2012年3月31日土曜日

*Hatred





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 彡彡人ミミ      彡彡彡彡彡
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凸/Σ▽乃q ・ ・ p ̄Σ▽乃 ̄` /
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 子育て最前線の育児論byはやし浩司    4月 4日号
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★2009年、2010年、連続、カテゴリー部門・人気NO.1に選ばれました。

【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●2月24日(講演で、東京へ)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

今、新幹線の中。
東京へ向かう。
虎の門近くにある、海洋船舶ビル。
そこで講演。

ワイフも同行。
「行きたいか?」と声をかけると、「うん」と。
「あんな家で、ひとりでボーッとしているのもつらいだろ?」と言うと、「うん」と。

まさに二人三脚。
2人で1人前。

たった今、講演の資料を読みなおしたところ。
ほっと一息ついたとき、静岡に着いた。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●自転車屋

 数日前、近くのショッピングセンターへ行った。
驚いた。
驚いて、そのまま絶句。

 それまでも、100~200台前後の自転車を並べていた。
そのコーナーが、2倍近く、広くなった。
数も、300~400台!

 私の実家も自転車を売っていた。
新車が10~15台。
中古車が10~15台。
私が生まれ育った町では、それでもふつうの自転車屋だった。

 が、そのうち40台近い自転車を並べて売る店ができた。
その店が、私には、大きく、立派な店に見えた。
が、それが今では、300~400台。
関連グッズも、ズラリと並んでいる。

 ……その自転車を見ているうちに、どういうわけか、悲しくなってきた。
すぐにも涙がこぼれそうだった。
だれかに叩きのめされたかのような、無力感。
敗北感。
それがつらかった。

「親父(おやじ)が生きていたら、これを見ただけで、絶望しただろうな」と。

 押し黙ったまま歩いていると、ワイフがこう言った。
「もう、あなたの家は、ないのだから……」と。

 ワイフは、私を慰めたつもりかもしれない。
が、そんな言葉で、慰められるようなものではない。
「自転車」には、私の祖父や父、兄の血が流れている。
今の今も、私の体の中には、その血が流れている。

 ……もし、今、私が自転車屋を経営していたら、かならずカタキを取ってやる。
敵が500台なら、私は1000台、並べてやる。
ショッピングセンターを出るまで、私はそんなことを考えていた。
 
●ザマーミロ、ヘッジファンド!

 ヘッジファンド、ハゲタカ!
数日前も、そう書いた。
そのヘッジファンド。

 ヘッジファンドは、その国の国債を買い入れるときは、ふつう、同時に保険をかける。
CDS※というのがそれ。
万が一、国債が紙くずになったとしても、その保険がかけてあれば、それでカバーできる。
(実際には、もう少し複雑。
が、おおざっぱに言えば、そういうこと。)

 ふつう国が国家破綻(デフォルト)に向かうときは、国債は額面を割る。
額面が、たとえば100万円の国債でも、90万円とかになる。
価格がさがった国債を、保険をかけながら、さらに買いつづける。
破綻が近づけば近づくほど、国債は安くなる。

 こうしてその国が破綻するのを、待つ。
破綻すれば、国債は紙くず。
が、保険がかけてあれば、額面どおり、元金は保証される。
こうしてヘッジファンドは、莫大な利益を得る。
2000年のはじめ、アルゼンチンが破綻したときもそうだった。

(注※……CDS商品について)
『クレジット・デフォルト・スワップ (Credit default swap、CDS) とは、クレジットデリバティブの一種で、債権自体を移転することなく信用リスクのみを移転する取引である。最も取引が盛んなクレジットデリバティブのひとつ。銀行の自己資本比率を高める対策の一環としても利用される』(以上、ウィキペディア百科事典)と。

●ギリシャ

 ギリシャは、刻一刻と、金融危機が悪化しつつあった。
国家破綻は、時間の問題だった。
が、こういうときこそ、ヘッジファンドの出番。
破綻を見越して、国債を買いつづける。
各国の金融機関がもっているギリシャ国債を、安く買いたたく。

 で、デフォルト(債務不履行=国家破綻)ともなれば、そのときこそ、ヘッジファンドの出番。
元金は、CDFで保証されている。
額面通りの金額を、それぞれの銀行から受け取ればよい。
……という手はずだった。
が、ここで思わぬ誤算!

●ザマーミロ!

 各国の銀行団、つまり民間債権者たちは、約54%の債務削減に応じてしまった※。
わかりやすく言えば、借金の帳消し。
「うちは1億円の貸金がありますが、半額だけでも返してもらえれば結構です」と。

 銀行としても、ヘッジファンドに満額の保証金を支払うくらいなら、そのほうが安くすむ。
仮に50%分の損をしても、50%分は、返ってくる。
プラス、保証金は支払わなくても、すむ。

 が、ヘッジファンドにとっては、おもしろくない。
日に日に、保証金が積み重なっていく。
が、私は、こう書きたい。

ザマーミロ!、と。

 お金(マネー)というのは、コツコツと汗水流して働いて得るもの。
そのお金(マネー)を商品にし、巨額の利益をあげるヘッジファンド。
狂っている。
いくら資本主義の世界とはいえ、こんなことが許されてよいはずがない。

 今ごろ、ヘッジファンド・ハゲタカ集団は、地団駄(じだんだ)踏んで、悔しがっているにちがいない。
54%も貸し金を棒引きにされた上、保証金も手に入らない。
だから、もう一度。
ザマーミロ!

(注※……ヘッジファンド)
Bloombergは、つぎのように伝える。
CDSが発生するかどうか、目下、きわめて微妙な段階ということらしい。

『2月24日(ブルームバーグ):ギリシャ政府が同国債保有者に債務交換を強制する集団行動条項(CAC)を発動すれば、想定元本32億ドル(約2600億円)相当のギリシャ債を保証するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決済が発生する可能性がある。

 ギリシャ政府は24日、投資家が保有するギリシャ債の新発債への交換を正式提案した。民間債権者は額面の53.5%を減免することに合意している。国際スワップデリバティブ協会(ISDA)の規則によれば、CACが発動されるとCDSの決済が起こる。

 米証券保管振替機関(DTCC)によると、ギリシャ債を保証するCDSの残高は17日時点で合計4263枚』(Bloomberg 2-24)と。

●ポルトガル

 もっともギリシャが、これで安泰かというと、それはどうか?
言うなれば、今回の救済策は、延命措置。
ギリシャの金融危機が、これで終わったとは、だれも思っていない。
そればかりか、今度は、ポルトガルもおかしくなり始めた。
一難去って、また一難。
それを繰り返している間に、EUは、奈落の底へと落ちていく。

