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子育て最前線の育児論byはやし浩司 12月 3日号
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メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!
【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【2011年、あいさつ】
+++++++++++++++
少し早いですが、HP用に、
2011年のあいさつを書きます。
+++++++++++++++
●完全燃焼を目指して……
2010年(昨年)は、現状維持に心がけました。
健康、仕事、人間関係など。
が、2011年は、もう一度、がんばってみようと
考えています。
つまりこれからの数年をかけて、自分を燃やし尽く
そう、と。
何も年齢に遠慮する必要はありません。
老後などというものは、先の先の話。
考えようによっては、20代、30代のころよりは、
ずっと仕事がしやすいはず。
●7500メートルの山
人生を山登りにたとえる人は多いですね。
山登りを、人生にたとえる人も多いですが……。
「70歳まで働く」ということは、「7000メート
ルの山に登るようなもの」。
……というような話を義兄に話しましたら、義兄は
すかさず、こう言いました。
「7500メートルにしなさい!」と。
高い山に登るためには、それなりの準備が必要です。
今年1年をかけて、私はその準備に取りかかります。
7500メートルの山に登るのです。
そこに何があるか、私にはわかりません。
しかし登ってみます。
それがこれからの私の目標ということになります。
Hiroshi Hayashi++++Nov. 2010++++++はやし浩司・林浩司
●今日から11月(2010-11-01)
●読者のみなさん、ありがとう!
BLOGを丸2日、さぼった。
沖縄へ行ってきた。
ホテルでもネットは使えたが、天気予報を見たり、メールを読んだだけ。
で、帰ってきて、昨日の朝、BLOG再開。
それを見て、胸が熱くなった。
つまりBLOGへのアクセス数を見て、胸が熱くなった。
アクセス数が、ほとんど減っていなかった!
これは私の勝手な解釈かもしれない。
しかし読者のみなさんが、毎日、習慣的に私のBLOGへアクセスしてくれて
いる。
私はそう思った。
ありがとう!
・・・ということで、旅の疲れもなんのその。
今朝から再びBLOG再開!
Hiroshi Hayashi+++++Nov.2010+++++はやし浩司
【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【幼保一元化・メリット・デメリット(走り書きメモ)】
●流れ
今までの流れとしては、こうだ。
少子化が進むにつれて、園児が減り、私立幼稚園の経営がきびしくなってきた。
(2009年度、3~5歳児の定員充足率は、69%。)
このあたり(静岡県西部)でも、園児募集の解禁日は、例年11月1日と
なっていた。
また内部では、そう定められている。
が、ここ10年、その解禁日を守る私立幼稚園は、ない。
早いところでは、「夏祭り」などの名目で、7~8月頃から、園児集めの活動を
始める。
同時に、不況、それにともなう共働き夫婦がふえ、午後2時で終了する幼稚園が
敬遠されるようになった。
そこで内々には、私立幼稚園では、「預かり保育」と称して、午後5時前後まで
園児を預かるようになった。
(こうしたやり方は、すでに40年前からあった。)
「預かり保育」といっても、認可された保育ではない。
あくまでも、「内々」。
特別の費用は徴収していない。
●保育時間の延長
そこで15年ほど前(1995年ごろ、筆者の記憶による)から、保育時間の延長を、
(私立)幼稚園協会は当時の文部省に対して、たびたび申し入れを行った(記憶)。
つまり幼保一元化の問題は、このあたりから生まれたと考えてよい。
一方、保育園(正式には保育所)は、ただ単に幼児を預かる施設から脱皮し、
