2010年5月8日土曜日

*World Economic Crisis

【ギリシャ発、世界恐慌】

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昨日、突然、ギリシャがこけた。
「こけた」という書き方は不謹慎な
書き方とは思うが、しかしまだ国家破綻
(デフォルト)したわけではない。
が、実質上の国家破綻。
だから「こけた」という、あいまいな
言い方のほうが、かえって適切という
ことになる。

で、その流れを受けて、ニューヨーク
市場は、1000ドル近く株価をさげ、
つづく東京でも、400円近く、株価を
さげた。

が、だれも、これで終わるとは思っていない。
つづくポルトガルもあぶない。
スペインもあぶない。
仮にスペインに火がつくようなことにでも
なれば、万事休す。
ギリシャとは、経済規模がちがう。
今、EUは、大揺れに揺れている。
(2010年5月8火朝記)

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●日本もあぶない!

 しかしほんとうにあぶないのは、この日本。
2011年度は、国債の買い手がつかず、国家予算が成立しない可能性すらある。
つまり「金を貸してくれる人がいなくなる」。
(2011年度は何とかクリアしても、2012年度は、かなりむずかしい?)
先頃、JALが経営破綻したが、それが日本国規模で起こると考えるとわかりやすい。
ただギリシャやスペインとちがい、産業力があるから、まだ何とかもちこたえるかもしれない。
しかし仮にTOYOTAのような会社が、こけたら、……想像するだけでも、ゾッとする。
TOYOTAだけの問題ではすまない。
連鎖が連鎖を呼ぶ。
これがこわい。

頼みの綱は、中国ということになる。
が、その中国も、ヨーロッパ市場、ニューヨーク市場の流れを受けて、株価(上海B株)をさげている。

 不気味。
注視。
つい先週、私はBLOGの中で、こう書いた。
「巨大な暗雲がそこまで来ている。
今は、嵐の前の静けさ」と。
同時に私は、株価連動型の債権投資から、損切り覚悟で、すべて手を引いた。
危機一髪とは、このことか。

●JAL問題

 そのJAL。

 経営再建中のJALが、経営再建中に、経営破綻した。
株価は、0円になった。
で、再度、経営再建ということになった。
が、それもいつまでもつか、わからない。
再々度の経営破綻もうわさされている。
が、再々々度の経営再建は、ありえない。
JALは、日本から消える。

 それもそのはず。
飛行機といっても、今や、「空のタクシー」。
日本という国は、マーケット規模からしても、小さすぎる。
アメリカでいえば、カルフォルニア州ひとつぶんの大きさしかない。

たとえて言うなら、佐渡島のタクシー会社が、日本中のタクシー会社と競争するようなもの。
はじめから勝ち目はない。
そこで佐渡島のタクシー会社は、新潟県に直談判して、佐渡島全体を鎖国化した。
佐渡島以外のタクシーを閉め出した。
が、それは同時に、相互主義の原則から、佐渡島のタクシーは、日本本土を走れないことを意味する。

 で、JALが最後に生き残る道は、ただひとつ。
佐渡島の中だけを走る、ローカルタクシー会社になること。
それに徹すること。
少し遅れて、ANAも同じ運命を、たどる。

●結局は教育の問題

 が、国際競争力を失ったのは、JALだけではない。
今では、ありとあらゆる産業が、国際競争力を失いつつある。
私の地元では、Y発動機が、経営に苦しんでいる。
そのニュースが最初飛び込んできたとき(2010年はじめ)、「まさか!」と、私は我が耳を疑った。
Y発動機といえば、この地方では、基幹産業。
(赤字)→(リストラ)→(経営規模の縮小)とつづいた。

 では、どうするか……という問題ではない。
みなさん、ご存知ないようだが、これはすべて「教育」の問題。
教育というのは、そのときは、わからない。
その「結果」が出るのは、20年後、30年後ということになる。
今がそのときということになるが、こうなることは、20年前、30年前には、すでにわかっていた。
いまごろ「ゆとり教育」の見直しをして、いったい、何になる?
その「結果」が出るのは、20年後、30年後ということになる。

 言い替えると、「教育」というのは、20年後、30年後を見越して、「形」を作らねばならない。
が、時の文部省は、あえて時の流れに背を向けた。
コンピュータ教育にしても、韓国と比べただけでも、20年は後れている!