●東京

 東京での講演(S&G財団)が終わった。
今は、帰りの電車の中。
先ほど、夕食の弁当を食べ終えたところ。

 正直に告白する。
今度ほど、東京を怖く思ったことはない。
今朝も、地震の夢を見た。
3年以内に、70%の確率……そんな予報も出ている。
会場から、新橋駅まで歩いたが、気が気ではなかった。
100メートル歩くごとに、「ここで地震が起きたら……」と、そんなことばかり考えていた。

 私は君子ではないが、『君子、危うきに近寄らず』。
3・11大震災(2011)以来、はじめての東京。
それ以前と何も変わらず、東京は元気だった。

●男性

 今日の講演会は、それぞれの地域で、指導員として活躍している人たちのものだった。
自動販売機のところで知りあった男性は、岩手県から来ていた。
その町の教育委員会の人だった。

 そのこともあって、……つまりほとんどが男性ということもあって、反応は鈍かった。
「笑ってくれるかな?」と思って話しても、ムッツリ、ダンマリ……。
そういう点では、話しにくかった。
が、それにも慣れた。
男性というのは、そういうもの。

●新富士

 新幹線は、たった今、新富士に着いた。
あれほど込んでいた車内も、今はガラガラ。
うしろの席に座った若い男性が、ボソボソと何やら話しあっている。
内容はわからないが、ときどきフフフ……、ハハハ……と笑っている。

 会社の同僚か、何かなのだろう。
勝ち誇ったような、自信たっぷりの声。
「私にも、ああいうときがあったなア」と。

遠い昔……というより、今の「私」とは、切り離された昔のような気がする。
うしろで話している若い男性と、私の間に、連続性がない。
言い換えると、うしろの男性が、別人種の人たちのように思えてくる。
宇宙人でもよい。

●前原誠司vs産経新聞

 前原誠司氏(民主党)と産経新聞が、喧嘩している。
ロイターは、つぎのように伝える。

 『民主党の前原誠司政調会長は23日、産経新聞の報道内容に問題があるとして、産経新聞記者の記者会見出席を拒否した。
他の報道機関が拒否理由を求めたのに対し、前原氏は「人をおとしめるための悪口、ペンの暴力の類いが続き受容限度を超えた。
記者に批判する権利はあるが、事実に基づかなければならない」と答えた。
会見場所に産経の記者がいたため、前原氏は隣室に移動して会見』(ロイター)と。

 そうであっても、またそうでなくても、これはまずい!
いくら気に入らなくても、特定の新聞社の記者を締め出すのは、まずい。
私だったら、「サンケイ(K)」というのは、「臭い、汚い、奇怪のことですか?」とやり返してやる。
あるいは、こうでもよい。

 「英語では、ありがとうは、サンキュー。結構ですは、サンケー?、ですね」と。

 私自身は、産経新聞にとくに、反感をもっているわけではない。(誤解のないように!)
が、前原誠司氏の発言は、報道の自由の観点からして、好ましくない。
身の回りにイエス・マンばかり置くようになったら、それは独裁政治の第一歩と考えてよい。

 そう言えば、昔、佐藤栄作元首相が、同じようにして、記者会見をボイコットしたことがあった。
「新聞記者は、みな、出ていけ」と。
まことにもって、見苦しい事件だった。

 で、民主党という党が、どもよくわからない。
民主とは名ばかり。
独裁的で、心が狭い。
産経新聞など相手にせず、もっと大きな敵に向かって、その矛先を向けたらどうか。

●学力

 読売新聞にこんな記事が載っていた。
いつもの記事なので、私は驚かない。
しかし今、日本の子どもの学力は、ここまで低下している。

+++++++++++++以下、読売新聞より++++++++++++++

●「平均」の意味、大学生の24%が理解せず

 大学生の24%が「平均」の意味を正しく理解していないなど、基礎的な数学力、論理力に大きな課題があることが、日本数学会が実施した初の「大学生数学基本調査」で明らかになった。

 理系学生やセンター入試で数学を受験した大学生も多数含まれており、入試のあり方も問われそうだ。

 調査は昨年4月から7月にかけ、国公立大から私立大まで48大学で実施。
主に入学直後の学生5934人が協力した。
調査では小中学校で学ぶ内容を中心に、論理的な文章の読解や記述力、基本的な作図力を問う5問が出題された。

 その結果、全問正答した学生は、わずか1・2%だった。
「偶数と奇数を足すとなぜ奇数になるか」を論理的に説明させる中3レベルの問題の正答率は19・1%。
小6で学ぶ「平均」についても、求め方は分かるが、「平均より身長が高い生徒と低い生徒は同じ数いる」などの正誤については誤答が目立ち、中堅私大では半数が誤答だった。

+++++++++++++以上、読売新聞より++++++++++++++  CM

 この記事を読んで、私は、こう思った。
「小学1年生(小学1年生だぞ!)でも、理解できるのに!」と。

 それを疑う人は、つぎのビデオを見てほしい。
実際、私が小学1年生に、平均を教えたときのものである(2012年1月)。









 子どもの学力が低下したというよりは、学校のもつ教育力が低下した。
そう考える方が、正しい。
「やるべきことはやります。しかしそれ以上のことはやりません」と。
が、教師を責めてはいけない。
教師自身が、規則、制約で、体中が、がんじがらめに縛られている。
身動きが取れない。

 もう40年前の話。
こんなことがあった。

 ある小学校(東京都)で、OHP(大型の投影機械)教育を始めた教師がいた。
私の友人の弟氏だった。
小学4年生の教室で、それを使った。
地図を何枚か重ねていくというものだった。
最初は道→川や橋→家→……、と。

当時としては、画期的な教育法だった。
弟氏は、本まで書いた。
が、それに「待った」をかけたのが、ほかならぬその学校の校長だった。
いわく「ひとつのクラスだけが、飛びぬけた教育をするのは、不公平になる」と。

 ほかの教室の親たちが騒いだこともある。
「どうしてうちの子どもの教室では、してもらえないのか!」と。

 以後、その弟氏は、OHPを使った指導をあきらめてしまった。
ここに書いた友人というのは、当時、主婦と生活社で編集長をしていた、井上清氏である。
この話が事実であることを保証するため、あえて井上清氏の名前をあげさせてもらった。