幼稚園教育にまさるとも劣らないカリキュラムを用意して、「教育」に積極的に
かかわるようになってきた。
20年ほど前から、文字・数を教える保育園が急増した。
毎週、ワークブックを指導する保育園や、さらに何と、かけ算の九九まで暗記させる
保育園も出てきた。
つまり幼稚園と保育園が、競合するようになった。
(2010年4月現在、保育園に入園できない待機児童は、全国で2万6000人
あまりいる。)
が、0歳児から、しかも平均して午前7時から午後7時まで預かる保育園と、
原則として午後2時で終了する幼稚園とでは、勝負にならない。
もう一度、保育所と幼稚園のちがいと、幼保一元化の問題点を、おおざっぱにまとめ
てみる。
(1)幼稚園vs保育園
幼稚園は月謝制(保育園より月謝が一般的には、高額)。
保育園は、親の所得に応じて、納入額が変わる。
幼保が一元化すれば、月謝(納入額)をどうするか。
とくに所得の少ない家庭はどうするかという問題が起きてくる。
さらに今まで月謝制を取っていた幼稚園側にも不安感は強い。
補助金の減額は、当然のことながら、収入や施設の補修費の減少につながる。
(2)経営
幼稚園の経営ボーダーラインは、150~200人と言われている(某私立
幼稚園園長談)。
それ以下の児童数になると、経営はたいへんむずかしくなる。
園児は多ければ多いほど、経営は安定する。
一方保育園の適正人数は、60~90人と言われている。
あるいは180人以上(某保育園園長談)。
(保育園のばあい、園児を見送るのは、たとえば最低でも2人の保育士と定め
られている。
ほとんどが人件費だが、それらから計算すると、上記のような数字が出てくる。)
(3)管轄(所管)
幼稚園は文科省の管轄(所管)、保育園は厚労省の管轄(所管)。
そのため社会保障制度、共済組合制度、給与体系が異なる。
(幼稚園は学校法人、保育園は社会福祉法人である。)
幼保一元化といっても、実際の運営上、これらの問題を、どう克服していくか。
またその財源は、どうするか。
国は地方裁量型の解決策を考えているが、自治体の首長の理解のあるなしで、
補助金を一般財源にどれほど組み込むかが決まる。
現在、幼稚園の補助金は、一般財源に組み込まれているが、保育園のほうは、
組み込まれていないところが多い。
全体として、幼稚園教諭(幼稚園)の給料は、比較的に、保育園の保育士より
も高い。
幼保一元化というのは、(流れ)からして、幼稚園側の経営上の問題が発端と考え
てよい。
つまり保育園側は、このあたりを、かなり心配し、不安に思っている。
(4)園児不足と待機児童の増加
原則として、専業主婦の子どもは、保育園には入園できない。
その一方で、子どもをなぜ保育園へ入れるかという質問に対して、「楽をしたい」と
答える母親は多い。
(実際には、そう願っている母親がほとんどと考えてよい。)
産休があっても、保育園へ子どもを預けたがる親も現実には、多い。
つまり母親の育児負担を軽減するために、保育園があると考えてよい。
(産休、育児休暇が定着すればするほど、皮肉なことに待機児童がふえたという
事実も指摘されている。)
また現実問題として、都会のマンションに住んでいるような家族のばあい、子ども
をできるだけ早くから保育園へ預けたがる傾向がある。
マンションの一室だけで、子どもを育てることへの不安感は強い。
(5)幼稚園と保育園の両立
そこで同じ園舎を2つに分け、一方を幼稚園、一方を保育園とする「園」が、各地
に現われた。
それを認可したのが、「認可子ども園」(正式には「認定こども園」という)
ということになる。
中身は、幼保一元化というのでなく、幼稚園と保育園を同居させたもの。
園舎の半分を幼稚園、残り半分を保育園とする、など。
しかし認可子ども園が、問題の解決策かというと、そうでもない。
たとえば給食ひとつ取りあげても、そのつど幼稚園児の分、保育園児の分と、分け
なければならない。
会計上の経理問題がたいへん複雑で、ある会計士などは、「運営は不可能」とさえ、
断言している。
わかりやすく言えば、認定子ども園は、経営が苦しくなった幼稚園を救済する目的