●公務員の人件費

 乱暴な意見に聞こえるかもしれないが、日本も、一度、リシャッフルするしかない。
まず手をつけるべきは、公務員の給料。
20~30%の賃金カットは当然。
大企業の社員なみの給料にまで、引き下げる。

 ちなみに公務員の人件費は、つぎのようになっている。

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●公務員の給料

 現在、国家公務員や地方公務員が、いったい、いくらの給料を手にしているか、それを正確に知っている人は、ほとんどいない。
公表している団体も、自治体もない。しかし計算方法がないわけではない。

 そこで国家公務員の給料を知るための、もっとも簡単な方法は、(総人件費)を(公務員数)で割るというもの。
産経新聞は、この方法で、国家公務員(行政職国家公務員)の給料を算出している。それによれば、全国の行政職国家公務員約33万2000人の人件費の総額は、4兆6571億円だそうだ(産経新聞・05・06)。

 この数字から計算すると、国家公務員1人当たりの人件費は、何と、年間1403万円(!)ということになる。
(1403万円だぞ! 4兆6500億円÷33・2万人で計算)そして社会保障費だけで、国家税収、約43兆円の約半分を、使っていることになる(ギョッ!)。

 ちなみに、平成13年度の「国民経済計算年報」によれば、日本人の給料は、おおむね、つぎのようになっている。

●1人当たりの人件費

    (国家公務員)          ……1403万円(上記算出方法)
     公務員             ……1018万円
     電気・ガス・水道の公営事業団体  ……795万円
     金融・保険業           ……678万円
     トヨタなどの自動車産業      ……629万円
     日本の民間企業に働く労働者の平均※……448万円(この数字のみ02年)

(※企業規模100人以上、事業所規模50人以上の事業所、約3万4000事業所
のうちから抽出された約7500事業所の平均。
つまり平均といいながら、中規模以上の
企業で働く勤労者の平均。小企業、弱小企業、個人経営店を含めると、さらに低くなる。)

 みなさん、おわかりか?

 企業規模100人以上の、いわゆる民間の中でも、めぐまれた企業に働く労働者の平均人件費は、448万円! 
しかし国家公務員は、1400万円以上! 
ナ、何と、3倍近いもの給料を手にしていることになる。

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 これを見ただけで、だれがギリシャを笑うことができるか……ということになる。
もちろんそれぞれの公務員の人に、その責任があるわけではない。
責任を求めているわけでもない。
この問題は、仮にあなたという公務員は、それでよいとしても、あなたの子ども、さらには孫はどうなるかという視点で、考えてみてほしい。
「私は公務員で、ラッキーだった」ですませてはいけない。
事実、すでに15年近くも前、私にこう言った公務員(浜松市の職員)がいた。

「林さん(=私)、これだけデフレが進むとですね、公務員になっていて、よかったと思いますよ」と。

 物価は安くなる。
給料はさがらない。
世の景気など、どこ吹く風。
だから、そう言った。

●準公務員

 教育は手遅れとしても、経済改革については、今なら、まだ間に合う。
間に合うから、今すぐ、手をつけるべき。
消費税をあげるとか、税金をあげるとか、そういう議論をする前に、公務員の数(現在、450万人弱)を減らし、給料をさげる。
年金を減らすなどということは、当然のことではないか。
それとも、国家破綻してから、あわててデモでも繰り返すつもりなのか。

 なお政府は、ことあるごとに、「公務員の数は、欧米先進国と比べても、多くない」などというウソを言いつづけている。
たしかに公務員そのものの数は、多くない。
しかし日本には、準公務員と言われる人たちがいる。

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7年前に書いた原稿です。
3年前に、一度、再掲載しました。
改めて、「児童福祉」という視点から、
再掲載します。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●日本の福祉政策

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母子家庭の子どもが、194万人、
父子家庭の子どもが、27万人(03年度)。

政府は「福祉よりも雇用」と、母親の
就労支援事業を進めているというが、
常用雇用に結びついているのは、
「ほんの一部」(中日新聞)にすぎ
ないとか。

02年度から公的支援制度が変わり、
公的手当は、実質、減額されることに
なった。

さらに08年4月から、受給開始から
5年後の減額も決定。

母子家庭の母親たちは、ますます
きびしい状況に置かれることに
なる。

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 日本の福祉政策は、どこか、おかしい。たとえば私の住んでいる地域は、旧国鉄村と呼ばれるほど、旧国鉄の退職者たちが多く住んでいる。みな、満55歳で退職した人たちである。

 そういう人たちが、月額33~35万円前後の年金を受け取っている。その額は、旧三公社五現業の中でも、最高である。話を聞くと、旧国鉄職員だけは、退職日を、3月31日ではなく、4月1日にずらしている。つまりたった1日ずらすことによって、1年分、就労年月を長くしている。

 (だからといって、旧国鉄職員の人を責めているのではない。私は制度がおかしいと言っている。誤解のないように!)