 ……今、学校教育に求められているのは、「自由」と「責任」。
この2つが両立しないかぎり、これからも子どもの学力低下は、つづく。

●浜松

 新幹線は、まもなく、浜松駅に到着する。
今日のエッセーは、ここまで。

(はやし浩司 教育 林 浩司 林浩司 Hiroshi Hayashi 幼児教育 教育評論 幼児教育評論 はやし浩司 OHP教育 平均値 学力低下 はやし浩司 OHP 平均値がわからない大学生 CDS ギリシャ金融危機 はやし浩司 平均 平均値 小学生でもわかる平均値 平均 はやし浩司 BW教室での実践)

(追記)翌朝(25日)、主催者の方から、メールが届いていた。
今回も、みじめな気持で、会場を去った。
できは、最悪。
早口で、一方的に、まくしたてただけ。
気分はよくなかった。

が、メールを読んで、ほんの少しだけ、気分が安らいだ。

++++++++++++++++++++++++++

はやし様

昨日は大変貴重なご講演をいただき、誠にありがとうございました。

参加者からはとても勉強になった、初めて知る内容が多く新鮮で内容が分かりやすかったとの声が多かったです。

今後ともお付き合いができればと思っております。

奥様にもお越しいただき、誠にありがとうございました。よろしくお伝え下さい。

この度は大変お忙しいところ、ありがとうございました。

B&G財団 HD

+++++++++++++++++++++++++++
Hiroshi Hayashi+++++++Feb. 2012++++++はやし浩司・林浩司


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【読者の方より、相談】

●離婚後の問題

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

N氏(男性)は、現在、1人の女性(以下、Aさん)と同棲している。
その女性(Aさん)は、1年ほど前、別の男性と離婚。
N氏は、その女性(Aさん)との婚姻届は、まだ出していない。
現在、N氏は、その女性(Aさん)と、同棲中。

そのAさんには、元夫の間にできた、1人の子どもがいる。
現在、7歳。
今は、N氏、そのAさん、それに7歳の子どもと、いっしょに暮らしている。

離婚した相手の男性(元夫)は、「2週間に1回1泊2日の面会をさせろ」と言っている。
そのため、Aさんは、元夫にときどき、子どもを会わせている。

が、元夫は、子どもの歓心を買うため、高価なプレゼントを与えたりしている。
歯をみがかせないこともあるという。
N氏としては、こうした関係をできるだけ早く、すっきりしたい、……ということらしい。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●N氏よりの相談(原文のまま)

『子供が6歳の時、両親が離婚。
(4歳の時から両親は一言も話さなくなっていたそうです。)
離婚後すぐ私と彼女は知り合って交際するようになり、離婚後半年で私と、彼女、彼女の子供と3人で暮らす様になり、1年がたとうとしています

【 お問い合せ内容(2500字以内で……)それ以上のときは、掲示板(相談コーナー)へお書きください。 】:

いつも子育てにとても参考にさせてもらっています。
上記の様な複雑な状況で3人で生活しています。
同棲して1年で、結婚を考えていますが、以下の様な問題があります。

?結婚の話をすると、夫婦で建てた時の家のローンを、半分払えと言われる可能性が高い為、様子を見ている。

?離婚した時、元夫から「2週間に1回1泊2日の面会をさせろ」と言われており、今はそれを持続している。

離婚直後は嫌がっていたが、子供は父親を今はとても慕っており、面会後「寂しい」と泣くことも時折ある。

父親は面会時はつきっきりで遊んであげていて、とても子供に優しい。
3,4か月に1回はゲームのソフト等、子供が喜ぶ高額なおもちゃを買ってあげている。
離婚前はそこまで遊ぶことも、ゲームを買うこともなかったようです。

?子供は3歳ころまで言葉を話すのが遅く、特殊学校に行っていた。
幼稚園も特殊学級に入れる様言われたが、普通の学校に行った途端、せきを切った様に発語する様になった。
今まだ目を合わせて話せず、又、新しい環境になじむのがとても苦手。
普通だがかなり怖がりで、自分の慣れたもの以外に慣れるのが苦手な子。

彼女と元夫はかなり仲が悪く、話ができないので手紙でやりとりをしています。
彼女が夫に何か提案をしても罵倒する返事しか返ってこないので話し合いをして子育てを協力しあう雰囲気はありません。

(例えば面会時にいつも歯磨きをしていなかったので歯磨きをお願いしたら、お前の育て方が悪いとありました。
元夫は彼女以外の人には人当たりよくしているそうです。)

私は結婚をしたいのですが、例えばバレンタインデーに父親にこったチョコレートをあげようとする等、違いを見せられると冷静であろうとするのですが辛い時があります。
又、私は私なりの教育を考えて実践しています。

例えば何時間でも家でゲームをして良い決まりだったのを、ゲームの時間を決める、本を読まなかった子に、夜寝る前に本を読んで聞かせている等ですが、面会のたびに違う家の、子供にとっては心地良いルールに戻され返ってきたり、2つの家の価値観が違いすぎて子供が困惑している時があります。

できれば結婚後は面会頻度を2カ月に1回、泊りは夏休み、冬休みのみにしたいのですが、子供の心理上はそれがどうなのか、アドバイスを頂ければと想います。
又、父親から遠方になるのに、引っ越ししようかとも考えています。
よろしくお願い致します。
私とその子供との関係は、良い方だと思います。
子供も「今のお父さんと出会えて良かった」と言っている様です。
ただまだ彼に馴染んでもらうには時間がかかると思っていて、待つつもりでいます』(以上、N氏の相談)。

●未練

 結婚の仕方は、いろいろある。
同じように離婚の仕方も、これまたいろいろある。
みながみな、(さわやかに)というわけにはいかない。
たいていは、(ドロドロ)。
私の知人(58歳)は、離婚調停で、3年も費やした。
財産分離に時間がかかった。

 以前、こう書いたことがある。
「離婚を覚悟するなら、未練を徹底的に消してからにしたらよい」と。
未練が残ると、離婚も、ドロドロしたものになりやすい。

 その未練。
その第一が、子どもがいれば、子どもということになる。
離婚したという「敗北感」「屈辱感」「挫折感」「失敗感」、さらに「世間体」や「見栄、メンツ」などなど。
こうしたものが、複雑にからんでくる。
もちろん相手への思い、不本意な別れなどもある。
「未練」というのは、そういう意味でも、一筋縄ではいかない。

