2010年6月16日水曜日

*Irako-Penisula, Aichi Japan

【伊良湖岬にて】

伊良湖1

●伊良湖(いらこ)

 浜松から豊橋へ。
豊橋から、渥美半島先端にある、伊良湖岬へ。
「いらこみさき」と読む。
が、どうして「湖?」。
たぶん、その岬を境に、名古屋港方面へ、大きな湖のように
なっているからではないか。
このあたりの人たちは、伊良湖岬より太平洋側を、「外浦」、
名古屋港寄りを、「内浦」と呼んでいる。
(まちがっていたら、ごめん!)

 浜松から豊橋まで、電車で40分。
豊橋から伊良湖まで、送迎バスで、70分。
今夜は、伊良湖ビューホテルで一泊。
同行者は、ワイフと長男。
3人で、1部屋。

 2010年に入ってから、何かにつけ、このところよくホテルに泊まる。
私という人間は、若いころからそうだ。
ひとつのことを始めると、連続して、同じことばかりをする。
こうして私の趣味や興味は、ある周期性をもって、つぎつぎと変化する。
木工にこり始めたら、木工ばかりをする。
模型にこり始めたら、模型づくりばかりをする。

で、今は、温泉旅行?
そんな感じ。

●北朝鮮vsブラジル

 浜松駅までは、車で来た。
車の中で、昨夜のワールドカップの試合が話題になった。
日本は、カメルーンを、1-0で、下した。
よかった。

 で、今夜は、何と北朝鮮とブラジルが対戦するという。
その北朝鮮。
何でも公設のトレーニング・ジムで、試合前の調整をしているという。
サッカー場を借りる費用がないためらしい。
しかしかえってそのことが、地元の人たちの同情を買った。
北朝鮮ファンがふえているとか。

 今夜の試合は、ホテルで見る。
もちろんブラジルを応援する。

●天安艦

 韓国の天安艦が、北朝鮮の魚雷によって爆破、沈没した。
最初から、どこのだれの仕業か、わかっていた。
わかりすぎるほど、わかっていた。
韓国政府も、それを感じたのだろう。
わざわざ多国籍の調査団を、組んだ。
調査の信頼性を高めるためである。

 で、予想通りというか当然というか、現場から、北朝鮮製の魚雷の本体が
見つかった。
モーター部とスクリュのー部が、一体となって回収された。
それが、輸出用に出していた北朝鮮の魚雷の設計図と、ピタリと一致した。
この時点で、だれしも北朝鮮の仕業と、100%、確信した。
が、ここからが、話がおかしくなる。
そこが北朝鮮。

●ウソも堂々と言われると・・・

 これまた予想どおり、北朝鮮は、シラを切った。
「北朝鮮とは関係ない!」と。
その上で、天安艦爆破は、アメリカと韓国による共同謀議によるものと
言い出した。
つまりアメリカと韓国が、北朝鮮を貶(おとし)めるためにしくんだ、
陰謀である、と。

 そして今回、国連での非難決議の動きが出てくると、すかさず北朝鮮は、
「韓国を火の海にする」とか、「我々の武器(=核兵器)は、飾りでは
ない」とか言って、韓国を脅した。
そればかりではない。
「自分たちは被害者だ」「調査させろ」と騒いだ。

●占星術

 何も韓国の肩をもつわけではないが、北朝鮮の言いがかりは、
常識の範囲を超えている。
バカげているというか、コメントするのも、疲れる。
本音の本音を言えば、アメリカにせよ、韓国にせよ、そしてこの日本にせよ、
北朝鮮など、相手にしたくない。
相手にもならない。
できれば、私たちに構わず、静かにしていてほしい。

が、そんなバカげた話でも、確信的に言われると、ときとして自分の判断が
狂うときがある。
よい例が、「占星術?」。

 どこかのオバちゃんがテレビに出てくる。
どこか意味ありげな雰囲気を漂わせている。
そのオバちゃんが、向かい合って座ったタレントの女性に、こう言う。
「あなたの背中には、ヘビがとりついている。
朝晩、背中を3回ずつ、シャワーで、しっかりと洗いなさい。
でないと、とんでもない災難がふりかかる」と。

 言われたタレントは、涙まで流して、震え上がる。
「ありがとうございます」と何度も言って、頭をさげる。

●宗教性

 私たちは北朝鮮の非常識な行為を笑う。
陰謀だかなんだか知らないが、「動機」そのものがない。
が、笑ってばかりはおれない。
それ以上に非常識なことを、日本人の私たちもしている。
テレビという天下の公器を使って、堂々とそれをしている!

