2009年12月1日火曜日

*To know ourselves better

●英語の言葉(メタ認知能力)

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精神医学には精神医学特有の言葉がある。
もとはと言えば、外国からきたもの。
で、英語の文献を読む機会が多くなった。
そのこともあって、ここで英語の単語を
整理してみる。

こうして並べて書き出してみると、受験生に
なったような気分である。

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Mental retardation (精神遅滞)
Learning disability (学習障害)
Autism (自閉症)
Dementia (痴呆)
Histeria (ヒステリー)
Anxiety neurosis (不安神経症)
Hypochondoria (心気症)
Phobia (恐怖症)
Obsessive compulsive neurosis (強迫神経症)
Seclusive neurosis (内閉神経症)
Tic (チック)
Selective mutism (場面かん黙)
Enuresis (遺尿)
Encopresis (遺糞)
Anorexia nervosa (神経性無食欲症)
Psychosomatic disease (心身症)
Drug dependence (薬物依存症)
Borderline personality disorder (境界性人格障害)
Antisocial personality disorder (反社会性人格障害)
(以上、日本語名は、無藤隆著「心理学とは何だろうか」新曜社より)

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●暗記法

 どれも聞きなれた言葉だが、今、単語のテストをされたら何点を取れるだろうか。
本当のところ、自信がない。
英語の意味はわかるが、日本語を英語に訳せと言われると困る。
高校生になったつもりで、暗記してみる。

で、こういうときは、まずいちばん難解な単語に目をつける。
この中で言えば、Obsessive compulsive neurosis (強迫神経症)と、Anorexia nervosa 
(神経性無食欲症)。
最初に、この2つを徹底的に暗記する。
学生時代からの、私の英単語攻略法である。

そのとき重要なのは、単語という無機質な文字の上に、具体的に人の顔をダブらせるとよいということ。
たとえば「bicycle」と書いて、「自転車」と、直接、日本語に置き換えて覚えるのではなく、自転車の形を思い浮かべる。
自転車が走っている様子でもよい。

ここでは「Obsessive compulsive neurosis(強迫神経症)」のばあいは、今まで出会った人の中で、そのタイプの人を、少しデフォルメして覚える。
「Anorexia nervosa(神経性無食欲症)」も、そうである。
私たちが「摂食障害」と呼んでいる人を、想像すればよい。

 その「Obsessive compulsive neurosis(強迫神経症)」で思い出すのが、私の実兄。
夜寝るときになると、一度、1センチ単位でふとんのズレを直さないと、床に入ることができなかった。
「こうでなくてはならない」という思いだけが、勝手にどんどんとふくらんでしまい、それが強迫観念となる。
だから兄の顔を思い浮かべながら、「Obsessive compulsive neurosis」という単語を覚える。

(で、10分ほど、時間が過ぎた。
昨日撮ったビデオを、YOUTUBEにアプロードした。)

 で、2つの単語を思い出してみる。
ハハハ。
何を隠そう、2つとも忘れた。
「神経性無食欲症」のほうが、まったく、思い出せない。
学生時代なら、10回ほど復唱すれば、すぐ覚えられたのに……。
明らかに記銘力が低下している。
こうなったら、しかたない。
「あのオ~歴史や、なんぼさ?(=アノレキシア・ナーボーサ=Anorexia nervosa)」で覚えるしかない。
奥の手である。

●老化と闘う

 加齢とともに、新しいことが覚えられなくなる。
これは事実である。
若い人は、「そんなはずはない」と思うかもしれないが、(私も若いとき、そう思っていた)、これは事実である。

 単語だけではない。
歌も、歌詞も、である。
先週は、『スノーマン』に出てくる、『♪We’re waliking in the air』に挑戦してみた。
結構苦労した。
で、今は、やっと半分程度、歌えるようになった。

 言い換えると、脳の老化はやむをえないものかもしれないが、老化に任せて、そのままにしておいてはいけない。
闘って闘って、闘いぬく。
そうでなくても、バケツに穴があいたような状態になる。
知恵や知識や経験が、どんどんと下へ、こぼれ落ちて行く。
たった今覚えた2つの言葉にしても、「エ~ト、何だったかな?」となる。

 こわいのは、そうした老化に気づかないまま、老いていくこと。
心理学の世界には、「メタ認知能力」という言葉がある。

 たとえば勉強が苦手な子どもでも、どこがどうして苦手か、わかっている子どもは、指導しやすい。
が、中には、どこがどうして苦手なのか、それすらわかっていない子どももいる。
子ども自身が闇の中に入ってしまったような状態になる。
そういう子どもは、指導しにくい。
つまり自分の姿を、自分を超えた視点から認知する能力。
それが「メタ認知能力」ということになる。

 加齢とともに、そのメタ認知能力も、衰えてくる。
やがて自分で自分がわからなくなってくる。
そうなると、あとはボケに向かって、まっしぐら!
以前、こんな女性に出会ったことがある。

●メタ認知能力

 何かのことで電話をしていたときのこと。
こまごまと、どうでもよいようなことで私に説教した。
で、私は、こう言った。
「私は……あなたが思っているほど、バカじゃ、ないと思います」と。
すると何を勘違いしたのか、その女性は金切声をあげて、こう言って叫んだ。
「私だって、バカじゃ、ありません!」と。

 その女性は、そのあとしばらくしてから、認知症か何かの相談で、夫とともに、病院を訪れている。
つまり頭がボケてくると、自分がボケていることさえ、わからなくなる(失礼!)。
メタ認知能力そのものを、失う。
けっして他人ごとではない。
これは私やあなたの、近未来像そのものと考えてよい。

●単語のテスト 

 さて、単語のテスト。
受験生よろしく、英語のほうを隠して、自分で単語を書いてみる。
ハハハ……。
笑ってごまかす。

 実のところ、上記19問中、x点しか、取れなかった。
ハハハ……。
英語を日本語に訳すのは楽だが、その反対ができない。
「まっ、いいか。外国の病院で働くことは、ないから……」と言って、自分で自分をなぐさめる。

 が、ここで重要なことは、先にも書いたように、バケツの底の穴を、自分でしっかりと自覚すること。
それができなくなったら、つまりメタ認知能力がなくなったら、私もおしまい。
そういう意味でも、こうして英語の単語を書き出してみたのは、役に立った(?)。

 今日1日、コピーを片手にがんばってみる。
がんばって、暗記してみる。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 メタ認知能力 記銘力 強迫神経症 Anorexia nervosa)

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