●11月 5日夜記(映画『フェア・ゲーム』)
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今日、映画『フェア・ゲーム』を観てきた。
イラク戦争の内幕を暴いた映画だった。
おもしろいというより、たいへん興味深かった。
星は3つの、★★★。
公式サイトの説明文には、こうある。
「アメリカ合衆国史上最大のスキャンダル。
イラク戦争を巡る巨大な謀略。
権力に立ち向かった、CIAエージェントの孤高なる戦い」と。
ただ一方的にブッシュ政権を「悪」という前提で描いていた
点については、ついていけなかった。
(「悪」は「悪」だが・・・。)
当時の状況を思い出してみると、フセイン大統領にも、
責任がなかったわけではない。
核兵器などもっていないのに、もっているというフリをしてみせた。
「(アメリカが)攻めてきたら、核兵器を使うぞ」と。
周辺の国々も、それが理由で、イラクを恐れた。
映画は、1人のCIA女性局員を中心に、描かれていた。
またそういう視点からだけで、描かれていた。
あの映画だけを観て、「ああ、そうだったのか」と思うのは、少し危険。
別にブッシュ大統領を擁護するつもりはない。
だれがみても、あの戦争は、無謀だった。
やるべきではなかった。
が、当時のアメリカのあのエネルギーを止める力は、だれにもなかった。
9・11のあの事件のあと、アメリカ人の怒りは、頂点に達していた。
仮にその女性局員の主張が通っていたとしても、あの戦争を止めることは、
だれにもできなかっただろう。
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●予定ミス
数日前の上映時刻表をもとに、映画館へ足を運んだ。
その上映時刻表によれば、午後2時30分からの上映時間のはずだった。
が、行ってみると、午後4時35分に変更されていた。
しかたないので、街の中で2時間、つぶすことにした。
コースは決まっている。
駅前まで行き、ビッグエイトでパソコンをながめる。
そのあと近くのレストランで、夕食。
・・・ということで、駅のほうに歩いた。
が、駅前で、どこかのブラスバンドが、生演奏をしていた。
ちょうど坂本九の『♪上を向いて歩こう』を演奏していた。
胸にジンと響いた。
で、そのまま椅子がちょうど2つ空いていたので、そこへ座った。
最前列の中央席だった。
で、そこで50分ほど、時間をつぶした。
・・・「つぶした」という言い方は、失礼。
久しぶりに、本物の演奏を楽しませてもらった。
2~30分もすると、脳の中に、甘い陶酔感が漂うのを感じた。
美しいというよりは、気持よかった。
そのあと、その勢いを借り、私が「うな丼を食べようか?」とワイフに言うと、「いいわね」と。
久々のうな丼である。
ビッグエイトでパソコンをながめたあと、その裏手にある、うな丼屋に向かった。
が、ここで予定ミス。
うな丼がテーブルに運ばれてくるまでに、20分もかかってしまった。
映画の上映まで、15分。
やっと並んだうな丼を、(せっかくのうな丼だったが)、胃にかき込むようにして食べた。
「ゆっくり食べたかったね」と言うと、ワイフも、「そうね」と。
そのあと小走りで、劇場へと向かった。
●ASUSのZENBOOK
ビッグエイトで、ASUS社のZENBOOK(新型パソコン)を見た。
台湾製である。
「ZEN」とは、「禅」のことか?
私は台湾の人たちの、こういうフレンドリーな姿勢が好き。
「台湾製」と聞いても、違和感(=反感)なく、手で触って楽しむことができる。
そのZENBOOKは、今度発売になる、TOSHIBAのR631の競合品。
しかし名前で、TOSHIBAは、すでに負け。
どうして「R631」なのか?
名前がつまらない。
(昔からTOSHIBAは、パソコンを事務機器としか考えていない。
そういう姿勢が、今でも残っている。)
値段もZENBOOKのほうが、5万円ほど、安い。
(R631は、オフィスソフトを付属しているが・・・。)
近くR631が発売になる。
そのとき、それほど性能に差がないということであれば、私はZENBOOKを買う。
(SPECで比較するかぎり、ZENBOOKのほうが、上のよう。
画面解像度も高い。
あとは手で触ってみた感じ。
それで決める。
私には、キーボードの感触が重要。)
買うことについては、すでにワイフの了解も、取りつけてある。
●山荘へ
夜遅く、山荘に向かった。
(今、その山荘で、この文章を書いている。
時刻は午後11時40分。)
途中、コンビニでチューハイとか菓子とか、いつもの定番品を買う。
が、今夜はビデオなし。
横に座っているワイフが、「眠くなってきた」と言った。
「寝るかア」と声をかけると、「うん」と。
・・・ということで、今夜はここまで。
このつづきは、また明日。
たぶん、明日も、午前3~4時に目が覚めるはず。
静かな時間に、静かな文章を書きたい。
今日の成果は、とくになし。
変哲のない、1日だった。
明日こそは、充実した1日を送りたい。
がんばろう!
