2012年6月18日月曜日

Greece Shock

【よい朝】(はやし浩司 2012-06-18 月曜日)

●扇風機

 昨夜、寝る前に扇風機をつけた。
それがよくなかった。
ずっと夢ばかり見ていたような気がする。
で、今朝は、午前3時起き。
……というか、台所でお茶を飲んだ後、もう一回、ひと眠りするつもりでいた。
が、鳥かごの中を見ると、Pippi(ぼたんインコ)が、かごの中で目を覚ましていた。
眠そうな顔をしていた。
そっと手を差し出すと、私の手の中に入った。

 私は眠るのをやめ、そのまま書斎へ。
どこか蒸し暑い。
台風が近づいているという。
ギリシャの選挙結果も、気になった。

 Pippiは、そのまま私のパジャマの中へ。
今は、そのパジャマの中で眠っている。
静かな朝。
6月18日。
月曜日。
メールを開くと、アメリカに住む息子から、父の日の祝いのメールが届いていた。

Good Moroning!

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●ギリシャのやりなおし選挙

 昨日(日本時間では、今ごろ)、ギリシャでは、やりなおし選挙が行われた。
結果は、もうすぐ出てくるはず。
ロイターなどの出口調査によれば、「緊縮派」の政党が、僅差で「反緊縮派」をリードしているという。
ホ~ッと安堵(あんど)。
嵐の第一波は、何とか、食い止めた。

●Pippi

 ぼたんインコのPippiが、我が家へやってきてから、我が家のリズムが一変した。
Pippiは、鳥というよりは、人間に近い。
感情も、人間そのもの。

 鳥かごの中に入れると、「出してくれ」といった様子で、せわしなく動き回る。
鳴く。
で、その間に、ワイフは料理をし、私たちは急いで食事をすませる。
(料理中は、火を使うので、鳥かごに入れるようにしている。)
が、そのあと鳥かごから出してやると、グワーッ、グワーッと鳴く(=泣く)。
Pippiが、悲しいときに出す声である。
その声が、人間の赤ん坊の、オギャーッ、オギャーッにそっくり。

 「よしよし……」と言ってなだめると、やがて静かになる。
が、今度は、シャックリ。
そのシャックリの仕方も、人間の子ども、そっくり。

 ……今、そのPippiは、私のパジャマの袖あたりのところで眠っている。
じゃまにならないよう、できるだけ静かにキーボードを叩いている。
気を遣(つか)う。
同時に、「これはたいへんなことになった」と思う。
鳥を飼うというよりは、今は、人間の子どもを預かったような心境。

 忠告……中には、「私もぼたんインコを飼ってみよう」と考える人もいるかもしれない。
しかしぼたんインコだけは、安易な気持ちで飼ってはいけない。
利口な分だけ、育て方もむずかしい。

●AD・HD児

 そのPippiの行動を見ていると、そのまま人間のAD・HDの子どもが、Pippiに重なる。
動きが速い。
瞬時に判断し、間断なく、つぎの行動に移っていく。
静かな落ち着きがない。
「ぼたんインコはみな、そうなのかなあ」と思ってみたり、「Pippiは、AD・HD児なのかなあ」と思ってみたりする。

 そこで昨日、近くのショッピングセンターへ行き、ほかのぼたんインコの様子を観察させてもらった。
そこでは、10羽ほど、それぞれが別の鳥かごに入れられ、飼われている。
1~2羽、動きのはげしいのもいたが、大半は、止まり木の上でおとなしく座っていた。
で、それを見た私の感想は、Pippiは、AD・HDかもしれない?

 が、インコも今は、行動期(?)。
好奇心が旺盛で、私が何か新しいことをするたびに、近くへやってくる。
じゃまをする。
昨日もたまたまパソコンのプリンターを少し手前に移動した。
とたん、プリンターに興味を示すようになった。
排紙口の中をのぞいたり、周囲をくちばしでつついたりしていた。

 「生後3か月目になると、こうなのかなあ」と思ったりする。
が、今さら、どうこう言っても仕方ない。
PippiはPippi。
ぼたんインコは、そういうものと割り切って、いっしょに暮らすしかない。

 ……そう言えば、おとといの朝は、私の手の中で眠ってしまった。
しばらく片手でキーボードを叩いていたが、それもやがてできなくなった。
仕事は、中断。
で、Pippiの寝顔を見ていたら、私まで眠くなってしまった。
書斎の椅子に座ったまま、私も眠ってしまった。
このところ、毎日、そんなことがつづく。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●速報

 たった今、 Bloombergの速報が入った。
午前4:00。
どうやらギリシャのやりなおし選挙では、「緊縮派=EU残留派」が、過半数を確保したもよう。
Bloombergは、つぎのように伝える。

『……サマラス氏が率いる新民主主義党(ND)が、再選挙で勝利したもよう。
NDの得票率は29.5%、獲得議席128議席救済合意の放棄を主張する急進左派連合(SYRIZA)は27.1%、72議席、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は12.3%、33議席NDとPASOK合わせて161議席、連立が可能となる過半数を制する』(以上、Bloomberg)と。

 が、その一方で、フランスでは左派政権が誕生。
ロイターはつぎのように伝える。

『……オランド大統領率いる社会党が連携する左派政党と合わせて、国民議会の絶対過半数を獲得し、共産党や緑の党に頼らなくても法案を通せる見通しとなった。
調査会社CSAが出口調査を基に集計、社会党中心の左派陣営は、320議席、過半数獲得には289議席が必要。
サルコジ前大統領のUMPは221議席』(以上、ロイター)と。

