボードを見なくても、文字が打てるようになる。
同じような現象が、「思考」についても、起きる。

 たとえば何かの問題にぶつかったとしよう。
そのとき私たちは自分のもつ思考回路に沿って、ものを考え、問題を解決しようとする。
たとえば暴力団の人は、(暴力)という手段を念頭に置いて、問題を解決しようとする。
(多分?)
お金や権力のある人は、お金や権力という手段を念頭に置いて、問題を解決しようとする。
(多分?)
私のばあいは、ものを書くのが好きだし、「ペン」の力を信じている。
だからものを書くという手段を念頭に置いて、問題を解決しようとする。

 人それぞれだが、さらに中身をみていくと、興味深い事実に気がつく。

●常識(?)

 それぞれの人には、それぞれの(糸)が無数にからんでいる。
過去の糸、生い立ちの糸、環境の糸、教育の糸、人間関係という糸、などなど。
そういう無数の糸にからまれながら、その人のものの考え方、つまり常識ができあがって
いく。

 アインシュタインは、「その人の常識は、18歳くらいまでに完成される」というようなことを書き残している。

「18歳」という年齢にこだわる必要はないが、かなり早い時期に完成されることは事実
である。
そしてその常識は、一度形成されると、よほどのことがないかぎり、生涯に渡ってそのま
ま、その人のものの考え方の基本となる。
 たとえばY氏(67歳)は、ことあるごとに、「お前は、男だろが!」「お前は、長男だろが!」「何と言っても、親は親だからな!」とか言う。

そういう言葉をよく使う。

何か問題が起こるたびに、そう言う。
それがY氏の常識ということになる。
そうした常識は、ルーツをたどっていくと、かなり若いころまで、さかのぼることができ
る。

Y氏は、若いころ、「親絶対教」として知られる、M倫理団体の青年部員として活躍していた。

●思考回路への挑戦

 私が自分のもつ思考回路を疑い始めたのは、オーストラリアに留学していたときだった。
もちろんそのときは、「思考回路」という言葉すら、知らなかった。
そのことを書いたのが、つぎの記事である(「世にも不思議な留学記」(中日新聞発表済み))。
 この中で、私は、私たちがもっている職業観ですら、環境の中で作られていくものだと
いうことを書きたかった。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●「外交官はブタの仕事」

 そしてある日。友人の部屋でお茶を飲んでいると、私は外務省からの手紙をみつけた。
許可をもらって読むと、「君を外交官にしたいから、面接に来るように」と。

そこで私が「おめでとう」と言うと、彼はその手紙をそのままごみ箱へポイと捨ててしまった。「ブタの仕事だ。アメリカやイギリスなら行きたいが、九九%の国へは行きたくない」と。
彼は「ブタ」という言葉を使った。
あの国はもともと移民国家。「外国へ出る」という意識
そのものが、日本人のそれとはまったくちがっていた。
同じ公務の仕事というなら、オーストラリア国内で、と考えていたようだ。

また別の日、フィリッピンからの留学生が来て、こう言った。「君は日本へ帰ったら、軍隊に入るのか」と。

「今、日本では軍隊はあまり人気がない」と答えると、「イソロク(山本五十六)の、伝統ある軍隊になぜ入らない」と、やんやの非難。

当時のフィリッピンは、マルコス政権下。
軍人になることイコール、出世を意味していた。マニラ郊外にマカティと呼ばれる特別居住区があった。
軍人の場合、下から二階級昇進するだけで、家つき、運転手つきの車があてがわれた。
またイソロクは、「白人と対等に戦った最初のアジア人」ということで、アジアの学生の間では英雄だった。
これには驚いたが、事実は事実だ。日本以外のアジアの国々は、欧米各国の植民地になったという暗い歴史がある。

 そして私の番。
ある日、一番仲のよかった友だちが、私にこう言った。
「ヒロシ、もうそんなこと言うのはよせ。ここでは、日本人の商社マンは軽蔑されている」と。
私はことあるごとに、日本へ帰ったら、M物産という会社に入社することになっていると、言っていた。
ほかに自慢するものがなかった。

が、国変われば、当然、価値観もちがう。
私たち戦後生まれの団塊の世代は、就職といえ
ば、迷わず、商社マンや銀行マンの道を選んだ。それが学生として、最良の道だと信じていた。
しかしそういう価値観とて、国策の中でつくられたものだった。私は、それを思い知らされた。
時まさしく日本は、高度成長へのまっただ中へと、ばく進していた。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

