【貧者の論理】
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近代経済学が、なぜ、世情に合わないか。
国際政治学でも、よい。
近代経済学は、世情を捉えるのに、ことごとく失敗している。
理屈どおりには、いかない。
理論どおりにも、進まない。
そこで経済学者たちは、頭を悩ます。
国際政治は混乱する。
それもそのはず。
経済学者たちには、(こういうふうに大上段に
構えて、ものを書くのも気が引けるが)、
貧者には貧者の論理というものがある。
貧者の論理は、理屈や理論どおりには、動かない。
そのことがまったく、わかっていない。
貧困が、嫉妬、ひがみ、ねたみ、うらみ、いじけを生む。
それらが複雑に屈折し、絶望、虚無主義につながる。
善悪の基準そのものも、ちがう。
リッチな世界では重犯罪でも、貧者の世界では
ただの(遊び)。
窃盗にしても、貧者の世界では、窃盗されるほうが、
悪いとなる。
この(ちがい)が、経済学者が考える経済理論を、
根底からくつがえす。
国際政治学にしても、そうだ。
きれいごとだけでは、国際政治は動かない。
つまり数字や理屈で考える常識では、理解不能。
いくら想像力を豊かにしても、貧者の論理は、その
向こうにある。
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●観光事業
たまたまこんな事例がある。
韓国側の1民間企業が主体となって、K国への観光事業を始めた。
その1民間企業にとっては、メリットは大きい。
K国内での観光事業を、独占的に展開できる。
一方、K国側は、観光客の落とす現金で、潤う。
が、その観光事業は、現在、中断している。
理由は、観光客の射殺事件。
K国側は、その事件について、正式に謝罪をしていない。
補償もしていない。
事件の調査すら、韓国側にさせていない。
韓国政府が、観光事業を中断させるのは、当然である。
が、これに対して、1民間企業である観光会社の社長が、K国まで行って、直談判。
社長と、K国の幹部とは、何やら深い関係にあるらしい。
これに対して、K国側は、「観光事業を再開してほしい」と。
その返答を受けて、社長は意気揚々と韓国へ帰ってきた。
が、韓国政府の反応は、こうだ。
「国としての正式の回答ではないので、政府としては、何とも返事をしかねる」と。
これにK国が、反発した。
そのときのニュースが、これ(時事通信11月25日)。
『朝鮮中央通信は25日、中断しているK国の金剛山と開城での観光事業について、韓国の玄仁沢統一相を、名指しで批判する朝鮮アジア太平洋平和委員会報道官談話を伝えた。談話は南北間の観光事業について、「南朝鮮(韓国)当局が、対決の目的に悪用し、阻もうとしている」と主張した』と。
とくに「?」なのが、「韓国当局が、対決の目的に悪用し」という部分。
●貧者の論理
どうして、悪用なのか?
この理解不能の部分に、実は、貧者の論理が働いている。
貧者は、「援助してもらうのが、当然」と考える。
援助してもらうことについて、感謝の念は、最初から、ない。
だからその援助が止められることを、「悪用」ととらえる。
誤解がないように書いておくが、「観光事業」とはいうものの、その中身は、「援助」。
道路整備から観光バス、宿泊施設の建設まで、韓国側で提供している。
わずかな距離の観光だが、その費用は、10~30万円。
韓国側の観光客は、法外な費用を払って観光する。
一方、K国側にとっては、そのまま貴重な外貨の収入源となる。
それを韓国側が、取りやめた。
それをK国は、「悪用」という。
●3年前の原稿より
こうした貧者の論理を理解するためには、一度、あなた自身を貧者の立場に置いて
みる必要がある。
それについては、以前にも書いたので、そのまま紹介する。
日付は、06年の10月となっている。
Hiroshi Hayashi++++はやし浩司
●K国の核実験宣言
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K国が、核実験をすると、
公式に発表した。
だれにも相手にされなくなると、
悪あがきしてみせる。
「ならず者」の典型的な
行動パターンである。
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とうとうというか、ついに、K国が、核実験を公式に宣言した。「アメリカの反共和国(反
北朝鮮)孤立圧殺策動が限界点を越えた状況にあって、われわれはこれ以上、傍観してい
るわけにはいかない」(10月3日・K国外務省)というのが、その理由だそうだ。
アメリカが悪い。だから核実験をするのだ、と。
とんでもない意見に聞こえるかもしれないが、貧者には貧者の論理(※)というものが
ある。その日の食べ物に困っている人にしてみれば、腹いっぱい、おいしいものを食べて
いる人を見ただけで、腹がたつもの。それはわかる。しかしそれを考慮に入れても、K国
のこの言い分には、(?)マークが、何個も並ぶ。
が、もし核実験をすれば、それで本当に、K国は、おしまい。おしまいの、おしまい。
あとは自己崩壊するしかない。つまりK国は、現在、そこまで追いつめられている。K国
というより、金xxによる独裁政権は、そこまで追いつめられている。
日本としては、金xx独裁政権を、自己崩壊させるのが、もっとも好ましいシナリオと
いうことになる。拉致問題も、それで解決する。
しかし、問題は、韓国。いまだに、「同胞、同胞」と、K国にすりよっている。どこか演
歌的? どこか浪曲的? あのN大統領は、「北朝鮮の核は一理がある」とさえ言ったこと
がある。最近にいたっては、「K国が核実験をしても、戦時作戦統制権の単独行使には影響
しない」とまで言い切っている。「K国が核事件をしても、アメリカ軍は、必要ない」と。
天下のおバカ大統領である。K国が核兵器をもてば、韓国内の軍隊は、すべて「紙くず」
