2011年10月30日日曜日

*Let's put this matter into Internationa Legal Court

●今日の雑感・あれこれ(はやし浩司 2011-10-30)

●セシウムの量

 福島第一原発の事故が起きた直後のこと。
私は原発付近の風の方向を調べた。
そのサイトを見つけるのに苦労した記憶がある。
が、やがて日本地図に、矢印が記されたサイトを見つけた。
それを見て、まず、ほっとした。
矢印、つまり風の方向が、海のほうに向いていた。

 その翌日も、そうだった。
その翌々日もそうだった。
ずっとそうだった。
当時はまだ気圧配置が冬型で、風は西から東に吹いていた。

 だから私は当時の日記に、こう書いた。

「日本は、風に守られた」と。
事実、その通りだった。

 このたび、フランス政府は、空中にただよう放射性物質の量から、つぎのような計算をした。

++++++++++以下、TBSーi(10・29)+++++++++++

 フランスの放射線防護原子力安全研究所は、福島第一原発から海に流出したセシウム137の総量がおよそ2.71京ベクレルにのぼるという推計を発表しました。
東京電力は4月下旬の発表で福島第一原発から流出したセシウム137の放射能の総量を940兆ベクレルと推計していましたが、今回発表された数値はその30倍近くに相当します。
報告書は海に流出した放射性物質の量としては過去最大としています。

++++++++++以上、TBSーi(10/29)+++++++++++

 2.71京ベクレルと聞いても、ピンとこない。
放射線の世界は、単位がメチャメチャ。
メチャメチャだが、「東京電力の発表の30倍」という点については、へんに納得できる。
当初、あの連中は、ウソばかりついていた。

 が、やはり日本は、風に守られた。
もしそれだけの量が、仮に30分の1であっても、東、もしくは南に向かっていたら、東京はもちろん、この浜松市だって、人が住めなくなっていたかもしれない。
「海に流れたからよかった」というわけではない。
しかしなぜ原子力発電所が、海の近くに設置したかといえば、そうしたことも念頭に置いてのことではなかったのか?

 だれもはっきりと言わない。
しかし本音を言えば、こうだ。
「万が一のときは、海へ流しましょう」と。
それが暗黙の了解事項になっていたことは、じゅうぶん、推察される。

 それにしても、2.71京ベクレルとは!
さっそく、チェルノブイリ事故のときの数値と見比べてみる。

++++++++++++以下、Nikkan Sportより+++++++++++

東京電力福島第1原発事故に伴う放射性セシウムの放出量は、日本の原子力安全委員会による推計の3倍近くに達し、チェルノブイリ原発事故の4割を超すとの論文をノルウェーの研究者らが27日までにまとめた。

大気物理学の専門誌に投稿され、結果が妥当かどうか専門家らが検証している。

 研究チームは、日本国内のデータや、核実験を監視するために世界中に設置された観測網を利用し、事故発生から4月20日までに大気中に放出されたセシウム137は約3万6000テラベクレル(テラは1兆)と推計。

原子力安全委員会は8月、全ての放射性物質57万テラベクレルのうち約1万1000テラベクレルをセシウム137が占めると推計しており、これを大幅に上回った。

チェルノブイリの放出量は8万5000テラベクレル。

 放出量の19%が国内に、残りの大部分は海に落ちたとみている。

 また、日本政府の見方とは異なり、4号機の使用済み燃料プールから大量の放射性物質が漏れたとの見解を示した。その理由として、4号機に放水を始めた直後から、放射性物質の量が大幅に減ったことを挙げた。