 こうした選挙結果を、どう判断したらよいのか。
ギリシャはそれでよいとしても、EU全体ではどうなのか。
総合的にはどうなのか。

 それは5時間後に始まる、東京証券取引所の株価の動向を見れば、わかる。
金価格の動向を見れば、わかる。
ひとまず株価の暴落は避けられた。
金価格の暴落も避けられた。

が、だからといって、株価が上昇するかどうかというと、それはわからない。
金価格については、一時的な下げはあるものの、一時的で終わるはず。
相変わらず買い需要は強い。

 ……ということで、今ごろ、銀行や証券会社では、徹夜で臨戦態勢を取っているはず。
ぼうだいな情報が、世界中をかけめぐっているはず。
その結果は、5時間後に出る。

 株価が上昇すれば、「吉」。
下降すれば、「凶」。
4:27記

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●1ドル=500円

 アメリカの経済学者が、どこかでこんな原稿を書いていた(某経済BLOG)。
「明日かもしれない。しかし3~5年後には、日本の経済は確実に破綻する」と。
「今回消費税をあげても、焼け石に水」とも。

 で、そのとき、1ドルは、500円になる、とか。
といっても、私は驚かない。
1970年ごろ、1ドルは、360円だった。
それが商社で働いているとき、305円になり、そのあと変動相場制に移行した。

 つまり日本は、42年前に逆戻り。
日本→シドニー間の往復航空運賃が、42~3万円。
当時の大卒の初任給が、5万円前後。
手取りが4万5000円前後。
往復の航空運賃だけで、初任給の8か月分。
つまり、そうなる。

 が、心配なのが、食料。
食料価格の暴騰は、もう止めようがない。
全体に現在より、10倍以上になるとみてよい。
価格が10倍というのではない。
当然、給料も名目、上昇するだろうが、実感として、10倍以上になる。
それがどういうものか知りたければ、今日にでもスーパーへ行き、頭の中でそれを想像してみればよい。

 菓子パン1個……1000円。
カップ麺1個……2500円。
ジュース1本……1200円。
お弁当1個……8000円、と。

 が、それよりも心配なのは、工業技術力。
42年前には、その工業技術力で、その後、日本は高度成長を遂げることができた。
が、今は、それがない。
工場そのものが、姿を消した。

 ある学者いわく、「農家の人が、ベンツやBMWを乗り回すようになるでしょうね」と。

 で、何よりも重要なのは、「希望」。
希望を失ったら、日本は、本当にそのまま破滅してしまう。
経済の破綻は、まだ何とかなる。
しかし希望を失ったら、日本というより、日本人の心そのものが、崩壊してしまう。
その希望まで失ってはいけない。

 アテネ大学のセオドシス・ペレグリニス教授は、こう述べている。
「絶望感が背景にある。未来に希望を持てなければ、何もかも壊したくなる」(ロイター)と。

 破壊主義の先にあるのは、社会の混乱、犯罪、無秩序……。
日本は日本で、そうならないよう、何としてもここでその崩壊を食い止めなければならない。

+++++++++++以下、ロイターより転載++++++++++++++

白と黄色に彩られた貨幣博物館の壁には、黒字で「投票所に火を点けろ」という落書きが踊り、「議会を燃やせ」という文字も見える。
また、無政府主義運動のシンボルである円で囲んだAというマークも、町の至る所で見られる。
警察はより深刻な犯罪の増加に追われ、そうした落書きの多くは見て見ぬふりをしている。
しかし過激な落書きは、ギリシャ社会が破綻に向かい始めている象徴にも映る。
落書きがツタのように「増殖」した場所では、野良犬がたむろし、麻薬常習者が大っぴらに薬物を使っている。

洗練された落書きも一部にはあるが、ほとんどは口汚く下品な言葉だ。
そして、観光客にとっては残念なことだが、歴史的建築物も例外ではない。
オーストラリアからアテネを訪れたデビッド・グローブさんは、「どこもかしこも落書きだらけだ」と嘆く。
目抜き通りに立つ教会を写真に収めながら、「不愉快だ。悪意に満ちた心ない破壊行為に過ぎない」と語った。
多くのギリシャ人も落書きには嫌悪感を示すが、同時に、現在国が抱える苦痛を映し出しているという意見も少なくない。
ホテル受付係のカタリナ・アダムさんは「私たちが生きているのは攻撃的な時代だ。
アートは人生を表すというのなら、落書きが攻撃的になるのも無理はない」と理解を示す。
アテネにあふれる落書きに1つの共通したテーマがあるとすれば、それは絶望だ。

市の中心部にある市役所庁舎の外には、ギリシャ神話で知恵を象徴する女神で、アテネの守護神でもあるアテナの像が立っている。
この像の目の部分がペンキで黒く塗り潰されているのが、現在のアテネ市民の心境を象徴しているのかもしれない。

+++++++++++以上、ロイターより転載++++++++++++++
2012/06/18朝記

●アメリカ

 改めて、一言。

 それにしても、アメリカはすごい。
さすが資本主義経済の大本山。

 昨日、自分で調べてみたが、2000年以後、ノーベル経済学賞の受賞者は、23人。
うち21人が、アメリカ人!
(ほとんどが、アメリカ人だぞ!)
残りの2人は、ノルウェー人とイギリス人。
そういうアメリカを相手に、日本など、もとから戦えるわけがない。
底力というか、裾野の広さがちがう。

 将棋にたとえるなら、そこらの中学生が、プロの将棋士と対局するようなもの。
アメリカは、いつも5~6手先まで読んでいる。

 日本の、あの財務大臣を見ていると、不安になるのは、果たして私だけだろうか。


Hiroshi Hayashi+++++++June. 2012++++++はやし浩司・林浩司

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