 で、帰国後、私は大阪に本社を置く、M物産(当時は、東京と大阪の2本社制を敷いて
いた)に勤めるようになった。
そこで私は、ある日、こんな実験をした。
今にして思えば、それが、私が意識的にした最初の、思考回路への挑戦だったと思う。
私は自分の思考回路を、変えてみたかった。

 それについて書いた原稿が、つぎのもの。
少し余計なことも書いているが、許してほしい。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●私の過去(心の実験)

 私はときどき心の実験をする。わざと、ふつうでないことをして、自分の心がどう変化
するのを、観察する。
若いときは、そんなことばかりしていた。私の趣味のようなものだ
った。

たとえば東京の山手線に乗ったとき、東京から新橋へ行くのに、わざと反対回りに乗るな
ど。
あるいは渋谷へいくとき、山手線を三周くらい回ってから行ったこともある。
一周回るごとに、自分の心がどう変化するかを知りたかった。
しかし私の考え方を大きく変えたのは、つぎのような実験をしたときのことだ。

 私はそのとき大阪の商社に勤めていた。
帰るときは、いつも阪急電車を利用していた。
そのときのこと。
あの阪急電車の梅田駅は、長い通路になっていた。
その通路を歩いていると、たいていいつも、電車の発車ベルが鳴った。
するとみな、一斉に走り出した。
私も最初のころはみなと一緒に走り、長い階段をかけのぼって、電車に飛び乗った。

しかしある夜のこと、ふと「急いで帰って、それがどうなのか」と思った。
寮は伊丹(いたみ)にあったが、私を待つ人はだれもいなかった。
そこで私は心の実験をした。

 ベルが鳴っても、わざとゆっくりと歩いた。
それだけではない。
プラットホームについてからも、横のほうに並べてあるイスに座って、一電車、二電車と、乗り過ごしてみた。

それはおもしろい実験だった。しばらくその実験をしていると、走って電車に飛び乗る人
が、どの人もバカ(失礼!)に見えてきた。
当時はまだコンピュータはなかったが、乗車
率が、130~150%くらいになると電車を発車させるようにダイヤが組んであった。
そのため急いで飛び乗ったようなときには、イスにすわれないしくみになっていた。

 英語に、『休息を求めて疲れる』という格言がある。
「早く楽になろうと思ってがんばっているうちに、疲れてしまって、何もできなくなる」という意味だが、愚かな生き方の代名詞にもなっている格言である。

その電車に飛び乗る人がそうだった。
みなは、早く楽になりたいと思って電車に飛び乗る。
が、しかし、そのためにかえって、よけいに疲れてしまう。

 ……それから35年あまり。
私たちの世代は企業戦士とか何とかおだてられて、あの高度成長期をがむしゃらに生きてきた。
人生そのものが、毎日、発車ベルに追いたてられるような人生だった。
どの人も、いつか楽になろうと思ってがんばってきた。
しかし今、多くの仲間や知人は、リストラの嵐の中で、つぎつぎと会社を追われている。
やっとヒマになったと思ったら、人生そのものが終わっていた……。そんな状態になって
いる。

私とて、そういう部分がないわけではない。
こう書きながらも、休息を求めて疲れるようなことは、しばしばしてきた。
しかしあのとき、あの心の実験をしなかったら、今ごろはもっと後悔しているかもしれない。

そのあと間もなく、私は商社をやめた。今から思うと、あのときの心の実験が、商社をや
めるきっかけのひとつになったことは、まちがいない。

【補記2】

 やはり、「♪のんびり行こうよ……」は、いい歌です。
私は何度も、この歌と歌詞に救われました。
小林亜星さん、そしてそのコマーシャルを流してくれたM石油さん、ありがとう。

 そうそうそのM石油。
一度、入社試験を受けたことがあるんですよ。
学生時代の話ですが……。
そのあとM物産に入社が内定したので、そのままになってしまいましたが……。
ごめん!

