2011年7月18日月曜日

*USA would be bankrupted?

●複合大恐慌(2011/07/18記)

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アメリカのデフォルト(債務超過=国家破綻)、
EU経済の崩壊、
中国バブルの崩壊……。

迫り来る、世界の大恐慌。
しかし日本は3・11震災処理、原発事故処理問題で、
それどころではない(?)。
が、上記ひとつでも現実のものとなったら、
日本経済はそのまま奈落の底へ。

で、ここまでの話しなら私にも理解できる。
が、そのあと、この世界はどうなるか。
この日本は、どうなるか。
それがよくわからない。
ただひとつわかっていることは、そのあと、
世界は未曾有の大恐慌に見舞われるということ。

企業の連鎖倒産、失業者の増大、ハイパーインフレ……。
銀行や証券会社には、払い出しを求めて長蛇の列が
並ぶだろう。
犯罪も増加し、治安は不安定になる。
過去3年間だけをみても、世界の穀物価格(大豆、小麦、
とうもろこし)は、すでに3倍近くにまではねあがっている。

たとえば、大豆価格……08年比で、2・6倍
小麦価格……08年比で、2・3倍
とうもろこし価格……08年比で、3・1倍。
(農林水産省調べ・MMF・2010)

たまたま今は、円高にブレているからよいようなもの。
これが円安に向かえば、穀物価格は、一気に台所を直撃する。
へたをすれば日本でも餓死者が続出するかもしれない。
(すでにあちこちで餓死者が報告されているが……。)

今まさに、世界は大激流の渦の中に巻き込まれようとしている。
そういう中、私たちはいったい、どのように自分の身を守ればよいのか。
どのように生きていけばよいのか。

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●日本人の依存性

 「国の指示がなかった」「国が何とかしてくれる」と。
こういうのを依存性という。
「甘えの構造」(土居健郎)ともいう。

牛肉から最初に放射線が計測されたとき、当の飼育業者は、こう言っていた。
「原発から、こんなに離れているのに……!」と。
AS町に住む飼育業者である。
そこで私はグーグルマップを使って、福島第一原発からAS町までの距離を調べてみた。
が、その距離はたったの45キロ!

 原発事故においては、45キロなど、事故の直接圏内。
もう一度、3月末の「放射線物質の飛散様子図」(イギリス気象局)を見てみよう。

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 これは3月22日の06:00(GMT)のものだが、このあと放射性物質(=放射能)は、さらに広く拡散する。
最高度の危険度を示す「赤」は、東京を越え、伊豆半島にまで達している。
さらにその先端は、この浜松市にまで達している。
45キロどころではない。

 当時、私は即座にそれを知り、雨が降っている日には、(小雨でも)、生徒たち全員に雨合羽を無料で配布、着用させた。
浜松市(福島第一原発から約420キロ)に住んでいる私ですら、その程度の危機感をもっていた。
が、たった45キロしか離れていないAS町の飼育業者が、そんな言葉を使ってよいのか。
「原発から、こんなに離れているのに……!」と。

 おおかたの世論は、「やむにやまれず、汚染されたワラを与えた」と、飼育業者に同情的である。
たしかにそうかもしれない。
その心情は、痛いほど、よくわかる。
が、そうとばかり言えない部分がある。
何かが心にひかかる。
そのおかげで、放射線被害は、ほぼ全国に広がってしまった。
つまり無知と言えば無知(失礼!)。
ほんの少しでも自分で情報を集め、考える力があったら、そんな言葉は出てこなかっただろう。
すでに百数十頭以上もの汚染牛が、食卓で消費されている。
しかも事故直後の5月ごろに!

