【富士山噴火】byはやし浩司
『富士山の噴火は始まっている』(木村正昭・山村武彦著、宝島社)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
昨日(2012-06-15)、富士山噴火について書いた。
書きながら、自分が恐ろしく無知であるのを知った。
何も知らない。
何もわからない。
そこで昨日の夜、1冊の本を買ってきた。
ゼロから、勉強のし直し!
『富士山の噴火は始まっている』(木村正昭・山村武彦著、宝島社)。
この世界には、この世界の専門用語というのがある。
まずその専門用語からの勉強。
もし富士山の噴火が起これば、その被害は甚大なものとなる。
2004年に発表されたハザードマップ(正式の名称は「富士山火山防災マップ」、富士山ハザードマップ検討委員会報告書)によれば、火山灰は、東は遠く房総半島一帯まで降り注ぐという。
詳しくは内閣ホームページに記載されている(P092)。
もちろん火山灰だけが、恐ろしいのではない。
噴火直後には、空振、火山弾の直撃、溶岩の流出、噴煙柱などなどが、その地域を襲う。
先のハザードマップによれば、風向きにもよるが、東京都全域に、約10センチの灰が降り積もるという。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●『富士山の噴火は始まっている』
この本を読んで知ったのは、「複合型被害」。
富士山の噴火だけが、被害をもたらすのではない。
富士山の噴火とともに、(あるいはそれに先立つ)、地震との複合も考えられる。
台風との複合も考えられる。
さらにたとえば、何かの病気の大流行との複合も考えられる。
火山灰にしても、遠方であればあるほど、粒子がこまかくなる。
それが健康被害をもたらす。
コンピューターを狂わす。
そういったもろもろの被害が複合し、さらに被害を大きくする。
もし富士山が爆発すれば、規模が大きいだけに、被害も甚大なものとなる。
半径100キロは、危険地域だそうだ(本書)。
(この浜松市は、ギリギリ、その100キロ圏外にある。)
専門家として、いろいろな(しておくべき対策)についても書かれている。
が、もしここで富士山の噴火でも起これば、そのときこそ、本当に日本の経済は、万事休す。
長期停電ひとつとりあげても、日本の経済活動は、そのまま停止してしまう。
直接の被害だけでも、50兆円前後になるという。
「……東海地震が発生した場合の経済損失は、37兆円。
東南海、南海地震の発生では、57兆円。
首都直下地震では、112兆円と想定される。
富士山の噴火と地震が同時に起きれば、経済損失は最低でも50兆円に達するだろう。
東日本大震災(3・11大震災)の3倍である」(P117)。
なお農作物についても、火山灰が、2ミリメートル(たったの2ミリ!)積もると、収穫量は半分になるそうだ。
10センチも積もると、立ち枯れになってしまうそうだ(P113)。
本書には、こうある。
「……噴火のあとで降る酸性雨は、農業への悪影響が大きい。
火口から成層圏に向けてガスと灰が上昇して、両側に広がる。
火山ガスには二酸化硫黄という一種の亜硫酸ガスが含まれ、水と反応してエアロゾルという1ミクロン以下の小さな粒子になる。
雨といっしょに降ると、金属を錆びさせるほど有害で、作物も枯れてしまう」(P113)と。
なお原子力発電所について言えば、つぎのような心配もある。
原発では、停電ということにでもなれば、予備の発電機が働くことになっている。
福島第一原発では、その予備の発電機がうまく機能しなかった。
が、もし火山灰が降り注ぐと、その予備の発電機が故障する可能性も高い。
火山灰には電導性がある。
こまかい機器の中に侵入すれば、そこで電気的ショートを引き起こす。
●準備すべきもの
水と食料の確保は言うまでもない。
そのほかに、火山性ガスの吸引缶付マスク(半径10キロ圏内)、防塵マスク(半径100キロ圏内)。
ヘルメット、ゴーグル、雨具……。
非常用簡易トイレも必需品になりそう(都会地域)。
もちろん持病の医薬品など。
とくに呼吸器系の病気をもっている人は、「ただちに安全な場所に避難すべき」とある。
本書によれば、富士山の噴火には、前兆が必ずしもあるというわけではないらしい。
(私も含めて、ほとんどの人は、何かの前兆現象があると思い込んでいる。
ある日、突然、ドカーンということも考えておかねばならない。)
●認知心理バイアス
本書のP158に、「認知心理バイアス」という言葉が出てくる。
「バイアスというのは、偏見、思い込みのこと」と。
このバイアスには、さまざまなタイプのものがあるという。