共通性があるとするなら、「宗教性」。
宗教性にともなう妄信性。
妄信性が混ざりこむと、人は、いとも簡単に、白を黒と思い込み、黒を白と思い込む。
思い込んだまま、確信的に白を黒と言い、黒を白と言いだす。
言うほうはそれでよいよしても、聞くほうはたまらない。
あまりにも確信的に言われると、ときに聞いているほうは、訳がわからなくなる。
さらにそれが、公の場で堂々と主張されると、さらに訳がわからなくなる。

 天安艦は爆破された。
46名の水兵が死んだ。
こうした事実までも、「本当だったのか?」と、疑うようになってしまう。
その心理状態は、「背中にへびがとりついている」と言われた女性のそれと、
それほどちがわない。

●バスの中で

 豊橋から伊良湖岬までは、ホテルの送迎バスに乗った。
たまたま土砂降りの午後で、客は少なかった。
が、それでもバスに乗ったとたん、またまたあのおしゃべり。
今回の女性は、その中でも、横綱級の女性だった。

 年齢は67~8歳か?
よくしゃべるだけではない。
大声で、ときおり、(ゲラゲラ)というよりは、(ガラガラ)と、相手を
叩み込むように笑う。
片道70分の道のりだったが、その70分間、しゃべりつづけた。

●女性の脳みそ

 実に物知りの女性だった。
不動産の移転登記についての話をしていた。
その手続きについての話を、間断なくつづける。
となりの女性が、反論ぽいことを一言でも口にすると、語気を強め、
その数倍は話しつづける。

 自分ではかなり頭のよい女性と思っているらしい。
しかしよく聞いていると、自分の得意分野を話しているだけ。
相手の女性が別の話題に切り替えようとすると、すかさずそれを制する。
口を封ずる。
自分の話したいことだけを、一方的に話す。
が、誤解していることが、ひとつある。

 (情報の量)と(思考力)は、まったく別のもの。
その女性は、ある分野については、かなりの情報量をもっている。
それはよくわかる。
しかし思考力は、ゼロ!
が、そんな女性でも、会話の中では、こう言う。
「・・・私ね、よく考えるんだけど・・・」と。
何も考えていない。
そんな女性が、「考えるんだけど」と。

 そしてまたペラペラと話しつづける。

 私は何度かその女性の顔をのぞきこんだ。
が、目つきはまるで何かに取りつかれたかのよう。
うつろだった。
「死んだ魚の目」という言葉があるが、そんな目つきだった。

 ワイフは小声で、「疲れないのかしら?」と言った。
「ああいう人は、口先だけを使って話すから、疲れないよ」と。

 やがてバスは、小高い丘の上にあるホテルに向かって、ゆるい坂を
登り始めた。

●旅行記 

 旅行記なのだから、もっと旅行記らしい文章を書きたい。
これではぜんぜん、旅行記らしくない。
つい先日、志賀直哉の『城の崎にて』について書いた。
どうせ書くなら、志賀直哉が書いたような紀行文を書いてみたい。

 ……ここは渥美半島の先端。
伊良湖岬。
この岬を境に、外側は太平洋。
内側は、名古屋港へつづく内海。
が、今日はホテルは、深い霧に包まれていた。
眼下にかすかに湾の入り江が見える程度。
カメラのシャッターを何度も切る。
が、音だけがむなしく、室内で響く。
せっかく買った新しいカメラも、これではどうしようもない。

●3階のロビーにて

 夕食後、猛烈な睡魔に襲われた。
ベッドに横になっていたが、目を閉じたとたん、スーッと眠りの世界へ。
あわてて目を開け、歯磨き。
そして再びベッドへ。
時刻は午後9時ごろだった。

 目を覚ますと、真夜中。
午前0時を過ぎていた。
しばらくワールドカップ関連の番組を見ていた。
隣で眠っている、ワイフや長男が気になった。
私はパソコンを片手に、3階のロビーまでおりていった。
(この文章は、そのロビーで書いている。)

 が、どこにも電源コンセントがない!
しかたないので、ロビー脇にある、「スマイル・デスク」なるものを
借りることにした。
昼間はここで若い女性が、周囲の観光案内をする。
そのデスクの下に、電源コンセントがあった。

 で、そのデスクの上の観光MAPを見ながら、訂正。

 私が泊まっている、伊良湖ビューホテルは、伊良湖岬にあるのではない。
その手前、地図で見ると、1~2キロ?
またこの岬を境に、内側、つまり名古屋港よりの内海は、「三河湾」という。
知っていたが、忘れていた。

