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子育て最前線の育児論byはやし浩司 2011年 1月 24日
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メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!
【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【変化する日本語】
●子どもたちの日本語
++++++++++++++
10年単位で、子どもたちの
使う日本語が大きく変化する。
そのつど、「アレッ!」と思う。
で、最近、気になるのは、2語言葉。
たいていのことを、2語だけで
表現しようとする。
基本的に、形容詞から「~い」を
省略する。
「寒い」は「サム」となる。
ほかに・・・。
++++++++++++++
●2語言葉
キモ・・・気持ち悪い
ウザ・・・うざい(うるさい)
ダサ・・・ださい
エロ・・・変態
カタ・・・固い
ヤワ・・・やわらかい
ウマ・・・うまい
チョウ・・・(超)たいへん
スゴ・・・すごい
ヤバ・・・やばい
クサ・・・臭い
マジ・・・本当に?
アツ・・・熱い
サム・・・寒い
アマ・・・甘い
カラ・・・からい
イタ・・・痛い
やがて日本人は、こういう会話をするようになる。
A「あれ、ダサ!」
B「マジ、ダサ!」
A「スゴ、ヤバ!」
B「マジ・・・エロくねえ?」
A「チョウ、エロ!」と。
さらに気になるのは、ネット用語。
今朝も私のYOUTUBEにコメントが入っていた。
「ダコ」と。
意味はわからないが、かなりけなした言葉であることはわかる。
若者たち、とくにネットユーザーたちにしかわからない用語も多い。
●変化
少し前、こんな原稿を書いたことがある。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●「先生は、S? それともM?」
+++++++++++++++++
中学生のSさんが、突然、私にこう
聞いた。
「先生、先生は、S? それとも
M?」と。
ギョッとした。が、そこはとぼけて、
「服はみんな、Mサイズだよ。下着は
Sかな?」と。
が、その子どもの方が一枚、上手だった。
するとSさんは、「そうじゃないわよ。
先生は、サド? それともマゾ?」と。
+++++++++++++++++
学生言葉というのがある。学生しか通じない言葉である。あとで以前、それについて書
いた原稿を添付しておくが、今度は、「SとM」。
そこでSさんに、話を聞くと、こう教えてくれた。
「いじめる側に回って、いじめるのが好きな人を、Sというのよ。反対に、いじめられ
る側に回って、いじめられるのを楽しむ人を、Mというのよ」と。
私「いじめられて楽しい人なんているの?」
S「いるわよ。そういう趣味の人も」
私「それはおかしいよ。趣味だなんて……」
S「いじめられる側って、結構、気楽なものよ」
私「あのねえ、そういう考え方をするバカがいるから、いじめの問題は、いつまでもつづ
くんだよ」と。
しかしサドとか、マゾとか、そういう言葉が、中学生の子どもの口から出てくるとは、
想像もしていなかった。ホント!
Hiroshi Hayashi+++++++++++はやし浩司
●子どもの心をつかむために
あなたは子どもの世界(小学生)を、どれほど知っているだろうか。つぎの言葉の中で、
意味を説明できるのが、いくつあるか、答えてみてほしい。
●アブトロニック
●ムッチョ
●ホグワーツのグリフィンドール
●マッチョ(流行語)
●ブルーアイズ、アルティミッドドラゴン
●かごちゃん、つじちゃん、ごっちん、なっち
●SAKURAドロップ
●桃色の片思い
8問のうち、5~6問までわかれば、あなたはすばらしい親と考えてよい。子どもの心
をしっかりと、つかんでいる。
正解は、つぎ。
○アブトロニック……10分で腹筋を600回、振動する美用具、19800円
○ムッチョ……筋肉モリモリ、「ムキムキマッチョ」……筋肉モリモリの人。
○ハリーポッターの通う全寮制の学校と、宿舎名
○マッチョ……筋肉モリモリ(ムッチョの最近の言葉)
○遊戯王の裏ワザ……ブルーアイズ・ホワイトドラゴンが三枚と、アルティミッドドラゴ
ンが一枚。それと融合カードが一枚で、ブルーアイズ・ホワイトドラゴンが降臨する。
○モーニング娘の、かごちゃん、つじちゃん、ごっちん、なっち
○宇多田ひかるの「SAKURAドロップ」
○松浦あやの「桃色の片思い」
あなたも一度、子どもの前で、こう言ってみたらどうだろう。「あのね、ブルーアイズ・
ホワイトドラゴンが三枚と、アルティミッドドラゴンが一枚。それと融合カードが一枚で、
ブルーアイズ・ホワイトドラゴンが降臨するんだってね。あなた知っている?」と。
あなたの子どもは目を白黒させて、あなたを尊敬するようになるだろう。一度、試して
みてほしい。女子だったら、「私、かごちゃん、つじちゃん、ごっちん、なっちの中で、
やっぱりかごちゃんが一番、すてきだと思うわ」と。コツは、さりげなく、サラリと子
どもの前で言うこと。
●子どもの言葉
●子どもの言語能力(Language Ability of Children)
What is the difference between men and apes? T. Sawaguchi says it is the difference
between men who has language ability and the apes which do not have language abilit
y.
