2011年5月7日土曜日

*Against Hamaoka NuclearPower Plant!

【浜岡原子力発電所】「今すぐ停止すべし」


中部電力浜岡原子力発電所の危険性について

浜松市

はやし浩司


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菅直人首相は6日夜、緊急に記者会見し、
浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)にある
全ての原子炉の運転を停止するよう
中部電力に要請したと発表した【資料1】。


この発表を受け、地元の静岡県知事は、「英断」
(中日新聞)と評価。


理由は、「浜岡原子力発電所は、東海地震の震源域の
真上に位置する」こと【資料2】。


さらに最近、浜岡原子力発電所の周辺には、活断層が
3本も走っていることが判明。
(8キロメートル以内には、8本。)


うち2本は、原子力発電所直下を走っている【資料3】。


管直人首相の「停止要請」に対して、中部電力側は
表向きは従う様子を見せながらも、それを拒否。


さらにこの要請を歓迎するかと思われた御前崎市市長が、
「(我々の意見を)聞いていたのか」と、「不快表明」(5月6日)。


理由は、「雇用や地元商店街に大きな影響が出てくることは
間違いない」と【資料4】。

さらに御前崎市市長は、つぎのように述べている。
注意深く読んでみてほしい。
なお内容は、日本経済新聞、中日新聞の双方で
報道されている。

「国が原子力を危険・不安と思うのであれば、
浜岡原発だけではなく、全ての原発を見直すべきだ」
(御前崎市石原市長談)と。


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【資料1】

菅直人首相は6日夜、緊急に記者会見し、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)にある全ての原子炉の運転を停止するよう中部電力に要請したと発表した。

大規模な東海地震の発生が予測される中、重大事故が発生した場合の悪影響を未然に回避する必要があると判断した。政府は浜岡原発以外の他の原発については停止要請をしない方針だ(以上、日本経済新聞、5月6日)。


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【資料2】

 中部電力浜岡原子力発電所は、マグニチュード(M)8級が想定される東海地震の震源域の真上に位置する。

以前から地震や津波の危険性が、ほかの原発に比べはるかに大きいと指摘されてきた。中部電は多額の資金を投じて耐震性を強化してきたが、東日本大震災という「想定外」の巨大地震の発生によって、政府は抜本的な対策を取らない限り、安全性は担保できないと判断したようだ(以上、日本経済新聞、5月6日)。


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【資料3】

東海地震の想定や敷地内のリニアメントについて、問題として取り上げられるようになったのは、発電所が運開して間もない頃であった。

大規模地震対策特別措置法の施行などがあった頃からである。

同法施行直後に3号機の増設計画はまとめられ、1978年12月18日に設置変更許可申請書を提出したが、審査書類の再提出を求められて、活断層調査などの記述を大幅に追加して、1980年12月に再提出した。

その際、藤井陽一郎(当時筑波大学理学部教授)などから、「中部電力は、従来の検討の不十分さを実際上は認め、部分的には新しい知識を取り入れながらも、いろいろと言いわけをし」たなどと、業界誌である『原子力工業』の記事でも批判されていた。

この時点で、発電所敷地内に断層破砕帯が存在する点が既に憂慮の対象になっており、再提出された設置許可申請でもH断層系として一部が呼称を与えられている。

このH断層系は1~3号機の建屋をかすめている。

この件は静岡大学助教授(当時)の小村浩夫が1981年7月に発表した論文で紹介され、原発から8km以内周辺には8本の活断層が知られており、ほかに3本のリニアメント(活断層の疑いがある)があるが、そのうち2本が原発敷地内を走っている(以上、ウィキペディア百科事典より)。


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【資料4】

 政府が中部電力に浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止を要請したことを受け、同原発の地元、御前崎市の石原茂雄市長は7日朝、市役所内で緊急会見を開いた。

石原市長は「国が原子力を危険・不安と思うのであれば、浜岡原発だけではなく、全ての原発を見直すべきだ」と述べ、政府の判断を改めて批判した。

 石原市長は「国策として進めてきた原発を、国が止めるというのであれば、重く受け止めないといけない」とした上で、「地元は苦渋の判断で原発を受け入れてきた。

まさか、ここまで止める問題が急激に来るとは思わなかった」と、政府の突然の発表に驚きを隠さなかった以上、。

(中略)

