2009年7月29日水曜日

*Hostess rather tha Nurse

●看護師より、ホステス(Hostess rather than Nurse)

韓国の朝鮮N報が、『公務員より、ホステスのほうが、
女子高生に人気』と題して、こんな記事を掲載している。

+++++++++以下、朝鮮N報(090729)+++++++++++++++

 日本の女性たちが就きたがらなかった職業、ホステスが最近、堂々と、あこがれる高所得の職業として人気を集めている。今年、東京の文化学研究所が女子高生1154人を対象に世論調査を行ったところ、ホステスが40種の人気職業のうち12位になったという。公務員は18位、看護師は22位だった。

 こうした現象の裏には、日本では高卒の若い女性の就業機会が非常に少ないという現実がある。ところが最近、深刻な不景気の影響で、多くの女性が抵抗感なくホステスなどの職業を選ぶ傾向が増えている。日本でホステスとして1年間働くと、難なく10万ドル(約1億2000万円)以上稼げる場合もある、と米紙ニューヨーク・タイムズは報じた。

 一部の女性は桃華Eさん(27)のようなシンデレラ・ストーリーを夢見ている。シングルマザーの桃華さんはホステスを経て、テレビで人気者となった。衆議院にはホステスの経験のある太田K議員(29)がいる(衆議院解散前)。ホステスに対しては日本の宗教団体や女性団体が、ホステスが客との性関係を強要されることで、女性が性風俗産業に進出するきっかけになっていると批判している。

+++++++++以上、朝鮮N報(090729)+++++++++++++++

 朝鮮N報の記事を整理してみる。

(1) 40種の人気業種のうち、ホステスが、12位。
(2) 公務員は、18位、看護師は、22位。
(3) 1年間ホステスとして働くと、約1億2000万円の収入になることもある。
(4) 桃華さんは、ホステスを経て、テレビで人気タレントとなった。
(5) ホステスを経験した、太田Kという衆議院議員もいる。

 この分だと、近い将来、「おとなになったら、ホステスになる」と言う幼稚園児が、
続出するようになるかもしれない。
ホステスという職業に偏見はないが、非生産的職業であることには、ちがいない。
社会の中で、有機的に人と関わりあっていくという要素も希薄。
時代が変わったのか?
それともそう考える、私の頭が古いのか?

 朝鮮N報は、「1億2000万円」という数字をあげているが、
1桁まちがえているのではないか?
10万ドルが正しいのか?
それとも1億2000万円が正しいのか?
しかしいくら何でも1億2000万円はない。
10万ドルは、1200万円。
1月に、100万円。
それなら納得できる。

 が、その額にしても、平均的な看護師の約5倍。
私たちが子どものころには、「芸人」「芸能人」というのは、「まともな職業」としては、
認められていなかった。
江戸時代の昔には、さらにそうであったにちがいない。
が、今はちがう。
有名テレビタレントたちが、「文化人」として、国や都から表彰される時代になった。

だから今、「女子高校生たちが、ホステスになりたがっている」という記事を読んでも、
頭の中が混乱するだけ。
どうも自信がもてない。
「これでいいのかなあ……?」と思ったところで、思考が停止してしまう。
しかしこれだけは言える。

 職業というのは、日々の研鑽の中で、進歩、進化するものであるということ。
絶え間ない学習と努力が、それを裏から支える。
が、ホステスの第一の条件は、(若さ)と(美しさ)。
つまり若いうちは、それなりに稼げるかもしれないが、30代、40代になったら、
どうするのか。
タレントになったり、国会議員になったりするのか。
が、そういう人は、例外。
よほどの能力とチャンス、それに魅力に恵まれないと無理。
……とまあ、そう言い切る自信も、私にはない。

 お笑いタレントが、府知事になったり、県知事になったりする時代である。
『ゴルゴ13』の愛読者が、総理大臣になったりする時代である。
つまり日本中が今、ギャク化している。
女子高校生の世界も、またしかり。
そのひとつが、これ。
「看護師より、ホステス」と。

 要するに、(1)日本人の自己中心化がより進んでいるということ。
そのために、(2)安楽にお金を稼いだ方が得という風潮が、蔓延しているということ。

 こうした風潮に対して、「ホステスに対しては日本の宗教団体や女性団体が、
ホステスが客との性関係を強要されることで、女性が性風俗産業に進出する
きっかけになっていると批判している」と、記事は結んでいる。
それを読んで、少しだけ、安心する。

 で、今、子どもたちのもつ職業観は、大きく変わった。
小学校の高学年児でも、「おとになったら、お笑いタレントになりたい」と言う子どもは、
いくらでもいる。
が、それはそれ。
ここまで変わっているとは、私も知らなかった。
東京の文化学研究所が、女子高生1154人を対象に世論調査を行ったということだから、
これらの数字は、信頼してよい。

 再び、「これでいいのかなあ……?」と思ったところで、この話は、おしまい!
このつづきが、どうしても書けない。

(補記)

 子どもでも、たとえば正月のお年玉をもらったりすると、新しいフルートを買うために、
貯金すると言う子どもがいる。
(現在教えている、中2のOKさんが、そうだぞ!)

 一方、そのまま享楽的に使ってしまう子どももいる。
意味のないおもちゃや、ゲーム機器を、それで買ったりする。

 前者を、生産的な考え方をする子どもというなら、後者は、非生産的な考え方
をする子どもということになる。
しかし子どもでも、飽食とぜいたくに慣れてしまうと、ものの考え方が、非生産的に
なる。

 一部の子どもたちがそうであるのは、しかたのないことかもしれないが、それが
全体となってきたとしたら、この日本は、どうなるのか?
つまりそれこそまさに、「亡国の風潮」。
「これは個人の問題」「個人がそれでよければ、それでいいんじゃナ~イ」という
レベルの話ではない。
またそれですませてはいけない。

 宗教団体や女性団体だけに任せておくのではなく、教育界、さらには国をあげて、
改めて、この問題を考えなおしてみる必要がある。


Hiroshi Hayashi++++++++July.09+++++++++はやし浩司

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