It means to improve the language ability is an essential part of education, especially
when the boys or girls are at the proper age for the education.
++++++++++++++++
ついでに……、
澤口俊之氏は、「言語能力こそが重要」
と説く(「したたかな脳」日本文芸社)。
私も、そう思う。
++++++++++++++++
澤口俊之氏は、「言語能力こそが重要」と説く(「したたかな脳」日本文芸社)。
私も、そう思う。
言語能力のあるなしで、その人の知性が決まる。「ヒトとサルの違いは、この言語能力の
あるなしである」(同書)という。
私も、そう思う。
つまりその言語能力を喪失したら、ヒトは、ヒトでなくなってしまう。ただのサルにな
ってしまう。
が、最近、その言語能力のない人が、ふえてきた。いろいろな原因が考えられているが、
要するに、人間、なかんずく日本人が、それだけ「バカ」(養老孟子)になってきたという
ことか。
先日も、コンビニで立ってレジがすむのを待っていたら、前に立っていた母親が、自分
の子どもに向かって、こう叫んでいたという。
「テメエ、騒ぐと、ぶっ殺されるぞオ!」と。
これは、ある小学校の校長先生が話してくれたエピソードである。服装や、かっこうは
ともかくも、その母親の頭の中は、サル同然ということになる。
つまりは思考能力ということになるのだろうが、それを決定づけているのが、大脳の中
でも前頭連合野である。最近の研究によれば、この前頭連合野が、「人格、理性と深いかか
わりがあることがわかってきました」(同書、P34)という。
その前頭連合野の発達のカギを握るのが、ここでいう言語能力である。しかもその発達
時期には、「適齢期」というものがある。言語能力は、ある時期に発達し始め、そしてある
時期がくると、発達を停止してしまう。「停止」という言い方には語弊があるが、ともかく
も、ある時期に、適切にその能力を伸ばさないと、それ以後、伸びるといことは、あまり
ない。
それを「適齢期」という。
私の経験では、子どもの、論理的な思考能力が急速に発達し始めるのは、満4・5歳か
ら5・5歳と、わかっている。この時期に、適切な指導をすれば、子どもは、論理的に考
えることができる子どもになるし、そうでなければ、そうでない。
この時期を逸して、たとえば小学2年生や3年生になってから、それに気がついても、
もう遅い。遅いというより、その子どものものの考え方として、定着してしまう。一度、
定着した思考プロセスを修正、訂正するのは、容易なことではない。
で、言語能力については、何歳から何歳までということは、私にはわからない。わから
ないが、その基礎は、言葉の発達とともに、小学生のころから、大学生のころまでに完成
されるのではないか。
この時期までに、ものを考え、言語として、それを表現する。そういう能力を養ってお
く必要がある。
澤口氏は、「日本人の脳の未熟化が進んでいる」(同書、P130)と、警告しているが、
このことは、決して笑いごとではすまされない。
(はやし浩司 言語能力 大脳 前頭連合野 適齢期 したたかな脳)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●ツイッター
ネット・サービスのひとつに、「ツイッター」というのがある。
「つぶやき」という意味である。
参加者は、一行程度の言葉を書き込む。
それに応えて別のだれかが、やはり一行程度の言葉を書き込む。
言うなれば、文字による一口会話。
それが無限の連鎖をともなって、どんどんと広がっていく。
そんなサービスだが、社会的な影響力となると、計り知れない。
最近では、政治そのものを動かすほどの力をもつまでになった。
「2チャンネル」というサービスもある。
似たようなサービスだが、2チャンネルというのは、テーマ別。
それについて意見を書くことによって、ズラズラと書き込みが連なっていく。
それはともかくとして、つまりツイッターにせよ、2チャンネルにせよ、
文化か文化でないかということになると、答は「NO!」。
恐ろしく無の世界。
虚無の世界と言ってもよい。
言葉としての、価値は、ゼロ。
幼児がだれかに、「バカ」と言うのと同じ。
言うなれば、虚無の世界だけが、不気味に広がりつつある。
●英語をやめて、論語?
