2010年10月7日木曜日

●Senzankaku Hotel 【A】tYuya-Hot Spring Spa Valley 泉山閣ホテル(旅館)湯谷温泉郷・愛知県板敷川

【湯谷(ゆや)温泉・湯谷観光ホテル泉山閣(せんざんかく)に一泊】

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今日は、湯谷温泉に一泊。
浜松市内から、約45キロ。
車で1時間半と少し。
愛知県と静岡県の県境にある。

以前、電車で来たことがある。
そのときの印象があまりよくなかった。
そのこともあって、期待半分、
心配半分。

しかし来てみて、よかった!
すばらしかった!
泊まった旅館は、「湯谷観光ホテル泉山閣」。
建物は古いが、あちこちがしっかりと
補修してあった。

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●湯谷温泉(ゆやおんせん)

 自分に合った温泉をさがすのは、むずかしい。
自分に合った温泉に出会うのは、さらにむずかしい。
が、この温泉は、鍵と鍵穴がしっかりと合うように、私の心に合った。
うれしかった。
ホテルのロビーへ入ったとたん、ガチリと、それがわかった。

 私は長良川という川のほとりで、生まれ育った。
実家は田舎の街中にあったが、春夏秋冬、休みになると、母の郷里で過ごした。
現在は関市に編入されている。
岐阜県関市板取村である。
その実家の前を、日本一の清流と言われている板取川(長良川の支流)が流れている。
つまり私は生まれも、育ちも「川・人間」。
川のほとりにある旅館・・・ということで、私の心をしっかりと捉えた。

●板敷川(いたじきがわ)

 貸し切りの露天風呂が3つ。
24時間入れる中浴場(湯船が2つ)。
窓の外には、通称「板敷川(いたしきがわ)」という川が流れている。
まるで板のような、平らな岩盤が、連なって川底を作っている。

正式の名前は、「宇連川(うれがわ)」。
愛知県を流れる豊川(とよがわ)の支流である。
窓の外は全面、緑の山々。
手前に赤茶色の岩々にはさまれて、コバルトブルー色の川が流れている。
旅館に着くと、私とワイフは、すぐ貸し切りの露天風呂へと入った。
目の下すぐを、板式川が流れていた。
おまけに、カワセミ!
セキレイ!
オシドリ(?)らしき鳥。
カワセミを見るのは、40年ぶり。

 ワーッと声をあげたくなるほど、その景色が心になじんだ。
星はもちろん5つ星の、★★★★★。

(ただし、この評価は、きわめて個人的なもの。
客観的な評価とは言いがたい。
ワイフなどは、浜松生まれの浜松育ち。
「川」には縁のない世界で生きてきた。
だからワイフは、こう言った。
「私はあなたほどではないわ・・・」と。)

●泉山閣(せんざんかく)

 今年だけでも、いろいろな旅館やホテルに泊まった。
西浦温泉の銀波荘を皮切りに、三河湾沿いの温泉地に、4か所、泊まった。
その間に、伊良湖岬、浜名湖周辺の旅館やホテルにも泊まった。
伊豆の旅館にもいくつか泊まった。
熱川、伊東、下田……。

 どこもよかった。
しかしこの泉山閣は、格別。
先ほども書いたが、建物は、古い。
部屋も7~8畳。
補修、改修のあとが、あちこちに残っている。
それが何とも言えない懐かしさというか、独特の風情をかもし出している。

子どものころ、泊まった母の実家。
子どものころ、寝泊りした金沢の下宿。

 旅館やホテルは、建物では決まらない。
サービスのよさでも決まらない。
料理も大切だが、それ以上に重要なのは、心が休まるかどうか。
ほっとするような温もりを覚えるかどうか。
それで決まる。

 私は久々に・・・というか、今年はじめて、この泉山閣に泊まって、
その温もりを覚えた。
(これも私という人間の、きわめて個人的な評価。)

