2009年12月5日土曜日

*Should Okinawa be going to declare Independence from Japan?

●琉球独立党

 「沖縄が生き残る道は、日本(ヤマトンチュー)からの独立しかない」と。
そうして生まれたのが、琉球独立党。
党首は、YC氏(55歳)。

06年の沖縄県県知事選挙にも出馬している。
そのとき獲得した票数が、6220票。
その数を多いとみると、少ないとみるか……。
沖縄独立党は、それを「大勝利」と喜んでいる。
「我々を支持してくれる人が、6220人もいる」、あるいは「6220人にふえた」と。

 「独立党」という名称からもわかるとおり、沖縄独立党は、「日米の支配状態を脱せ」を、
旗印にかかげている。
ほかにも「琉球共和国」とか、「石油採掘権獲得」などという言葉も並ぶ。
興味深いのは、「独立したあかつきには……」「国際入札で、アメリカ軍はもちろん、
日本の自衛隊、あるいは中国やロシアの軍隊を、(有料で)、駐留させる」(「日本のタブー」・
ミリオン出版)という部分。
しかしそうはうまく、いくものか?
どこか現実離れしている?
あるいは排他的民族主義?

 中国は、台湾の独立を認めていない。
いずれは、台湾を自国の領土に編入しようとしている。
と、同時に、すでに、沖縄は、中国の領土であると主張し始めている。

 その前に、もう一度、日米関係について考えてみたい。
つぎの原稿は、2006年の1月に書いたものである。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●対米追従外交?

++++++++++++++++

たしかに日本の外交は、戦後一貫して、
「対米追従外交」(経済評論家・T氏談)
である。

事実は、事実。それは、もうだれの目にも、
疑いようがない。

しかし一方で、国際外交は、どこまでも
現実的でなければならない。

現実を見失ったとき、国際外交は崩壊する。
同時に、その国は、進むべき道を、
見誤る。

++++++++++++++++

 対米追従外交を、批判する人は多い。経済評論家のTJ氏も、そのひとりである。三井物産時代のかつての同僚ということで、肩をもちたい気持ちもないわけではないが、ならば聞く。今の日本にとって、どうして対米追従外交であってはいけないのか。

 「追従」「追従」というが、追従しなければならない「現実」がそこにある。

 あの中国は、ものの10分足らずで、(あるいは数分で)、日本中を廃墟と化すことができる。それだけの核兵器を、すでに保有し、実践配備をすませている。

 忘れていけないのは、戦争というのは、兵器だけでするものではないということ。日本にとって脅威なのは、兵器もさることながら、その兵器を底流で支える、士気である。反日感情である。中国人がもっている、その反日感情には、ものすごいものがある。

 いったんどこかでそれに火がつけば、悲しいかな、今の日本に、それをくい止めるだけの武器もなければ、実力もない。もっとわかりやすく言えば、日本の平和がかろうじて守られているのは、(中国側から見れば)、その背後に、アメリカという巨大な軍事国家がひかえているからにほかならない。

 また在日米軍を支えるための、多額の負担金を問題にする人もいる。たしかに日本は、2006年度だけでも、「思いやり予算」(=在日米軍駐留経費)と称して、2326億円もの負担金を支払っている。先に問題になった、沖縄からの基地移転費用についても、これとは別に、「3500億円までなら支払ってもよい」と、日本側は、回答している。

 この額を多いとみるか、少ないとみるか?

 仮に日本有事ということにでもなれば、日米安保条約が発動されて、日本は、アメリカ軍の庇護下に入る。が、そのときアメリカ側が負担する金額は、ぼう大なものになるはず。あの韓国でさえ、こんな試算を出している。

「朝鮮半島有事の際には、韓国は、アメリカから1300兆ウォン(約158兆円)分の軍事装備を、無償で借りることができる」(朝鮮日報・K論説委員)と。(158兆円だぞ!)