●元夫

 N氏からの相談を読んでいると、元夫の、その「未練」を強く感ずる。
Aさんの心はともかくも、元夫は、その未練の中でもがいている。
子どもへの思いもあるだろうが、むしろ子どもを理由にし、Aさんとの接触を求めている。
独り残された元夫にすれば、「では、私はどうすればいのだ」ということになる。
相談の内容からすると、Aさんのほうが、やや強引な形で、離婚したという印象をもつ。

 そのあたりの心理、つまり元夫の気持ちを理解しないと、今の状態は、しばらくつづく。
が、口で言うほど、これは簡単なことではない。
仏教でも、四苦八苦のひとつに、『怨憎会苦(おんぞうえく)』『愛離別苦(あいりべつく)』をあげている。
人間が人間であるがゆえに、苦しむ(苦)をいう。
まさに身を引き裂くような苦しみをいう。

 怨憎会苦について書いた原稿を探してみる。
怨憎会苦の苦しみを、理解してほしい。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●怨憎会苦(2008年8月19日付)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●魔性との闘い(怨憎会苦)
(To meet with someone whom you feel hatred is a matter of pain.
In often cases it becomes a heavy burden to torture you.)

 仏教には、「怨憎会苦(おんぞうえく)」という言葉がある。
生老病死の四苦に並んで、八苦のひとつになっている。
「いやな人と会う苦しみ」という意味である。
が、ここでいう「怨憎」とは、「魔性をもった人」とも解釈できる。
会うだけで、相手の魔性が、そのままこちらへ伝わってきてしまう。
自分の理性や知性が、こなごなに破壊されてしまう。
そんな危機感すら、覚える。

 で、こちらは会いたくないと思うのだが、相手のほうからからんでくる。
からんできては、自分勝手なことを、一方的に言う。

 そこで「無視」という方法を選ぶが、それにはものすごいエネルギーを
消耗する。
相手が身内であれば、なおさらである。

 A氏の父親が、2年前に他界した。
数億円の財産(主に土地)を残した。
その財産をめぐって、A氏(長男)と、ほかの3人の姉妹が、争った。
毎月のように、ときに毎週のように、言い争う声が近所中に聞こえたという。

 A氏夫婦が父親のめんどうをみてきたのだが、それについて姉妹たちは、
「じゅうぶんな介護をしなかった」「親を施設に入れようとした」などと、
言いがかりをつけた。
A氏の父親は、死ぬ直前、かなり認知症が進んでいた。
そういうこともあって、そのつど娘たちに、「この家は、お前にやる」とか、
「あの土地は、お前にやる」とか言った。
娘たちは、その言葉を理由に、「この家は、私のもの」とか、
「あの土地は、私のもの」と騒いだ。

 A氏は、美術雑誌に評論を書くような知的な人物である。
一方、娘たちは、そのレベルの女性たちではなかった。
あとになってA氏は、こう言う。

 「途中から妹たちの夫まで騒動に加わってきて、『テメエ』『このヤロー』という
話になってしまいました。で、私が、この問題は、私たち兄弟のもので、
あなたには遺産相続権はありません。つまり部外者ですと説明するのですが、
そういう道理すら、通じませんでした」と。

 娘の夫の1人は、こう言ったという。
「(義父が)、オレの女房(=妹)に、『あの土地をお前(=妹)にやる』と言った話は、
オレもちゃんと横で聞いた。オレが証人だ」と。

 A氏は、姉妹たちに会うたびに、神経をすり減らした。
・・・と書くと、「どこにでもあるような話」と思う人もいるかもしれない。
が、当事者であるA氏が受けた心的な苦痛は、言葉では説明しがたい。

 A氏の妻もこう言った。
「(妹の1人から)、嫁(=A氏の妻)が、父親のめんどうをちゃんとみていなかったと
言われたときには、怒れるよりも先に、涙が出てきました」と。

 まさに怨憎会苦。
その苦しみは、経験したものでないとわからない。
「家事が何も手につかなくなってしまいました」とも。

 「妹たちは、金の亡者になった餓鬼、そのものでした。
そばにいるだけで、自分がつくりあげた文化性が、こなごなに破壊されていくように
感じました。
気がついてみると、自分もその餓鬼になっていました。
とくに次女夫婦がひどかったです。
ペラペラと一方的に自分の意見をまくしたて、こちらの言い分には、まったく耳を
貸そうとさえしませんでした。
次女も、認知症が始まっていたのかもしれません」と。

 A氏の経験は、何も特別なものではない。
今の今も、親の遺産相続問題がこじれて、兄弟姉妹が争っているケースとなると、
ゴマンとある。
かりに片づいたとしても、それをきっかけに、兄弟姉妹が絶縁してしまったケースと
なると、もっと多い。
さらに最近では、離婚問題がこじれ、財産分与でもめる元夫婦もふえている。
みな、怨憎会苦の苦しみを、味わっている。

 恐らく釈迦の時代にはなかったタイプの「怨憎会苦」と考えてよい。
経典の中には、金銭(マネー)にからんだ話が出ているところもあるが、釈迦の時代には、
貨幣はなかった。
この日本でも、貨幣が一般世間に流通するようになったのは、江戸時代の中ごろと
言われている。

 今では、マネーが、怨憎会苦の原因になることが多い。
つまり人間そのものが、マネーの奴隷になりながら、それにすら気がついていない。

では、どうするか?

 釈迦は、「精進」という言葉を使った。
日々に精進あるのみ。
つまり常に心の準備を整えておくということ。
そういう場に落とされても、その場に翻弄されないように、自分を強くしておくしかない。
が、それはけっして、むずかしいことではない。

 音楽を聴いたり、映画を楽しんだり、文化、芸術に親しんだり・・・。
もちろん本を読んだり、文を書いたり・・・。
自分の世界を、できるだけ広くしておく。
その努力だけは、怠ってはいけない。
そういう素養が基礎としてしっかりしていれば、こうした騒動に巻きこまれても、
「餓鬼」になることはない。
自分を最後のところで、守ることができる。
(これは私の努力目標でもある。)
(2008年8月19日付)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●Aさん(女性)

 Aさんにとっても、つらい毎日にちがいない。
本来なら、家庭裁判所で、家事調停を申し込むのがよい。
手続きは簡単で、家庭裁判所に出向き、調停の申し立てをすればよい。
あとは、その日に双方が会い、調停委員の前で、アドバイスを受けながら、結論を出す。
元夫の、子どもとの面会権も、そのとき決めることもできる。