 で、最近、近所の男性が亡くなった。85歳でなくなったが、55歳で定年退職してからというもの、働いたのはただの1日だけ。1日だけ勤めて、そのままその仕事をやめてしまった。つまりこの30年間、何もしなかったことになる。

 で、それで年金の支給が終わったわけではない。残された妻には、「転籍特権」という特権がある。夫が亡くなっても、妻がいれば、その妻に、連続的に年金が支払われる。

 まさに至れり尽くせりの、年金制度である。

 その一方で、母子家庭への支援制度は、削減につづく削減。(全国母子世帯等調査)によれば、母子家庭の平均年収は、212万円だそうだ。

 内訳は、就労収入、162万円。それに児童手当、養育費、仕送りなどで、50万円、つまり計212万円! たったの212万円だぞ。

 旧国鉄職員のばあい、月額37万円も年金を受け取っている人もいるという(某郵便局長の話)。年収でみると、444万円ということになる。

 このおかしさこそが、日本の福祉政策の矛盾ということになる。

 3年前に書いた原稿を、そのまま掲載する。

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●年金、この不公平!

 官民の年金の不公平さについては、いまさら、言うまでもない。しかし、金額だけの問題ではない。こんな事実も指摘されている(「文藝春秋」04・5月号・伊藤惇夫氏)。

 公務員には、「転籍特権」という、特権がある。

 たとえば公務員のばあい、それを受給していた夫が死亡したようなとき、その遺族が、ひきつづき、その年金の4分の3程度を、「遺族年金」として受給することができる。妻が亡くなっても、その遺族年金の権利は子供(18歳迄)や父母にも引き継がれる※。

 わかりやすく言えば、夫が死んだあとも、遺族年金を受け取ることができるということ。が、それだけではない。さらに妻が死んでも、子どもが18歳未満のときは、今度はその子ども、もしくは、父母が、その遺族年金を受け取ることができる。

 そんなわけで、「官民格差は、死んでからも、生きている」(伊藤惇夫氏)と。

 もちろん、一般企業のサラリーマンや、自営業者には、こんな転籍特権はない。本人が死んだら、それでおしまい! ゼロ! 遺族は、1円も、もらえない。

 だれでもおかしいと思う。おかしいと思うが、何もできない。日本には、そういうしくみが、できあがってしまっている。官僚主義国家という「しくみ」である。

 こうしたしくみの中で、もっとも、「?」なのは、あの「審議会」という「会」。

 ほとんどの審議会は、担当の役人が、開く。方法は簡単。まず、イエスマンや、その道のド素人だけを集める。人選に関する基準など、どこにもない。その指針もない。座長には、たいてい著名人を起用する。

 審議会はたいてい数回程度で終わる。重要案件でさえも、10回を超えることは、まずない。

 シナリオは、最初から、役人によって用意されている。たいていは、「資料」という形で、委員に配布される。あとは、それに添って、審議していくだけ。一応、議論という形をとるということもあるが、ほとんどのばあい、一人の委員の発言は、一回、5~10分程度。ふつうは議論になる前に、審議打ち切り。

 (議論になりそうな案件については、委員の数を多くする。こうして各自の発言時間を少なくする。)

 こうした審議会に多く参加してきたことのある、M東大元教授ですら、こう言っている。「テレビタレントやスポーツ選手ばかりを集めて、何が、審議会だ」と。もともと議論らしい議論ができる雰囲気ではない。

 で、こうした審議会から出される「答申」は、抽象的であればあるほど、よい。わけのわからないものであれば、あるほど、役人にとっては、よい。自分たちのつごうのよいに、どのようにでも解釈できる。

 で、あとは、役人たちは、その答申に従って、やりたい放題。まさにやりたい放題。

 ……これが、日本の官僚主義の基本になっている。そしてその結果が、今の日本である。年金の官民不公平などは、氷山の一角の、そのまた一角にすぎない。

私「まさに、日本は、官僚主義国家。最終的には、『天皇』という最高権威をもちだすことで、民を従わせる。この図式は、奈良時代の昔から、まったく変わっていない」
ワイフ「じゃあ、この日本を変えるには、どうしたらいいの?」
私「無理だろうね。与党の党首も、野党の党首も、皆、元中央官僚。主だった県の県知事も、副知事も、皆、元中央官僚。大都市の市長も、皆、元中央官僚。そんな日本を変えるとなると、それこそフランス革命のような革命でも起こさないかぎり、無理」