 現に今、となりのK国は、日本攻撃を目的として、核兵器を開発している。が、そのK国に対して、この日本には、満足な交渉能力すら、もっていない。拉致問題ひとつ解決できない。そういう日本が、どうして核開発問題を解決できるというのか。

 韓国にしても、いまや日本の同盟国と考えている人は、ほとんど、いない。いつなんどき、中国と手を組んで、日本に襲いかかってくるか、わかったものではない。K国とさえ、手を組むかもしれない。少なくとも、現在のN大統領政権というのは、そういう政権である。

 日本は、そういう立場である。つまりそういう立場であることを棚にあげて、「自主権」なるものをいくら唱えても、意味はない。わかりやすく言えば、日本は、アメリカに追従するしか、今のところ、生き残る道はない。「追従」という言葉に語弊(ごへい)があるなら、「密接な協調」でもよい。

 戦後、日本という国が、かろうじて平和を保つことができたのは、日本人が、平和を愛したからではない。(こういうばあい、「愛する」という言葉は、腸から出るガスくらいの意味しかないが……。)

 日本が平和を保つことができたのは、背後にアメリカ軍がいたからにほかならない。が、もしアメリカ軍がいなければ、そのつど日本は、毛沢東・中国、スターリン・ソ連、金日成・K国、さらに李承晩・韓国に攻撃されていただろう。これまた悲しいかな、日本はそういうことをされても文句が言えないようなことを、先の戦争でしてしまった。

 日本は、アメリカに追従せざるをえなかったし、基本的には、今も、その状態はつづいている。それが「現実」である。

 もちろん私も、このままではよいとは思っていない。いつか日本も、アメリカから独立し、日本は日本として、独自の道を歩まねばならない。しかしその前提として、この極東アジア、東北アジアに、相互の信頼関係が築かれなければならない。それがないまま、「日本は日本だ」「日本が国内で何をしようが、日本の勝手」と言い切ってしまうのは、今の日本にとっては、きわめて危険なことである。

 その一例が、日本のK首相によるY神社参拝問題ということになる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●沖縄の独立(?)
 
 琉球独立党のYC氏(党首)には悪いが、もし沖縄が独立すれば、沖縄はそのまま中国の支配下に入る。
中国が、黙っていない。
また中国は、現状においては、そんな甘い国ではない。
ないことは、チベット問題ひとつみても、わかるはず。
尖閣諸島周辺には、天然ガスや石油など海洋資源が眠っている。
であるならなおさら、中国は、沖縄の独立を認めるわけがない。

 2005年に書いた原稿を、そのまま紹介する。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●台湾問題は、日本の問題

++++++++++++++++++++++

どうして、中国は、日本が主張する経済水域の中で、
ガス油田の開発および採掘を始めたのか。

どうして日本の抗議に対して、中国は耳を貸そうと
しないのか。

実は、この問題に裏には、台湾、さらには沖縄(琉球)
の領有権問題がからんでいる。

雑誌「諸君」(11月号)の中の記事を参考に、この
問題を考えてみたい。

+++++++++++++++++++++++

 中国と台湾。その中国は、台湾は、中国の領土と主張し、もし台湾が独立宣言をするようなことがあれば、中国は武力介入も辞さないと、ことあるごとに宣言している。

 つまり台湾の独立は、許さない、というわけである。

 しかし、この問題は、そのまま日本の問題と考えてよい。中国に視点を置いてみれば、それがわかる。中国の東には、台湾がある。しかしその台湾の向こうには、沖縄(琉球)がある。もし台湾が独立してしまえば、沖縄(琉球)は、ますます、中国から遠ざかってしまう。

 仮に台湾が、中国の領土の一部になれば、つぎに中国が領有権を主張してくるのは、実は、沖縄(琉球)なのである。これは私の被害妄想でも、憶測でも、何でもない。

 連合国は、ポツダム宣言(1945)によって、日本の敗戦を明確に位置づけた。しかしそのポツダム宣言の前に、ヤルタ協定(同、1945)、さらにその前に、エジプトのカイロでなされたカイロ宣言(1943)がある。

 そのカイロ宣言の中には、「日本は、中国から奪取したすべての領土を、中国に返還すべき」という一文があるが、中国は、その中には、台湾はもちろんのこと、沖縄(琉球)も含まれると主張した。毛沢東が、その人である。毛沢東は、その著書、『中国革命と中国共産党』の中で、「沖縄(琉球)は、日本が中国から奪った領土である」と書いている(中西輝政氏、指摘・「諸君」11月号)。

