●官民人材交流センター
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官僚の天下りを規制しようという目的で誕生したのが、
「官民人材交流センター」。
これが官僚自身の手によって、骨抜きにされた上、
今、現在(09年12月)は、停止中。
鳩山政権は、センターの廃止の方針をすでに決めている。
なぜか?
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●流れ
当初、官民人材交流センターの発足に対して、官僚たちは、猛反発した。
が、どういうわけか、麻生政権になると、一転、実現に向けて積極的に動き出した。
妙に協力的になり、懇談会を立てつづけに開いた。
なぜか?
人材センターを職員10人規模の、「形だけの」組織にすることにより、センターその
ものを形骸化するためである。
つまりセンターを、各省庁からあがってきた、書類を「ホッチキスで留めだけの機関」
にする。
そうすれば、官僚たちは、今まで通り、自由に天下りできる。
しかも「官民人材交流センター」という公的機関のお墨付き。
堂々と天下りできる。
●限度額の引き上げ
そこでセンターを立ち上げる際の懇談会では、こう決まった。
「官僚の年収に見あう、年間1400~1600万円以上の事業を、国から随意契約で
請け負っている法人には、官僚を天下りさせない」と。
実際には、「1000万円程度なら、人件費をカバーできない」との意見が出された。
こうすれば、天下り先の企業は、官僚を迎え入れるだけの(うまみ)を、なくす。
企業が、なぜ官僚たちを迎え入れるかといえば、持参金としてもってくる随意契約が、
ほしいから。
その随意契約が年収程度ということになれば、受け入れるだけの(うまみ)がなくなる。
ところが、である。
官民人材センターが、実際に発足してみると、その限度額が、官僚たちによって、
勝手に、1億円に引き上げられていた(中日新聞)。
●「懇談会」「会議」というインチキ
官僚たちは、つぎのような手法を使って、自分たちに都合のよいように、利益を誘導
する。
この方法は、日常茶飯事的に、中央省庁のみならず、地方の県単位、市町村単位でも
使われている。
私たち庶民は、こうしたインチキには、じゅうぶん、注意したらよい。
(1) まず適当に、イエス・マンを中心とした、メンバーを選定する。
(2) 選定には、基準はない。自分たちにとって都合のよい人間を選ぶ。
(3) 「~~懇談会」「~~会議」もしくは、それに類する名称をつけて、会議を開く。
(4) 会議の議題、目録、内容は、あらかじめ、役人側の方で用意する。
(5) 議長には、それなりの有力者、実力者が選ばれる。会議の冒頭で、多数決という形
で選ばれる。
(6) 世間で騒がれている問題についての会議ほど、メンバーを多くする。つまりこうす
ることによって、それぞれのメンバーの発言時間を少なくする。
(7) 会議は、1回につき、2~3時間程度。必要な資料は、役人側の方で用意する。
(8) つまり会議は、あくまでも形式的。結論として出される答申の雛型まで、役人側
で用意することが多い。役人側で用意した答申の雛型(役人側は、「書記が会議の内
容をまとめた」と言うことが多い)を、修正、訂正、加筆しながら、会議のメンバ
ーは、答申として提出する。
(9) その答申をもとに、役人たちは、あとは、やりたい放題。
そのため答申として提出される文書の内容は、総括的、かつあいまいなものほど、よい。
今回の「官民人材センター」にしても、そうである。
●「役人のいつものやり方」
懇談会は、「天下り官僚の人件費を出すため、省庁が随意契約で事業を発注している」
との議論の中で、随意契約限度額を、報告書(答申)の中に盛り込んだ。
が、決まったのは、「限度額」という言葉だけ。
しかし麻生政権下の08年12月にセンターが設立された際の「センター長決定」では、
その限度額が、「1億円」になっていた!
つまり答申の趣旨を無視して、官僚たちが、勝手に1億円に引き上げたことになる。
関係者は、「同センター設置の根拠となる政令をつくる段階の、各省庁の折衝で、骨を
抜かれたようだ」(中日新聞)と述べている。
こうしたやり方は、まさに官僚の手法。
小ずるさを通り越して、あくどさすら覚える。
はっきり言えば、インチキ!
つまりこうなると、何のためのセンターかということになる。
あるいは、何のための懇談会だったのかということになる。
座長を務めた田中一昭拓殖大名誉教授ですら、こう述べている。
「変更したことだけを、あとで、知らされた。
答申や法律を細部で変えるのは、役人のいつものやり方」(中日新聞)と。
●日本の政治
どういう理由で、またどういう思惑があって、鳩山政権は、センターの廃止の方針を
決めたのかは、知らない。
無意味だから、廃止するのか?
それとも官僚に都合が悪いから、廃止するのか?
どうであるにせよ、一事が万事。
日本の政治は、こういう官僚たちによってゆがめられていく。
が、気がついたときには、もう遅い。
そこにあるのは、鉄壁の要塞。
政権が変わったくらいでは、ビクともしない。
天下りにしても、これほど騒がれているにもかかわらず、何一つ、解決されていない。
解決されていないばかりか、官僚の天下りは、今の今も、かえって堂々となされ
つづけている。
話はぐんと国際的になるが、あのK国では首都ピョンヤンに住めるだけでも、特権階級
だそうだ。
ピョンヤンの住民たちだけが優遇されている。
食料でも電力でも、ピョンヤン市民に優先的に配分されている。
あとは野となれ、山となれ。
餓死者が出たところで、知ったことか!、と。
そうした事実を見せつけられると、私たちは、「K国は、何とひどい国なのか」と思う。
しかしどっこい。
私たちの住む、この日本だって、それほど、変わらない。
懇談会では、「……官僚の年収に見あう、年間1400~1600万円以上……」という
数字が出てきた。
この数字に驚いたのは、私だけだろうか。
詳細はよくわからないが、天下り先の年収というふうにも解釈できる。
「ヘエ~~」と思っただけで、そのあとの言葉がつづかない。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 官民人材センター 天下り規制 官民人材交流センター)
2009年12月8日火曜日
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