その中のひとつが、「正常性バイアス」。
「異常が発生しているのに、正常の範囲と思い込む」ことを、正常性バイアスという。
たとえば何か異常なことが発生すると、心を防衛するための防衛機制が働く。
人間の心は、それほどタフにはできていない。
不安定な心理状態が長くつづくと、それを解消しようと、さまざまな心理作用が働く。
それを防衛機制という。
何か仰々しい言葉のように聞こえるかもしれないが、「防衛メカニズム」のこと。
その防衛機制により、異常なことが発生しているにもかかわらず、「正常な範囲」と思い込んでしまう。
つまり事実を誤認してしまう。
「富士山の噴火といっても、何か前兆があるはず。前兆が現れてから行動すれば間にあう」と考えるのも、それ。
が、先にも書いたように、必ずしも前兆があるわけではない。
あるいはすでにいくつかの前兆は現れている(本書)。
さらに「凍りつき症候群」。
本書は、興味深い事実を指摘している。
●凍りつき症候群
文字通り、思考が「凍りつき状態」になってしまうことをいう。
たとえば「東日本大震災(3・11大震災)のとき、政府は原発事故発生直後にSPEEDI(放射性物質拡散予測システム)を公表しなかった。
……当時政府は、『公表するとパニックになるからしなかったと担当者が判断したのでは』という趣旨のことを言ったという(本書)。
しかしこの考えは、まちがっている。
パニックは、そう簡単には起こらないものである。
怖いのはパニックではなく、パニックを恐れる人たちが引き起こす情報隠しである。
震災直後の政府はパニックや凍りつき症候群に陥り、行動機能が停止した可能性が高いとみている」(本書、P160)と。
富士山で噴火が起きれば、同じように、正常性バイアスや凍りつき症候群が起きるかもしれない。
これが被害をかえって拡大させる。
わかりやすく言えば、最後は、「私たちの生命と財産は、自分で守る」と。
その本は、私たちにそう教えている。
●日本の未来
ともあれ、日本や世界は、激動期に入った。
航海にたとえるなら、暴風雨圏に突入した。
荒れ狂う風と波。
視界は今のところ、まだ何とか明るい。
が、その先には、真っ黒な、それこそ天まで届くような雲が立ちはだかっている……。
が、日本は未来を失ったわけではない。
オーストラリアの友人はいつも、こう書いてきている。
「日本がもつ技術力を大切にしろ」と。
日本の中に住んでいるとそれがわからない。
しかしオーストラリアから見ると、それがわかるらしい。
日本は、その技術力まで、まだ失ったわけではない。
つまりマン・パワー。
日本はそのマン・パワーで、この暴風雨を乗り切るしかない。
また乗り切れる。
●総括
富士山の噴火は、今回の3・11大震災で、早まったという。
さらに東南海地震も、早まったという。
首都直下型地震も心配される。
いろいろな説が飛び交っているが、油断は禁物。
『富士山の噴火は始まっている』(宝島社)を読んで、そういう感想をもった。
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(注・補記)
ワイフにこのことを話すと、ワイフはこう言った。
「先日、テレビで見たわ」と。
どこかのテレビ局で、富士山の噴火について、報道したらしい。
が、これも「正常性バイアス」。
「テレビでも報道したくらいだから、政府が何とかしてくれるだろう」と。
あるいは「みなが心配していることだから、みなと同じように行動すればいい」と。
そう考え、かえってこの問題から、遠ざかってしまう。
大切なことは、自分で情報を集め、自分で考えること。
テレビを見たくらいでは、頭の中には何も残らない。
そのまま情報のワンオブゼムとして、どこかへ流れてしまう。
情報の洪水の中で、ことの深刻さが理解できなくなってしまう。
もちろん「知識」としても、頭の中に残らない。
情報は頭の中で反すうする。
それによってはじめて、情報は、「知識」となる。
Hiroshi Hayashi+++++++June. 2012++++++はやし浩司・林浩司
●RECOLO
おととい、電気ショップへ行った。
「RECOLO」という、カメラを買った。
RECOLOのホームページにある一文を、そのまま紹介する。
「……レコロは、設定時間ごとに撮影をおこなうインターバル撮影を手軽に楽しめる専用カメラです。
ふつうのカメラでは撮影できない長時間の定点観測を記録することができ、植物の成長の様子など観察に利用できます。
インターバル撮影で撮った動画は、時間の流れが普通の動画とは違い、日常では見たことのない動画が撮れることができます。