 Aさんに落ち度がなければ、子どもの養育費、慰謝料なども請求できる(はず。)
養育費の額などは、相手側の収入などにより、調停委員が査定してくれる。
家事調停で裁決されたことは、本裁判の判決と同じ法的効力をもつ。
たとえば養育費が滞ったばあいなどは、即、執行猶予付きの支払い命令書を相手側に、裁判所名で送付することができる。

 ……というのが法的手続きということになるが、実際には、「家庭裁判所で……」というケースは、少ない。
離婚というより、離婚に至る経緯の中で、人間関係は、すでにこなごな(=ドロドロ)に破壊されている。
たがいに感情的になっているから、冷静な話し合いも、むずかしい。

●N氏

 やはりキーパーソンは、相談者である、N氏自身ということになる。
相手の元夫がそれに応ずるかどうかはわからないが、(私の予想によれば、会うだろうと思うが)、Nさん自身が、相手の元夫と会ってみるのが、いちばんよい。

 ……というのも、私にも、似たような経験が何度か、あった。
一度は、暴力団がらみの事件に巻き込まれたことがある。
知りあった男性が、「アパートをさがしてほしい」と言った。
そこで知人のアパートを紹介した。
が、その男性が、暴力団の組員だった。
知らなかった。

 で、家賃は払わない、ほかの組員たちも同居するようになった……、ということで、アパートの所有者、つまり知人が、責任を取ってほしいと泣きついてきた。
そこで私は、直接、その暴力団の事務所に乗り込むことにした。

 あらかじめ電話をかけると、「命が惜しくなかったら、来い」と。

 が、私は、子どものころから気が小さいくせに、そういうときになると、肝っ玉が座ってしまう。
私は、単身、その事務所に乗り込んでいった。

 ……中央にデスクが置いてあり、左右のソファに、それぞれ3~4人ずつの男が座っていた。
生きた心地はしなかった。
が、私は、こう切り出した。

 「アパート代の未納分を払い、今月中に、アパートを引き払ってほしい。私の言いたいのはそれだけだ」と。

 私はそのとき、30歳前だったと思う。
が、組長の言葉は、意外なものだった。
こう言った。

「お前の度胸に負けた。来るとは思っていなかった。お前の言うとおりにする」と。

●元夫の苦しみ

 相手の元夫も、苦しんでいる。
私は、そう感ずる。
相手の元夫も、先に書いた未練の中で、もがいている。
だからNさんが、「会いたい。会って一度、話しあいたい」と言えば、応じてくるはず。

 最高の解決策は、Nさんが、相手の元夫に会うこと。
何も隠さず、正々堂々と、誠心誠意、相手の元夫の立場に立って、会う。
相手の元夫の気持ちを聞くだけでも、相手の元夫の心は、収まるはず。
が、それでも話しあいがつかないようであれば、こう提案すればよい。

「私の力ではどうにもならないから、一度、家事調停をしてみませんか」と。
(家事調停の仕方などは、簡易裁判所の窓口へ行けば、ていねに教えてくれる。)

 Nさんも、不愉快だろう。
相手の元夫も、もやもやしているだろう。
しかしその間にあって、いちばん苦しんでいるのが、Aさんということになる。
この先、Aさんとの結婚を真剣に考えているなら、Nさんが、間に立つのがいちばん、よい。

●子ども(7歳)のこと

 私の印象では、相手の元夫は、子どもには、あまりこだわっていないと思う。
ていねいに話しあえば、相手の元夫も、納得するはず。
つまり相手の元夫が求めているのは、不完全燃焼感というか、敗北感への償い。
「このままでは、あまりにも自分がみじめではないか」と。

 が、NさんやSさんも、同じように苦しんでいることがわかれば、またそうした誠意があることがわかれば、相手の元夫も納得するはず。

 子どもが、緘黙症を示したのも、離婚劇というより、離婚騒動が原因と考えてよい。
「騒動」が、子どもの心を、つぶした?

 あとは、前向きに生きていく。
少し時間がかかるかもしれないが、時間が解決してくれる。
みな、その程度の(キズ)を背負っている。
キズのない人はいない。

 「これも人生」「あれも人生」と、割り切る。
私たち夫婦も、そうしている。
いろいろあったし、現在進行形で、今もある。
完ぺきな人生は、ない。
みな、ボロボロ。
だったら、ボロボロを前提として、生きる。
まさに『時は心の癒し人』。
私はいつもそう考えている。

 最後に、この正月に書いた、抱負をここに転載する。
その前に……。
勇気を出し、相手の元夫に会ってみること。
それですべてが解決するはず。
相手の元夫の立場で、会う。
「あなたのつらい気持ちもよくわかります」と。
歯磨きくらいのことで、けっして相手の元夫を責めてはいけない。
虫歯になれば、歯科医院へ行けばよい。

高価なプレゼントくらいで、相手を責めてはいけない。
「喜んでいますよ」と。
そう言えばよい。

 Nさん、あとは、あなたの勇気だけ。
運命というのは、そういうもの。
逃げ腰になると、運命は、キバをむいて、あなたに襲いかかってきますよ。

(以上、推敲なしで、このまま返信しますので、誤字脱字は、お許し下さい。)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●2012年のはじめに

【生きる目的と意味、そしてその生き様】
(はやし浩司 2012ー01-01)


●前向きに生きる

 前向きに生きるということは、簡単に言えば、過去を引きずらないということ。
そのためには、つぎの7つを守る。

(1)失ったものを、嘆かない。
(2)去った人を、追わない。
(3)ないものを、ねだらない。
(4)亡くなった人を、思わない。
(5)過去を、くやまない。
(6)失敗を、気にしない。
(7)自分の不幸を、数えない。

 が、それだけでは足りない。
生き様そのものを変える。
自分に対しては、つぎの3つを守る。

(1)あるがままの自分を認める。
(2)負けを認める。
(3)今を原点として、生きる。

 人間は、希望さえあれば、生きていくことができる。
が、希望は、だれにでもある。

今、ここに生きている、そのこと自体が、希望。
目が見える、音が聞こえる、風を感ずることができる……それが希望。
人と心を通わせることができる、ものを考えることができる……それが希望。