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

 話は前後するが、私はこんな経験もした。

私の思考回路に、強烈な刺激を与えた事件だった。
同じく『世にも不思議な留学記』の中で、こんな原稿を書いた。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●たった一匹のネズミを求めて(そのネズミになる)

●牧場を襲った無数のネズミ

 私は休暇になると、決まって、アデレード市の近くにある友人の牧場へ行って、そこで
いつも一、二週間を過ごした。
「近く」といっても、数百キロは、離れている。広大な牧場で、彼の牧場だけでも浜松市の市街地より広い。
その牧場でのこと。

ある朝起きてみると、牧場全体が、さざ波がさざめくように、波うっていた!
見ると、おびただしい数のネズミ、またネズミ。
……と言っても、畳一枚ぐらいの広さに、一匹いるかいないかという程度。
しかも、それぞれのネズミに個性があった。
農機具の間で遊んでいるのもいたし、干し草の間を出入りしているのもいた。

あのパイドパイパーの物語に出てくるネズミは、一列に並んで、皆、一方向を向いている
が、そういうことはなかった。

 が、友人も彼の両親も、平然としたもの。私が「農薬で駆除したら」と提案すると、「そんなことをすれば、自然のライフサイクルをこわすことになるから……」と。
農薬は羊の健康にも悪い影響を与える。
こういうときのために、オーストラリアでは州による手厚い保障制度が発達している。

そこで私たちはネズミ退治をすることにした。
方法は、こうだ。
まずドラム缶の中に水を
入れ、その上に板切れを渡す。
次に中央に腐ったチーズを置いておく。
こうすると両側から無数のネズミがやってきて、中央でぶつかり、そのままポトンポトンと、水の中に落ちた。
が、何と言っても数が多い。私と友人は、そのネズミの死骸をスコップで、それこそ
絶え間なく、すくい出さねばならなかった。

 が、三日目の朝。
起きてみると、今度は、ネズミたちはすっかり姿を消していた。
友人に理由を聞くと、「土の中で眠っている間に伝染病で死んだか、あるいは集団で海へ向かったかのどちらかだ」と。
伝染病で死んだというのはわかるが、集団で移動したという話は、即座には信じられなかった。

移動したといっても、いつ誰が、そう命令したのか。
ネズミには、どれも個性があった。

そこで私はスコップを取り出し、穴という穴を、次々と掘り返してみた。
が、ネズミはお
ろか、その死骸もなかった。
一匹ぐらい、いてもよさそうなものだと、あちこちをさがしたが、一匹もいなかった。
ネズミたちは、ある「力」によって、集団で移動していった。

●人間にも脳の同調作用?

 私の研究テーマの一つは、『戦前の日本人の法意識』。
なぜに日本人は一億一丸となって、戦争に向かったか。
また向かってしまったのかというテーマだった。
が、たまたまその研究がデッドロックに乗りあげていた時期でもあった。
あの全体主義は、心理学や社会学では説明できなかった。

そんな中、このネズミの事件は、私に大きな衝撃を与えた。
そこで私は、人間にも、ネズミに作用したような「力」が作用するのではないかと考えるようになった。

わかりやすく言えば、脳の同調作用のようなものだ。
最近でもクローン技術で生まれた二頭の牛が、壁で隔てられた別々の部屋で、同じような行動をすることが知られている。
そういう「力」があると考えると、戦前の日本人の、あの集団性が理解できる。……できた。

 この研究論文をまとめたとき、私の頭にもう一つの、考えが浮かんだ。
それは私自身のことだが、「一匹のネズミになってやろう」という考えだった。
「一匹ぐらい、まったくちがった生き方をする人間がいてもよいではないか。皆が集団移動をしても、私だけ別の方角に歩いてみる。
私は、あえて、それになってやろう」と。

日本ではちょうどそのころ、三島由紀夫が割腹自殺をしていた。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●思考回路 

 何度も書くが、思考回路そのものは、「悪」ではない。
思考回路があるからこそ、私たちは日常の生活の中で、ものごとをスムーズに作業し、ものごとをスムーズに考えることができる。
手続き記憶を考えてみれば、それがわかる。

 しかしこの思考回路は、ときとして、新しいものの考え方に対して、壁となって立ちはだかることがある。
新しいものの考え方を取り入れるのを、じゃまする。
それだけではない。

その返す刀で、新しいものの考え方を、「まちがっている」と排斥してしまうことがある。
ときにはそれがその人の全人格的な思考回路になっていることがある。
たとえば「義理・人情」とかいう言葉をよく使う人がいる。
そういう人は、何かにつけて、この言葉に固執する。

