2010年12月1日水曜日

*Peace Theory by Hiroshi Hayashi

【中国の人たちへ】(到中国人民)

要使用外国金正日的威胁,只是想打击他们的公民。
现在,如果你们保卫北方,将在历史上留下一个污点很快。
你们是捍卫者,就像一个独裁者谁屠杀了成千上万的人。
请打开你的眼睛,在朝鲜看情况良好。

●世論調査

 中国の人民日報の姉妹紙、『環球時報』の世論調査によれば、つぎのようだ、そうだ。
(中国の世論調査は、あまり信用しないほうが、よいアルヨ。)

「中国にとって北朝鮮とは?」との質問に、
「戦略的な障壁」(44.7%)と「盟友」(43.2%)が最も多く、
「厄介な隣国」が15.1%、
「潜在的な脅威」が15.0%だった。

「北朝鮮の砲撃事件や近年の強硬な行動についてどう思うか」では、
「事情は複雑で、簡単には評価できない」が56.7%、
「北朝鮮が追い詰められた末に取った行動」が22.4%、
「北朝鮮の挑発」が9.5%と答えた。

●ちがう考え方、アルヨ

 このとおりの事実とするなら、私たち日本人がもっている意識とは、かなりちがう。
平たく言えば、中国は、天安艦爆破事件にしても、今回の延坪島砲撃事件にしても、
北朝鮮の行動は「やむをえなかった」と考えている人が多いということ。

 そういうものかなあ……?、という疑問もないわけでない。
人民日報という公営新聞社が、中央政府に都合の悪い調査結果を公表するはずがない。
ないことは、ノーベル平和賞受賞者を軟禁していることからもわかる。
つまりこの調査結果を公表することによって、「中国人は、君たちとは違う考え方、
アルヨ」ということを、あえて私たちに伝えたかったのかもしれない。

 しかし「意識」というのは、恐ろしいもの。
立場がちがうと、善・悪の判断基準そのものが、180度ちがうことも珍しくない。
夫婦の間でも、それをよく経験する。

●仕事

 昔、木下恵介監督の、『喜びも悲しみをも幾歳月』という映画を観た。
当時私は子どもだったが、子どもながら似涙を流した。
灯台守の夫婦を描いた映画だったが、灯台守の有沢四郎を演じた、佐田啓二、妻のきよ子を演じた、高峰秀子らは、名優中の名優。
俳優自身の誠実さというか、人間性が、そのまま画面に出ていた。

 それはそれとして、その映画の中で有沢四郎は、自分の息子が危篤状態になっても、
職場を離れず、灯台の灯を守った。
「仕事を家族に優先させた」と言えば、それまで。
しかしそれが当時の、そして現在の私の常識でもある。
私はどんなに体の調子が悪くても、また天気が悪くても、職場に向かう。
が、ワイフはそうでない。
ささいな口げんかをしただけで、仕事の手伝いをやめてしまう。
「仕事」に対するきびしさそのものが、ちがう。

 で、私がそれをなじると、ワイフはすかさず、こう言う。
「あなたは仕事だけが大切なの?」と。

 何もワイフを責めているのではない。
家庭に入った主婦なら、おおかた、そのような考え方をする。
最近では職場をもっている男性だって、ワイフのような考え方をする。
「自分の息子が危篤状態になったら、親はどんなことがあっても、息子のところへ
駆けつけるべき」と。

 あまりよい例ではないかもしれない。
映画『喜びも悲しみをも幾歳月』がまっさきに思いついたので、それを例にあげてみた。

●中国の人たちへ

 中国語に翻訳するため、簡単な日本語で書く。

北朝鮮の金正日は、ありもしない外国の脅威を作りあげているだけ。
外国の脅威を利用して、金正日は、自国の国民を弾圧しているだけ。
今、君たちが北朝鮮をかばえば、やがて歴史の中に汚点を残すことになるだろう。
君たちがかばっているのは、何十万人という同国民を虐殺した独裁者にすぎない。
どうか目を開いて、北朝鮮の現状をよく見てほしい。

要使用外国金正日的威胁,只是想打击他们的公民。
现在,如果你们保卫北方,将在历史上留下一个污点很快。
你们是捍卫者,就像一个独裁者谁屠杀了成千上万的人。
请打开你的眼睛,在朝鲜看情况良好。

●意識

 アインシュタインは、かつてこう言った。「常識などというものは、その人が18歳のと
きにもった偏見のかたまりである」と。

 その(常識)の上に、人は知識や情報を塗り固める。
そのときほとんどの人は、自分にとって都合のよい情報を、より好んで求める。
都合の悪い情報には、目をつむる。
こうしてやがてその人の(意識)が作られる。
その結果が、現在私たち日本人がもっている(意識)ということになる。
現在、中国人がもっている(意識)ということになる。

 が、それにしても……。

 こうまで意識がちがうとは、私も思っていなかった。
善良な中国人なら、北朝鮮の一連の行動に、眉をひそめているはず。
私はそう考えていた。
が、中国という大陸に視点を置いてみると、ものの考え方が、180度変わる。
中国にとって、直接的な脅威は、韓国でも日本でもない。
もちろん北朝鮮ではない。
アメリカなのだ。

 だからこの世論調査の結果どおりとするなら、北朝鮮による核兵器開発についても、
「やむをえない」と考える中国人がいても、おかしくない。
実際、中国にしてみれば、北朝鮮の核兵器など、痛くもかゆくもない。
その気になりさえすれば、1日で、すべてを灰にすることさえできる。

●意識の溝(みぞ)を埋める

 どんなばあいでもそうだが、たがいの間に意識の溝(みぞ)を感じたら、まず
相手の意識を尊重する。
意識には上下はない。
優劣もない。
人間がみな平等であるように、意識もまた平等。

 先のワイフの意識にしても、そうだ。
私の意識が正しいと言う前に、なぜ私はそういう意識をもっているかをさぐる。
それには私の生い立ちが深くからんでいる。
その生い立ちを無視して、私の意識を語ることはできない。

 一方、ワイフにはワイフの生い立ちがある。
私とはまったくちがった環境で、生まれ育った。
当然、意識もちがう。

 そこで大切なことは、たがいの意識を認めあい、尊重しあうこと。
「私はこうだから……」と思うのは、その人の勝手。
しかし「だから、あなたはまちがっている」と、相手を切り捨ててはいけない。
それが「国家」というレベルにまで昇ったとき、そこで戦争が起きる。

●意識の差

 今回の世論調査結果を見て、私は驚いた。
「このままでは戦争、不可避!」と。
夫婦でも、ここまで意識がちがったら、もういっしょには住めない。
はげしい夫婦げんかの末、離婚。

 言い替えると、「平和」か「戦争」かという問題は、「意識の差」の問題ということに
なる。
意識の差が小さければ、問題はない。
が、その差が限度を超えたとき、戦争が起きる。
つまり「平和を守る」ということは、「意識の差」を縮めること。
その努力を怠らないこと。
その結果として、平和は保たれる。

 これは「はやし浩司の平和論」ということになる。
どこかで参考にしてもらえれば、うれしい。

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Hiroshi Hayashi++++Dec. 2010++++++はやし浩司・林浩司

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