で生まれたと考えてよい。
(6)介護制度をまねる
そこで今、考えられているのは、必要性を「度数」で評価し、その度数で、保育料
を決めようという方法。
保育料は同じでも、利用度に応じて、保育料、補助金を調整しようというもの。
しかしこの制度は、そうでなくても煩雑な幼稚園経営、保育園経営をかえって、
圧迫する可能性がある。
(7)メリット
幼保一元化でメリットがあるとすれば、近くに幼稚園がない地域に住む人たち
くらいではないか。
近くに保育園があっても入れない人は多い。
たとえば裕福な専業主婦など。
(原則として、共働きでないと、保育園へは入れない。)
そういう人は、遠方の幼稚園へ通わねばならない。
(8)保育園側の不安
保育園側の不安感は強い。
幼保一元化によって、補助金がふえるのか、それとも減るのか。
国は地方裁量型を考えているが、そうなると首長の判断、理解度によって、
補助金の増減が決まってしまう。
当然、経営、保育士の給料にも大きく影響してくる。
●子ども園
待機児童問題を解決するために、「子ども園(こども園)」構想が生まれた。
子ども園について言えば、政府は、事業所と自治体が認めたばあい、自動的に
認定されることになる。
(現在保育園は、国による認可制で、基準はかなりきびしい。)
つまり「民間企業」の参入が可能になる。
自由競争が可能になるが、保育料は、現在より高額になると考えられる。
これについて政府は、「幼稚園と保育園を廃止しつつ、現存の幼稚園と保育園を
子ども園として再生させる」という考え方を取りつつある。
つまり幼稚園と保育園を足して2で割ったのが、「子ども園」と。
●幼稚園の不安
幼稚園側にも不安がある。
教育力の低下を心配する園長も多い。
今の今ですら、幼稚園の教師たちは、多忙で悲鳴をあげている。
子どもを預かるというのは、それ自体、重労働である。
たった1人や2人の子どもをもてあましている母親は多い。
それを20~25人もまとめてめんどうをみる。
いかにたいへんな仕事であるかは、経験したものでないとわからない。
しかも休息時間は、ほとんどない。
加えて相手が幼児のばあい、目が離せない。
気が抜けない。
預かり保育を担任している教師は、(幼稚園のばあい、平均して午後5時まで
だが)、傍で見ていても気の毒になるほど、体力と神経をすり減らしている。
そのため現実問題として、いくら園児が不足していても、問題のある子ども(たとえば
多動性児、集中力欠如型児、自閉症児)は、入園を断られることが多い。
(最近では、入園に際して、面接をする幼稚園がふえているのは、そのため。
ある園長は、「面接はそのためにする」と教えてくれた。
「教育力の低下」は、そういうところから心配されている。
つまり教師に言わせると、「教育どころではない」となる。
●子ども園(幼保一元化の結果としての子ども園)のメリット・デメリット
子ども園のメリット・デメリットには、2面性がある。
現存の幼稚園、保育園の経営者側からみた、メリット・デメリット。
子どもをもつ親側からみた、メリット・デメリット。
ここでは親側から見た、メリット・デメリットを考えてみる。
【メリット】
●育児負担の軽減
子ども園構想は、待機児童の解消策として考えられている。
つまり子ども園がニーズに応じて、ふえればふえるほど、待機児童は減る。
ここで注意しなければならないのは、幼稚園にせよ、保育園にせよ、子どものため
にあるというよりは、親、とくに母親の育児負担の軽減のためにあるということ。
母親は、子どもを子ども園に預けることにより、育児負担を軽減することができる。
またそのために現在の保育園や幼稚園があると考える。
従って、専業主婦、共働き主婦という区別の仕方は、すでに現実性を失っている。
(専業主婦だって、息抜きしたいと願っている。)
母親たちは子どもを子ども園に預けることによって、育児負担を減らすことができる。
●選択肢の多様化(=教育の活性化)
現在、とくに田舎の過疎地に住んでいるばあい、保育園へ入れたくても入れられない
ケースが目立つ。
とくに専業主婦のばあい、入園がむずかしい。
が、保育園が子ども園になれば、垣根がはずれ、自分の子どもを預けることができる。