ワイフ「役人の権限を小さくするとか、そういうことはできないの?」
私「それこそ、絶対に無理。国家公務員や地方公務員だけでも、今の今でさえ、ふえつづけている。その数、450万人。日本には、このほか、準公務員と呼ばれる人たちが、その数倍は、いる」
ワイフ「給料はどうなっているの?」

私「いまだかって、地方自治体ですら、その手当て額を公表したことがない。しかし予算から逆算すると、公務員は、一人あたり、800~1000万円の年収(伊藤惇夫氏)ということになるそうだ」
ワイフ「すごい、高額ね」
私「そうだよ。大企業でさえ、平均して、650万円程度だからね」

 ひょっとしたら、この文章を読んでいるあなたも、公務員かもしれない。あなたの家族の中に、1、2人に公務員がいるかもしれない。私は、何も、そういう一人一人の公務員が悪いと言っているのではない。

 ただ、こんなバカな政治をつづけていたら、遅かれ早かれ、日本は、本当にダメになってしまうということ。今の「あなた」は、それでとりあえずは、よいとしても、あなたの子どもは、どうする? あなたの孫はどうする? そういう視点で、日本の未来を考えてみてほしい。

ワイフ「公務員の人たちって、死んでからも、年金がもらえるなんて、知らなかった……」
私「そうだね。ぼくも、驚いた。そういうような、つまり、自分たちにとって、どこかつごうの悪い情報は、絶対に公表しないからね……」
ワイフ「でも、ずるいわ。議会は何をしているのかしら? 日本は民主主義国家なんでしょ」
私「一応ね。しかし議会の議員は、もっと手厚く保護されている。いろいろな恩恵にもあやかっている。だから、官僚主義社会を批判できない。批判したとたん、その世界から、はじき飛ばされてしまう」と。

 私の親しい知人のS市(50歳)は、ある都市で、ある役職のある仕事をしている。そのS氏が、こう言った。

 「林さん、市議会の議員たちね、自分で作文できる人は、まずいないよ。議会での質問書も、それに対する答弁書も、みんな、ぼくたちが書いてやっているんだよ。ぼくたちに嫌われたら、議場に立つことすらできないよ」と。

 日本のみなさんは、こういう現実を、いったい、どこまで知っているのだろうか。
(040417)

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 ものを言うことすらできない、母子家庭の母親たち。組織もない。知識もない。力もない。しかもだ、これからの日本を支える子どもたちを支援するために、たったの、1~4万円(月額)とは!!

 (母1人、子ども1人のばあいの手当て支給額、07年実績、中日新聞7月22日)

   所得           手当の額(月額)
   57万円         41720円
  130万円         28270円
  220万円         11690円

 その一方で、リストラも、首切りも、転勤もない世界で、仕事をしてきた人たちが、満額の退職金を手にしたあと、毎月33~35万円の年金とは!!

 しばらくこの怒りは、収まりそうもない!
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 母子家庭 支援制度 児童扶養手当 福祉制度 転籍特権)

(注※、「国民新聞」より)

通常、夫が亡くなった時、厚生年金の場合は、妻に夫の老齢年金の報酬比例部分の4分の3相当が遺族厚生年金として支払われる。その妻が亡くなればその時点で終了する。

 ところが公務員は違う。妻が亡くなっても、その遺族年金の権利は子ども(18歳まで)や父母にも引き継がれる。民間に比べ、公務員は死んだ後まで手厚く保護されている。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●日本があぶない!

 何度も書くが、公務員の総人件費だけで、38兆円。
国家税収(モノ、サービスの貿易などで稼ぐ、いわゆる収入)は、40兆円前後。
(ここ数年、その税収すら、減少ぎみ。)
38÷40=95%!
95%が、公務員の人件費!

 こんなバカげた財政運営をしている国が、ほかにどこにある!
ギリシャだって、していない!
……ということを、もう一度、みんなでよく考えよう。
やがて日本中が、JALになる。
「確実にそうなる」とは書きたくないが、すでに「時間の問題」。
「ギリシャなんて、遠い海の向こうの話」などと思っていると、それこそたいへんなことになる。

 私はそれを伝えたくて、この原稿を書いた。

 で、今日は土曜日。
暗い話を書いて、気分が滅入った。
朝風呂をあびて、気分を一新!

 みなさん、おはようございます。
(2010年5月8日、午前6時30分)


Hiroshi Hayashi+教育評論++May.2010++幼児教育+はやし浩司

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