撮影された動画は、Youtubeなどの動画投稿サイトでは人気があり、WEB媒体のニュース等でも多くの動画が記事に取り上げられています」(以上、RECOLO・サイト)と。
つまり時間を短縮した映像を、撮影することができる。
で、今、それを使って、夜明けのシーンを撮っている。
夜明けの景色とともに、空の雲の動きも、撮影できるはず。
時刻は、現在、午前5時10分。
昨夜遅く、この山荘にやってきた。
……で、ためしに、すでにいくつかのシーンを撮ってみた。
教室の中の子どもの様子や、道路の様子など。
RECOLOのHPにもあるように、花が咲くシーンなども、数秒から数十秒の範囲で撮影することができるという。
楽しい+おもしろい。
……ということで、ここしばらくはRECOLOにはまりそう。
夏になったら、入道雲を撮影してみたい。
街へ出かけ、人の動きを撮影してみたい。
もちろん時間をかけ、植物が生長していく様も、撮影してみたい、などなど。
ささやかだが、小さな夢がふくらむ。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●インコのPippi
昨夜、この山荘へ来る前、Pippiとひと騒動あった。
つかまえて、鳥かごに入れようとしたが、Pippiのほうが、それを先に読んでしまう。
逃げ回る。
で、何とかつかまえるのだが、あのくちばしで、かまれると痛い。
が、それでも何とかつかまえて、鳥かごの中へ。
そこへ息子が帰ってきた。
息子がすぐまた鳥かごから出した。
Pippiは、息子にいちばん、なついている。
私たちのような手荒なことはしない。
で、私とワイフが、この山荘に出かけるときのこと。
ふと振り返って見ると、Pippiは、息子の手の中で、体を3分の1ほど乗り出し、私たちのほうを見ていた。
半分目を閉じたり、開けたり……。
安らいだ表情……というよりは、勝ち誇ったような表情だった。
「ザマーミロ」と。
それを山荘に着いてからワイフに話すと、ワイフも同じように感じたらしい。
「私も、そう感じたわ」とワイフ。
「あいつ、小鳥のくせに、生意気だな」「ホントね」と。
先月、オーストラリアの友人(メルボルン在住)が我が家に泊まったとき、こう話してくれた。
オーストラリアには、インコはたくさん住んでいる。
友人の庭先にも、よくやってくる。
オームもやってくる。
「インコは、利口だよ。
偶然、何かの行動をしているというよりは、いつも、何かを考えながら行動している。
インコの行動には、いつも理由がある」と。
つまりインコの行動は、すべて計算ずく、と。
生後3か月目に入ったPippi。
何度も書くが、日に日に知恵をつけ、利口になっていくPippi。
今は、人間の子どもにたとえるなら、幼児期後期の自立期に入ったよう。
何をするにも、自分の意思を明確に示すようになった。
こちらが呼んでも、どうして呼んでいるのか、その理由を見極めるようになった。
ただ呼んだだけでは来ない。
「うるさい!」というような顔をして、私の声を無視する。
が、食パンなどを食べていると、どこからともなく飛んできて、私といっしょに、それを食べている。
抜け目がない。
いっしょにいると、何かとうるさい小鳥だが、離れていると、無性に会いたくなる。
今が、そのとき。
近くの木の上で、ウグイスがさかんに鳴いている。
あのウグイスも、Pippiと同じくらい、利口なのだろうか。
……と思ったが、Pippiは、小鳥というより、人間の子どもにはるかに近い。
成鳥になると、人間の3歳児程度の知的能力をもつようになるとか。
楽しみというより、それだけに恐ろしい。
そう言えば、息子が先日、こう言った。
「こいつ(=Pippi)は、犬でもないし、鳥でもない。
おかしな生き物だ」と。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●映画評論
このところ映画評論を、あまり書いていない。
しかし見てないわけではない。
「メン・イン・ブラック3」も、「ミッドナイト・イン・パリ」も、「ダークシャドウ」も、どれも、見た。
昨日から始まった「スノーホワイト」は、今日か明日には見るつもり。
もうひとつ「幸せへのキセキ」もある。
これもボケ防止のため。
見たくて見るわけではない。
つまり運動と同じ。
ところで今朝は、このまま自宅に向かって歩くつもり。
ワイフはまだ床の中。
午前6時には、この山荘を出たい。
目標は、2時間で15キロ。
では、今朝はここまで。
Hiroshi Hayashi+++++++June. 2012++++++はやし浩司・林浩司
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