++++++++++++以下、Nikkan Sportより+++++++++++

●チェルノブイリは、8万5000テラベクレル

 チェルノブイリ原発の事故では、8万5000テラベクレルの放射性物質が放出されたという。

 福島第一原発事故では、2.71京ベクレルだったという(フランスの放射線防護原子力安全研究所)。

 ……ア~ア、またまた「単位」の問題。

8万5000テラベクレル=8万5000x10の12乗=8万5000x1兆。
つまり
85000000000000000。

2・71京ベクレル=2・71x10の16乗x1億x1億
つまり
27100000000000000。

 これら2つの数字を並べてみる。
85000000000000000(チェルノブイリ)
27100000000000000(福島第一原発)

 最近、頭がボケてきたせいか、こうした計算ではよくミスを犯す。
もう一度、しっかりと計算しなおしてみる。

まちがいない……ということは、福島第一原発では、チェルノブイリ原発の事故の、約3分の1の放射線が放出されたということになる。
これからの人的被害がそれに比例するとは思わないが、相当の被害が出るのは確実。
チェルノブイリと福島(東北地方)とでは、人口密度、そのものがちがう。
(もちろん東北地方のほうが、人口密度が高い。)
それを考慮に入れると、たとえ「19%」(Nikkan Sport)ではあっても、たいへんな量ということになる。

 今からでも遅くないから、福島県の人たちを、全員、強制退去させるべきと、私は考える。

●「バカなやつ」発言

 韓国紙は、つぎのような報道を繰り返している(東亞日報ほか)。

いわく『19日、読売新聞など日本のマスコミによると、平野逹男復興相は18日夜、福島県二本松市で行われた民主党参議院研修会で、「津波当時、(私の)高校の同級生のように、逃げずに死んだバカなやつがいる」と話した。
まるで大震災の時、逃げられず津波に巻き込まれて死んだ人々がバカだという意味に受け止められかねない軽率な発言だった』と。

 しかし、本当にそうか?

 韓国人だから、日本語の微妙な表現までは、理解できなかったらしい。
このばあい、バカだらか、「バカ」と言ったのではない。
「とても残念だ」という意味で、「バカ」と言った。
また発言をよく読むと、こうある。
「逃げずに死んだバカなやつがいる」と。

 逃げようと思えば、逃げられらのに、逃げなかった、と。
理由はよくわからないが、平野逹男復興相は、それを「バカ」と言った。
死んだ人を、「バカ」と言ったのではない。

 似たような表現は、日本語のあちこちに見られる。
「ぼくはバカを見たよ」とか、「彼はバカ正直だよ」とか。
韓国紙としては、日本の世論を混乱させたかったのかもしれない。
しかしこれは不発に終わった。

 韓国のみなさん、もう日本のことは、放っておいてほしい。
あなたがたは、あなたがたとして、どうか未来に向かって進んでほしい。
ああでもないこうでもないと、過去ばかりほじくり返して、どうなる?
過去だけではない、日本の政治家の発言までほじくり返して、どうなる?
ああ、いやだ!

●竹島問題

 数学の問題でも、答のある問題を解くのは簡単。
しかし「この問題は解けません」ということを証明するのは、至難の業。

 私が中学生のとき、数学の先生が、こう教えてくれた。
「コンパスと定規だけを使って、5角形を描いてみなさい」と。

 そこで私は数日間、悪戦苦闘した。
そしてその先生にこう言った。
「コンパスと定規だけでは、5角形を描くことはできません」と。

 するといつもはやさしい顔の先生だったが、顔を真っ赤にして、こう言った。

「だったら林君、描くことができないということを証明してみせなさい」と。

 で、それからさらに何日か悪戦苦闘した。
結局私は五角形を描くことができなかった。
「五角形を描くことはできない」ということを証明することは、さらにできなかった。
 
 先生にそれを話すと、そのあと先生は、コンパスと定規を巧みに使って、五角形を描いて見せてくれた。

 ……この話と、「竹島問題」は、どうつながるか。

 産経新聞によれば、『東京都教職員組合(都教組)が今夏の中学校教科書採択にあたり、教員向けに各教科書を比較検討した資料の中で、日本固有の領土である竹島について「日本領と言える歴史的な根拠はない」と、日本政府の見解を否定していたことが27日、分かった』と。