●田原市

 ついでに田原市について。
渥美半島を訪れるのは、15年ぶり(?)。
立派なバイパスもでき、通りからながめる家々も、「豪邸」が多い。
ワイフはバスの窓から、「このあたりは、お金持ちの人が多いのね」と言った。
私は、その変りように驚いた。
昔、息子たちと車でこのあたりまで来たときには、ずっと、田舎道といった
風景がつづいた。
が、観光MAPを見て、理由がすぐわかった。

 渥美半島は、「トヨタ自動車の工場」と化していた。
・・・と書くのは、おおげさかもしれないが、渥美半島から東へ、
そのまま進むと、隣接して、静岡県の湖西市につながっている。
その湖西市には、豊田佐吉の記念館がある。
このあたり一帯は、TOYOTAだけではなく、SUZUKIの
工場や下請け工場が、群をなして並ぶ。

 納得!

●『♪椰子(やし)の実』

 よく知られた歌に、『♪椰子の実』というのがある。
「♪名も知らぬ、遠き島より・・・」という歌詞の、あの歌である。
あの歌に出てくる「椰子の実」というのは、このあたりで見つかった
椰子の実のことだそうだ。

 目の前に張ってある観光INFOMATIONには、その詩碑があるらしい。
無料のシャトルバス乗ると、そこまで案内してくれるという。
このホテルから25分間の周遊シャトルバスで回れる距離というから、
それほど遠くはない。
出発時刻は、8時45分と、10時30分になっている。
「行くか、どうか?」。
少し迷う。

●真夜中のロビーで
 
 たった今、夜警の男性が1人、うしろを通り過ぎていった。
「こんばんは!」と声をかけると、「こんばんは!」と答えて、そのまま
反対方向へ、去っていった。

 クーラーがよくきいていて、心地よい風が、ロビーを吹き抜ける。
デスクの左前には、このあたりではよく知られている、手筒花火の手筒が置いてある。
竹を縄で巻き、その中に火薬を入れて、花火にする。
浜名湖周辺の村々では、どこでも祭りには、手筒花火をして見せる。
ときどき失敗したかのように、大音響とともに、ドスン!と、爆発
させてみることもある。
しかしあれは、ヤラセ。
わざとそうなるように、しかけてある。
観客は、その音を聞いて、そのつど、オーと歓声をあげる。

●伊良湖ビューホテル

 部屋の窓からは、伊良湖岬に至る半島が、そのまま見える。
高台のホテル。
ワイフが「晴れていたら、きっと海がよく見えるはずよ」と何度も言った。
霧の中でも、そのすばらしさは、容易に想像がつく。

 が、ホテル自体は、やや古いかな(?)といった印象をもった。
床のジュータンは、かなり疲れていた。
ヨレヨレといった感じで、表面はすり切れ、波を打っていた。
また部屋の中へ入ると、潮のにおいというよりは、どこかカビ臭いにおいが、
プ~ンとした。
部屋の中にあるバスタブは、ビジネスホテルのそれとはちがい、ふつうサイズ。
おとなでも、ゆったりと横になれる。
が、茶色いシミが浮き出て、やや不潔ぽい。
ロビーも含めて、天井も全体に低い。
建物としては、星は2つか、3つ。
しかし景色のよさが、それをじゅうぶん、カバーする。
景色のよさは、文句なしの、星5つ。
総合点としては、大浴場のよさを加え、星は4つプラスの、★★★★+。

 そう、大浴場がすばらしかった。
ただし外来の客も来ているらしい。
時間帯をうまくねらわないと、のんびり・・・というわけにはいかない。
またたまたま今日だけがそうだったのかどうかは知らないが、韓国人の
観光客が大挙、宿泊していた。
このあたりでも人気ホテルなのだろう。
夕食時も、2交代制で、ほぼ満席だった。

●『触らぬ神にたたりなし』

 今ごろ、北朝鮮vsブラジルの試合が行われているはず。
しかし私が先ほど見たところ、どこのチャンネルも、中継していなかった。
北朝鮮は、どこかで電波を盗んで、それを自国で流しているという。
が、もし日本も韓国も、北朝鮮の試合を中継しなかったら、どうなるか?
北朝鮮は、自国の試合すら、国内で流すことすらできなくなる。

 貧しいということは、そういうことか。
この5月に入って、餓死者が続出しているという(朝鮮N報)。
そしてつい数日前には、とうとう食料の配給も、止まったという。
「ついに・・・」と書くべきか。
それとも「とうとう・・・」と書くべきか。
(どちらでも、同じだが……。)

北朝鮮は、最後の悪あがきを繰り返している。
大切なことは、その悪あがきに巻き込まれてはいけないということ。
日本も、韓国も、ここは冷静に!
あんな国と心中するようなことはしてはいけない。
また『触らぬ神にたたりなし』。
北朝鮮の挑発に乗ってはいけない。

