2011年4月24日日曜日

*Possible Default of Japan

【非日常的な現実の中で……】

●原発事故(4月23日)(慣れが油断を誘う。それが怖い。)

++++++++++++++++++

毎朝、パソコンを立ち上げると、
真っ先に見るのが、原発ニュース。
「今日は、だいじょうぶか?」と。

で、今朝は、こんな記事が載っていた。
いわく「……内閣府原子力安全委員会は23日、
東京電力福島第一原子力発電所から大気中に
放出された放射性物質の量が、放出量が落ち着いた
今月上旬の時点でも、1日あたり154テラ・ベクレル
(1テラは1兆)に達していたことを明らかにした」
(読売新聞・4月23日)と。

154テラ・ベクレル?

154テラ・ベクレルとは何か?
ついでにシーベルトとは何か。

「MEMORVA・HP」では、つぎのように
説明している。

++++++++++ベクレルとシーベルト++++++++++++

ベクレルは1秒当たりで定義されている単位ですが、換算されたシーベルト値は
体内に取り込んだ放射性物質が体内に存在している間に人体に影響を及ぼすと
思われる線量。

線量の積分期間は、作業者および成人の一般公衆で50年、子どもでは摂取した
年齢から70歳まで。

摂取した放射性物質は時間とともに減少し、減少する早さは放射性物質の
種類により異なります(半減期を参照)。

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あちこちのサイトを、流し読みしてみた。
しかしイマイチ、どうもよくわからない。
154テラ・ベクレルというのは、
ものすごい数字らしい……ということまでは、
わかる。
しかしその程度。
どの程度、ものすごいかまではわからない。

内閣府原子力安全委員会は、つぎのように
述べている。

『放出量はあくまでも推計で、誤差や変動も大きいと考えられる。
原発周辺での空間線量は徐々に下がっていて、ただちに健康に影響を
及ぼす線量ではない』(同)と。

ア~ア、ここでいつもの決まり文句。
「ただちに健康に影響を及ぼす線量ではない」と。

「ただちに~~ない」というのであれば、いつなのか?
いつ影響を及ぼすようになるのか。

++++++++++++++++++

●ベクレルとシーベルト

 が、ここでくじけてはいけない。
「わからない」では、すまされない。

 東北電力のHPは、つぎのように説明している。

『放射線による人体への影響度合いを表す単位を「シーベルト(Sv)」、
放射性物質が放射線を出す能力を表す単位を「ベクレル(Bq)」といいます。

放射性物質にはさまざまな種類があり、放射性物質によって、放出される
放射線の種類やエネルギーの大きさが異なるため、これにより人体が受ける
影響は異なります。

このため、放射線が人体に与える影響は、放射性物質の
放射能量(ベクレル)の大小を比較するのではなく、放射線の種類やエネルギー
の大きさ、放射線を受ける身体の部位なども考慮した数値(シーベルト)で
比較する必要があります』(以上、東北電力HPより)と。

 少しわかってきたぞ。

●シーベルト……人体への影響の度合いを表す単位。
●ベクレル……放射性物質が放射線を出す能力を表す単位。

 放射性物質、放射能、放射線……。
私たちはこれらの言葉を、混同して使っている。
が、正しくは、「放射性物質が漏れると、放射能による放射線が心配される」
(某サイト)ということらしい。

 つまり同じ放射性物質といっても、それから発する放射線の種類はさまざま。
半減期もさまざま。
放射能量(ベクレル)が多いからといって、そのままそれが人体への影響に
比例するというわけではない。
だからベクレルをシーベルトに、単純に換算することはできない。
(その反対もできない。)

 で、最初の命題。

154テラ・ベクレルという放射能量は、多いのか、少ないのか?

●チェルノブイリ

 (この間、20分ほど)

 ……先のところを書いたあと、チェルノブイリ事故についての記事を読んだ。
ウィキペディア百科事典の「原子力発電所事故」(「チェルノブイリ」で検索)
が、もっとも詳しいのではないか。

 それによると、ミスと無知が重なり、4号機が爆発。
およそ10トンもの放射性物質が、空中へ散ったという。
その結果、放射性物質が北東部を中心に、約300キロまで飛散。
北東部のロシア連邦へは、約650キロまで飛散。

チェルノブイリの原発事故と放射性物質の拡散

 同心円状に飛散したというよりは、スポット的に飛散したらしい。
(とくに放射性物質の降下量の多い地点を、「スポット」と呼ぶ。)
今回の福島第一原発がかかえる放射性物質は、チェルノブイリ発電所の量とは、
比較にならない。
つまり福島第一原発の方が、はるかに多い。

 仮にもし福島第一原発の原子炉が、一機でも爆発すれば、万事休す。
もうだれにも手がつけられなくなる。
つぎつぎと原子炉は爆発。
放射性物質は風に乗り、100キロ単位で、日本中を覆う。
「20キロ」とか、「30キロ」とか、そんな範囲の話ではない。
それこそ半径500~600キロ以内には、人はだれも住めなくなる。

 で、154テラ・ベクレル。

 が、問題は「量」ではない。
すでに放射性物質が外に漏れ出ているという事実。
チェルノブイリでもそうだが、25年たった今でも、危険はそのまま。
石棺で覆ったというが、その石棺そのものが老朽化し、危険度は増しているという。
つまりこの日本でも、この先、何十年も、放射性物質は漏れつづける。

●「ただちに健康に影響を及ぼす線量ではない」

 とても残念なことだが、原子力保安院や東京電力、さらにはNHKテレビなどで
コメントを述べる科学者たちの言葉を、私は信用していない。
ウソは言わないが、本当のことも言わない。
その言葉のひとつが、これ。

「ただちに健康に影響を及ぼす線量ではない」。

 「ただちに」とは、どういうことか。
「健康に影響を及ぼす」とは、どういうことか。

 よくX線写真を撮影するときの放射線量と比較した話が出る。
事故直後、つぎのように言っていた解説者がいた(NHK)。
「1時間、その場で放射線を浴びたとしても、胸のレントゲン1枚分です」とか何とか。

 1時間で1枚?
ということは、1日で24枚?
1年間で、8760枚!