ところで昨日、書店で文藝春秋を立ち読みした。
その中に、こんなアーティクル(記事)が載っていた。
「英語教育は不要。代わりに論語を教えろ」と。
2人の学者の対談形式のアーティクルだった。
が、どこかおかしい?
(1)仕事で英語を使っている人は、20%前後(記憶)。
だから全員に英語教育をする必要はない。
(2)会社の社内で、英語を公用語としている会社がある。
そういう会社は、やがてつぶれる。
一生懸命そういう会社を応援しよう。
そしてつぶれるのを待って、他山の石としよう。
(3)イギリスでは、全員英語を話せる。
そのイギリスが今、どういう国かを知れば、英語教育の無駄がわかるはず。
(4)日本語も満足に話せないのに、何が英語教育か、と。
そしてここで英語教育と論語教育をバーター(交換取り引き)。
「学校では論語を教えろ」と。
どうして英語と論語が、バーター?
(1)中学校の教科書で漢文のページが2ページしかないのはおかしい(記憶)。
(2)論語のすばらしさを、教えるべき、と。
中国では、孔子信仰と言って、孔子そのものが、日本でいう宗教団体の対象に
なっている。
思想的にもすぐれているかもしれないが、「学校で聖書を教えろ」というぐらい、
微妙な問題を含んでいる。
どうして今、論語なのか。
それについては、たびたび書いてきたのでここでは省略する。
話は逆。
日本の英語教育は、30年は後れた。
だからこの先、日本はますます国際化の波に乗れず、没落していく。
一読して、「何を今さら」という印象をもった。
それに日本語が変化し、ますますだらしなくなっているのは、英語教育が
始まったからではない。
論語教育をしなかったからでもない。
日本語そのものがもつ、多様性というか、未熟性に起因する。
10年単位で、若者たちが使う日本語を追いかけてみると、それがよくわかる。
それともあなたは、明治時代(たった100年前)に書かれた文章を、スラスラと
読むことができるだろうか。
文藝春秋で対談した両氏には悪いが、あまりにも常識外れな論法。
ちなみにオーストラリアのグラマースクールでは、中1レベルで、外国語として、
中国語、日本語、インドネシア語、ドイツ語、フランス語から選択学習できる。
もちろんラテン語を教えているところもある。
もし両氏の論法が正しいとするなら、両氏は世界に向けて、こう言えばよい。
「みなさん、日本語を勉強するのは、やめなさい。
勉強しても無駄になりますよ。
どうせ今後、没落していきます。
その代わり、中国語、なかんずく論語を勉強しなさい」と。
暴論と言うことは、よくわかっている。
しかし文藝春秋を読んで、私はそう感じた。
「世に暴論、数々あれど、暴論というのがどういうものか知りたかったら、文藝春秋
の今月発売後を読んでみたらよい」と。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司
BW はやし浩司 英語教育 論語教育 文藝春秋 変化する日本語)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
【参考】(2005,6年ごろに書いた原稿)
++++++++++++++++
たしかに、日本語が乱れている。
それはわかる。しかし……。
いろいろ議論されているが、どれも
どこか的をはずれているようにも、
感ずる。
本当に、日本語は乱れているのか?