また民間企業、あるいはNPO団体が事業所として参入することにより、より自由で
柔軟性をもった「保育システム」が可能となる。
(政府の構想では、最低限必要な基本基準さえ守れば、それ以外は自由ということらしい。)
いうなれば、温室の中で今まで無風状態だった幼稚園、保育園が、それだけ自由競争
の荒波の中に、放り込まれることになる。
(現実に、補助金だけを目当てに、従来通りの、お決まり的な教育しかしていない幼稚園
は多い。)
●女性の社会進出
その分だけ、女性が社会進出がしやすくなる。
妊娠、出産、育児を契機として、それまでのキャリアをあきらめなければならない女性は
多い。
慢性的な欲求不満状態になっている母親も多い。
そうした女性が、職場での活躍を維持できるようになる。
【デメリット】
●保育料の増額
介護制度に似た、度数制も考えられているが、最大のデメリットは、受益者負担の名の
もと、親の負担がふえることが考えられる。
(幼稚園側にしてみれば、補助金の削減につながる。
一方保育園側にしても、地方自治体の裁量によって、財源が減らされることも考えられる。)
とくに事業体が介入してくると、利潤の追求が目的となる。
受験塾どうしでするような競争が激化する心配もある。
●所得の少ない家庭
とくに所得の少ない家庭は、どうするか。
あるいはどう援助していくか。
そのための「度数制」ということになるが、介護制度をみてもわかるように、手続きが
煩雑になる。
家庭そのものが崩壊しているケースも多い。
そういう家庭の親たちを、どう指導していくか。
筆者も介護制度を利用させてもらったことがあるが、「たいへん」の一言に尽きる。
(その点、現行の幼稚園でしているような月謝制は、わかりやすい。)
●解決策
子ども園の保育料の上限を定めるという方法もある。
その一方で、政府内部では、「利用料の上乗せを容認する」(日本経済新聞社NEWS)
ということも検討されている(11ー3)。
つまるところ、お金(マネー)の問題ということになる。
親にしてみれば、できるだけ安い利用料で、質の高い教育を望む。
幼稚園から子ども園に移行したような幼稚園にしてみれば、従来の収入は確保したい。
その一方で、政府としては、財政難からできるだけ財政的負担を軽減したい。
そのはざまにあって、保育園関係者は、保育園への補助金がどう削られていくのかと、
戦々恐々としている……。
結局は受益者負担ということで、子どもをもつ親に、負担が押しつけられていくこと
になる。
幼稚園関係者の間では、こんな声も聞かれる。
「おけいこ塾に、毎月4~6万円も使っている親も多い。
おけいこ塾でするような教育を幼稚園内部ですれば、月謝をあげても問題はないのでは
ないか」と。
そういうのを「質の高い教育」と言ってよいのかどうかは、わからない。
しかし方向としては、そういう方向に進むと考えてよい。
●付記
子どもの教育は、直接的には、親がする。
それが基本である。
また育児は、親の義務ではなく、権利である。
が、そうした意識が、年々、希薄になってきている。
子育てそのものを、めんどうと考える親もふえている。
待機児童がふえていることの背景には、入園を必要としない親までが、入園を希望してい
るという事実もある。
それがよいことなのか、悪いことなのかという議論はさておき、(またどうしたらよいか
という議論もさておき)、そういう「現実」があるという前提の上で、この問題を考える。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司
BW はやし浩司 幼保一元化 幼保一元化と子ども園 認定こども園 こども園構想 こ
ども園のメリット、デメリット はやし浩司 2010-11-03)
Hiroshi Hayashi++++Nov. 2010++++++はやし浩司・林浩司
(特集)
【子ども園(こども園)、もうひとつの深刻な問題】2010/11/04
●子育ては本能ではなく、学習である
子育ては本能でなく、学習である。
つまり人は、自分が親に育てられたという経験があってはじめて、