●本気

 旅館やホテルを選ぶとき、最近の私たちはインターネットを使う。
そのこともあって、ハズレが、ほとんどない。
というのも、旅館やホテルのよさは、本気度で決まる。
つまりやる気プラス、活気。
本気度のある旅館やホテルは、泊まっても楽しい。

 で、インターネットに顔を出してくるような旅館やホテルは、それだけ
本気ということになる。
もともとやる気のない旅館やホテルは、世の中の流れに、疎(うと)い。
疎いから、あとは悪循環の中で、評判を落としていく。
一方、やる気のある旅館やホテルは、前向き。
それが両者の「差」を広げていく。

 ただ全国的に、日本の旅館やホテルは、元気がない。
若い人たちを中心に、余暇の過ごし方が大きく変化してきた。
加えて今では、日本のどこかに泊まるよりも、外国に泊まったほうが、
安くあがる。
時代が、変わった。

●ぜいたく

 ところで団塊の世代は、粗雑にできている。
たくましく、荒波にも強い。
そのせいか、「ぜいたく」という言葉に、ある種の抵抗感を覚える。
ぜいたくをするたびに、罪悪感を覚えることもある。
あるいはぜいたくをしている人を見ると、怒りを覚えることもある。
私の息子たちが、そうだった。

 いつだったか、息子たちがスキーに出かけたときのこと。
息子たちは手ぶらで出かけ、手ぶらで帰ってきた。
そこで私が「荷物は?」と聞くと、「宅配便で送った」と。

 これには驚いた。
とたん怒りが、充満した。
「何という、ぜいたくなことを!」と。

 もっともあとになって友人に聞くと、その友人は、こう言った。
「最近の若い人たちはみなそうだよ」と
それを聞き、半分、安心し、半分、あきれた。
私たちの年代の人間は、そういう人間である。

●夕食

 夕食は6時からだった。
会席料理。
石狩鍋に、鮎の塩焼き・・・などなど。
私はこういうところへ来ると、いつも食べ過ぎてしまう。
で、たぶん明日も、1~2キロ、体重オーバー。

 自分でもバカだと思う。
「食べなければ損なのか、それとも食べたら損(そこ)ねるのか」と問いつつ、
結局は食べてしまう。
前頭連合野の理性の力が弱い。
誘惑に弱い。
欲望のまま生きている。
こういうところへ来ると、それがよくわかる。

●女 

 もうひとつこうした温泉へ来ると、変わった経験をする。
それはワイフが、「女」に見えること。
ふだんは空気のような存在で、まるで女を感じない。
が、こうした温泉では、ワイフが「女」に見える。
ときどき「お前も女だったんだな」と言うことがある。

 そういう意味でも、つまり夫婦円満のためにも、温泉に泊まることは
よいことだ。・・・と思う。

 私たち夫婦は、仲がよいのか、悪いのか、よくわからない。
周期的に喧嘩し、1、2日もすると、またもとに戻る。
たいていは私が家を飛び出す。
これを毎月のように繰り返している。

●団塊の世代

 つまり私たちの世代は、豪華すぎても落ち着かない。
しかし貧弱すぎてもいけない。
ほどほどというか、その許容範囲が割りと狭い。
だからといって仙山閣がどうこうと書いているのではない。
由緒ある旅館であることには、ちがいない。
館内のあちこちに、伝統の重みをズシリと感ずる。
また、チェックインすると同時に、女将自身が、緑茶を立ててくれた。
廊下の角には、生け花がしつらえてあった。
そういった小さな心づかいが、うれしい。

 だから・・・。
「川」に縁の深い人。
こぢんまりとした旅館で、のんびりしたい人。
おいしい料理を食べたい人。
貸し切りの露天風呂につかりたい人。
そして浜松市、豊橋市周辺の人。
プラス団塊の世代前後の人。

 こんな近くに、こんなすばらしい旅館があることを再認識してみたら、
どうだろうか。
私たちは夏も終わり、紅葉の季節にはまだという、言うなればシーズン
オフに、仙山閣に泊まった。
ぞれぞれの季節に泊まれば、もっとすばらしいかもしれない。