 そういう人がそれまでの思考回路を変更するということは、その人自身が自分の過去、つまりそれまで生きてきた人生そのものを否定することに等しい。
その分だけ、衝撃が大きい。
だからよけいにはげしく、抵抗する。
「オレは、義理・人情に命をかける」と。
 ……というような経験は、日常生活の中でもよくする。
 そこで2つのことを提案したい。

(1)常に新しい思考回路が組み込めるように、心の中に余裕(ROOM)を作っておくこと。
(2)常に新しい思考回路をもった人と接する機会を、大切にすること。

 つまり自分がもつ常識は、絶対的なものでないと、いつもどこかでそれを疑う。
一度思考回路ができてしまうと、『類は友を呼ぶ』のことわざ通り、人は居心地のよい世界を求めて、集まる傾向がある。

暴力団の人は、暴力団の人どうし。
ドクターの人は、ドクターの人どうし。
さらには老人の人は、老人の人どうし、と。
が、これは思考回路を固定化するという面で、危険なことでもある。

 私は個人的には、子どもと接するのがよいと思うが、みながみな、そういう機会がある
というわけではない。
子どもたちの思考回路は、いわば白紙の状態。
その(白紙)を見ながら、私たちは自分の思考回路に(色)がついていたり、あるいは(汚れていることを知ったりする。

 ……ということで、思考回路について、考えてみた。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 思考回路 手続き記憶 手続き的知識 常識の破壊 常識への挑戦 はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 思考回路)


Hiroshi Hayashi+++++++Feb. 2012++++++はやし浩司・林浩司

●年中児に教える(記憶→数遊び)

 4~5歳児を教えてみる。
このビデオを通し、つぎのことがわかってもらえればうれしい。

 この年齢の子どもは、すでに自ら「伸びる力」をもっている。
私が伸ばすのではない。
私が教えるのでもない。
自らもっている。

で、私がすることは、そういう「力」をうまく誘導し、引き出すこと。
英語では『灯をともし、引き出す』という。
教育(Education)の語源にもなっている。

 子どもたちの発する会話の中に、そんな「力」を感じ取ってもらえれば、うれしい。

 なお子どもは、段階ごとに、適齢期というのがある。
その適齢期をのがすと、あとあと数の力を身につけようとしても、いまくいかない。
(たとえば小学校へ入学するころには、明確な「差」となって現れる。)
4~5歳がいかに重要な時期か、とくに数の力についてはそうである。
それもわかってもらえればうれしい。



Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●日記 はやし浩司 2012-02-29

●E社の倒産

 数日前、半導体メーカーのE社が倒産した。
(「倒産」という言い方は、正確ではないが……。)
突然の倒産だった。
ある経済サイトは、「いきなり直球を受けたような感じ」と表現していた。
かなりの「突然」だったらしい。

 で、その際、E社の株を、信用買いしていた人が、甚大な損害を被(こうむ)ったという。
そのほとんどが、個人投資家だったという。

E社の株価は、今年に入り、」300~400円前後を推移していた。
それが200円台にさがった。
そこで個人投資家(経済サイト)たちは、このときとばかり、株を買い始めた。
多くは信用買い。

●信用買い

 信用買いというのは、その金額分の損をするまで、株数をもてるというもの。
平たく言えば、証券会社からお金を借り、それで株を買う。

「株式用語解説サイト」には、つぎのようにある。

『……自分の手持ち資金以上の買い付けができるようになること。
証券会社に委託保証金として預けている現金(株券で代用することも可)を担保にして、株式の買付代金を融資してもらう。
委託保証金率が30%であれば、手持ち資金の約3倍の金額まで株式が買える。
つまり、30万円の保証金で、100万円までの取引が可能』(同サイト)と。

 たとえば株価1万円の株であれば、100万円では、100株しか買えない。
信用買いをすれば、たとえば300株とかもてる。
株価があがれば、3倍の利益。
反対にさがれば、3倍の損。
損金が100万円を超えるまで、その株をもつことができる。

 が、損金が100万円を超えたらどうなるか?
証券会社はこう言ってくる。
「放棄しますか、追い証(追加証拠金)を入れてくれますか」と。
追い証を入れなければ、100万円はパーとなる。
証券会社は、その時点で、預かっていた株を売りさばく。