 古今東西、北朝鮮のような独裁国家は、最期は自己崩壊するか、
さもなければ、外に向かって戦争に打って出る。

●合宿

 若いころは、夏になるといつも生徒を連れて、合宿に行った。
それが楽しみのひとつだった。
が、友人が事故を起こした。
どこかの山の中でキャンプをしていたら、そこへ落石。
1人の女生徒(中学生)が、それで死亡した。
全国紙に載るほどの、何とも痛ましい事故だったが、そのためその友人は、
私塾を閉鎖することになった。
請求された賠償金が、3000万円!
30年ほど前のこと。
30年前の3000万円!

 その友人は私にこう言った。
「いくらボランティアでも、事故となれば、賠償責任を負いますよ」と。
法律でもそうなっている。

 たとえば隣に住んでいる女性が、その女性の子どもを預かってくれと
頼んだとする。
1時間でも、2時間でもよい。
その間にその子どもがけがでもしたら、その責任は、すべてその預かった
人が負う。
言い逃れはできない。
つまり他人の子どもを預かるというのは、そういうこと。
だから安易に、となりの子どもでも預かってはいけない。
合宿など、してはいけない。
するならするで、万全の準備をし、短期日の旅行保険にしっかりと
加入してから行く。

・・・ということで、私はその友人のアドバイスに従って、合宿はやめた。
以後、一度もしていない。
が、こういうホテルに泊まるたびに、「みなで合宿をしたら、楽しいだろうな」
と思う。

●篠島(しのしま)

 渥美半島の先端からは、篠島(しのしま)までのフェリーボートが出ている。
息子たちが子どものころ、一度、その篠島へ渡ったことがある。
夏の暑い日で、私たちはどこかの旅館に泊まった。
もう、35年近くも前のこと。
記憶の中の息子たちは、まだ幼児とか、小学生だった。

 その息子たちも、今は、遠くに住んでいる。
4月に入って、長男(別棟で同居中)とワイフの誕生日がつづいた。
しかし今では、簡単なメールだけ。
数日前は、三男の誕生日。
私たちは手製のカードを送った。
それについても、簡単なメールだけ。

「そういうものかなあ?」と思ってみたり、「そういうものだろうな?」と
思ってみたりする。
疑問とあきらめが、交互に胸をふさぐ。
プラス、何とも言えないさみしさ……。

 二男はインディアナ大学で、スパコンの技術者をしている。
スイスにあるCERN(量子加速器)の研究所から送られてくる情報を、そこで分析
している。
三男は、JAL(B777)のパイロットをしている。
みな、それぞれに忙しい。
『老兵は、静かに去るのみ(マッカーサー司令官)』か。

●電話が鳴った・・・

 たった今、フロントのベルが鳴った。
男性が、「はい・・・」「はい・・・」と、何やら答えている。
何かトラブルが起きたらしい。

 こういうときは、部屋に戻ったほうが、よさそう。
そのうち注意されるかもしれない。
北朝鮮vsブラジル戦の結果も、出ているはず。
時刻は、午前1時30分。
明日は晴れるとよい。
きっとすばらしい景色が、眼下に広がるはず。

 そうそう長男は、最近、旅行に行くたびに画材道具をもってくる。
窓の外の景色を、部屋から描いている。
自分なりの旅の楽しみ方を、身につけたようだ。

 ・・・しばらくすると、あたりがあわただしくなってきた。
まず酔っ払っているのか、呂律(ろれつ)の回らない男性が、、
大きな声でワーワーと騒ぎながら、ロビーの中へ入ってきた。
その男性の前後を、ホテルの従業員が2人、同行していった。
ていねいに応対する従業員。
怒鳴り散らす客。
こういう風景は、見ていても、不愉快。
ここで一旦、部屋に戻ることにする。

●再び、部屋へ

 部屋へ戻ると、ワイフと長男は、熟睡していた。
私はバッグから、睡眠剤と精神安定薬を取り出した。
それらを何等分かして、舌の上でかんで溶かした。
こうして薬をのむと、効き目が早い。
量も、少なくてすむ。

 やがて再び睡魔が襲ってきた。
脳みそが勝手に乱舞し始めた。
おやすみ!

(翌日は、前日とはうって変わって、すばらしい晴天!
太平洋と三河湾が、眼下に一望できた。
その様子は、新しいカメラに収めた。
無料マガジンの7月号のはじめで、このとき撮った写真を紹介する。)

2010年6月16日記

伊良湖2


Hiroshi Hayashi+教育評論++June.2010++幼児教育+はやし浩司


 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。