2011年6月7日火曜日

*To People who live in Gifu

●岐阜市での放射能測定値(錯覚と誤解)

 岐阜県という県は、3本の川によって、それぞれ独特の文化圏を形成している。

東から木曽川文化圏、長良川文化圏、そして揖斐川文化圏。
横のつながりは、ほとんどない。
ただし岐阜県は、昔から、南側の美濃地方と北側の飛騨地方に別れている。
飛騨地方については、山を越え、東西につながっている。
生活習慣や言葉などは、よく似ている。
昔の人々は、山を越え、それぞれに交流していたにちがいない。

 その岐阜。

 私は今回の原発事故が始まった直後は、こう考えていた。
「もし放射能が浜松まで及んできたら、岐阜へ逃げよう。それでもだめなら石川県の金沢に逃げよう」と。

 しかし福島第一原発のある場所に中心を刺し、コンパスで円を描いてみて驚いた。
浜松も岐阜も金沢も、同一円内にある。
つまり逃げても、無駄。
が、誤解……あるいは錯覚というのは、恐ろしい。
頭の中の「地図」は、そうなっていない。
岐阜や金沢は、福島よりずっと遠いと感ずる。
長い間の地理的誤解が、そういう感覚を形成してしまった。
が、さらに今回、驚いたことがある。

 現在、文科省とは別に、『放射線・原子力教育関係者有志による全国環境放射線モニタリング』というのが、公表されている。
(文科省の公表値は、ほとんどアテにならない。)
http://www.geocities.jp/environmental_radiation/

 それでみると、
静岡県は、このところ平均して、0・045前後の値を推移している。
ところが岐阜県は、0・080前後。
「静岡」の約2倍!

 これはどうしたことか?

 福島第二原発からの風が、静岡より、北側を流れているということか?
が、それにしても、腑に落ちない。
そこでつぎに福井県を調べてみた(同、調査)。
それを見て、理由がわかった。

福井県は、0・90~1・00前後。
つまり原因は、どうやら福井原発にあるらしい?
福井原発から岐阜市まで、たったの70キロ弱(岐阜市ー敦賀市、直線距離)。
岐阜県全体が、100キロ圏内にすっぽりと入ってしまう。

 が、誤解というのは、恐ろしい。
私も岐阜県人だったが、福井原発が、そんなに近いところにあるとは知らなかった。
福井原発についても、岐阜県で反対運動が起きたという話は聞いたことがない。
岐阜からみると、福井は、山の向こうの、さらにそのまた向こうの遠いところ。
「岐阜には関係ない」となる。……となっていた。

 が、これはまさに錯覚!

 いいか、岐阜県の人たちよ。
福井原発は、すぐ目と鼻の先だぞ。
たったの70キロだぞ。
知っていたか!

ちなみに浜岡原発から浜松市まで、40キロ前後。
もし浜岡原発や福井原発で、福島第一原発と同じような事故が起きたら、浜松市はもちろん、岐阜市も、「避難勧告地域」になる。
のんきに構えている方が、おかしい。

 ということで、福井第一原発事故は、地図の見方まで変えた。
今までは、「車で何時間」というような考え方が、主流だった。
が、今は「直線距離」。
山も川も、文化圏もない。
「直線距離」。
またそれでみなければ、意味がない。

で、岐阜県の人たちへ

 岐阜での放射能測定値は、静岡の2倍。
福井原発までの距離は、たったの70キロ。
知っていたか?

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