+++++++++++++++++
中学生レベルの国語力しかない学生が、国立大で …… 6%
4年生私立大で ……20%
短大で ……35%
「大学生の日本語力が低下し、中学生レベルの国語力しかない学生が国立大で6%、四年
制私立大で20%、短大では35%にのぼることがわかった」というのだ。
調査したのは、独立行政法人「メディア教育開発センター」(千葉市)のON教授(コミュ
ニケーション科学)ら。(注……04年度に入学した33大学・短大の学生約1万3000
人を対象に、中1から高3相当の問題を盛り込んだテストを行い、02年度に中高生に実
施したテスト結果と照らし合わせて、レベルを判定したという。)
たとえば「憂える」の意味を「喜ぶ」と思いこんでいる学生が多いなど、外国人留学生よ
り劣る実態で、授業に支障が出るケースもあるという。同教授は「入学後の日本語のリメ
ディアル(やり直し)教育が必要」と指摘する。
その結果、中学生レベルと判定された学生は、5年前に行われた調査と比較して、国立大
が0・3%から6%、私立大が6・8%から20%、短大が18・7%から35%と、数
年間で大きく増加していることが分かったという。
Yahoo・ニュースは、「テストでは『憂える』の意味を問う設問で、『中学生レベル」』
と判定された学生の3人に2人が『うれしい』に音感が近いためか『喜ぶ』を選択。『大学
生レベル』とされた学生の中でも正答率は50%にとどまり、文字通り“憂える”結果となっ
た」と伝えている。
【問題の例】
☆露骨に
(1)ためらいがちに (0%)
(2)おおげさに (83.3%)
〔3〕あらわに (16.7%)
(4)下品に (0%)
(5)ひそかに (0%)
☆憂える
(1)うとましく思う (16.7%)
(2)たじろぐ (0%)
(3)喜ぶ (66.7%)
〔4〕心配する (0%)
(5)進歩する (16.7%)
☆懐柔する
(1)賄賂をもらう (50.0%)
(2)気持ちを落ち着ける(33.3%)
(3)優しくいたわる (16.7%)
〔4〕手なずける (0%)
(5)抱きしめる (0%)
(カッコ内は中学生レベルと判定された学生が回答した割合、〔 〕数字が正解)
*小数点計算で合計は必ずしも100にならない
(以上、Yahoo ニュースより)
私も、最近の子どもたちが口にする日本語には、かなり問題があると考えている。しか
しそれは、個々の言葉の使われ方にあるのではなく、文全体として、問題があると考えて
いる。数日前にも、それについて書いた。「先生、終わったら、どうするのですか?」と言
った子どもがいたので、私は、こう答えてやった。
「先生は、まだ終わらない。元気でピンピンしている。先生が終わったら、葬式でもして
くれればいい」と。
こうした言い方の代表的なもののひとつに、「先生、オシッコ!」というのがある。「ト
イレへ行きたい」と言うべきときでも、子どもたちは、「先生、オシッコ!」と言う。だか
ら、すかさず、私は、こう言う。「私は、オシッコではない。人間だア!」と。
で、最初の話題。つまり国語力。
「日本の論点」(04)は、「国語に関する世論調査」(04)の結果について、報告して
いる。そして「誤った敬語を含む例文を、正しいと思う人が目立つ」と。
たとえば……
「先ほど、中村さんがお話しされたように、この本は、とても役にたちます」(まちがい)
→正しくは「お話しになったように」
「先生が、お見えになります」(まちがい)→正しくは「先生が、見えます」
「ご乗車できません」(まちがい)→正しくは「ご乗車になれません」
しかしこうした議論を一巡すると、つまり、あれこれ議論をしつくすと、そこに、ふと、
こんな疑念がわいてくる。つまり、これは国語力の問題ではなく、日本語そのものがもつ、
欠陥(けっかん)ではないか、と。
たとえば英語で、「I go to Tokyo.」は、
「私、東京、行く」
「東京、私、行く」
「東京、行く、私」と、どんな言い方をしても、意味が通じてしまう。私が住む浜松市
では、こうした言葉の間に、(ジャン)(ダニ)を入れる。たとえば、「私、東京、行く」は、
「私、東京、行くジャン」と。
こうした言葉としての欠陥は、100年単位でみると、さらによくわかる。この日本で
は、たった100年前に書かれた文章ですら、辞書なしでは、理解することができない。