 が、その株が、突然、0円になったら!
証券会社が売りさばく間もなく、0円になったら!
一次的には証券会社が、損失を被ることになる。
が、当然、その損失は、株主が負担することになる。
今回のE会社の倒産の裏では、そんなことが起きた。

●被害

 が、いったいいくらの損が出たのか。
どれくらい多くの人が、損を被ったのか。
はっきりとしたデータはまだ出ていないが、Bloombergは、つぎのように伝える。

『……東証データから算出した信用買い方の懐事情を示す評価損益率は、17日時点でマイナス10・29%と、東日本大震災発生直前の昨年3月4日(マイナス7・33%)以来の水準まで回復していたが、今回のエルピーダ・ショックで回復の流れが水を差される可能性も浮上した』と。

 「回復の流れが水をさされた可能性もある」と。
つまりそれくらい多くの投資家が、多額の損害を被ったことになる。

 おおざっぱな計算をしてみよう。

 E社は、今年に入って、300~400前後で株価が推移していた。
それが最近になって、280円前後にさがった。
「E社がつぶれるはずがない」と見込んでいた個人株主たちは、「買い時」と判断した。
「このときぞ」とばかり、ワーッと、E社の株を買い込んだ。

 280円の株を、1万株買えば、280万円。
委託保証金率を30%にすれば、3・3倍の株数を買うことができる。
つまり280万円で、3万株。
10円上がれば、30万円のもうけ。
反対に10円下がれば、30万円の損。
90円下がれば、270万円の損。
(この時点で、証券会社から、ふつうなら「どうしますか」という電話が入る。
あるいは追い証を求められる。)

 が、今回E社のばあい、280円から一気に0円にまで、株価が下がってしまった。
売り逃げる間もなかった。
つまり280円x3万株=840万円の損ということになる。
「損をしても、280万円までと思っていたのが、840万円になってしまった!」と。
……ということで、多くの個人投資家たちが、莫大な借金をかかえることになった。

●バクチ

 これをバクチと言わずして、何と言う。
バクチ以上のバクチ。
私の知っている人の中には、全財産を失ったあと、自己破産した人がいる。
だから私の祖父は、いつもこう言っていた。
「浩司、信用買いだけは、するなよ!」と。

 あるとき祖父は、こう言っていた。
「あいつら(=証券会社の連中)、オレの株を勝手に売りやがった」と。

 つまり祖父も、それなりに苦い経験をしたらしい。
だから私にそう言った。

 それもあって、私は、信用買い(先物取引も含む)なるものをしたことがない。
また昨年(2011)の3・11大震災直前の2月末には、すべての持ち株を売り払った。
当時は、日本国債の危機がさかんに叫ばれていた。
「3月に、日本は国家破綻する」とも言われていた。
それでそうした。
ギリギリのセーフだった。

●金(ゴールド)の大暴騰

 現在、行き場を失った現金(マネー)が、貴金属(金とプラチナ)に向かっている。
もうめちゃめちゃな額と言ってよい。
めちゃめちゃ。
狂っている。

 ともにグラム、5000円弱。

 金塊1キロで、ベンツが買える?
当然、その分だけ、この先、インフレが世界中を襲う。
「タクシーの初乗りが、1万円」。
やがてそうなる。
それがわかっているから、「我も、我も……」と、みなが貴金属を買いつづけている。
その結果が今。

 では、どうするか?

 私の経験では、こういうときは、騒がず、動かず、静かにしていたほうがよい。
へたに慌てると、やけどを負う。
貴金属を買うにしても、この1~2か月の間に、一度、ドスンとさがるはず。
中国などの中進国が、換金のため、大量に売りに出す。
そのときが買い時。
それまで、じっとがまん。

 株、債権には手を出してはいけない。
このところ銀行からよく電話がかかってくる。
「(休眠)預金をどうしますか」と。
「休眠」という言葉は使わないが、「預金をどうしますか」と。
が、こういうとき、銀行の言いなりになって、外債に手を出してはいけない。
手数料だけで、損をする。
そういうしくみになっている。

 ……とまあ、いっぱしの経済評論家のようなことを書いてしまった。
が、私はあくまでも庶民。
庶民の立場で、自己防衛論を書いてみた。
あまり本気にせず、参考までに。
またそのように、理解してほしい。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 信用買い 追い証)


Hiroshi Hayashi+++++++Feb. 2012++++++はやし浩司・林浩司

************2012年2月29日*****************


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

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