●午前7時(11月6日)
静かな朝だった。
窓の外を見ると、小雨が煙っていた。
山の朝は、いつもそうだ。
雨の時は、雨というより、雲の中に、すっぽりと入ってしまう。
あたり一面、霧模様。
昨夜、寝る前に庭に出てみた。
そのときのこと。
周囲をぐるっと見回してみた。
見えたのは、谷の向こうの1灯だけ。
4~5キロ離れたところにある、たぶん、電柱の電灯だと思うが、それだけ。
この20年で、あたりの様子は、大きく変わった。
農家の人たちは、つぎつぎとミカン栽培から、離れていった。
減反につづく、減反。
そのかわり、そこに大きな雑木が茂るようになった。
私の山荘の周辺にしても、そうだ。
今では、10メートルを超える木々にすっぽりと覆われている。
●『♪ダニーボーイ』
昨日聴いたブラスバンドのメロディーが、まだ耳の中に残っていた。
数曲を除いて、私の知らない曲ばかりだった。
それもあって、アイルランド民謡の『♪ダニーボーイ』が、強く印象に残った。
ダニーボーイ・・・アイルランドでは、日本の『♪故郷』のように、親しく歌われている。
それぞれの国が、似たような曲をもっている。
たとえば韓国の『♪アリラン』、アメリカの『♪シェナンドー』、オーストラリアの『♪ウォルチング・マチルダ』など。
アイルランドでは、『♪ダニーボーイ』。
家に帰ってから、YOUTUBEでさがして、ダニーボーイを何度か聴いた。
しばらくすると、ワイフがそれを聞きつけて、やってきた。
2人で、聴いた。
●インターネット
雨戸は、まだ閉めたまま。
ワイフはまだ、ふとんの中。
音もなく過ぎ去る時間。
廊下にロッキング・チェアーがあり、そこに衣服が無造作にかけられている。
その衣服を、どこかうらめしそうに、しばらくながめる。
ワイフが起きるまで、雨戸を開けられない。
今は、じっとがまんのとき。
つまり雨戸を開けないと、ネットがつながらない。
ここは山の中。
電波状況が、あまりよくない。
・・・そう言えば、少し前、心にこう決めた。
「土曜日は、ネット無しディーにしよう」と。
土曜日だけは、インターネットを無しですまそう、と。
しかしその翌週には、インターネットをもう使っていた。
今では、インターネット無しの生活は、考えられない。
携帯端末を買ってからは、この山荘でも使うようになった。
●ネット中毒
私のような人間も、「ネット中毒」というのか。
雑誌などによれば、1日、20回以上、ネットをのぞく人は、ネット中毒というのだそうだ。
しかし私のばあい、20回以上。
数えたことはないが、こうしてパソコンを開いているときは、同時に、いつもインターネットにつなげている。
ニュースを見たり、情報を手に入れたり・・・。
メールそのものは、10~20回程度かもしれないが、インターネットの使い方は、もちろんそれだけではない。
今は、経済ニュースから目が離せない。
Bloomberg、ロイター、ヤフー、MSI、それにNIKKEIなどなど。
TBS-iなどは、動画でニュースを配信してくれる。
それを一通り見るだけで、30分以上はかかる。
そのこともあって、ニュースの見方が、このところ大きく変わってきた。
たとえばひとつの記事を読むと、「ほかではどんなふうに書いているのだろう」と比較するようになった。
あるいは「ヨーロッパやアメリカでは、どんなふうに報道されているのだろう」と、直接向こうの記事を読むようになった。
以前なら、東京でしか手に入らなかった情報が、東京を素通りして、直接手に入る。
それもあって、インターネットのない時代と比べると、情報量が、格段と多くなった。
その分だけ、ニュースを読む時間が、長くなった。
そういう私でも、やはりネット中毒ということになるのか。
●ネットの世界
言うなれば、ネットはすでに脳みその一部になっている。
しかもその脳みそが、有機的に、他者とつながっている。
TwitterやFacebookが、それを可能にした。
だれかの(つぶやき)が集合されると、それがそのまま「革命」につながることもある。
エジプトもリビアも、それでひっくり返った。