200年前、300年前の文章となると、さらに、そうである。
流動的というよりも、言葉としての一貫性が、まだ確立されていない。だから今の今も、
日本語は、乱れつづけている。
で、問題は、それが悪いことなのかどうかということ。最近では、コンビニ言葉につづ
いて、オタク言葉、さらにはネット言葉というのも、生まれている。そしてそういう言葉
が、表に出てきて、日常会話の中でも使われるようになってきている。
ためしに中学生たちが話している会話に、そっと耳を傾けてみるとよい。多分、あなた
は、彼らが、何を話しているか、その意味すらわからないのではないだろうか。たとえば、
彼らは、こんな話し方をする。
「私、あいつにコクられて、いやだった。だって、フタマタよ。それをXXのヤツ、チク
ってね。あとは、シュラバ。私には、ラブな人、ちゃんといるのよ。私、マッチョは嫌い。
腹筋が、8つに分かれている男なんて、サイテー。頭にきたから、デニルしてね。あとは、
シカト……」と。
ついでに、若い人たちの間で、よく使われる言葉について、調べてみた。私が中学生た
ちから、直接、聞き取り調査したものである。
コクル……告白する。
デニル……デニーズ(レストラン)に行く。
マクル……マクドナルドに行く。
カリパク……借りたあと、返さないで、もっていること。
パクル……盗む。
シュラバ……自分のまずいところを見られること。
フタマタ……浮気のこと。二人の異性とつきあうこと。
チクル……告げ口をする。
パシリ……下っ端のこと。子分的な人のこと。
アリガチ……ありえること。
シカト……無視する。
ラブな人……好きな人。
A(エイ)……手を握るつぎの段階。(つぎに、B、Cへと進む。)
マッチョ……筋肉質の人。
もっとも、今の若い人たちは、日常的に、そういう言葉、つまり、「テメエ、殺すぞ」
式の言葉を使っている。ドキッとする言い方だが、これも、ごく日常的な言い方で、特別
な言い方ではない。が、その一方で、旧来型の日本語を知らないからといって、国語力が
落ちていると判断するのも、どうかと思う。
つまり言葉というのは、いつも大衆が先導して決めるもの。そしてその大衆は、いつも、
若い世代によって、先導される。つまり一部の学者が、おかしいと言うなら、それを言う
学者のほうが、おかしいということになる。「国語に関する世論調査」(04、ON教授ほ
か)でも、敬語の使われ方を問題にしている。
これについても、「敬語は、日本語の美しさを代表するものだから、守るべき」という意
見と、「敬語など、もうどうでもよいではないか」という意見の2つが、するどく対立して
いる。私自身は、めったに敬語など使わない。天皇についても、「天皇が浜松へ来た」と書
くことはあっても、「天皇陛下が、浜松へ、おいでになりました」と書いたことは、一度も
ない。
敬意を表す、表さないということではなく、どこでどのように一線を引くか、それを考
えるのが、めんどうだからに過ぎない。いちいちそういうことを考えながら文を書くとい
うのも、たいへん疲れる。それに敬語の底流にあるのは、日本人独特の、上下意識。敬語
を考えるときは、いつも、その上下関係を考えなければならない。だから敬語は、無視。
大きな流れとしても、敬語は、この先、消えゆく運命にある。
だから「国語に関する世論調査」そのものが、どこか、おかしい。その調査では、「敬語
の使われ方がおかしいから、日本語が乱れている」というような結論を出したかったのか
もしれない。しかし最近の若い人に言わせると、「今どき、敬語なんて……」ということに
なる。
だから視点を変えてみたら、どうだろうか。つまりここにも書いたように、個々の言葉
の使われ方を問題とするのではなく、文全体として、的確に自分の意思を相手に伝えるこ
とができるかどうかという視点で、である。その際、どんな言葉が使われようが、それは
問題ではない。
「今日、学校あった」(まちがい)→「今日、学校で、授業がありました」
「これは、パパが建てた家」(まちがい)→「これはパパが、買った家」
「これは、私の学校」(まちがい)→「これは、私が通っている学校」と。
で、反対に、これを調査した、「メディア教育開発センター」のON教授に、こんなテス
トをしてみたら、どうだろうか。はたして、ON教授は、何点取れるだろうか?
