2010年5月4日火曜日

*Personal Types of Aged People

●老齢期の性格特性

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「心理学のすべて」(日本実業出版社)の
中で、深堀氏は、老齢期の性格について、
興味深い分類をしている。
称して、「老齢期の性格特性」(P133)。

それによれば老齢期になると、人は、つぎの
5つのタイプに分類されるという。

(1)円熟型
(2)依存型
(3)自己防衛型
(4)外罰型
(5)自責型

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●5つのタイプ

(1)円熟型

過去の自分を後悔することなく、未来に対しても現実的で、建設的な展望をもっているタイプ。

(2)依存型

受け身、消極的な態度で現実を受け入れ、引退後は家族や子どもに頼って安楽に暮らそうとするタイプ。

(3)自己防衛型

老化への不安から、若いときの活動水準をできるだけ維持しようとするタイプ。

(4)外罰型

自分の過去や老化への現実をなかなか受け入れられず、その態度が他人への非難や攻撃という行動にあらわれてしまうタイプ。

(5)自責型

外罰型とは反対に、自分の過去の人生を失敗だと考え、自分を責めてふさぎ込んでしまうタイプ。
(以上、同書よりそのまま転載。)

●安定

 どれでもよい。
ひとつのタイプに安定すること。
依存型なら依存型でよい。
自己防衛型なら自己防衛型でよい。
それが老後を、安定的に(?)暮らす、ひとつのコツということになる。

 まずいのは、その途中で、タイプの変更を余儀なくさせられること。
老齢期になると、その転換が、たいへんむずかしい。
思考の柔軟性が失われ、そのため、行動の柔軟性も弱くなる。
たとえばそれまで依存型で生きてきた老人が、何らかの事情で、自立を迫られるようなケース。
老人にはそれを処理するだけのじゅうぶんな能力はない。
たいていは、混乱し、狼狽する。
体力のある老人なら、泣き叫んで、それに抵抗する。
あるいはそのショックから、急に老け込んでしまったり、そのままボケてしまう人もいる。

●私のばあい

 私、つまりはやし浩司のばあいは、どうか?

 実は、ごく最近まで、自分では気づかなかったが、依存型だった。
「いつかは息子たちが……」という淡い期待を、心のどこかで抱いていた。
だからいつも息子たちには、媚(こび)を売るようなところがあった。
が、その期待は、この正月に、粉々に破壊された。
で、それからの混乱が、たいへんだった。
心臓の調子がおかしくなるほどだった。
そのため正月早々から、病院通いをするハメに!

 しかし私は基本的には、自責型。
息子たちを責める前に、親バカだった、自分を責めた。
はげしい自己嫌悪も覚えた。
理想としては円熟型を求めるが、目の前につり下げられたニンジンのようなもの。
行けども行けども、いつもニンジンは、私の目の前につり下げられたまま。

 で、現実的には、深堀氏が説く、「自己防衛型」ということになる。
今は、老化に強い不安感を覚える。
何とか現状維持をしたいと、いつも願っている。

●はやし浩司説

 このまま深堀氏の説を引用しただけでは、はやし浩司が泣く。
私流に、「老齢期の性格特性」を考えてみたい。
とりあえず、つぎの5つのタイプを考えてみた。

(1)攻撃、能動型
(2)厭世、引退型
(3)隔離、自己愛型
(4)悲嘆、失望型
(5)過去、執着型
(6)還元、博愛型

●各論

(1)攻撃、能動型

年齢、体力を気にせず、ものごとを前向きにとらえて、それに向かって積極的かつ攻撃的に取り組んでいくタイプ。

(2)厭世、引退型

「コンパクトに生きる」を目標に、現実世界から遠ざかり、自分の小さな世界だけで、こじんまりと生きるタイプ。

(3)隔離、自己愛型

徹底した自己中心型。自分さえよければ、それでよいと考え、趣味三昧、道楽三昧の生活に没頭するタイプ。

(4)悲嘆、失望型

自分の人生を悲嘆し、毎日嘆き悲しみながら過ごすタイプ。ときに「オレの人生は何だったのか!」と、過去を悔やむことも多い。

(5)過去、執着型

現職時代の肩書きや地位、名誉にしがみつきながら生きるタイプ。「オレはすばらしい人間だった」と。それを認める相手には尊大ぶり、そうでな相手には憤慨してみせる。

(6)還元、博愛型

自分の「生命」を、後世に残したいと願うタイプ。そのため広く人類愛にめざめ、無私無欲で、他人のために命を燃やすことをいとわない。

●若々しく過ごす

 どれがよくて、悪いかなどということは、とてもおこがましくて書けない。
で、深堀氏は、こう書いている。

「……大川らは、老齢期を若々しく過ごすためのポイントとして、つぎのような項目をあげています。

・学びつづける姿勢をもつ。
・責任ある仕事をする。
・本を読む、新聞を読む、文化系的な活動をする。
・現状維持に満足しない。
・くよくよしない」(同書、P132)と。

 どれもたいへん重要なことである。
その上での「老後」ということになる。

この年齢(60代)になると、知恵や知識は、向こうの方からどんどんと逃げていく。
だから「学びつづける」ということは、重要。
現状維持を願ったとたん、そこを頂点にして、知恵や知識は、どんどんと失われていく。

 また「仕事をする」という緊張感は、失ってはいけない。
緊張感を失ったとたん、糸の切れた凧のようになってしまう。
それに重要なのは、「社会」との接点。

私のばあい、基底不安型人間ということもあって、「休暇」になったとたん、かえって不安になってしまう。
自分でも損な性格とはわかるが、ここまできたら、居直るしかない。
今さら「私」を変えることなど不可能。

 「くよくよしない」については、精神の健康を守るために、重要。
「こだわり」は、うつ病の初期症状。
初老性のうつ病は、何よりも警戒しなければならない。
へたをすれば、そのまま自殺へと、突っ走ってしまう。

 ただ「若々しく過ごす」という言い方には、やや抵抗を覚える。
私たちは何も、若々しく過ごしたいのではない。
他人の目など、気にしたくない。
また「若い」ということに、それほど、興味はない。
(この点、男性と女性とでは、基本的に、ものの考え方がちがうのかもしれない。)
反対に、若々しく見せるために、化粧をしたり、カツラをかぶっている男性を見かけたりすると、私のばあい、大きな違和感を覚える。
一方、若いのに、ジジ臭い考え方をしている人はいくらでもいる……。

 私は私らしく生きる。
それが基本であって、「若々しい」という言葉は、あくまでも結果として追いかけてくるもの。

……深堀氏の「心理学のすべて」を読んで、そんなことを考えた。

(補記)

 理想としては、(6)還元、博愛型がよい。
しかしそれには経済的な裏づけが必要。
だから(1)攻撃、能動型を併用する。
そのためには、私のばあい、つぎのことに心がけている。

・やりたいことは、即、実行。あとに回さない。
・生活にリズム感をもたせる。曜日ごとに、やることを決めている。
・運動を欠かさない。日課運動に併せて、週4単位(1単位=40分)以上のランニングを自分に課す。
・若い人たちとの接触を怠らない。これは仕事上、毎日、否応なしに実行している。
・常に新しいことに興味をもつ。月に1~2度は、1泊旅行をする。

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