2011年5月7日土曜日

*As to Hamaoka Nulclear Power Plant

●管総理大臣の英断(5月6日)「浜岡原子炉の停止」

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管総理大臣は、浜岡原子炉を全面的に停止する
と発表した。
けだし、英断である。
当然である。

私が4月29日付で書いた原稿を、もう一度、
読みなおしてみてほしい。

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●浜岡原子炉に思う(万全の安全策が講じられるまで、停止すべし)
2011-4月29日記

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福島第一原発事故のあと、浜松市の
近くにある、浜岡原子炉でも、緊急の
災害訓練が実施された(11年4月)。
内容は、非常用電源が停止し、原子炉の
冷却機能が停止したという状況を
想定したもの。

それに対して発電所側のした訓練というのは、
消防車を出動させ、放水するというもの。
私はこの分野では素人だが、その私ですら、
それを見て、笑ってしまった。
地元の中日新聞ですら、「緊張感がまるで
なかった」と酷評した。
つまり子どもだまし!

原子力発電所の事故が放水で防げる?
発想そのものが、バカげている。
がん細胞に、赤チンを塗るようなもの。
肺炎で熱を出して苦しんでいる人に、
コップで水をかけるようなもの。
福島第一原発事故を見てもわかるように、
それでは訓練にならない。

放射性物質を含んだ水は、どうする?
爆発か何かがあって、飛び散ったがれきは
どうする?
高濃度の放射線を浴びた作業員は、どうする?
周辺地域の人たちを、どこへどのように
避難させる?
放射性物質の中和剤は用意できているのか。
遠隔操作のロボットは、用意できているのか。
医療態勢は整っているのか。
つまりそういった一連の訓練を総合的にして、
はじめて、「訓練」ということになる。

浜岡原子力発電所は、砂丘の上に立っている。
揺れがつづけば、液状化現象も心配される。
もちろん津波による被害も想定される。
原子力発電所側は、これから防波堤を高く
すると言っている。
ならばそれが完成するまで、原子炉を停止
すべき。
それが当然。
「安全だ」と主張するなら、つまり
それほどまでに安全なものなら、
名古屋市内に、原子力発電所を建設すれば
よい。
どうして中部電力の発電所が、浜岡にあり、
海のそばにあるのか。
「安全ではない」という不安があるから、
そうしているのではないのか。

浜岡から浜松市まで、40キロ足らず。
その浜松市は、この東海道地域では、
東京、名古屋につづく、第三の大都市。
人口は約80万人。
周辺部の都市を加えたら、軽く100万人を
超える。

浜岡原子炉は、今すぐ停止すべし。
万全の安全策が確保されるまで、停止すべし。

(補記)

ある関係者いわく、
「浜岡原子炉については、今すぐ廃炉にしたい。
しかしその方法がないから困っている」と。

原子炉というのは、作るのは簡単。
壊すのがむずかしい。
原子炉というのは、どうやら、そういうものらしい。

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●5月6日の夜に

 私は真夏でも、また真夏の真夏日でも、家庭ではエアコンを使っていない。
扇風機だけ。
一度、(5、6年前のことだが)、体力に限界を感じ、3か所にエアコンをつけた。
しかし使ったのは、最初の1、2週間だけ。
すぐ体の変調を覚え、そのままもとの生活に。

 あんなもの、なければないで、すむ。
健康にも、そのほうがよい。
マンションのような高層ビルに住んでいる人は、そうでないかもしれない。
しかし一戸建ての住宅に住んでいるなら、いくらでも工夫できる。
太古の昔から、人間は、エアコンなしで生きてきた。

 で、それを理由に、つまり電力の不足を理由に、中部電力側は、政府の英断に不満を
漏らしている。
いわく「この夏は、猛暑が予定されている」「電力不足になる」と。
だったら名古屋市内に、原子力発電所を建設すればよい。
暴論に聞こえるかもしれないが、逆に言えば、なぜ浜岡なのか?
「浜岡なら安全」と言うほうが、もっと暴言。

浜岡原子炉は、まさに活断層の上にある。
1本や2本ではない。
その下には、3本も走っている。
しかし東海沖大地震は、「予想」ではなく「時間の問題」。
世界中の科学者たちが、みな、首をかしげている。
そんな場所に浜岡原子炉がある。

 福島第一原発の事故を受けて、浜岡原発でも、予備の発電機を、原発の
屋上に取りつけることになったとか。
バカげているというか、子どもじみている。
発想が、子どもじみている。

●JAL(日本航空)

 子どもじみているといえば、JAL(日本航空)。
昨日、5月5日に、恒例の「綱引き大会」をした。
飛行機に綱をつけ、それを子どもたちに引かせた(羽田空港にて)。
先日は福島産の農産物を、空港内で売ってみせた。
航空会社がするということで、それなりのニュース性はある。
テレビでも紹介された。
しかし子どもじみている。
やることなすこと、すべて、子どもじみている。
よく見ても、高校の学園祭風。
1兆円の国税を使い、経営再建中の航空会社。
その航空会社が、野菜市?
綱引き大会?
緊張感がまるでない。