その希望は、自ら創り出すもの。
待っていても、やってこない。
日々の弛(たゆ)まない鍛練こそが、希望を生む。
肉体の健康、しかり。
精神の健康、しかり。

 他人に対しては、つぎの5つを守る。

(1)人を、恨んではいけない。
(2)人を、ねたんではいけない。
(3)人に、ねだったり、甘えてはいけない。
(4)人を、うらやましがってはいけない。
(5)人に、へつらい、自分を裏切ってはいけない。

 さらに老後の、しっかりとした設計図をもつ。
そのためには、つぎの4つを守る。

(1)私は私と割り切り、自分を他人と比較しない。
(2)年齢という数字を、気にしない。
(3)最後の最後まで、居直って生きる。
(4)孤独死、無縁死を、恐れない。

 あとは日々、平穏を旨とし、取り越し苦労にヌカ喜びをしない。
時の流れの中に身を置き、その流れに身を任す。
命は、そのまま天に任す。

 朝、起きたときに、やるべきことがある人は、幸福と思え。
今日1日、今週1週間、今月1か月、今年1年、やるべきことがある人は、幸福と思え。 
それを「真の幸福」という。

 前向きに生きるというのは、そういうことをいう。
さあ、あなたも勇気を出し、足を一歩、前に踏み出そう。
明るい未来に向かって、まっすぐ歩こう!

 『心を解き放てば、体はあとからついてくる』(アメリカの格言)。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
 
●人を恨まない

 H・フォスディック(Henry Fosdick)はこう言った。

 『Hating people is like burning down your house to kill a rat.
人を恨むというのは、ネズミを殺すために、家を燃やすようなものだ』と。

 人を恨んではいけない。
恨めば恨むほど、心が小さくなり、そこでよどむ。
よどんで心が腐る。
だからこう言う。

『人を恨むというのは、ネズミを殺すために、家を燃やすようなものだ』と。

 解釈の仕方は、いろいろあるだろう。
しかし簡単に言えば、(ネズミ)は(恨みの念)、(家)は、もちろん(心)をいう。
(人生)でもよい。
ネズミを追い出すために、家に火をつける人はいない。
もったいないというより、バカげている。
人を恨めば、人生を棒に振る。
「人を恨む」というのは、つまりそれくらいバカげている。

 が、それでも恨みが消えないときは、どうするか。

●真の自由

 過去を引きずったとたん、人生は監獄になる。
が、だれしも、恨み、つらみはある。
失ったことを嘆き、不運を悔やむ。
が、そういうときは、それから逃げてはいけない。
とことん、恨め。
とことん、憎め。
とことん、過去を悔やめ。
身がボロボロになるまで、恨め、憎め、過去を悔やめ。
恨んで恨んで、憎んで憎んで、悔やみたいだけ悔やめ。
自分を燃やし尽くせ。

 すべてのエネルギーを燃やし尽くしたとき、あなたはその先に、恐ろしく静かな世界を見る。
それはあなたの魂が解放された、無の世界。
そのときあなたは、はじめて、真の自由を知る。

●運命

 今、あなたが苦しんでいるなら、幸いと思え。
あなたが悲しんでいるなら、幸いと思え。
あなたは今、まさに真理のドアを叩いている。
そのドアの向こうでは、真理が、あなたがドアを開いてくれるのを待っている。
息を潜(ひそ)め、静かに待っている。

 大切なことは、苦しみや悲しみから、逃れようとしないこと。
逃れようとしたとたん、運命はキバをむいて、あなたに襲いかかってくる。
が、あなたが苦しみや悲しみに、真正面から立ち向かえば、運命はシッポをまいて、向こうから退散していく。

 方法は簡単。
あるがままを、そのまま受け入れる。
そこに運命があるなら、その運命をそのまま受け入れる。

 書き忘れたが、あなたにはあなたを取り巻く、無数の糸がある。
家族の糸、地域の糸、生い立ちの糸、仕事の糸、才能や能力の糸……。
そういった糸が、ときとして、あなたの進むべき道を決めてしまう。
それを私は、「運命」という。

 もちろん闘うことができる運命であれば、それと闘う。
「逃げろ」という意味ではない。
闘う。
ふんばる。
そこに人間の生きる価値があり、美しさがある。

 が、どうにもならない運命というものもある。
もしそうであれば、負けを認める。
受け入れる。
とたん、あなたはそこに真理が待っていることを知る。

●2012年01月01日

 さあ、ともあれ、2012年は始まった!

 友よ、仲間よ、力を合わせて、前に向かって歩こう。

 馬鹿は、相手にしない。
愚か者は、相手にしない。
欲望の奴隷となり、道を見失った人間は、相手にしない。
どうせ、その程度の、つまらない人生しか歩めない。
そんな愚劣な人間のために、時間を無駄にしてはいけない。

 私たちはそういう人を、憐れんでやろう!

 人生は山登りに、似ている。
下から見れば、低い山でも、登ってみると、意外と遠くまで見渡せる。
それと同じ。
あなたが勇気を出し、山に登れば、下にいる人間が、さらに小さく見える。

 あなたは前だけを見て、前に向かって進めばよい。
ただひたすら前に向かって、進めばよい。
それですべての問題が、解決する。

(はやし浩司 2012-01-01記)


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【悪徳企業・悪徳教材会社】(ブラック企業の話)

●放射線測定器

 今日、放射線測定器を買った。
エステー社製。
日本製。
7700円。
「Air Counter S」(商品名)。
ガンマ線しか測れない。
が、それでじゅうぶん。

 昨日、東京へ行ったとき、不安でならなかった。
だから、今日、あわてて買った。

 それをもって、あちこちを調べた。
道路の上、植え込みの中、ついでに車の中、ほか。
全体に、毎時0・05μシーベルト~。
場所によっては、0・15μシーベルト~を示すところもあった。
枯草が堆積したようなところほど、高い数値を示した。
放射性物質も、そういうところで堆積される。
このことは前もって知っていたので、冷静に受け止めることができた。

 いろいろなものの上にも、直接置いて、測定してみた。
ほとんどのものは、0・05~0・10μシーベルトの範囲だった。
ただひとつ、パック入りのオレンジ・ジュースの上では、0・19μシーベルトの値が出たのには、驚いた。
そのオレンジ・ジュースは、そのまま捨てた。

 以後、ずっと、首にかけて、使っている。
そのつど、測定している。

●ブラック企業(「ブラック企業の真実」・彩図社)

 今日、「ブラック企業」という言葉を知った。
薄汚い仕事のことかと思ったが、そうではない。
新入社員の立場で、就職してはいけない職種を、「ブラック企業」というらしい。
入社したら最後、骨のズイまでしゃぶられ、最後には身も心もボロボロにされた上、放り出される。
たいていみな、うつ病などの病気になるという。
そういう会社を、ブラック企業という。