 全面停止後の見通しについては「防潮堤が2年間で完成するかという問題もある」として、停止期間が2年以上になることへの懸念を示した。

また地元経済に与える影響について「雇用や地元商店街に大きな影響が出てくることは間違いない」と述べた以上、(以上、日本経済新聞、5月7日)。


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●安全が確保されるまでの停止

 福島第一原発事故を受け、全国で原発見直しの動きが見られる。
当然のことである。
それを受けて、静岡県御前崎市にある中部電力御前崎原子力発電所も、安全点検の
対象となった。
当然のことである。
その結果、「津波に対する防御態勢が十分でない」ということが判明した。

 それに対して、中部電力側は、『12日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)に新設予定の防波壁の高さを、従来想定していた12メートル超から、15メートル超に引き上げる方針を明らかにした』(World Note Site)。

 が、その工事が完成するまでに、2~3年もかかる。
しかしその一方で、東海沖地震については、「30年以内にマグニチュード(M)8程度の地震が発生する可能性が87%という数字も示されている」(同、サイト)。

 平たく言えば、今回の3・11大震災級の大地震が、今後30年以内に87%の確率で起こるという。
もちろんそれなりの大津波も予想される。
「87%」という数字は、「ほぼ確実に……」という数字である。

 で、常識のある人なら、こう考える。
「安全が確保されるまで、原子力発電所は、停止すべし」と。

 少なくとも防波壁が完成するまで停止すべし。
あるいは福島第一原発事故が、収束するまで停止すべし、と。
常識のある人なら、そう考える。

 が、御前崎市の石原市長は、そうは考えない。
「不快表明」をしたあと、こう述べている。
もう一度、この部分をよく読んでみてほしい。

「国が原子力を危険・不安と思うのであれば、浜岡原発だけではなく、全ての原発を見直すべきだ」と。

●論理的非論理

 あなたの子どもが、こう言ったとする。
「ママ、ジュース、買ってよ」と。
それに対して母親が、「今日はがまんしなさい」とたしなめたとする。
が、ここでその子どもが、こう言い返す。

「お兄ちゃんだって、買ってもらったじゃないか!」と。

 よく耳にする会話である。
子どもは不平等性を理由に、自分の主張の正当性を母親に訴える。

 が、こんな会話ならどうだろうか。

 あなたが子どもに、こう言ったとする。
「道路で、自転車に乗ってはいけません。まだあなたはうまく自転車に乗れないからね」と。
が、子どもはその子どもは、こう言い返す。

「道路が危険なら、お兄ちゃんだって、乗るべきではない。
お兄ちゃんも、やめさせろ!」と。

 こういうのを非論理的論理という。
論理的非論理でもよい。
一見、論理的だが、論理的ではない。
わかりやすく言えば、「ダダ」。
御前崎市長は、そのダダをこねた。
理由は、「お金(マネー)」(?)。

●御前崎市

 20代、30代のこと、私は子どもたちを連れて、よく御前崎市までドライブした。
その季節になると、サザエなどを、安く買うことができた。
車で、2時間ほど、かかった。

当時の1号機建設時には、原子炉建屋から最寄民家までの最低距離は、700メートル。
半径5キロメートル以内の人口は約1万7000人、10キロメートル以内は約6万人であった(ウィキペディア百科事典)。

 が、それから30年。
御前崎市は一変した。
人口も3万8000人弱にふえた。
「バイパス」と現地の人たちは読んでいるが、都会にもないような4車線の道路(150号線)が、走っている。
もちろん昔の面影は、どこにもない。

当時は、砂ぼこりが舞うような田舎道だった。
御前崎市は、丘を登った、丘陵地帯にあった。
やっとさがしあてた食堂にしても、吹きさらしの板間だった。
今は、ちがう。
どうちがうかは、行ってみればわかる。

 今回の福島第一原発事故に関して、どこかの市長が、「3700億円」という数字をあげたのを記憶している。
「原発の経済効果は、毎年、3700億円もある」と。

 おそらく……というより、ほぼまちがいなく、御前崎市にも、その程度、あるいはそれ以上の現金が、毎年投下されているにちがいない。
だから御前崎市市長は、こう言った。

「雇用や地元商店街に大きな影響が出てくることは間違いない」と。

 言い換えると、石原市長は、原発推進派の市長として、原子力発電所のもつ経済効果を長く利用してきたことになる。
仮に3700億円としても、半端な金額ではない。
もし浜岡原子炉が停止ということにでもなれば、御前崎市は、巨大な利権を失うことになる。
非論理的論理(ダダ)であるにせよ、石原市長は、思わず本音を漏らしたことになる。

●それでも原発?