今度は自分が親になったとき、自然な形で子育てができる。
そうでなければ、そうでない。
つまり「子育て本能」というのは、高度に知的な動物であれば
あるほど、「ない」。
たとえば人工飼育された動物は、自分では子育てができない。
とくに人間においては、そうである(※1)。
そればかりではない。
乳幼児期は、心の育成という意味では、たいへん重要な時期である。
2000年に入ってから、「ミューチュアル・アタッチメント
(mutual attachment)」という言葉が聞かれるようになった。
母子関係というと、母親側からの乳幼児への一方的な働きかけのみと
考えられている。
しかし実際には、乳幼児側からも、母親に対して働きかけがあることが
最近の研究でわかってきた(※2)。
この時期に母親の濃密な愛情を経験していない子どもは、そののち、
さまざまな問題を引き起こすことがわかっている。
「基本的不信関係」(※3)もそのひとつ。
つまり子どもというのは、(あなた自身もそうであったが)、絶対的な
さらけ出しと、絶対的な受け入れ、この2つを基盤として、その上に、
基本的信頼関係を構築する。
「絶対的なさらけ出し」というのは、「どんなことをしても、自分は
許される」という、子ども側の安心感をいう。
「絶対的な受け入れ」というのは、「乳幼児がどんなことをしても、
子どもを受け入れる」という、親側の包容力をいう。
この基本的信頼関係の構築の失敗すると、基本的不信関係、さらには、
心の開けない子ども、さらには、将来的に親像のない親になる危険性が
高くなる。
人格的にもさまざまな問題を引き起こすことが、わかっている。
ホスピタリズム(※4)も、その一つ。
「施設病」と訳されている。
が、「施設児」、あるいは「施設障害児」と訳すべきか。
わかりやすく言えば、人間的な温もりを喪失した子ども(おとな)になる。
表情の貧弱な子どもになることも、指摘されている。
が、問題は、ここで止まらない。
先にも書いたように、子ども(人)は、自分が親によって育てられた
という経験(=学習)が体にしみこんでいてはじめて、自分が親になった
とき、自然な形で、子育てができる。
ただ「育てられた」というだけでは、足りない。
濃密な親子関係、とくに濃密な母子関係が重要である。
「子育ては本能ではなく、学習」というのは、そういう意味。
わかりやすく言えば、(しみこみ)。
その(しみこみ)がなければ、自分が親になったとき、自分で子育てが
できなくなる。
振り返ってみると、現在の親たちが乳幼児のころというのは、日本は
高度成長の真っ最中。
多くの親たちは仕事に忙しく、子どもにじゅうぶんな、つまり濃密な
愛情を注ぐだけの余裕がなかった。
0歳から保育園へ預ける親も少なくなかった。
そうした子どもが現在、親になり、子育て(?)をしている。
しかしその内容は、かなりいびつなものと考えてよい。
端的に言えば、自分で子育てができない親がふえている。
その結果として、0歳から、保育園は入園させ、子どもを施設に預けて
しまう……。
みながみな、そうというわけではないかもしれない。
共働きをしなければ、生活できないという家庭も多い。
しかし「自分で子育てができない親がふえている」のも、事実。
さらに一歩踏み込んで、自分の子どもを愛せないと悩んでいる母親も
多い。
8~10%の母親がそうである。
マターナル・デプリベイション(Maternal Deprivation)(母性愛欠乏)
(※5)という言葉も生まれた。
そこで、子ども園。
待機児童の多さばかりが問題になる。
しかし実際には、母親の育児負担の軽減としての子ども園。
さらには育児ができない母親たちの、救援施設としての子ども園。
そういう性格も併せもっている。
私たち日本人は、この繁栄の中で、得たものも多いが、しかし失った
ものも多い。
そのひとつが「家族の絆」ということになる。
「親子関係の濃密さ」と言い替えてもよい。
たとえば欧米では、(今でも)、子育ては権利であると考える親は多い。
義務ではなく、権利である。
その権利が奪われそうになると、彼らはそれに対して、きわめて鋭敏に
反応する。
が、この日本では、どうか?