 で、そのひとつに、パソコン教室があるという(「ブラック企業の真実」・彩図社)。
生徒の上達度に合わせ、つぎつぎと(より高度なクラス)へ、生徒を移動させていく。
もちろんそのつど、月謝もあがる。
そういう方式で、パソコン教室は、生徒から月謝をむしり取る。
 
 インストラクターには、そのノルマが課せられる。
が、良心の呵責に耐えられないインストラクターもいる。
そういうインストラクターが、上司からひどい仕打ちを受ける。

 もちろんすべてのパソコン教室がそうというわけではない。
しかしパソコン教室にかぎらず、このタイプの教室は、幼児教室にもある。

●ブラック教室

 周1回のレッスンで、生徒を集める。
が、しばらくすると、親にこう言う。
「子どもには適齢期があります。今、音楽教育をしておかないと、手遅れになりますよ」と。
「受験」とか「合格」とかいう言葉を、それにまぶせる。
親は、催眠術か何かに、かかったかのようになる。
教師の言いなりになる。

 こうして、「英語教室……」「体操教室……」「算数教室……」と。
気がついたときには、週に5日、子どもはその教室に通うようになる。

 これをブラック教室と言わずして、何と言う?

●悪徳教材会社

 さらにひどいのが、教材会社。
15年ほど前、S・スタディという教材会社が、市内で事務所を構えた。
大通りに面した、ビルの6階だった。

 ……この話は、当時、原稿として記録した記憶がある。
原稿を探してみる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

私はその教材会社の説明会に、
ワイフといっしょに出かけた。
つぎの記事が、それである。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●悪徳化する学習産業

++++++++++++++

法外な教材を売りつける教材会社は少なくない。

そういう会社が、あなたの弱みを、虎視眈々とねらっている。

++++++++++++++

 ある教材会社の主催する説明会。
予定では九時三〇分から始まるはずだったが、黒板には、「一〇時から」と書いてある。
しばらく待っていると、席についた母親(?)の間からヒソヒソと会話が聞こえてくる。

「お宅のお子さんは、どこを受験なさいますの」「ご主人の出身大学はどこですか」と。
サクラである。
主催者がもぐりこませたサクラである。こういう女性が、さかんに受験の話を始める。
母親は受験や学歴の話になると、とたんにヒステリックになる。
しかしそれこそが、その教材会社のねらいなのだ。

 また別の進学塾の説明会。
豪華なホテルの集会ルーム。
深々としたジュータン。
漂うコーヒーの香り。
そこでは説明会に先だって、三〇分間以上もビデオを見せる。内容は、(勉強している子ども)→(受験シーン)→(合否発表の日)→(合格して喜ぶ子どもと、不合格で泣き崩れる母子の姿)。しかも(不合格で泣き崩れる母子の姿)が、延々と一〇分間近くも続く!

 ビデオを見ている母親の雰囲気が、異様なものになる。しかしそれこそが、その進学塾のねらいなのだ。

 話は変わるがカルト教団と呼ばれる宗教団体がある。
どこのどの団体だとは書けないが、あやしげな「教え」や「力」を売りものにして、結局は信者から金品を巻きあげる。
このカルト教団が、同じような手法を使う。
まず「地球が滅ぶ」「人類が滅亡する」「悪魔がおりてくる」などと言って信者を不安にする。「あなたはやがて大病になる」と脅すこともある。
そしてそのあと、「ここで信仰をすれば救われます」などと教えたりする。
人間は不安になると、正常な判断力をなくす。そしてあとは教団の言いなりになってしまう。

 その教材会社では、中学生で、年間一二〇万円の教材を親に売りつけていたし、その進学塾では、「入試直前特訓コース」と称して、二〇日間の講習会料として五〇万円をとっていた。
特にこの進学塾には、不愉快な思い出がある。
知人から「教育研修会に来ないか」という誘いを受けたので行ってみたら、研修会ではなく、父母を対象にした説明会だった。
しかも私たちのために来賓席まで用意してあった。私は会の途中で、「用事があるから」と言って席を立ったが、あのとき感じた胸クソの悪さは、いまだに消えない。

 教育には表の顔と、裏の顔がある。
それはそれとして、裏の顔の元凶は何かと言えば、それは「不安」ではないか。
「子どもの将来が心配だ」「子どもはこの社会でちゃんとやっていけるかしら」「人並みの生活ができるかしら」「何だかんだといって日本では、人は学歴によって判断される」など。
こうした不安がある以上、裏の顔はハバをきかすし、一方親は、年間一二〇万円の教材費を払ったり、五〇円の講習料を払ったりする。
しかしこういう親にしても日本の教育そのものがもつ矛盾の、その犠牲者にすぎない。
一体、だれがそういう親を笑うことができるだろうか。

 ただ私がここで言えることは、「皆さん、気をつけてくださいよ」という程度のことでしかない。
こうした教材会社や進学塾は、決して例外ではないし、あなたの周囲にもいくらでもある。それだけのことだ。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

が、この種の悪徳教材会社は、後を絶たない。
摘発されるたびに、会社名を変える。
教材にしても、表紙だけ、張り替える。
数年前も、浜松市内で、ある教材会社が摘発された。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●80万円の教材 

 高額な教材を売りつける教材会社がある。
悪徳商法として、ネットでも叩かれている。
これについて、少し書いておきたい。
方式はこうだ。

 「一式、80万円。中学3年分の教材」。
そんな教材を売りつける。
80万円の中には、テキスト代はもちろんのこと、FAXによる添削、電話相談料が
含まれている。
で、80万円を、3年分の36か月で割ると、月額約2万2000円となる。

ワークブックということなら、自分で書店で選んだ方がよい。
ワークブックには、「相性」というのがある。
その相性が合わないと、高価な教材と共に、「勉強心中」ということにもなりかねない。
「勉強心中」というのは、教材が負担で、方向転換できず、そのまま教材と共に、
勉強ができなくなってしまうことをいう。

 大切なのは、「達成感」。
その達成感が、子どもに自信をつけさせ、子どもを伸ばす原動力となる。

 それはともかく、月に1冊、1000円のワークブックをこなすだけでも、たいへんな
こと。
それを考えただけでも、2万2000円というのは、メチャメチャな額といってよい。
が、買う人は買う。
子どもにやらせる。