 その上で『竹島は尖閣諸島や北方四島と違い、「日本固有の領土」と言える歴史的な根拠はない』と断定している。

 が、これはおかしい。
つまりこの東京都教職員組合の論理はおかしい。

 先の数学の問題を思い浮かべてみてほしい。

 「日本の領土であると証明できる根拠はない」。
だから「日本の領土ではない」と。
つまり「証明できないから、日本の根拠はない」と。

 これは自分の能力を棚に上げ、「五角形を描くことができなかったから、五角形を描く方法はありません」と言った、あのときの私の論理と同じ。

 韓国側は、この記述に大喜び。
「日本は自ら、竹島(独島)を韓国の領土であると認めた」と。

 さらに和田春樹東京大学名誉教授は、つぎのように発言している。
なお和田春樹氏は、私が学生時代の政治学の恩師でもある。

 『日本政府は慰安婦問題について1965年の日韓請求権協定で解決済みとの主張を繰り返しているが、これでは韓国政府が求める外交交渉を拒否できない」と指摘。
続けて「独島問題は日韓関係に致命的な悪影響を与えている」として「慰安婦問題と共に議論し解決方案を探す必要がある」と主張した』(2チャンネル・政治速報)と。

 和田春樹氏は、当時、週に何日か金沢大学やって来て、教壇に立っていた。
70年安保の真っ最中。
左翼系の教授として知られていた。

 この発言をとらえて、これまた韓国側は大喜び。
もっとも和田春樹氏は、「竹島が韓国のもの」とは言っていない。
それはわかるが、しかしこれも先の数学の問題とからんでくる。

 ならば、韓国側が、「竹島は韓国の領土である」と証明してみせればよい。
あるいはそれができるのか?
韓国側はどうなのか?
韓国側にしても、『「韓国固有の領土」と言える歴史的な根拠はない』のではないのか?

日本側はかねてより何度も、国際司法裁判所で判断してもらおうと提案している。
それを拒否し、一方的に、つまりなし崩し的に既成事実化しようとしているのは、韓国側。
そういう現実を忘れ、「日本の領土であるという証明はできない」「だから日本の領土ではない」「つまり韓国の領土である」という論法は、数学的に考えても、メチャメチャ。

 「日本の領土ではない」と証明するのは、至難の業。
「この数学の問題は解けません」というのを証明するのと同じ。

だからこそ、双方は、「私たちの領土です」という証拠を出し合って、議論をする。
それが正攻法というものではないのか。
それを裁定するのが、国際司法裁判所ということになる。

 さらに一言、付け加える。

 東京都教職員組合は、つぎのように述べている(産経新聞)。

 『……もし、この記述通り『竹島は日本固有の領土』『韓国が不法に占拠』という政府の一方的な見解を学校で教えることになれば、『感情的なナショナリズム』を子供たちに植えつけることにもなりかねない』と。

 あのね、ゼンゼンわかっていない。
感情的なナショナリズムで沸き立っているのは、韓国側。
言うべき相手がちがう。

 自分の家が泥棒に占拠された。
それを自分の息子たちの知らせると、息子たちが怒るかもしれない。
だから怒らせないよう、ここは黙っていよう、と。
私にはそんなふうに聞こえる。

 なお韓国側は、竹島で、ファッションショーまで開いている。

TBSーiは、つぎのように伝えている。

 「日韓両国が領有権を主張する竹島で韓国のデザイナーがファッションショーを開きました。
 28日、竹島で開かれたのは韓国のデザイナーによるファッションショーです。竹島の領有権を主張する韓国の財団などが主催したもので、40人あまりのモデルが伝統的な韓国の民族衣装に身を包み、およそ1時間にわたって行われました』と。


Hiroshi Hayashi++++++Oct. 2011++++++はやし浩司・林浩司

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