2010年4月4日日曜日

*Education in Japan for Future

【これからの日本の教育】

●伸びたゴム

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「ゆとり教育」を見直し、今年の4月から、
教科書の厚さが、3割、ふえるという。
しかし一度伸びたゴムは、簡単には、
もどらない。
あるいはどうやって、もどすのか。

フィンランド・メソドと言われる「5つの
柱」を参考に、ここでは具体的に考えて
みたい。

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●フィンランド・メソド

 以前、TK先生より、「フィンランド・メソド」に関する資料を送ってもらったことがある(文科省資料)。
それによれば、フィンランド・メソドは、つぎの5つに分析される。

(1)発想力
(2)表現力
(3)コミュニケーション力
(4)批判的思考力
(5)論理力

 順に考えてみる。

(1)発想力

 発想力、つまりクリエイティブな考え方について、TK先生から先月、「どうすればいいか」というような質問をもらった。
で、ここでフィンランド・メソドをまねたのでは、パラドックスに陥ってしまう。
「発想力をどうすればよいか」と言いながら、フィンランド・メソドをまねる。
これでは「張り紙をするな」という張り紙を張るようなもの。

 そこで自分なりに、具体的な(問題)として、考えてみる。

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(問1)「食料が不足することで、どんな問題が起きるか、深刻な問題から順に、5つ書きなさい」

(問2)「それぞれの問題について、どんな解決方法があるか、3つずつ書きなさい」

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(問1)「科学の進歩は人間にどのような恩恵を与えたか。重大な事実から順に、5つ書きなさい」

(問2)「科学の進歩は人間にどのような脅威と恐怖を与えたか。重大な事実から順に、5つ書きなさい」

(問3)「(問2)について、それぞれの問題を、ではどうすればよいか、3つずつ書きなさい」

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(問1)「インターネットによってもたらされたメリットを、大きなメリットから、順に5つあげなさい」

(問2)「インターネットによってもたらされる、デメリットについて、深刻な問題から5つ、書きなさい」

(問3)「それぞれの問題について、解決策を3つずつ書きなさい」

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 以上、思いつくまま、オリジナルの問題を考えてみた。
つまりこれらの問題では、(基本的な常識)の中で、(推論)と(分析)を重ねながら、(論理的な解答)を考えていくことを、ねらいとしている。
言うまでもなく、発想力が何よりも、モノを言う。

(2)表現力

 ここでいう表現力というのは、作文力ということになる。
頭の中に浮かんだ(抽象的概念)を、いかに(言葉として表現し)、他者に(適切に伝達できるか)によって、決まる。

 そこでその(抽象的概念)の部分を、「絵」にしたり、「動画」にしたりする。
それを言葉として表現させる。

 たとえば、

(問)「小鳥が死んで悲しんでいる子どもと、それをうしろから、心配そうにのぞきこんでいる友だちの絵」を見せる。

 「この2人の子どもの気持ちは、どのようですか。このあと、2人はどんな会話をするでしょうか。またどんな会話をすれば、悲しんでいる友だちの心を、和らげることができるでしょうか。それを400字の作文にして、まとめなさい」

(3)コミュニケーション力

 TK先生は、先日、アクティブ・ラーニング(能動的な学習)という言葉を使った。
英会話教室などでは、以前から使われている言葉である。
教室から出て、実際の現場での会話を通して、英会話を学ぶという方法である。
TK先生が言った意味とは少しちがうかもしれないが、日本の教育では、そういう意味でのアクティブ・ラーニングは、たいへん貧弱。

 たとえばオーストラリアの小学校では、教師はつねに子どもたちを戸外へ連れ出し、そこで教育をしている。
日本ではそういう光景を、めったに目にしない。

 そこでコミュニケーション力ということになる。
わかりやすく言えば、「共鳴性の養成」ということ。
常に相手の立場に立って、ものを考える。
そのためには、ドラマ(演技)性のある教育が望ましい。

 言うまでもなく、欧米では、「ドラマ」という科目が、芸術のひとつとして独立している。
ドラマを通して、そのドラマの中の役者の(心)になりきる。

(問)「あなたは今、京都に向かって急いでいる坂本龍馬です。どんな気持ちで、どんなことをしようとしているか、わかりやすく400字で表現しなさい」

(注:欧米では、たとえばシェークスピア劇に登場する人物について、どういう気持ちなのかを、子どもたちに表現させている。)

(4)批判的思考力

 (批判)はつねに(相対立した概念)から、相互に生まれる。
そこでたとえば、つぎのような問題が考えられる。

(問1)「あなたは死刑廃止論者です。目の前に死刑肯定論者がいることを想定して、相手を説得するには、どういうふうに言えばよいか、意見をまとめなさい」

(問2)「あなたは今度は、死刑肯定論者です。目の前に死刑廃止論者がいることを想定して、相手を説得するには、どういうふうに言えばよいか、意見をまとめなさい」

(5)論理力

 (論理)は、(証明された事実)を組み合わせながら、段階を追って、目的とされた(結論)に帰結することをいう。
「三段論法」という言葉もある。
A=B、B=C、よって、A=C、と。
(証明された事実)というのは、科学性、普遍性、常識性をともなった事実をいう。

(問)「運動をすると、汗をかく。しかし寒い日には、汗をかかない。そこで寒い日に運動をすると、燃焼された体内脂肪は、どう体内で処理されていくと考えられるか。あなたの経験をふまえて、論理的にそれを説明しなさい」

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 以上、5つの観点から、フィンランド・メソドを、私なりに考えてみた。
「私なり」というのは、日本の教育ではおろそかになっている部分という意味である。
つまり日本の教育は、「教え育てる」という部分は重要視する(TK先生、指摘)。
しかし「自分で独立して考える」という部分については、システムそのものが、まだ確立していない。
「学ぶ」=「まねる」が主体になっている(TK先生、指摘)。