子ども園構想も大切だが、しかし日本の将来を考えるなら、子育ては、
親自身がする。
それが基本である。
その上で、補助的機関として、子ども園を利用する。
その姿勢を忘れてはならない。
もしこんなことを繰り返していたら、日本の乳幼児はやがて、施設のみで
人工飼育されるようになる。
そこで飼育された子どもが、親になり、さらに自分の子どもを施設のみで
人工飼育するようになる。
その結果、この日本はどうなるか。
それを少しでも頭の中で想像してみたらよい。
そこにあるのは、心の冷たい人間だけが住む、乾いた砂漠のような世界。
そのうしろで寒々とした風が、枯れ葉を舞いあげている……。
目の前に見える、立派なビルや道路、家や車を見ながら、それでもあなたは、
「この日本は豊かになった」と思うだろうか。……思えるだろうか。
【次回へつづきます】
【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【日韓経済戦争】作られる反日感情(はやし浩司 2010-11-01)
++++++++++++++++++++
今度日本が、ベトナムの原子力発電所建設
プロジェクト(第2期事業)で、その
パートナーに内定した。
そのニュースもさることながら、韓国の中央
N報(11月1日)は、つぎのように国内で
報道している。
『…… 日本メディアは「新興国の原発建設に
政府と民間が合同で全力を傾けている韓国に
対応するため、日本が構成した‘官民合同体’
が成し遂げた初めての快挙」と一斉に報じ
た』(中央N報、11月1日、原文のまま)と。
この中で、「韓国に対応するため」という文言に
注目してほしい。
そこで日本では、どのように報道されているか、
調べてみた。
本当に「韓国」を名指しで、「快挙」と報道して
いる報道機関があったのか。
私もこのニュースは、新聞、ネットで知っていた。
韓国の連合体と競っているいる話は聞いていた。
しかし……?
ともあれ、あちこちのサイトで、このニュース
を調べてみたが、「韓国に対応するため」と書いた
報道機関は、見あたらなかった。
以下、事実だけを並べてみる。
誤解、偏見をなくすため、削除することなく、
全文を転載、並べて比較してみる。
++++++++++++++++++++++
●韓国中央N報はつぎのように伝えた(11月1日)
*************以下、韓国・中央Nより***************
韓国・フランス・日本が競合するベトナムの原子力発電所建設プロジェクト第2期事業で、
日本がパートナーに内定した。
ベトナムのグエン・タン・ズン首相と日本の菅直人首相は31日、ベトナム・ハノイで
首脳会談を開き、このように明らかにしたと、日本経済新聞が報じた。同紙は「これは日
本が新興国の原発建設を受注した事実上初めてのケースであり、規模は1兆円にのぼる」
と伝えた。
ベトナムは2020年代初期までに4基の原発建設を終える予定で、4基の原発のうち
第1期事業の2基はすでに年初にロシアが受注している。今回の第2期事業の2基はベト
競合していた。
日本は原発建設を受注する代わりにベトナム側の港などのインフラ建設に790億円の
借款を供与し、原発関連技術の移転を提供することにした。また両国首脳は戦略物資であ
るレアアース(希土類)の研究および開発も共同で協力することにした。
菅首相は「原発とレアアースの二つの問題について両国がパートナーになったのは真の
パートナーシップが始まったという象徴的な意味を持つ」と強調した。
今回のベトナム原発建設プロジェクト第2期事業は、先月22日に官民合同出資で発足
した「日本国際原子力開発」を中心に進行された。東芝・三菱重工業・日立製作所が参加
している。
日本メディアは「新興国の原発建設に政府と民間が合同で全力を傾けている韓国に対応
するため、日本が構成した‘官民合同体’が成し遂げた初めての快挙」と一斉に報じた。
*************以上、韓国・中央Nより***************
***************以下、J-Castより*************
●J-Cast(11-2)
菅直人首相は2010年10月31日、ベトナム・ハノイ市内でグエン・ダン・ズン首相と会
談、原子力発電所2基の建設を日本側が受注することが決まった。