 たとえ1年間でも、8760枚もX線写真を撮影すれば、その人はどうなるか?
ものごとは、常識で考えてみたらよい。
つまりこの種の、ウソというか、ごまかしが多い。
注意深く聞いていないと、そのまま騙(だま)されてしまう。

 「ただちに」影響があるような量とは、いったい、どれほどの量をいうのか。
このばあい、「影響」とは、「火傷(やけど)」、もしくは「死」を意味するのか。
だったら、「ただちに死ぬことはありません」とか、そういう言い方をすればよい。
「徐々に、2年以内に死にます」でもよい。

 そう言えばみな、何も「国」に言われなくても、自ら避難していく。

●日々に薄れていく緊張感

 原発事故も怖いが、それ以上に怖いのが、「慣れ」。
すでに多くの人は、原発事故が片づいたかのように錯覚している。
今夜あたりも、バラエティ番組が復活している。
あるテレビ番組は、ニューハーフを特集していた。
男性が化粧と女装で、美しい(?)女性に変身する。

 こうした慣れが、油断を生む。
その油断がこわい。
が、事実として、福島第一原発の問題は、何も解決していない。
(何も解決していないぞ!)
毎日の報道を注意深く読んでみるとわかるが、むしろ状況は悪化している。

 そこでもっとも危惧されるているのが、原子炉の爆発。

 それを起こさないよう、現場の作業員の人たちは目下、懸命な作業を繰り返している。
めったなことはないと信じたいが、油断も予断も許されない。
いつ何時、「想定外」のことが起こるか、わからない。
余震にしても、完全に収まったわけではない。
むしろ震源域は、西へ、西へと移りつつある。
今や東京ー静岡が危ない!

 だから私たちは、今から心構えだけは、しっかりともつ。
何が起きても動じないだけの心構えである。
準備と言ってもよい。
「想定外のことは起きないだろう」という前提ではなく、「起きるかもしれない」という
前提で、心の準備をする。

 そのとき、どうするか?
私なら、どうするか?
あなたなら、どうするか?

 それを常に考えておく。
私が心配するのは、その緊張感が薄れたとき。
そのとき、ここに書いたように、油断が生まれる。
チェルノブイリでの原発事故も、そうして起きた。

●不気味

 某週刊誌によれば、現場の作業員の人たちにしても、精神的、肉体的に、すでに
限界にきているという。
決死の覚悟で、作業に当たっているという。
そうだろうと思う。
たいへんな作業だろうと思う。
現場の人たちには、本当に頭がさがる。
ときどき申し訳ない気持ちになることさえある。

どうか、どうか、がんばってほしい。
日本の将来のために、がんばってほしい。

 で、私たちは私たちで、改めてここで、たるみ始めた緊張感を、もう一度、引き
締めなおそうではないか。
それがとりもなおさず、現場で作業している人たちへの、力強いエールとなる。

 それにしても「1日あたり154テラ・ベクレル」というのは、どの程度の
放射線量をいうのか。
それがはっきりわからないだけに、不気味。
不安。
心配。
相手が相手だけに、どうとらえたらよいのか、その見当もつかない。
2011/04/23

(付記)

 政府は、「増税」で、復興資金を捻出しようとしている。
しかしそんなことをすれば、弱り目に祟(たた)り目。
そうでなくても日本経済は、薄氷の上を歩くような綱渡りを強いられていた。
そこへもってきて震災、大津波、さらには原発事故とつづいた。
日本経済は大打撃を受けた。

 今や農業、水産業……それにつづいて観光業……。
ついでに工業までおかしくなってきた。
こんな状況で増税したら、どうなる?
バカも休み休み、言え。
私のようなド素人でも、この程度のことはわかる。

 大切なのは、歳出のカット。
公務員の給料大幅カット、公務員年金の大幅カット。
20%前後のカットは、当たり前。
そこで浮いた分を、復興費に回す。
(この際、年金の信頼性など、どうでもよい。
年金の信頼性など、とっくの昔に崩れている!)

 今や日本中が、青息吐息。
つい数か月前、一泊3500円(朝食付き)で泊まれるビジネスホテルに
驚いた。
「たったの3500円で泊まれる!」と。
市内でも有数のビジネスホテル(KR荘)である。
が、昨日、ネットで調べたら、それが2800円になっていた。
700円のプライス・ダウン。
20%のプライス・ダウン。

 ここで増税したら、それこそ今度は、経済災害。
この私だって、やる気をなくす。
みんな、やる気をなくす。
やる気をなくすだけではない。
いいか、そのあと待っているのは、デフォルトだぞ。
国家破綻だぞ。
公務員の給料も、年金も払えなくなるのだぞ。
わかっているのか!


Hiroshi Hayashi+++++++April. 2011++++++はやし浩司・林浩司

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