 この先、どんな健康被害が出てくることやら。
それを考えたら、「無知だった(innocent)」では、すまされない。
「ちゃんと指示を出してくれなかった、国が悪い」では、すまされない。

●慣性の法則

 「日本人は、希望的観測論で行動する。最悪のばあいを考えて行動しない」と。
藤井巌喜氏が、その著書「超大恐慌の時代」の中で述べている言葉である。
何もあえて取り越し苦労をすることもないが、それにしても日本人は、甘すぎる。
飼育業者だけではない。
これほどまでの大恐慌が、すぐそこまで来ているのに、その緊張感すらない。
同じように、「何とかなる」「だれかが何とかしてくれる」と。
のんきというか、ノー天気というか。

 私もリーマンショック(2008年9月)で、ひどい目にあった。
だからドバイショック(2009年11月)のときは、それを察知することができた。
ちょうどその1週間前には、すべての株を手放していた。

 そして今、おかしな楽観論が、日本中を支配している。
放射線汚染もそうだが、そこにある危機を横目に見ながら、「大恐慌など来ない」と。
こういう世俗の動きを、経済の世界では「慣性の法則」というらしい。
現在の中国に、その例を見る。

 いまだに中国人のほとんどは、住宅バブルはまだこの先も、ずっとつづくと信じているらしい。
今年に入って、貸出金利の上昇とともに、住宅価格は20%以上も下落している。
が、それでも「一時的なもの」と。

 かつての日本人もそうだった。
「まだ何とかなる」「そんなはずはない」と言って、土地神話にしがみついた。
つまり慣性がついているから、小回りできない。
それを「慣性の法則」という。
わかりやすく言えば、行き着くところまで行かないと、気がつかない。

●では、どうするか

 では、どうするか……と書いたところで、筆が止まってしまう。
私はこの分野では、ズブの素人。
書店で経済誌を読みあさる力はあっても、それをまとめる能力はない。
他人に、どうしたらよいか書く能力となると、さらにない。

 しかし嵐が近づけば、だれだってその準備をする。
そういう能力はある。

 大恐慌になれば、株価は下落、企業は倒産。
銀行があぶなくなるということは、銀行預金もあぶなるということ。
プロの投資家は、そういう危機を先読みし、利益につなげるという。
しかしそんな芸当など、私にできるはずがない。
そういったものに手を出すのは、危険すぎる。

 そこで防衛あるのみ。
今の段階では、「損切り」(損をしてでも、見限るものは見限る)あるのみ。
この先の具体的なことはここには書けない。
みな、事情が異なる。
専門知識にも差がある。
ただこういうことは言える。

 「今度中国ショックが起きれば、ドバイショックの1000倍の威力(被害)がある」(某経済誌)と言われている。
(何をさして、1000倍というか、よくわからないが……。)

さらにもしアメリカがデフォルト……ということにでもなれば、日本の銀行は、残らず倒産する。
日本の銀行団がかかえるアメリカ国債は、330兆円!
今の今も、毎年、48兆円ものアメリカ国債を買い支えている。
日本の国家税収が40兆円前後。
国家予算が80兆円前後。
それと比べても、330兆円という額がいかに莫大なものであるかが、わかるはず。
それが紙くず……とまではいかないにしても、それに近い状態になる。

 8月2~3日に、オバマ大統領は、どのような決断を下すか?
おおかたの経済学者は、債務限度額を引き上げ、ドル札の増刷をして乗り切ると読んでいる。
つまりそのほうがデフォルトするよりは、よい。

しかしここでも慣性の法則が働く。
このまま慣性によって、突っ走ってしまうかもしれない。
オバマ大統領は、その決断もくだせないほど、自らの体を、無数の糸でしばりあげてしまっている。
つまりにっちもさっちもいかない状態になっている。
それに今、ここで一時的にデフォルトを避けられたとしても、根本的な問題は何一つ解決していない。
さらにアメリカの借金は積み重ねられ、その向こうではさらに大きなデフォルトが待っている。
また同時進行の形で、EU経済の崩壊、中国バブルの崩壊が危ぶまれている。
もちろんこの日本も、あぶない!

 時おりしも、超巨大台風が日本列島に接近中!
どうやらこの浜松地方を直撃しそうなコースに乗っている。
とりあえずはこの台風への備え。
それが片づいたら、「超大恐慌」(藤井巌喜)に備えよう。


Hiroshi Hayashi+++++++July. 2011++++++はやし浩司・林浩司

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