言い換えると、脳みそにネットワークができてしまった。
たとえば今、私がこうして書いている文章にしても、ふだんならBLOGとして発表したとたん、世界中の人が、そのまま読むことができる。
(今朝は、それができないが・・・。)
それを「すばらしい」ととらえるか、「恐ろしい」ととらえるか。
とらえ方は、さまざまだろうが、私は「すばらしい」と、とらえる。
たとえば以前は、図書館通いが日課になっていた。
が、今は、もうそんな必要はない。
座右に、超巨大な図書館を置いたような状態。
調べたいことは、即座に、その場で調べることができる。
もちろん情報量もちがう。
ときにアメリカの大統領になったような気分になるときがある。
必要な情報を、直接外国から、手に入れることができる。
つまり私は、CIAのような情報局すら、自分のものにすることができるようになった。
●エネルギー
そこで重要なことは、すでに何度も書いてきたことだが、「情報の洪水の中で溺れないこと」。
それにはいくつかの方法が、ある。
(1)選択・・・つねに情報は、選択する。
(2)吟味、考察・・・自分の考えを加える。
この2つを怠ると、それこそ本当に、溺れてしまう。
何がなんだか、訳が分からなくなってしまう。
つまり1人の人間がもつ情報消化能力には、限界がある。
能力的な限界というより、時間的な限界。
だからたとえば今の私には、スポーツ記事に目を通す余裕は、まったくない。
ニュースにしても、海外ニュースがほとんど。
国内ニュースには、ほとんど興味がない。
大半は、読み捨て、それでおしまい。
で、ニュースを読んだら、それについて「私はどうなのか?」と、自分で考える。
が、これについては、脳みそのほうが、勝手に反応してくれるから、問題ない。
ときにバチバチと火花が飛ぶのを感ずることがある。
文章というのは、基本的には、(怒り)を覚えないと、書けない。
その(怒り)が、(書きたい)というエネルギーに変わる。
「バチバチと火花が飛ぶ」という状態は、それをいう。
●ワイフの起床
たった今、ワイフが寝床から起きてきた。
時刻は、午前8時15分。
「雨戸を開けて・・・」と頼むと、ワイフが雨戸を開けてくれた。
とたん、森の景色が飛び込んできた。
手前から栗の木、杉の木・・・。
少し離れたところに、コナラの木と椎の木・・・。
その向こうに谷がつづき、薄い紙のように、山々が連なる。
その間を白い雲が筋を引いて流れている。
その雲が見えるということは、天気が快方に向かっていることを示す。
今日は浜松市内で、サンバの祭りがある。
どこかスケベったらしい祭りだが、11月にサンバ・・・というのも、どうか。
リオデジャネイロとは、季節が逆。
裸に近いかっこうで街中を歩くには、11月は寒すぎる。
若いころなら、私も、望遠レンズつきのカメラをもってでかけたかもしれないが、今はそんな元気もない。
●ネット
ネットにつなげるためには、雨戸を開けなければならない。
……ということで、今、そのネットにつながった。
メールを読んで、あちこちのニュースサイトに目を通す。
Szさんから、メールが届いていた。
「昨日、近くのイタリアンレストランで、七五三の祝いをしました」と。
「2人の娘のために、祖父母+両親、計7人で祝いました」と、それにはあった。
「私たちの老後を支えるためには、増税しかないですね」とも。
が、それよりも重要なのは、70歳を過ぎても働けるような社会的環境の整備と、個人の健康。
この2つを本気で考えないと、日本は、本当に沈没してしまう。
ところで、私の近所には、この30年以上、まったく仕事をしないまま、年金生活をしている老人が、何人か、いる。
社会への貢献度も、ゼロ。
毎日、好き勝手なことをして、遊んでいる。
若いころはそんなことは考えなかったが、このところ、そういう老人を見ると、腹が立ってくる。
もちろんその老人個人に、責任があるわけではない。
しかし30年以上も遊ばせておく制度に、腹が立ってくる。
年金額を、月30万円で計算しても、30万x12か月x30年=1億円以上!
1人、1億円だぞ!