●尖閣諸島

 ところで今朝、私は「11次元」について書いた。
そのとき、別の心でこう思った。
まったく話が変わるが、許してほしい。
こうした旅行先では、脳みそがどうしてもハイになる。
そのためつぎからつぎへといろいろな思いが、脳みその表面に飛来しては消える。

 で、この宇宙には、中田島砂丘にある砂粒の数以上の、銀河がある。星ではない。
銀河である。
それぞれの銀河に、やはり中田島砂丘の砂粒以上の星がある。
地球は星ではない。
太陽くらいになって、はじめて「星」と呼ばれる。

 そうした星々が、大宇宙に散らばっている。
この地球は、その大宇宙の中では、チリにもならないチリ。
そのチリの一角で、これまたチリのような島の領有権を争って、
日本と中国が対立している。

 考えてみれば、これほど愚かな対立はない。
しかも、だ。
もし大きな彗星、もしくは隕石が地球に衝突したら、最後。
一瞬にして、人間どころか、あらゆる生物が蒸発する。
そういう可能性がないわけではない。
ないというより、いつそういう衝突が起きてもおかしくない。

 よく地球に向かってくる隕石を核兵器で爆破するというような映画がある。
しかし実際には、不可能。
隕石の大きさ、種類、速度にもよる。
とくに種類が問題。
ガスのような状態の隕石もあれば、鉄の塊(かたまり)のような隕石もある。
地球から遠くで捉えて、進む方向を変えるというのが、もっとも実現性
の高い方法ということになる。

 しかし中には自らガスを噴き出しながら、回転したり、方向を変えたり
するのもある。
つまり今、私たち人類が、かろうじて無事でいられるのは、偶然中の偶然に
過ぎない。
アインシュタインの言葉を借りるなら、奇跡中の奇跡。
どうしてそういう事実を前に、「尖閣諸島」?

●「11次元」(2)

 現在、超重力の世界も含めると、11次元の世界まで考えられるという。
そのうちのたまたま4つの次元が、現在私たちが住んでいる、この世界
ということになる。

 11次元(実際には、もっとあるかもしれない)のうち、別の次元で
構成された宇宙もあるかもしれない。
あるいは線だけの世界(2次元)、さらには時間が止まったままの世界
(3次元)なども考えられる。
さらに時間が逆行する世界も考えられる。
人間のような知的生物がすめる環境かどうかは別として、11次元すべてを
含む世界も考えられる。

 この宇宙も、実に多様性をもった世界ということになる。
しかも、だ。
そうした宇宙が、無限大のその無限大の数だけある(?)。
数に限りをつけるほうが、おかしい。
そうした宇宙が、あちこちで現れては消える。
あたかもバブルのように・・・。

 書き忘れたが、この大宇宙もやがて消滅する。
すべての星々は燃え尽き、素粒子さえも分解して消える。
「無」から生まれた大宇宙は、再び「無」に戻る。

●現実の世界

 その一方で、私たちは光と分子の織りなす世界で、それだけがすべてと
思い込んで生きている。
その姿は、水槽の中で生きている熱帯魚のようなもの。
熱帯魚が宇宙の存在を知ることがないように、人間もまた宇宙の存在を
知ることはない。
ごく一部の人たちを除いて・・・。

 で、問題は、どうすればそのごく一部の人たちの仲間になれるかということ。
せっかくこの世に生まれたのだから、それを知りたい。
知るだけでよい。
自分が科学者になりたいとか、そういうことではない。
その時間もないし、脳みその働きも、かなり鈍ってきた。
「今さら・・・」という気持ちのほうが、先に立ってしまう。
今さら、自分で新しいことを知るのは無理。