【問題の例】
☆ムッチョ
(1)むっつりしているさま
(2)貯金がないこと
〔3〕筋肉がモリモリしているさま
(4)いやがっていること
(5)怒っている様子
☆コクル
(1)告発する
(2)忠告する
(3)密告する
〔4〕告白する
(5)納得する
☆カリパク
(1)食べ物の名前
(2)借りて返すこと
(3)カリカリと怒ること
(4)道路で座ってものを食べること
〔5〕借りて返さないこと
☆アリガチ
(1)ありがた迷惑
(2)ありがとう
〔3〕ありえること
(4)ありえないこと
(5)いらぬ節介のこと
☆フタマタ
(1)2つのことを同時にすること
(2)2人の人と、同時につきあうこと
〔3〕浮気すること
(4)2つの選択肢のこと
(5)いやなこと
☆シュラバ
(1)喧嘩すること
(2)がんばること
(3)ここ一番というとき
(4)苦労すること
〔5〕何か、まずいことがバレること
日本語も、どんどんと変化している。もともと日本語という言語は、そういう言語であ
るということ。調査では、「憂える」の意味を知らないことを問題にしているが、実際、若
い人たちが使わない言葉であれば、それもしかたないのではないか。
さらに一言つけ加えるなら、私自身は、旧世代の人たちは、もう少し、若い人たちに、
謙虚であるべきではないかと思っている。繰りかえしになるが、「自分たちは知っている。
しかし今の若い人たちは知らない。だから今の若い人たちは、おかしい」という論法自体
が、おかしいということになる。どこかものの考え方が、復古主義的?
ただし世の親たちに一言。
高校入試にせよ、大学入試にせよ、そこで使われる入試問題は、こうしたどこか頭の古
い、旧世代の人たちによって作られている。だから、子どもの(進学)ということを考え
るなら、体制に迎合したほうがよい。そのほうが、あなたの子どももスイスイと、学歴社
会を生きぬくことができる。
そのためにも、あなたの子どもには、ここに書いたように、正しい言葉で、かつ豊かな
言葉で話しかけるとよい。「テメエ、殺すぞ」ではなく、「あなたが、そうすれば、あなた
は、私によって、殺されますよ」と。
なお、上から(3)(4)(5)(3)(3)(5)の、〔かっこ〕が正解。
(はやし浩司 国語力 日本人の国語力 表現力 敬語 日本語の乱れ はやし浩司 子
供の国語力 子どもの国語力 変化する日本語 言語能力 はやし浩司 若者言葉 シカ
ト)
【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●道路の落ち葉(没落する日本、いいのか、このままで!)
+++++++++++++++++++++
このあたりでも、道路の落ち葉を、「ゴミ」と
考える人が増えてきた。
落ち葉といっても、街路樹からの落ち葉。
そのたびに、市の担当課に電話が入る。
「ゴミを何とかしてほしい」と。
が、落ち葉はゴミではない。
自然の循環物。
それが気になるなら、自分で掃除すればよい。
つまりそれをしないから、役人の数ばかり増える。
外郭団体の数ばかり増える。
つまりその分だけ、税金が高くなる。
今、日本の求められている最大の課題は、行政改革。
公務員の削減。
簡単に言えば、公務員の人件費の削減。
本来なら自分たちですべき仕事まで、役所に
させてしまう。
頼んでしまう。
それをよいことに、役所は役所で、どんどんと
権限を拡大し、天下り先としての外郭団体を
増やしていく。
その結果が、今。
日本の法人税の表面税率は、40%(40・7%)を
超えている。
世界でも、最高額!
「日本の論点」(文藝春秋)は、キャノンを例に
あげている。
キャノンの法人税率は、38%。
韓国のLG電子が、19・2%。
アメリカのインテル社が、27・6%(「同書」)。
しかしこれでは勝ち目はない。
はっきり言えば、日本の民間企業は、役人を
食べさせるために金(マネー)を稼いでいるようなもの。
が、これだけではない。
一事が万事。
「日本の論点」は、ほかに、港湾のコンテナ
取り扱い料金、空港の着陸料などの例もあげている。
すべて高額。
ついでに食料品も高額。
他国のそれと比較するまでもない。
さらに悲しむべきことに、東証一部の外国企業は、
とうとう10社になってしまった(2010年9月現在、同書)。
ニューヨーク、ロンドン、シンガポールの
証券取引所には、それぞれ数百社以上もの外国企業が
上場しているというのに、10社以下(同書)。
理由は、翻訳料の負担。
……しかし日本の現状が、ここまで悲惨なものとは、
私も思っていなかった。
想像以上。
あまりにもひどい!