 ……こう書くと、「沖縄が、中国の領土だって?」と思う人がいるかもしれない。しかしここは、明確に述べておかねばならない。

琉球王朝、つまり沖縄は、江戸時代においては、薩摩の「附庸国」であると同時に、明と清との朝貢関係をもっていた。つまり沖縄(琉球)は、幕藩体制の中では、一応、日本の「領分」としながらも、日本では異国として扱われていたのである。

 が、1871年、宮古・八重山島民が台湾に漂着し、54人が、台湾島民に殺害されるという事件が起きた。これに対して時の明治政府は、「日本国民を殺害した」として清国に抗議、台湾へ出兵。そしてそのあと、日本は、北京条約で、清に沖縄(琉球)の日本への帰属を認めさせる(参考、中島成久氏ゼミ資料)。

 こういう流れからみると、つまりどこか力ずくで、沖縄(琉球)を日本の領土としてきたという流れからみると、「沖縄(琉球)は、中国の領土である」と、中国が主張しても、どこもおかしくない。少なくとも、「沖縄は、日本の領土である」という主張には、歴史的根拠があまりない。つまりここが、日本最大のアキレス腱ということになる。

 しかしその中国が、沖縄をあきらめたわけではない。かろうじて、本当にかろうじて、今、中国がそれを主張しないのは、台湾問題があるからにほかならない。台湾が、中国のコブなら、沖縄(琉球)は、そのコブの上のコブにすぎない。「沖縄(琉球)が、中国の領土である」ということを主張するためには、まず台湾を、自分の領土に組みこまねばならない。

 わかりやすく言えば、台湾が、大きな壁となって、中国と日本の間に、またがっている。中国にしてみれば、まず、台湾問題なのである。

 つまりもうおわかりかと思うが、台湾問題が片づけば、つぎにやってくるのが、沖縄(琉球)問題である。「台湾問題は、日本に関係ない」などと思っていたら、たいへんなまちがいである。現に今、「沖縄は中国の領土である」と主張する知識人が、中国国内で、ふえ始めている。

 一方、ここ1、2年、米中関係は、急速に悪化の一途をたどっている。新たな冷戦時代の始まりと説明する人も多い。最近になってアメリカのライス国務次官も、中国を、「明らかな脅威」と位置づけ始めている(05年8月)。台湾や日本にとって、脅威という意味ではない。アメリカ本土にとって、脅威という意味である。

 事実、それに呼応するかのように、中国の軍の近代化と拡充には、ものすごいものがある。軍事費にしても、公表されている数字の3倍近くはあると言われている。あるいは、それ以上かもしれない。

 そこで、その中国がなぜ、こうまで、軍事力の拡充に熱を入れるかといえば、すでに中国は、台湾や日本を飛び越して、アメリカとの戦争を、念頭に置いているからに、ほかならない。その中国は、これまたことあるごとに、「もし中台戦争にアメリカが介入してくるようなことがあれば、アメリカとの対決も辞さない」と主張している。

 中西輝政氏は、つぎのような事実も指摘している。

 「この(05年)7月、中国国防大学のエリート、朱成虎少将が多くの欧米記者を前に、『アメリカが中台の武力紛争に介入したときには、中国は、アメリカ本土に、戦略核ミサイルによる先制攻撃を加える』という警告を発した」(同、「諸君」11月号)と。

 そうなれば、沖縄はもちろん、日本の本土すらも、中国の核攻撃の対象となる。

 ……とまあ、こうした物騒な話はさておき、中国は、日本の主張する経済水域を、そもそも認めていない。だから平気で、その中で、ガス油田の開発、採掘をすることができる。だからいくら日本が抗議の、のろしをあげても、どこ吹く風。中国は、これから先も、ますます堂々と、日本の経済水域内に入ってきて、ガス油田の開発、採掘をするだろう。

