2012年3月20日火曜日

●福島第一原発事故と東南海地震

【2つの危機】(はやし浩司 2012ー03-20)
(1)日本人のモラル、(2)東南海地震

【福島原発事故】(日本人のモラル)

●大江健三郎氏の「40年」

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

大江健三郎氏は、こう述べた(フランス、「サロン・ド・リーブル」での講演)。

『……私は原爆は、すでに終わった歴史だと思っていたが、被爆の問題は終わっていなかった。今、福島で起こっていることは、40年後に顕在化する』(中日新聞・2012年3月19日)と。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●チェルノブイリと福島

 「40年」という数字はともかくも、私も、大江健三郎氏の意見に、まったく同感。
そのことは、チェルノブイリの現状を見れば、わかる。
放射性物質にさらされることにより、急性症状が発症する。
が、それよりも恐ろしいのは、「長い潜伏期間中にじわじわと体がむしばまれる、晩発性影響である」(「原発事故」宝島社)。

 その症状は、「被爆後数か月か、数年後か、あるいは数十年後かに障害が出る」(同書)と。
遺伝的影響も無視できない。
遺伝的影響は、(1)遺伝子突然変異と、(2)染色体突然変位に、分類される。
 

 そのチェルノブイリで、症状が顕在化し始めたのは、2年後から5年後。
10年後にピークを迎えたという(同書)。
30年近くたった今も、その被害は進行中。
そのとき子どもだった人たちが影響を受け、その被害が、そのまた子どもたちに現れている。

2012年3月20日現在、あの3・11大震災、それにつづく原発事故から、まだ1年しかたっていない。
にもかかわらず、原発事故汚染地帯では、あちこちで早々と安全宣言がなされ、観光客の誘致運動も始まっている。
ノー天気というか、バカげている!

 たとえば、南相馬市。

「……南相馬市は、原発から20キロ圏内の(警戒区域)と被爆放射線量が年間20ミリシーベルトに達する恐れのある(計画的避難区域)の、計1万3200人が、強制的に避難させられた。

 中心部の20~30キロ圏内は、年間3ミリシーベルトと低く、住んでも問題ないとされ、いずれの区域にも指定されていない。
それでも市の中心部の住民1万3000人あまりは、市外で自主避難をつづけている。
市の人口は、福島事故前の7万1000人から、4万3000人と、3万人近く減った」(中日新聞、3月20日)と。

 同日の中日新聞は、市内に店を構える、ある玩具商を紹介している。
その玩具商は、こうこぼしたという。
「商売になんねえ」と。

 「子どもたちがいないから、玩具を買ってくれる子どももいない」と。

 あのチェルノブイリでは、「本州の(日本の)6割分が汚染された」(同書、P54)という。
半径にして、600キロ。
(福島第一原発から、東京までが約200キロ、浜松市までが420キロ。)
南相馬市では、20~30キロが、基準になっている(?)。
たったの20~30キロ!

●「ウッソー」

 先日も、ある中学生がこう言った。
「福島第一原発事故は、まだ何も片づいていないよ」と、私が言うと、「ウッソー(浜松市の方言)」と。
その中学生は、福島第一原発事故は、すでに片づいたものと思い込んでいた。

私「被害が出てくるのは、これからだよ」
中「被害者は、だれもいないわよ」
私「あのね、100万キロワットの原発1機で、年間、広島型原発の約2800発分もの放射性物質を作りだすというよ(瀬尾試算)」
中「……」
私「それが4機……とくに警戒しなければならないのが、4号機。4号機は、プルトニウムを使っていた。それに4号機のプールの中には、4機分全部を集めた分に匹敵する、燃料棒が貯蔵されている。もし4号機のプールが破損したり、倒壊するようなことにでもなれば、この浜松市あたりまで、人は住めなくなるんだよ」と。

 この先、何が起こるかわからない。
あれほどの津波は、しばらくはないとしても、福島第一原発の地下には、活断層が何本も走っている。
それが地震を引き起こせば、さらに被害が拡大する。
4号機のプールが破損し、水が抜けただけでも、大惨事を招く。

