2009年8月8日土曜日

*Revealing the Trick

●手の内(Revealing the Trick)

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子どもを見れば、家庭環境がわかる。
親子関係もわかる。
ついでに、その親と、親の親(子どもから見れば、祖父母)
との関係もわかる。
その親が、どのような環境で育ったかもわかる。

私がそれを指摘すると、みな、私が超能力か何かを
使ったかのように驚く。
しかし手の内を明かせば、何でもない。

その手の内……。
手品で言えば、種明かし。

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(1)子育てがギクシャクしている

 その親の子育てが、どこかギクシャクしている。
気負い、戸惑い、迷い、心配、不安など。
そのため話を聞いていても、どうもすっきりしない。
 そう感じたときは、その親と、親の親(=子どもの祖父母)との関係を疑ってみる。
たいてい、その親自身が、不幸にして不幸な家庭に育った人とみてよい。
しっかりとした(親像)が、脳の中にインプットされていない。

 ふつう母親は男児の子育てで、戸惑う。
父親は女児の子育てで、戸惑う。
それにも一定の幅があるが、その幅を超えて、戸惑いが大きいときは、こう考える。

 男児の子育てに大きく戸惑う母親……その母親と、母親の父親の関係が不全であった
とみる。
 女児の子育てに大きく戸惑う母親……その母親と、母親の母親の関係が不全であった
とみる。

 子どものころから、家庭騒動、育児拒否、冷淡、無視などが、背景にあったと
考えてよい。

(2)子どもの様子

 子どもの様子から、その子どもの置かれた家庭環境がわかる。
子どもに伸びやかさがない……過干渉、過関心、神経質な子育てが背景にあるとみる。
子どもが反対に粗放化している……威圧的な過干渉、権威主義的な子育て観をもった
親とみる。
その親自身も、そうした家庭環境で育ったとみてよい。
子育ては、世代連鎖しやすい。
 妙に愛想がよいとか、反対に拒否的である……愛情飢餓の状態にあるとみてよい。
家庭が家庭として機能していない。
つっぱり、いじけ、ひがみ、ぐずりなどがあれば、かなり心がゆがんでいるとみる。
やはり愛情飢餓が背景にあるとみてよい。

 ……というような話は、いわゆる(カン)のようなもので、親と話していると、
そのカンが、働く。
ビビッと働く。
そしてそれをきっかけに、子どもの置かれた環境や、家庭環境、さらにはその親の
生い立ちまで、わかる。

 しかし誤解がないように言っておきたい。

 どんな人でも、(親でも、子どもでも)、みな、問題をかかえている。
問題のない子どもはいない。
親にしても、心豊かな家庭で、何一つ不自由なく育てられた人というのは少ない。
みな、多かれ少なかれ、問題をかかえている。
そこで大切なことは、そういう問題があることが問題ではなく、そういう問題が
あることに気づかず、同じ失敗を繰り返すことが問題であると考えること。

 子どもは家族の(代表)にすぎない。
もう少し深く言えば、家族の過去の(代表)にすぎない。
あなたという親の過去、そして子どもが生まれ育っている(環境)の、その(結果)
でしかない。
まず、それに気がつくこと。
謙虚に、自分自身の姿を見ること。

 それに気がつけば、あとは時間が解決してくれる。
5年、10年の時間はかかるかもしれないが、時間が解決してくれる。
まずいのは、子どもに何か問題を発見したとき、子どもの方ばかりを見ること。
子どもの方ばかり見て、「子どもを直そう」とか、「子どもを何とかしよう」と考えること。

 しかし本当の問題は、あなた自身のほうにある。
身勝手な親となると、親の過干渉で、さんざん子どもを委縮させておきながら、
「どうしてうちの子は、ハキがないのでしょう」とか言う。

 「手の内」というタイトルで書いたが、あなた自身を知るためのひとつの方法として、
このエッセーを利用してほしい。

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