 ワイフと2人で、ロビーの外の景色を見ながら、そんなことを考えた。

●旅行

 旅行の話をつづける。

 実のところ、私は若いときは、ほとんど旅行などしなかった。
息子たちをゾロゾロと連れて歩くだけで、疲れてしまった。
それによく偏頭痛に悩まされた。
この病気は、「さあ、今日から休みだ」というその日の朝に、よく発病した。
やっかいで、うとましい病気だった。
が、今はすばらしい薬がある。
それに前兆現象をうまく捉えることができるようになった。
その段階で、薬を調整してのむ。

 で、今になってこう思う。
「もっと旅行をしておけばよかった」と。

 ただ外国旅行は苦手。
飛行機事故にあってからは、回数がぐんと減った。
それまでは毎週のように、世界中を飛び回っていた。
飛行機には乗れるが、行った先で不眠症になってしまう。
それがつらい。

●露天風呂

 夕食後、しばらくしてからまた露天風呂に入ってきた。
夜の川は幻想的。
川の中州が、旅館の光を反射して、白く光っていた。
石英か何か、そういった種類の石が多いのだろう。

 それをぼんやりと見ながら、再び、「ここはいいところだ」とワイフに言った。
川海苔の匂い。
冷気を含んだ、湿った風。
それに森の匂いがブレンドされ、湯から出た体を包む。
遠い昔、つまり子どものころ。
私は子どもながらに、川の中で温泉に入ることを想像した。
どこかにそういう温泉があると、たぶん、祖父か祖母から聞いた。
それでそう思った?

 その夢が、今日、実現した。

●おやすみ
 
 ワイフは今、寝支度をしている。
私も眠い。
午前9時半に人と会う約束。
それはすぐ終わったが、そのあと日課プラス、仕事もろもろ。
いつもは午後の1時前後に昼寝をするが、それができなかった。

 そうそうGOOD NEWS!

 長男が断煙している。
今日でもう6日目になる。
長男がタバコを吸い始める前まで、私は禁煙運動を積極的にしていた。
が、長男がタバコを吸っていると知り、それをやめた。
以来、若い人たちがタバコを吸っているのを見かけると、個別に、説教を
繰り返してきた。

 10年ほど前、肺がんで友人が死んだ。
若いときからかなりのヘビースモーカーで、それが原因と言っても、だれも
疑わなかった。
その友人はまさに地獄の苦しみを味わった。
奥さんの話では、それが2年以上もつづいた。
肺を切ったときには、1リットル近い、タールのような血が出たという。
その話を、若い人たちにいつもする。

 もし長男がタバコをやめたら、こんなすばらしいNEWSはない。
久々に、胸の中がスカッとした。
また禁煙運動を再開できる。

 では、今日もおしまい。
忙しい一日だった。
明日もがんばろう。
なお大浴場は、24時間、入れるとか。
夜中に目が覚めたら、入ってみよう。
いや、その前に、(つまりこれから)、睡眠導入剤をのもう。
今夜はぐっすりと眠れそう。

 みなさん、おやすみ。

●鳶(とんび)の餌付け

 仙山閣の名物(?)は、「トンビの餌付け」。
毎朝、8時40分に、ホテルの従業員の人が、ベランダから空を舞うトンビに
餌をまく。
餌は、鳥の皮。
豊橋の養鶏場から冷凍で届けてもらった鳥の皮を、トンビにめがけて投げる。
それをトンビが競って食べる。

 なお、「鳶(とび)」と書くが、このあたりでも、「トンビ」という。
従業員の人が、「昔、三橋道也という歌手が、『♪・・・トンビがクルリと
輪を描いた・・・」と歌いましてね」と話してくれた。

【仙山閣のYOUTUBE ビデオ】

http://www.youtube.com/watch?v=HyVmqmYd60E





(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 湯谷(ゆや)温泉・湯谷観光ホテル泉山閣(せんざんかく) 仙山閣
湯谷温泉 愛知県)


Hiroshi Hayashi++++++Oct 2010++++++はやし浩司(林浩司)

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