●私の経験

 私もある時期、市販の教材づくりに命をかけた。
毎晩、2時、3時まで、ワークブックの原案を考えた。
そんなある日、奇妙な仕事が飛び込んできた。

 大手出版社のX社からのものだった。
「都内の小学校の入試問題集を制作してほしい」という依頼だった。
わたしは即断で、それを承諾した。

 で、しばらくすると、ダンボール箱に入った資料が、ドサッと送られてきた。
過去問題に関する資料である。
全部で、40校あまりあった。
が、傾向はどれも似たようなもの。
たがいに隣の小学校の入試問題を見ながら、自分の学校の入試問題を制作していた。
それが私にも、よくわかった。
つまり私には、楽な仕事だった。

●別会社

 が、「?」と思われるような申し入れが、つづいた。
まずその教材は、「X社」の名前では売らない。
書店にも並ばない。
もちろん「はやし浩司」の名前は入れない、と。
そのかわり、高額な制作料を支払う、と。
私には、どういうことか理解できなかった。
が、やがてわかった。

 X社は、ダミーの子会社(販売会社)を立ち上げた。
その子会社名で、セールスマンを雇った。
そのセールスマンに、訪問販売の形で、教材を売らせた。
あとで聞いたら、40校あまりの問題集を、1セット、200万円で売っていた!
この金額には驚いた。
当時はバブル経済、華やかりしころで、200万円でも、飛ぶように売れた。

 が、この方式、つまり親会社がダミー会社を立ち上げ、自分の名前をけがさないように、悪徳商法を繰り返すという方式は、けっして珍しいものではなかった。
さらにあくどい販売会社となると、倒産した教材制作会社の教材群をまとめて買い上げ、それを再製本し、同じ方式で売っているところもあった。
(今も、それがふつうのやり方になっている。)

 昨年(09年)も、この浜松で、悪徳教材会社が摘発された。
同じような手口で、親をだまし、高額な教材を売りつけていた。
が、刑法上の罪は軽い。
表紙だけを取り替えて、また別の販売会社を立ち上げる。
社長(=責任者)は、そのつど、別の人物にすえ替える。

 いろいろな教材を手がけてきたが、これほどまでに後味の悪い仕事はなかった。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

先にあげたS・スタディについて、
直接書いた原稿が見つかった。
そのまま紹介する。
日付は、2006年11月9日になっているが、
この事件そのものは、それよりずっと前のことだったと記憶している。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●悪徳商法

 数日前、関西に住む、ある女性から電話がかかってきた。
3人の子どもをもつ母親だった。いわく、「右脳教育の教材を買ってしまったが、解約したい。どうすればいいか」と。

 値段を聞いて、ビックリ! 1セット、50万円だという。

 「幼児のころ、右脳教育をしておかないと、科学者にはなれません」「あなたのお子さんも、辞書を一冊、丸暗記できるようになります」「あの卓球のIチャンも、利用していました」などなど。
そのセールスマンは、そう言ったという。

 それで50万円の教材を購入することに!

 バカめ! いや、その母親がバカと言っているのではない。
そのセールスマンが、バカ! 右脳教育の「ウ」の字も知らないで、右脳教育の教材を売りさばいている。

 私の近くにも、「S」という、これまた「?」な教材販売会社がある。
月4回の家庭教師こみで、年間、120~130万円の費用を取っている。
教材販売会社なのだが、家庭教師をセットにしているところがミソ。

 つまり教材を解約しようとすると、「うちの教材は、あくまでも家庭教師の補助教材です」と言って逃げる。
家庭教師を解約しようとすると、「家庭教師はサービスとして派遣しています。教材費実費はいただきます」と言って逃げる。

 私の生徒の親も、何人か、その被害にあっている。

 どうか、みなさん、お気をつけください!

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●補記

 実は、この話には、つづきがある。

 名古屋市に、XXという教材出版会社がある。
表向きは、「教材出版会社」。
一応、表では、まともな看板をかかげている。
教材説明会などに顔を出すと、その会社のコーナーも、ちゃんとある。

 が、その子会社が、ここにあげた「S・スタディ」(当時)。
(名前は摘発されるたびに、変える。)
その手口は、先に書いた。
「教材」と「家庭教師」をセットにして、親に売りつける。

 で、09年にも、浜松市で摘発された。
そのときもこう言っていた(報道、記憶)。

 「うちは家庭教師を年間契約で雇います。途中解約のばあいは、当然、その解約料を負担していただけいます」と。

 報道でそれを知ったときは、こう思った。
「うまいこと、言うなア」と。

 家庭教師といっても、学生アルバイト。
解約など、いつだってできるはず。
それに家庭教師を解約し、解約料がかかったという話は聞いたことがない。
が、私が書きたいのは、このことではない。
こんなことがあった。

●知人の息子

 ある日、遠い親戚にあたるKさん(女性)から、電話がかかってきた。
「浜松へ行くから、ちょっと寄っていいか」と。
私は即座に、それに応じた。

 が、会ってみると、30歳前後の息子氏がそばにいた。
3人で食事をともにしたが、話すことは、教育のことばかり。
「?」と思っていると、やがておもむろに、名刺を差し出した。
その名刺に、先にあげた「XX教材会社」の名前があった。

 私は、とたん身構えた。
息子氏がついてきた理由が、それでわかった。
が、それについては言わなかった。
Kさん自身も、恐らく息子氏の勤める会社の内情を知らなかったのでないか。
ふつうの出版会社と思っていたらしい。

 で、それで別れた。
そのまま縁を切ったつもりだった。
が、それからもたびたび、息子氏のほうから連絡があった。
「会いたい」「また遊びに行っていいか」「浜松へ行く用事ができたから……」と。

 私の住む世界では、そういう人とつきあうのは、たいへんまずい。
知りあうのも、まずい。
どこでどう利用されるか、わかったものではない。
で、そのつど、断るのに苦労した。
まったくの他人ではなかった。
それだけに苦労した。

●悪徳商売

 ブラック企業……。
教育の世界とて、例外ではない。
ということで、このエッセーを書いた。
みなさんの参考になればうれしい。

 そろそろ就寝タイム。
では、おやすみなさい!

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 ブラック企業 悪徳商法 悪徳教材 はやし浩司 悪徳教材屋 受験産業 S・スタディ S・スタデイ はやし浩司 悪徳教材会社)


Hiroshi Hayashi+++++++Feb. 2012++++++はやし浩司・林浩司
 

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