+++++++++++++++++++++
●公務員の給料
いまだに闇に包まれているのが、公務員の給料。
給料というより人件費。
諸手当を含む、総人件費。
総額38兆円とも言われている(某経済学者推算)。
国家税収とほぼ同額。
が、いったいいくら使われているのか、使われていないのか、それすらわからない。
さらに驚くべきことに、公務員の給料をあれこれ書いただけで、批判の嵐にさらされる。
が、何も私は無理なことを書いているのではない。
「公表したらいい」と書いているだけ。
またそれですべての問題が解決する。
どうしてそんな、当然とも言えるべきようなことが、この日本ではできないのか。
●立派なのは……
もう20年ほど前になるだろうか。
飛騨高山線で高山から名古屋に向かっているときのこと。
断続的に、ひなびた町や農村がつづいた。
農村というより、寒村。
そんな町や村の中に、ときどき場違いなほど立派なビルがあるのを知った。
それが私にはちょうど、虫歯だらけの口の中にある、金歯のように見えた。
おかしな例(たと)えに思う人もいるかもしれないが、私には、そう見えた。
で、つぎの駅から、私は目を凝らして、そういう建物が何であるかを見た。
結果……。
もうここに書くまでもない。
公共施設の建物である。
どうしてこの日本では、公共施設ばかりが立派なのか。
豪華というより、札束を敷き詰めて建てたようなものばかり。
会館にはじまって、図書館、公民館、道路などなど。
最近開港した静岡空港にしても、そうだ。
わずかな利用客のために、静岡県は目の玉が飛び出るようなビルや関連施設を建てた。
オーストラリアにも地方空港はあるが、どこも小さなビルだけ。
雑草の中に滑走路が走っているだけという空港も、少なくない。
●おかしな完ぺき主義
少し前、シドニーでオリンピックが開催された。
そのときのこと。
私はマラソンコースを、テレビで見ていて、唖然とした。
日本ではまず、見かけられない道路である。
スタートやゴール付近の道ですら、でこぼこというか、つぎはぎだらけ。
私の住む団地内の道路でも、それよりもはるかに立派。
土木技術の差というよりは、金(マネー)のかけかたのちがいということになる。
掘っては埋め、掘っては埋め、それを毎年のように繰り返している。
この状況は、あなたが住んでいる市町村でも同じのはず。
そして意味のない道路標識が、角によっては、5~7本ずつ、立っている。
あの道路標識にしても、1本が120万円前後とか(20年ほど前に聞いた話、伝聞)。
粗悪なものよりは、良質なもののほうがよいに決まっている。
しかしそれにも限度がある。
「公共」という呼び名がつくと、それが「超豪華」なものに変身する。
これ称して、「おかしな完ぺき主義」。
やらなくてよいようなところまで、完ぺきに仕上げる。
が、これではいくらお金があっても、足りない。
その結果が、今。
●原点
一方、私は浜松市内と、郊外の山荘での、二重生活をしている。
距離にして20キロ足らず。
車で35~40分の距離。
しかし生活姿勢は、まったくちがう。
山荘の周辺では、道路工事ですら村の人たちが出て、自分たちでする。
道路沿いの草刈りですら、自分たちでする。
落ち葉など、気にする人はいない。
あっても、自分たちで、清掃する。
それがその村の人たちの基本的な生活姿勢。
が、どちらが原点かと言えば、当然、こちらのほう。
つまり自分たちの生活環境は、自分たちで守る。
●質素革命
日本の政府は、お金をかけるべきところを、完全に見誤った。
かけなくてもよいようなところに、無駄なお金をかけ、かけるべきところにかけない。
その結果が、今。
もう一度、ここを読んでほしい。
「……さらに悲しむべきことに、東証一部の外国企業は、
とうとう10社になってしまった(2010年9月現在、同書)。
ニューヨーク、ロンドン、シンガポールの
証券取引所には、それぞれ数百社以上もの外国企業が
上場しているというのに、10社以下(同書)。
理由は、翻訳料の負担」。
時事通信社は、「日本語による経営情報の開示など企業側の負担が大きく、
コストに見合う上場メリットが見いだせないことも外資の撤退に拍車を
かけている」と報道している(2008年)。
いいのか、このままで!