 が、これでは、日本の教育には未来はない。
(日本の教育)=(日本の未来)ということになる。
ゴールドマン・サックス経済調査部の予想によれば、2050年には、日本のGDPは、世界第8位に転落する。

(中国→アメリカ→インド→ブラジル→メキシコ→ロシア→インドネシアにつづく。
日本のGDP規模は、中国の10分の1程度。)

 そういう近未来を前にして、日本が生き残る道は、ただひとつ。
「教育」しかない。
これは、本腰を入れて、私たちひとりひとりが、真剣に考え、取り組まねばならない問題なのである。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 日本の教育 フィンランド・メソド 日本の将来 新しい教育 2050年の日本)


Hiroshi Hayashi+教育評論++April.2010++幼児教育+はやし浩司
 
●学力低下(Learning Ability of Japanese students)(2008年1月発表の原稿より)

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OECD(経済協力開発機構)が、06年度に、
15か国、15歳、約40万人を対象にした、
「生徒の学習到達度調査」結果が、このほど、
公表された。

それによると、日本の高校1年生(15歳)は、
前回2003年度にくらべ、読解力が、14位から、
15位。数学応用力が、6位から10位になった。

科学応用力も、2位から6位に後退した。

実施3分野すべてで、順位が低下。前回につづき、
高校生の学力低下傾向が、数字で示された形と
なった。(中日新聞07-12-5、要約)

The result of "student's ability of learning", which made 15 countries, 15 years old and
about 400thousand students done by OECD is announced on Dec. 5th 2007.
According to the result, Japanese the 1st grade (15 years old) in the high school was
compared with 2003 last time, and reading comprehension ability was downed from the
15th from the 14th.

The mathematical application ability was the 10th from the sixth prize.
The science application ability was downed in the sixth from the second prize, too.
All decreases in the execution in 3 fields .
It became clearer that the learning abiluity of Japanese students have been downed in
three fields.

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●世界の子どもたちの学力(learning Ability of the youth of the wrorld)

(読解力)(Reading Ability)

1位  韓国(Korea)
2位  フィンランド(Finland)
3位  香港(Hong-Kong)
……
15位 日本(Japan)

(数学的応用力)(Math Application)

1位  台湾(Twaiwan)
2位  フィンランド(Finland)
3位  香港(Hong-Kong)
……
10位 日本

(科学的応用力)(Science Application)

1位  フィンランド(Finland)
2位  香港(Hong-Kong)
3位  カナダ(Canada)
……
6位  日本(Japan)

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 この結果を、小学5年生の子どもたち(6人)に話してみた。子どもたちは、読書につ
いて話し始めた。

I talked about this result to some six kids of Grade 5th of school. They started talking
about themselves.

 驚いたことに、その中の2人が、1年に、300冊近くも本を読んでいることを知った。
300冊といえば、1日に、ほぼ1冊ということになる。

With my surprise I know two of them are reading 300 books per year. Almost one book a
day!

 「どうしてそんなにたくさん読むの?」と聞いたら、「学校で、読書競争があるから」と。
中に1人、親から、読書時間を制限されている子どもがいることもわかった。その子ども
は、1日に、1時間までと決められているそうだ。

I asked them why you read so many books a year and one of them told me that there is a
class-competition of reading. Moreover I was surprised to know that one of them is
limitied to read books less than an hour a day!

 読書は、あらゆる学力の基本である。社会科にしても、理科にしても、読書が基本。と
くに小学生のばあい、社会科は、社会科的な国語、理科は、理科的な国語と理解するとよ
い。

Reading is essential and we say in Japanese “reading is the pillar of education”. As for
socioloy and scienace, they are only parts of reading.

 が、それだけではない。

But it is not all.

 読書を日常的にしている子どもには、ある種、独特の(深み)がある。沈思黙考タイプ
というか、目つきが、いつも静かに落ち着いている。理知的というか、じっと周囲の様子
を観察しているといった雰囲気がある。

Those kids who read books in their daily life look different from those who do not. Those
kids who read more books have a kind of a very special mood and they give us an
impression of deep-thinking. They are more logical and even when we do our
conversation, they always try to observe things around them.

 読書がいかに大切かは、今さら言うまでもない。欧米では、読書(reading)を、教育の
柱にしている。学校教育は、読書に始まり、読書に終わると言っても過言ではない。

It is no use to say that reading is so important. In western world, reading is one of the
most important subject to learn. School education starts from reading and it is
everything.

 一方、読書をまったくと言ってよいほど、しない子どももいる。このタイプの子どもは、
どこか、軽い。中身がない。バラエティ番組の中のタレント風といった感じ。ものの考え
方が、表面的。直感的。よくしゃべる。小学5、6年生になると、その差がはっきりとし
てくる。

On the contrary there are some who do not read books at all. This type of kids also have
a kind of special mood. They are “light” in thinking and we feel no deepness in their
thoughts just like TV talents of cheap varaiety programs. They talk a lot. The difference
comes clear when they are about the age of thre grade 5th.

 さらに日常的に作文をしている子どもは、ものの考え方が論理的。言葉の使い方そのも
のが、ちがう。読書、作文は、子どもの教育の(要=かなめ)と考える。

And also there are some who write things in their daily life. They are more logical and
when they talk they use more proper words to express themselves. Reading and writing
are the “pillar” of education, I am quite sure.
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist reading writing learning
ability of the Japanese students)


Hiroshi Hayashi+教育評論++April.2010++幼児教育+はやし浩司

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