ワイフ「そう言えば、沖縄って、日本とは、ちがうという感じがしていたわ」
私「あまり、そういうことは言わないほうがいい。もしそんなことを、日本人のお前が言っていることを知ったら、中国人は、『そら、みろ!』と喜んで、飛びついてくるかもよ」
ワ「でも、事実は事実だから……」
私「日本としては、何としても、米中関係の悪化を、阻止しなければならない。これ以上、悪化すれば、日本の平和どころの問題では、なくなってしまう」
ワ「K国の核開発問題も、どこかへ吹っ飛んでしまうわね」
私「そういうこと」と。

 こうした中国の野望を封じこめるための方法は、2つある。一つは、中国の民主化運動を、側面から支援して、中国を民主化すること。ブッシュ大統領も、「世界を民主化することが、世界に平和をもたらす方法」というようなことを言っている。

 もう一つは、日本、東南アジアからインドにかけて、中国包囲網を構築すること。とくに重要なカギを握るのが、すでに核保有国となったインドである。すでに、アメリカも日本も、その方向で進んでいる。中国が、軍拡をつづけているかぎり、日本は、中国とはどこかで一線を画す。でないと、それこそ敵に、塩を送るようなことになりかねない。

 ……とまあ、いっぱしの外交評論家のようなことを書いてしまったが、しかしこれらの問題はそのまま、私たち自身の問題である。日本の平和と安全に、直接かかわってくる問題である。これからも、これらの問題を追求していきたい。
(参考、「国家の覚悟が問われる秋」by中西輝政、「諸君」11月号)

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 琉球 沖縄 沖縄の領有権 沖縄独立党 ポツダム宣言 ヤルタ会談 ヤルタ協定 沖縄問題)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●国際政治は、現実的に!

 沖縄がかかえている問題は、よくわかる。
「(沖縄の)住民は、基地問題、低学歴、就職難で苦しめられている」(「日本のタブー」)。
そのとおりだと、私も思う。
YC氏は、同書のインタビューに答えて、こう述べている。

「沖縄独立なんていえば、妄想だの、荒唐無稽だのって、鼻で笑われたが、六千数百人の有権者が、私の訴えに賛成したのも事実。
海や空の色とは裏腹に、基地の重圧、戦争の傷痕、財政難が住民の心を重くしている。
けれどこれはみんなヤマトンチューから押し付けられたもの。
だから私はこれをヤマトにお返しして、シマンチューのための琉球共和国を作ろうと言っているのです」と。

が、その問題と、「独立」とは、まったく別の問題である。
ヤマトンチュー(日本)が気に入らないから、シマンチュー(沖縄)は独立すべきという考え方は、沖縄の人たちにとっても、現実的ではない。
第一に、私たち本土の(?)人間にしても、「鼻で笑っている」わけではない。
また「押しつけている」わけでもない。
沖縄県の人たちに、「申し訳ない」と思っている人のほうが、多い。
それを一足飛びに飛び越えて、「独立」と言われると、私たちとて、どうしてよいのかわからなくなってしまう。

 むしろ私が心配するのは、「独立」の向うに見え隠れする、YC氏自身の排他的民族主義。
民族主義というのは、より狭小になればなるほど、また先鋭化すればするほど、戦争の火種となってしまう。
それが排他的であればなおさら、そうである。
あのアインシュタインも、TK先生への手紙の中で、こう述べている。
「exaggerated nationalism(誇張されたナショナリズム=国粋主義)こそが、すべての戦争の原因である」と。

 ともあれ、沖縄というより、沖縄県の問題は、日本全体の問題である。
そのことを気づかせてくれた、沖縄独立党の存在感は、大きい。
私たちは私たちで、「沖縄に独立されては困る」という発想からではなく、沖縄の人たちがかかえる問題を、私たちの問題として考える必要がある。
たしかに私たちは、今まで、沖縄の人たちがかかええる問題について、あまりにも無関心でありすぎた。

 一方、沖縄の人たちは沖縄の人たちで、もう少し現実的なものの考え方をしてほしい。
いろいろな問題があることは、みな知っている。
だからこそ、それらの問題をひとつずつ解決していく。
私はそのほうが現実的だと思うし、建設的だと思う。
そういう意味で、いきなり「離婚」を訴える沖縄独立党の考え方には、どうしてもついていけない。

 ……イマイチ歯切れの悪い結論で、ごめん!


Hiroshi Hayashi++++++++Dec. 09+++++++++はやし浩司

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。