 今すべきことは、LCC(格安航空路線)の拡充。
反対に言えば、そんなイベントで、これからの国際競争が生き残れるとは、とうてい
思えない。
私は綱引きを大会を見たとき、どこかの商店街が主催した、金魚すくい大会を思い出した。
客寄せにはなる。
子どもは喜ぶ。
しかしそこまで。

そんなことで、商店街は活性化しない。
つまり商店街の命運は、もっと巨大な流れの中で決まる。
航空会社なら、なおさら。
世界の航空会社に殴り込みをかけてこそ、またそういう意気込みをもってこそ、
生き残ることができる。
ためしに韓国で、福岡ー釜山間、往復1万円の航空チケットを売ってみたらよい。

 鎖国政策に守られ、ちまちまと国内便だけを飛ばす。
やることと言えば、野菜市に綱引き大会?
「JAL(日本航空)も、これでおしまいだな」と、
私は、そう感じた。

●浜岡原子炉

 話を戻す。

 福島原発事故のあと、浜岡原子炉でも、防災訓練が実施された。
それについては、4月29日に原稿を書いた。
その模様はテレビでも報道されたが、まるで子どもだまし。
緊張感、ゼロ。
私はそれを見ながら、反対にこう思った。

「ああいう人たちに原子炉を任せておいて、だいじょうぶなのだろうか?」と。
私のワイフでさえ、こう言った。
「あれじゃあ、火薬庫の管理を、中学生か小学生に任せているようなものね」と。

 何度も書くが、福島第一原発の事故は、現在の今も、進行中。
むしろ事態は、日に日に、悪化している。
新聞をほんの少しだけ注意深く読めば、だれにだってわかるはず。
だから今日、IAEA(国際原子力機関)は、つぎのような声明を発表した。
「(フクシマは)、依然、深刻な状態にある」(注※)(5月6日)と。

 が、ノー天気な人たちは、すでに問題は解決したとばかり、政権抗争を繰り返している。
補償問題だの、責任問題だのと騒いでいる。
が、へたをすれば原子炉の爆発だぞ!
そうなったら、この日本は、おしまいだぞ!

 すでに放射性物質は、外部に漏れ出ている。
それを指して、政府は「放射能の放出量は、チェルノブイリの10分の1程度です」と、
さかんに宣伝している。
が、実際には、原発には、放出量の250倍もの放射能が残っているとか(産経新聞・
4・13日)。
単純に計算しても、チェルノブイリの25倍!

 今夜もあの男性が出てきて、原発事故の様子を説明していた。
東京電力の社員という。
どこかドリフターズの「加藤チャン」に似ている。
笑い顔。
私はいつもあの男性がテレビに出てくるたびに、こう思う。
「こんな男性に、福島第一原発の事故処理を任せておいてだいじょうぶなのだろうか」と。

●今、すべきこと

 批判ばかりしていてはいけない。
私は早急に、つぎのことを準備すべきと考える。

(1)原子炉が爆発したばあいを想定し、準備する

 原子炉が爆発したら、どうするか。
チェルノブイリのときは、コンクリートを投下し、原子炉全体を石棺化した。
同じように最悪のばあいも考え、コンクリートを数十万トン以上用意する。
コンクリートミキサーだけでも、数100台は必要となるだろう。
それで即座に原子炉を覆えるように、態勢を整えておく。
今のうちにしておく。

 また避難地域を、100キロから150キロに拡大したばあいを想定し、避難訓練を
実施する。
150キロといえば、茨城県全域から千葉県全域におよぶ。
東京都だって、あぶない。
今からでも遅くないから、首都機能を大阪市へ移動させておく。
先手、先手で、対策を考え、実施していく。
つまりそこまでして、はじめて「おとな」。

 子ども相手の仕事をしている私がこんなことを言うのもおかしいが、今のやり方は、
あまりにも子どもじみている。
JAL(日本航空)がした「綱引き大会」と、どこもちがわない。
そんなことで、会社が再建できると思っているのか。
そんなことで日本の危機を回避できると思っているのか。

(注※)フジテレビ(5-6より)

『IAEA(国際原子力機関)は5日、福島第1原子力発電所について、「依然、深刻な状況にある」との認識を示した。

IAEAのフローリー事務次長は5日、ウィーンで開かれた記者会見で、福島第1原発の状況について、「依然、深刻な状態にある」と述べ、これまでの厳しい見方から変わっていないことを明らかにした』(フジテレビより)

Hiroshi Hayashi+++++++May. 2011++++++はやし浩司・林浩司


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