ベトナム北西部にあるレアアース(希土類)の開発を共同で進めることにも合意した。菅
首相は、港湾建設などに総額790億円の円借款を新たに供与する意向を表明した。
*************以上、J-Castより***************
*************以下、読売新聞より*****************
●読売新聞(10-31)
【ハノイ=宮井寿光、永田毅】菅首相は31日、ベトナムのグエン・タン・ズン首相とハ
ノイ市内の首相府で会談し、両国関係に関する共同声明に署名した。
ベトナム政府が予定している原子力発電所建設計画について、日本を「協力パートナー」
とすることで合意し、日本勢の受注が事実上決まった。日本が新興国で原発建設を受注す
るのは初めて。
日本はこれまで、新興国で激化する原発建設の受注競争で相次いで敗北してきたが、今
回は官民一体で集中的に受注活動を展開したことが奏功した。
対象となるのは、南部のニントゥアン省に予定されている第2期工事の原発2基分。ベ
トナム側は条件として、低金利での優遇貸し付け、最先端技術の利用、廃棄物処理協力な
どを示し、日本側も応じた。ズン首相は会談で、日本の受注について「政治的、戦略的決
断だ」と語った。
両首相は省エネ家電などの部品に不可欠なレアアース(希土類)についても共同開発で
合意した。レアアースの生産量は中国が世界の9割以上を占めるが、輸出制限が世界的に
問題となっており、「中国依存」からの脱却を図る狙いがある。
*************以上、読売新聞より*****************
*************以下、NHKサイトより***************
●NHKニュース(10月31日)
ハノイを訪れている菅総理大臣は、31日にベトナムのズン首相と会談し、現地で計画さ
れている原子力発電所の建設を日本の企業に受注させるよう求めるのに対し、ズン首相は
日本側の要請に応じることを表明する方向で調整を進めています。
ASEAN=東南アジア諸国連合などとの一連の首脳会議に出席するため、ハノイを訪れ
ている菅総理大臣は、ベトナム訪問の最終日の31日、ズン首相と会談する予定です。こ
の中で菅総理大臣は、ベトナムで計画されている原子力発電所2基の建設事業で、日本企
業に受注させるよう要請する方針です。
ベトナムの電力公社は、高い技術力などを評価して日本に発注する方針を固めていました
が、関係者によりますと、ズン首相は菅総理大臣に対し、ベトナム政府として日本側の要
請に応じることを表明する方向で調整を進めているということです。
日本政府は、アジアでのインフラビジネスを成長戦略に掲げており、外国企業との競争が
激しい原発事業で、今回ベトナムから受注を得る方向となったことで、今後の海外展開の
弾みとしたい考えです。
また、菅総理大臣は希少資源の「レアアース」について、中国への過度な依存から脱却す
るため、日本企業と現地企業が合弁で手がけることが決まっているベトナム北部の鉱山開
発について、できるだけ早く生産が始められるよう、協力を求めることにしています。
*************以上、NHKサイトより***************
*************以下、朝日新聞サイトより***************
【ハノイ=高野弦】ベトナムの最高意思決定機関である共産党の指導部は、同国南東部
に建設を予定している原子力発電所について、日本企業に発注する方針を決めた。複数の
関係者が明らかにした。正式決定すれば、原発を新たに設置する新興国で、日本が受注す
る初のケースとなる。
31日の日越首脳会談で、ズン首相から菅直人首相に発注の意向が伝えられる見通し。
日本企業への発注方針を決めたのは、南東部ニントアン省の原発2基(出力計200万
キロワット)で、2021年の運転開始を目指している。
ベトナムは2030年までに14基の原発の建設・稼働を計画。このうち具体化してい
るのはニントアン省の4基で、最初の2基は昨年12月にロシアが受注した。
インフラ輸出を成長戦略の軸にすえる日本は、残る2基の受注を目指し、今年に入って
受注活動を展開。経済産業相らが8月、経済界とともにベトナム入りし、人材育成や資金