……と叫んで、この話は、おしまい。
既得権益者、つまり官僚政治の壁を破るのは、容易なことではない。
Hiroshi Hayashi++++Dec. 2010++++++はやし浩司・林浩司
●はやし浩司 2010-12-13
+++++++++++++++++++++
今朝は、目覚めがよくなかった。
軽い頭痛。
不快感。
寝不足感。
「起きようか」と迷ったが、朝の冷気を頬に感じて、
そのままじっとしていた。
1時間半は、無駄にした。
ワイフが起き上がるのを感じて、私も布団から出た。
時刻は午前7時を過ぎていた。
私はそのままウォーキングマシンへ。
30分の運動。
終わったときには、かなりの汗をかいていた。
頭痛は消えていた。
よかった!
みなさん、おはようございます。
今日は12月13日、月曜日。
曇り空。
++++++++++++++++++++
●コメントへの反論
若い人だと思うが、こんな反論がBLOGに、書き込まれていた。
「外資企業が日本から撤退するのはよいことだ。それによって日本は、持ち前の
底力を発揮できるようになる」と。
もう一度、数年前の時事通信社の記事を読んでほしい。
この記事に対する、書き込みである。
++++++++++以下、時事通信より++++++++++
外国企業の上場廃止も英金融大手バークレイズなど9社に上り、前年(3社)の3倍になっ
た。株式取引の低迷に加え、日本語による経営情報の開示など企業側の負担が大きく、コ
ストに見合う上場メリットが見いだせないことも外資の撤退に拍車を掛けている。東証上
場の外国企業は16社とピークだった1991年(127社)の8分の1に減少した。
(時事通信・12・27)
++++++++++以上、時事通信より++++++++++
現在は、さらに減り、一桁台にまで落ち込んでいる。
この投稿者はその深刻さが、まったく理解できていないようだ。
外国企業が日本から撤退するということは、同時に、それだけ日本が投資先としての
魅力を失いつつあるということ。
もっとわかりやすく言えば、日本は外国に相手にされなくなってきているということ。
時事通信社は、つぎのようにも伝えている。
++++++++++以下、時事通信より++++++++++
外国企業の上場廃止も英金融大手バークレイズなど9社に上り、前年(3社)の3倍に
なった。株式取引の低迷に加え、日本語による経営情報の開示など企業側の負担が大きく、
コストに見合う上場メリットが見いだせないことも外資の撤退に拍車をかけている。
東証上場の外国企業は16社と、ピークだった1991年(127社)の8分の1に減少
した。(以上、時事通信(2008年12・27))
++++++++++以上、時事通信より++++++++++
深刻さが理解できないようなら、こういうたとえで考えてみればよい。
あなたの町には、良質な温泉がある。
それを囲んで、ホテルや旅館がいくつかある。
以前は、あなたの町には、いろいろな旅行会社の支店(=外資企業)があった。
その支店が、客(=投資)を全国各地(=全世界)から呼び込んでくれた。
が、この長引く不景気とコスト高。
旅行会社の支店は、つぎつぎとシャッターをおろした。
支店を、別の町(=シンガポール)に移した。
が、中に、ノー天気な若者がいて、こう言った。
「旅館の入浴料が安くなった。これからは毎日、銭湯がわりに、温泉へ通える」と。
かなり荒っぽいたとえだが、おおざっぱに言えば、そういうこと。
だから日経新聞は、つぎのようにつづける。
『……今日、1月4日、日本の株価は、戦後最大とも言える、大暴落を経験した。
終値で616円安。
それについて、東証のS社長は、欧米やアジアの主要株式相場に比べて日本株が出遅れて
いることに触れ、「(日本株の低迷は東京市場が)投資したい場所としての魅力を失いつつ
あることを示唆しているようにも映る」と危機感を募らせたという』(日本経済新聞)と。
さらに一歩進んで、「外国人労働者を、追い出せ」と主張する人もいる。
「日本人の職場を奪っている」というのがその理由だが、これこそまさに暴論。
どう暴論かは、もう何度も書いてきた。
外国人労働者の助けなしには、日本経済はもう成り立たない。
そういう状態にある。
目先の損得論に振り回され、短絡的なものの考え方をしてはいけない。
Hiroshi Hayashi++++Dec. 2010++++++はやし浩司・林浩司
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2011年10月24日月曜日
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