実際には、妻の年金分もあるから、みな、その倍近い。
が、そういう老人にかぎって、近所でも、威張っている。
いかにもエリート老人といった顔をして、威張っている。
草刈りひとつしない。
ゴミ拾いひとつしない。
そのつど、市や自治会に苦情の電話をかけている。
だから腹が立つ。
・・・というような老人になってはいけない。
反面教師というか、この先、私たち老人を見る目は、ますますきびしくなる。
そういうことも考え、これからの私たちの老後を考える。
●ニュース
ニュースサイトには、当然のことながら、よいニュースは、あまり載っていない。
今度はイタリア経済がおかしくなったとか、タイの洪水がさらにひどくなったとか、そんな話ばかり。
ついでに昨日のニュースによれば、北朝鮮が、日本側の報道陣の数はもちろん、サポーターの数まで制限してきたという。
サッカーのアジアリーグ戦についてである。
「だったら、そんな試合、日本側がボイコットすればいい」と考えたが、あんな国、まともに相手にしてはいけない。
その価値もない。
「ああそうですか」と言って、試合だけして帰ってくればよい。
日本には、「シカト」という、すぐれた(?)問題回避方法がある。
つまりここはシカト。
無視。
●雑談
ワイフとの雑談がつづく。
ワイフがこう言った。
「スプレーを買って帰る」と。
このところスズメバチが、庭の周辺を飛び交うようになった。
3~5匹、まとまって見かけたら、近くにかなり大きな巣があるとみてよい。
が、どこにあるか、わからない。
昨日も朝、それをさがしてみたが、見えるところにはなかった。
スプレーというのは、殺虫剤のスプレーをいう。
5~6メートル先まで届くスプレーもある。
「それを買って帰る」と。
ハチも毒をもたねば、殺されはしまい・・・ということか。
その「毒」といえば、中国。
今回の通貨安競争の元凶といえば、中国だった。
世界中が中国の安売り攻勢に音をあげ、それぞれが通貨安競争に突入した。
その結果が今。
世界経済は、メチャメチャ。
G20の会議を通して、オバマ大統領と胡中国国家主席と話し合ったが、成果ゼロ。
むしろ反対に中国は、EUに対し、こう言って脅した。
「欧州基金へ投資を検討してやる。そのかわり、見返りをよこせ」(日本経済新聞・11・5))と。
ワイフはこう言った。
「ああいう独裁国家は、いやね。民主主義がないから、こわいわ」と。
私「日本だって、独裁国家のようなものだよ。官僚主義という独裁国家。中国と、どこもちがわない」
ワ「だって日本はまだ政治家を、選挙で選んでいるわ」
私「形だけはね・・・」
ワ「そういえば、先日家に来た、D君(オーストラリア人)も、そう言っていたわよ。オーストラリアでは、一言でも政治家にたてついたら、その役人は、即座に左遷されるそうよ」
私「それが民主主義だよ。この日本では、その逆。役人に楯突(たてつ)いたら、生きていくことすらできない。政治家だって、吹き飛ばされてしまう」と。
日本が民主主義国家と思っているのは、日本人だけ。
日本は奈良時代の昔から、官僚主義国家。
今の今も、そうだ。
・・・話は脱線したが、民主主義という点では、韓国や台湾、それにフィリッピンのほうが、日本より完成している。
民意がダイナミックに反映されるという点で、より完成している。
が、中国には、それがない。
どこかに毒針を隠している。
それが不気味。
日本の官僚制度も、それに近い。
「伏魔殿」と評した政治家もいた。
●国債
日本経済新聞(11月5日朝刊)に、こうある。
「国の借金、1000兆円、突破!」と。
09年に地方自治体の借金も含め、すでに1000兆円を超えていたはず。
現在は、もっと多い。
その記事の末尾にこうある。
「国債が信認を失えば、国家財政はそのまま危機に瀕する」と。
国債というのは、つまりは借金。
国は国債を発行しながら、国の内外から借金を重ねる。
今はまだ、大手の銀行を中心に国債を引き受けているからよい。
しかしその引き受けてがいなくなったら・・・?
それが「信認を失う」という意味になる。
ただその大手銀行にしても、10年ものの長期国債から、1年の短期国債への移動を進めているという。
イタリアやフランスが財政危機に陥れば、つぎはこの日本。
・・・このことはすでにあの3・11大震災の前に、うわさされていた。
経済誌はこぞって、「日本の国家破綻は、可能性の問題ではなく、時間の問題」と。
が、そこへあの3・11大震災。
アメリカの赤字上限問題、EUの金融危機……、それにつづいた。
が、日本の経済危機が、それで去ったわけではない。
こんな私でも、老人たちと温泉に入ると、若造に見える。
それと同じ。
相対的に、日本のほうがまだ安全・・・ということで、円が買われている。
現在の円高は、その結果。
●帰り支度
ア~ア、またまた暗い話になってしまった。
イヤダナ~・・・ということで、こういう話は、ここまで。
横でワイフが帰り支度を始めた。
ガサゴソ、ガサゴソ・・・。
今朝の日記はここまで。
つづきは、自宅の書斎で。
では、みなさん、おはようございます。
今日も1日、がんばりましょう。
がんばるしかないのです。
(ここまでLibreOfficeを使って、文章を書いた。
文字が読みにくいので、やはりLibreoffice専用の、Baidu IMEをインストールしたほうがよい。
現在、MS社のIMEを使っているが、文字間が窮屈そうに詰まってしまう。
それに英数字への変換が不安定。
家に帰ったら、このパソコンにも、LibreOffice専用のIMEをインストールするつもり。)
Hiroshi Hayashi++++++++++++林浩司・はやし浩司
2011年11月6日日曜日
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