 人が近づくことすら、できなくなる。
半径、100キロとか200キロにも、人が近づけなくなる。
そうなったとき、近くにある福島第二原発や、女川原発、さらには、東海村にある原子炉はどうなるのか。
想像するだけでも、背筋が凍る。

●『今、福島で起こっていることは、40年後に顕在化する』

 大江健三郎氏は、こう言っている。
『今、福島で起こっていることは、40年後に顕在化する』と。
つまり被爆被害は、40年後に顕在化する、と。

 だったら、少なくとも、ここ10年は、様子を見るべきではないのか。
10年後に、被爆による影響がないとわかった段階で、各地にある原子炉の再開を始めればよい。
が、まだその最中の、これから先、どうなるかわからないような状況の中で、各地の原子炉を再開するなどということは、どう考えても常識をはずれている。

 なお、大江健三郎氏は、こうも述べている。

『日本人は、危機を認め、根本的なモラルを持たなければならない』(中日新聞)と。

(1)危機を認める
(2)根本的なモラルを持つ、と。

●危機とモラル

 ある友人は、こう言った。
浜松市内で、外科医をしている。
私の教え子でもある。
いわく、「私はね、(福島原発の)あの爆発を見たとき、ああ、これで日本は終わったと思いましたよ」と。

 大江健三郎氏がいう、「危機を認める」というのは、それを言う。
が、今のようなモラルでは、その危機を乗り越えることはできない。
ただ、あがくだけ。
もがくだけ。

政府はウソにウソを塗り重ね、一方、国民は、耳障りのよい意見だけを鵜呑みにする。
その相互姿勢は、現在の北朝鮮と、どこもちがわない。
だから大江健三郎氏は、「根本的なモラルをもて」と。

 が、新聞では、これ以上の報道はしていない。
これ以上のことは、わからない。
大江健三郎氏が言う、「根本的なモラル」とは、何か。

私流に解釈すれば、資本主義的な物欲文明から決別し、別の価値観を見出すということになる。
大きなテーマだけを与えられたようで、では、どうすればよいのか、今の私にはわからない。
近く大江健三郎氏の意見が、雑誌などに載るだろうから、それを読んだあと、また私なりに考えてみたい。

 なおここに書いた友人の外科医は、現在、浜松市と沖縄の間を、頻繁に行き来している。
「沖縄には仕事がある」と言っている。
この春休みも、沖縄で過ごしている。
家族ともども、近く、移住を考えているようだ。

 なお、最後に一言。
数日前、こんな記事が報道された。

「福島産の米は、老人ホームなどで、使ってもらう」と。

 若い人たちにすれば、老人ホームにいる老人は、そういう人たちに見えるかもしれない。
しかしその老人に近い、私は、この記事を読んで、ゾッとした。
なぜゾッとしたかについては、あえて説明しない。

 私は、こういうことを平気で言う日本人、あるいは日本という国に、心底、失望した。
大江健三郎氏が言うところの、根本的なモラルそのものが、狂っている。


Hiroshi Hayashi+++++++March. 2012++++++はやし浩司・林浩司

【東南海地震】

3月17日に、東南海地震について書いた。
その中で、つぎのようなことを書いた。

『……5月21日(月曜日)に、名古屋から東京にかけ、金環食を見ることができるという。
金環食によって、太陽、月、地球が一直線に並ぶ。
そのとき、太陽と月の引力が、地球の地殻に影響を与えることはじゅうぶん、考えられる』と。

ちょうど金環食が観測されるあたりは、東南海地震が予報されている地域と重なる。
(東海地震と南海地震を合わせ、東南海地震という。)
先の、3・11大震災(2011)以来、このあたりの近くも、かなり不安定になってきているのではないか。
事実、その大震災のあと、各地で、その大震災で誘発されと思われる地震が、頻発して起きている。

