【井上ひさし氏と、死生論】
●明日から仕事!
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長い春休みも、終わった。
楽しかった。
で、今日は、5キロ近く、ランニングした。
ほかに30~40分ほどの散歩。
明日からの仕事に、備えた。
体調、OK!
脳みそ、OK!
新年度も、この調子で乗り切るぞ!
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●井上ひさし氏
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井上ひさし氏という作家が、死んだ。
面識はないが、何度か、近くに感じたことはある。
「この喫茶店に、よく来ますよ」と、
そんな話を、ある雑誌社の編集部の人がしてくれたのを
覚えている。
喫茶店というのは、G出版社(大手出版社、大田区)
の本社前にある、喫茶店をいう。
「いつも座る席が決まっていましてね。
ほら、あそこですよ」と。
当時は毎週のようにG社に足を運んでいた。
以来、その喫茶店へ入るたびに、井上ひさし氏を
探した。
が、一度も、見たことはない。
ないが、井上ひさし氏がいつも座るという
席に、ときどきすわってみたことはある。
それで「近くに感じた」。
私は井上ひさし氏の書く文章が好きだった。
あるときは、10冊くらい、本をまとめて買い
したことがある。
ワイフが何かの手術で、3~4日、入院した
ときのことだった。
「井上ひさしの本が読みたい」と言ったので、
そうした。
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●死
「死」は人生、最大のテーマ。
賢人たちの言葉を拾ってみる。
I live now on borrowed time, waiting in the anteroom for the summons that will inevitably come. And then ーI go on to the next thing, whatever it is. One doesn't luckily have to bother about that.
ーAgatha Christie, "An Autobiography" (アガサ・クリスティ、自叙伝)
私は、かならずやってくる召還を、待合室で待ちながら、今は、借りた時間の上で生きている。
どうであれ、私はつぎの世界へ行く。
人は、幸運なことに、それについて心を煩わす必要はない。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
I shall tell you a great secret my friend. Do not wait for the last judgement, it takes place every day.
ーAlbert Camus
友よ、最大の秘密を話してやろう。
最後の審判を待ってはいけない。
それは毎日、なされている。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
To the wellーorganised mind, death is but the next great adventure.
ー Albus Dumbledore
たいへんよく組織された心には、死は、ただのつぎの大きな冒険にすぎない。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
A Lizard continues it's life into the wilderness like a human into heaven. Our fate is entirely dependent on our life
ーAndrew Cornish
とかげは、人間が天国で生きるように、野生の中でまた生きる。
我々の運命は、我々の生命次第ということ。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
Even in the desolate wilderness, stars can still shine.
ー Aoi Jiyuu Shiroi Nozomi
どんな荒野にいても、星は輝き続ける。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
This existence of ours is as transient as autumn clouds.To watch the birth and death of beings is like looking at the movements of a dance. A lifetime is a flash of lightning in the sky. Rushing by,like a torrent down a steep mountain.
ー Buddha (c.563-c.483 B.C.)(釈迦)
我々の存在は、秋の雲のように、移りやすいもの。
人の生死を見るのは、踊りの動きを見るようなもの。
人生は、稲妻の閃光のようなもの。
険しい山から流れ落ちる、急流のようなもの。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
100 per cent of us die, and the percentage cannot be increased.
ー C.S. Lewis, "The Weight of Glory"
100%、我々は死ぬ。
そしてそのパーセンテイジは、それ以上増えることはない。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●希望
この中で、私はつぎの言葉に、希望をいだく。
To the wellーorganised mind, death is but the next great adventure.
ー Albus Dumbledore
たいへんよく組織された心には、死は、つぎの大きな冒険にすぎない。
わかりやすく言えば、しっかりと、スキがないほどまでに、心を準備すれば、死がやってきても、冒険に出かけるように、自分を取り乱すこともなく、死を迎えることができるということ。
ただほとんどの人は、「死はやってくるもの」と思っている。
しかしこれは誤解。
自分自身が内部から崩壊すること。
それが死。
「やってくるもの」ではない。
つまりDNAには、あらかじめ自己崩壊が、プログラムされている。
思春期になって、ひげが生え、初潮を迎えるように、死もまた、プログラムされている。
が、死を恐れる必要はない。
「死」があるから、今、私やあなたは、ここに存在する。
もし死がなければ、この地球は、生き物だらけになってしまう。
平安時代以後の人間だけを積分しても、たいへんな数になる。
毎年100万人ずつ生まれたとしても、1000年で、20億人!
毎年1000万人ずつ生まれたとしても、1000年で、200億人!
先人たちが死んでくれたおかげで、そこに「空き」ができ、私たちは、その「空き」の中で生まれることができた。
言い替えると、私たちが死ななければ、つぎの世代の人たちは、生まれてくることができない。
つまり私たちは死ぬことで、席を、つぎの世代の人たちに譲る。
私たちはこうして、常に新しい生命と、入れ替わる。
●wellーorganised mind
で、「死」について。
どう考えたらよいのか。
が、それにはいくつか、ポイントがある。
その第一は、「生命を自分だけのものと考えてはいけない」ということ。
私たちの生命は、私たち個人のものではない。
そうでないと思うなら、一度、自分の手先をじっくりとながめて見たらよい。
あなたは、指一本、自分で作ったわけではない。
爪ひとつ、自分で作ったわけではない。
「生命」という大きな流れを、あなたは受け継いだにすぎない。
その「生命」を、自分のものと思うこと自体、バカげている。
その第二は、自分の「生命」を、つぎの「生命」に伝えていくこと。
自分のところだけに、とどめてはいけない。
「自分の命は、わたしのもの」と、そう考えてはいけない。
私的所有物か何かのように考えてはいけない。
あなたは、自分の中の(あなた)を、つぎの世代に伝えていく。
方法はいろいろあるだろう。
教育も、そのひとつ。
が、大切なことは、つぎの世代の人たちが、より有意義に、より真・善・美に
近づけるように、その踏み台となること。
その第三は、今あなたが受け継いだ「生命」を完全燃焼させること。
中途半端はいけない。
完全燃焼。
それは「今」を生きる人間の義務と考えてよい。
つまりこの世の中には、生きたくても生きられない人は、いくらでもいる。
そういう人たちの分まで、生きる。
その一語に尽きる。
これは私の勝手な解釈だが、それが「wellーorganised mind」、つまり、それが
「じゅうぶん組織化された心」ということになる。
言い替えると、それこそが死を克服するための、ゆいいつの方法ということになる。
ところで、ここでひとつ気になったことがある。
老齢期をさして、「死の待合室」という。
よくそういう言葉が出てくる。
私も何度か使ったことがある。
その「死の待合室」というのは、アガサ・クリスティの「in the anteroom for the summons
(召喚状を待つ控え室)」という言葉から、出てきたのでは?
「anteroom」というのは、「待合室」を意味する。
少なくとも日本人の発想ではない。
余計なことだが……。
なお「wellーorganised mind」という言葉を使った、アルバス・ダンブルドアという
人が、どんな人か、私は知らない。
「ハリーポッター」の中に、出てくる老人に、同姓同名の人がいる。
その人のことか?
さようなら、井上ひさし。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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Hiroshi Hayashi++++++++March. 09+++++++++はやし浩司
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