援助などを提案していた。また、10月には新興国での受注を目指した官民共同出資の「国
際原子力開発」を立ち上げていた。
*************以上、朝日新聞サイトより***************
●一事が万事
中央N報を読んだ韓国の人たちは、どう思うだろうか。
日本があたかも韓国を叩くために、ベトナムでの原子力発電所建設工事を受注したと
解釈するだろう。
「快挙」、つまり「日本人は、韓国に勝ったと喜んでいる」と。
受注競争の過程では、たびたび韓国の名前が出てきたのは事実。
中央N報にもあるように、韓国は政府と民間が一丸となって受注合戦を繰り広げていた。
で、日本もそれに対抗して、(あくまでも対抗して)、政府が受注合戦に乗り出した。
その結果、日本が受注に成功した。
が、成功したあとは、どの報道機関も、「韓国」の「カ」の字も書いていない。
が、韓国では、『新興国の原発建設に政府と民間が合同で全力を傾けている韓国に対応する
ため、日本が構成した‘官民合同体’が成し遂げた初めての快挙」と一斉に報じた』と。
こうした報道操作は、日常茶飯事。
ことあるごとに国内の反日感情をかきたてている。
しかしこれは天下の報道機関として、あるべき報道姿勢ではない。
中央N報は、日本の報道機関のどれをさして、「一斉に報じた」としているのか。
一事が万事というか、韓国の新聞を読んでいると、この種の情報操作があまりにも多い。
少し前は、自前で気象衛星をあげたことについて、「これで日本の世話にならなくてすむ」
と。
今までさんざん日本の世話になっておきながら、この言いぐさはない。
せめて「今まで、ありがとう」の一言くらいは、あって当たり前。
それではいけないということで、あえて今回のニュースを取りあげてみた。
●追記
対する日本は、どうか?
たまたま同日(11-2)TBS-iニュースは、こんなニュースを報道している。
こちらは、重要なニュースではないので、一部、省略させてもらう。
***********以下、TBSーiニュースより*************
●第二次韓流ブーム
最近、日本で新たな「韓流ブーム」が社会現象になりつつあります。次々とデビューし
てチャート入りを果たす韓国のガールズ・グループ。その背景には、ブームを作り出す、
ある壮大な「戦略」がありました。
(中略)
4か国語が飛び交う会見場。1日、韓国・ソウルの外国特派員協会に姿を現したのは、
人気ガールズ・グループ「少女時代」です。19歳から21歳までの9人からなる「少女
時代」。3年前にデビューし、韓国でトップに登りつめた後、台湾やタイなどのヒットチャ
ートでも1位を獲得。中国でもツアーを行うなど、アジア全域で活躍中です。そして9月、
満を持して日本デビュー。第2弾シングルが先週、日本を除くアジアの女性グループとし
て史上初のチャート1位を記録しました。
日本の韓流ブームといえば、これまで比較的高い年齢層の女性たちに支えられてきまし
た。この新たな韓流ブームの特徴は、日本の若い女性の心を捉えていることです。美脚が
売りの少女時代だけでなく、大人の魅力を強調するグループ「BROWN EYED GI
RLS」、ヒップダンスを得意とするグループ「KARA」などが、今年に入って次々と日
本デビューを果たしています。
1日の会見のテーマは彼女たちの世界戦略でした。
(中略)
周到な準備の下、続々と上陸する韓国のガールズ・グループ。しかしその目は、すでに
日本のはるか先を見据えているのかもしれません。(01日22:48)
***********以上、TBSーiニュースより*************
日本人のノー天気ぶりには、あきれるばかり。
緊張感がまるでない!
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司
BW はやし浩司 韓国の報道機関による情報操作 反日感情 作られる反日感情)
Hiroshi Hayashi++++Nov. 2010++++++はやし浩司・林浩司
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2010年12月3日金曜日
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