●心配

 ここに書いたことが、まったくのデタラメかというと、どうも、そうでもないようだ。
それを裏付けるような記事が、今日(3月19日)、配信された。

(注※……金環食)
『……いよいよ今年。2012年5月21日の朝。
九州・トカラ列島から福島県南東部にかけた日本の太平洋側の広い地域で、太陽がリング状に欠けて見える珍しい天文現象 金環食(金環日食)が観測できます。
……(中略)……
今回の日食では東京・大阪・名古屋の三大都市圏が金環食帯に入っている上、中心食線(日食帯の中心線)が南関東・静岡・紀伊半島南部などの多数の都市・観光地を通ります。
図鑑で見るような真円のリングが国内で観測できる、またとないチャンス!』(金環食ホームページ)と。

 この浜松市と静岡市、それに東京都を結ぶ線上を、金環食の中心食線が通るという!
なお、静岡市では、午前7時32分13秒に通過とか。
太陽や月の引力の力を、けっして過小評価してはいけない。

(注※……東南海地震)
『紀伊半島沖から遠州灘にかけての海域(南海 トラフの東側)で周期的に発生する海溝型地震。規模は毎回 M8・0 前後に達する巨大 地震で、約100年から150年周期で発生している』
『政府の地震調査研究推進本部の予測によると、2010年1月1日からの発生確率は30年以内で 60~70 % 、50年以内で 90 % 程度以上とされている』(ウィキペディア百科事典)と。

 東南海地震は、約100年から150年周期で起きているという。
前回は、1944年12月7日。

●TBS-iNEWSより

 こんな記事である。

 『……長野県栄村の周辺で東日本大震災後に多発した地震は、月の引力などの影響で潮が満ち引きする潮汐(ちょうせき)が引き金で起きたとみられることが、産業技術総合研究所の分析で18日、わかった』(TBS-I News News 3月19日)というのだ。

TBS-I Newsは、こう続ける。

『……長野県栄村で地震で多発、「潮汐」引き金 地殻変動と発生時刻と潮汐のリズムに極めて高い相関があり、大震災による地殻変動と潮汐力が重なって誘発されたとみられる。

 産総研の雷興林(らいきょうりん)主任研究員は、大震災以降の約2カ月間に長野県北部で起きたマグニチュード(M)3以上の142回の地震を分析。
栄村で震度6強を観測した大震災翌日の地震(M6・7)を含む全体の約50%が、潮汐と関係していたことを突き止めた。

 潮汐は月の引力などによって海面が周期的に上下変動する現象で、地球内部の岩盤も同じ影響で上下に伸縮している。
雷主任研究員によると、潮汐と関係がある地震は世界の約5%で、今回はこの10倍に相当する前例のない高さという。

 一連の地震は地盤が下がる干潮や、下がる速度が最大のときに集中して発生。
長野県北部には、マグマから出たガスや液体が岩盤の隙間に高圧でたまっている「流体だまり」が多数あるとみられ、この場所が潮汐力で押されて周囲の岩を破壊、断層を刺激して地震が起きたと推定している』(以上、TBS-I News News 3月19日)と。

●5月21日

 5月21日は、はたしてだいじょうぶなのか?

 もし東南海地域が、地殻的に不安定であれば、そのあたりで地震が起きても、おかしくない。
(反対に、何も起こらなければ、地殻は安定しているということになる。つまり、今、しばらくは地震は起きないと考えてよい。)

 ともあれ、「金環食」と浮かれていると、とんでもないことになる。
私の杞憂で終わればよいが、しかしそういったことも起こりうるという前提で、準備するのは、それほどまちがっていない。
言うまでもなく、東海地震と南海地震が同時に起こるようなことになれば、その規模は、あの3・11大震災の規模に匹敵する。
被害も、相当なものになるはず。

 その可能性が、たとえ何万分の1でもあるなら、警戒するに越したことはない。

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Hiroshi Hayashi+++++++March. 2012++++++はやし浩司・林浩司

●年中児に、お金の数え方、6+4=10、直角について教えてみました。

 3月も末。
いくつかたまった教材があったので、今回は、3つのテーマを大急ぎで教えてみました。
あくまでも、「種まき」のつもりです。




Hiroshi Hayashi+++++++March. 2012++++++はやし浩司・林浩司

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