 福島第一原発事故の話に戻る。

 現在、福島第一原発周辺の市町村は、ゴーストタウン化している。
その地域に住んでいた住人の人たちの多くは、「早くもとの家に戻りたい」「もとどおりにしてほしい」と言っている。

 しかし現実問題として、チェルノブイリ事故の例をあげるまでもなく、それは現段階においてはほぼ不可能。
「ほぼ」という文字をはずしてもよい。
むしろ事態は、日に日に悪化している。
福島第一原発の原子炉は、まさにいつ爆発してもおかしくない状態。
もしそうなれば、「それどころではない」という状態になる。

 またよく広島を例にあげて、「福島も復興する」と主張する人がいる。
しかし放射性物質の量では、広島の原爆など、比較にならない。
規模、そのものが、ちがう。
チェルノブイリと比較しても、福島第一原発の原子炉は、世界最大級。
もしそんな原子炉が爆発したら、チェルノブイリの約25倍もの放射性物質が、周辺に飛散することになる(この「25倍」という数字は、私の試算による。疑う人は、自分で試算してみたらよい)。

 が、それでもこんな意見があるのには、驚かされる。
福島第一原発の近くの町に住む住人は、テレビのインタビューに答えて、こう述べていた。
「それでも原発は必要です」「私たちはそれで生活していましたから」と。

 御前崎市市長も、同じような気持ちかもしれない。
「危ないことは、よくわかっている。しかし原発は、市の発展のために必要」と。

 が、もしつぎのような事実を知ったら、御前崎市市長というより、この浜松市に住む人たちの気持ちも変わるのではないか(出典は、「ウィキペディア百科事典」)。
なおこの事実の中で、2001年以後、事故数が急速にふえているのには、2つの理由があるものと推理される。

(1)それ以前は、事故があっても闇から闇へと、葬られた。
(2)2001年以後、検査が厳格になり、事故が公表されるようになった。

 けっして以前は安全だったというふうに考えてはいけない。
データの改ざんは、日常的に行われていた。
そうのことは記録をていねいに読めば、わかるはず。

●御前崎原子力発電所関連の事故

★1991年4月4日ー3号機 原子炉給水量が低下、自動停止
★2001年11月7日ー1号機 配管破断事故
★2001年11月9日ー1号機 原子炉水漏洩事故
★2002年ー自主点検の書類に16箇所の記入ミス、ひび割れの兆候を見つけるも県へ報告せず
★2002年5月24日ー2号機 点検用水抜き配管水漏れ
★2004年2月21日ー2号機 タービン建屋屋上にて火災
★2004年8月ー4号機 骨材データ偽造問題(別項で詳述)
★2005年11月4日ー1号機 配管水漏れ事故
★2005年11月16日ー3号機 屋外配管の腐食による蒸気漏れ
☆2005年11月16日ー1号機 燃料プールに異物混入
★2006年6月ー5号機タービン羽根破損
★2007年3月ー不正行為やミスが計14件あったことを中部電力が発表など
★2009年4月13日ー3-5号機のデータ改竄問題で、542個所の溶接後の熱処理を行ったうち5号機の94個所の作業を実際に改竄した作業員が担当していたことが判明し、県に報告するとともに早急に安全性を確認することとしている。
☆2009年8月11日ー駿河湾沖を震源とする地震の発生に伴い、4号機と5号機が緊急停止(放射能漏れは無し)
★2009年8月19日ー8月11日の地震で点検停止中の5号機排気筒排ガスからごく微量のヨウ素131を検出。モニタリングポストに変化はなく、外部への放射能の影響はなし
★2009年12月ー3号機で放射性廃液が漏れる事故があり、作業員34人が被曝したことが分かった

●御前崎原子力発電所は、停止すべし

 以上のことから、あえて、かつ改めて、私はこう主張する。

「御前崎原子力発電所は、ただちに永久停止すべし」と。

 もしそれでもよいと考えるなら、またそういうふうに考える人がいるなら、これだけは覚悟しておくとよい。

 もし御前崎原子力発電所が深刻な事故を起こし、この浜松市が避難地域に指定されても、文句は言わないこと、と。

(補記)管直人首相は、東名高速道路や、東京への影響、さらには新幹線への影響を理由に、御前崎原子力発電所の停止を要請した。
どうして人口80万人もいる、この浜松市という名前が、そこに出てこなかったのか。
浜松市に住む住人の1人として、たいへん不満である。
「東京に住む人だけが、日本人ではないぞ!」と。


(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 御前崎原子力発電所 停止 賛成)


Hiroshi Hayashi+++++++May. 2011++++++はやし浩司・林浩司

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