(朝鮮N報)と化す。にもかかわらず、そういうことが、まるでわかっていない。あるい
はそのうち、「K国をここまで追いこんだのは、アメリカだ。日本だ」と言い出すかもしれ
ない。
何度も書くが、K国の金xxは、もう(まとも)ではない。はっきり言えば、狂ってい
る。そういう人間を相手に、まともな議論などしても意味はない。金xxの言動を、いち
いち分析しても意味はない。真意はどうの、目的はどうのと、論じても意味はない。
私たち日本人は、そういう前提で、K国問題を考え、K国の核開発問題を考える。K国
が自己崩壊すれば、韓国や中国は困るかもしれない。が、今の段階では、そんなことは日
本の知ったことではない。そういうのを、私たちの世界では、「自業自得」という。
それにしても、とうとうここまで来たか……というのが、今の私の実感である。
【貧者の論理】(※)
若いころ、オーストラリアの大学で、ある教授が口にした言葉である。名前は忘れたが、
その教授は、『貧困による公害(Pollution by Poverty)』という言葉を使った。
つまり貧者には貧者の論理というものがあり、その論理を忘れて貧者を語ることはでき
ないというものだった。
たとえば1人の金持ちと、1人の貧者がいたとする。金持ちは、自分が豊かであること
を、見せつけるともなく、見せつける。そして貧者に向かって、こう言う。「君も、ぼくの
ようになりたかったら、努力しなさい」と。
金持ちは、貧者に努力の大切さを教えたつもりかもしれないが、貧者は、そうはとらな
い。貧者は、やがてその金持ちを、ねたむようになる。そしてこう思うようになる。「お前
たちのような人間がいるから、オレたちは貧しいのだ」と。
そのよい例が、現在のK国である。
情報が遮断(しゃだん)されていることもあるが、K国の人たちは、だれも、自分たち
の指導者がまちがっているとは思っていない。とくに金xxを取りまく人たちは、そうで
ある。
西側の豊かさを見聞きするたびに、それをうらやましいと思う前に、「西側が、オレたち
の発展をじゃまするから、オレたちは貧しいのだ」と考える。豊かな生活といっても、その実感そのものがない。
そのため貧者は、貧者であるがゆえに、屈折したものの考え方をする。そしてそのため、
貧者の世界では、勝者の論理は、ことごとく否定される。「核兵器を拡散させたら、世界は
たいへんなことになる」と説くのは、勝者の論理である。貧者は貧者で、別の論理で考え
る。そしてこう言う。
「自分たちは核兵器をもっていて、何てことを言うのだ!」と。「第三世界」という言葉
も、そういう過程で生まれた。
こうして勝者と貧者は、あらゆる場面で、ことごとく対立する。おおざっぱに言えば、
それがアメリカ流民主主義が、その世界でしか通用しないという理由でもある。さらにお
おざっぱに言えば、西側の経済論理が、その世界でしか通用しないという理由でもある。
こうした貧者の論理にメスを入れ、それを解き明かそうとする努力も、いろいろな場面
でなされている。が、そのどれも結局は中途半端で終わってしまうのは、いつも勝者が勝
者の立場で、貧者を論ずるからである。
(06年10月4日記)
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07年にも、同じような原稿を書いていた。
こうして原稿を拾い出してみると、私は
ちょうど2年ごとに、同じことを考えて
いるのがわかる。
どうでもよいことだが・・・。
内容が一部、重複するが、許してほしい。
Hiroshi Hayashi++++はやし浩司
●今日・あれこれ
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K国は、K国で開発したミサイルを、
イランで実験していたという。
そのイランは、ウランの濃縮を加速
させているという。
K国とイラン。水面下で、深く、結
びついている。
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●貧者の論理
貧者には、貧者の論理というものがある。(私はよく知っているぞ!)
たとえばあなたが日々に生活に困り、今日の食べ物すらままならない生活をしていたと
する。子どもは腹をすかせて、泣いている。午後には、借金取りがやってくる。
そういうとき、あなたの隣人は高級車を乗り回し、豪勢な買い物をしている。見ると車
の後部座席には、夕食の食材が、どっさり!
そういう隣人を見て、あなたはうらやましいと思うだろうか。その隣人を、すばらしい
人と思うだろうか。が、実際には、そうではない。
ここで貧者の論理が働く。貧者は、こう考える。「お前たちが富を独り占めにするから、
オレたちは貧しいのだ」と。
が、そういう声は隣人には届かない。その隣人は、あなたに向かってこう言う。「あなた
も一生懸命、働きなさい。働けば、いい生活ができます」と。
しかしあなたはそれに反発する。反発するだけではない。怒りすら覚える。隣人のアド
バイスは、こう言っているように聞こえる。「あなたが貧しいのは、あなたがなまけている
からだ」と。
そうではない! この日本では、ほんのわずかでも、チャンスをつかんだ人だけが成功
する。そうでない人は、そうでない。それは個人の力というよりも、(流れ)の中で決まる。
あせればあせるほど、深みにはまり、ますます身動きが取れなくなってしまう。そういう
人は多い。
●富者の論理
K国を理解するときは、この貧者の論理を念頭に置かねばならない。食糧はない。原油
もない。いろいろ経済政策を試みてはみるが、どれも、うまくいかない。失敗の連続。
つまり相手の立場で、ものを見る。K国から見たら、この日本はどう見えるかというこ
と。このことは、日本に住んでいる、在日K国人と言われている人たちを見ればわかる。
彼らは日本に住み、日本のことをたいへんよく知っている。同時に、K国のことも、た
いへんよく知っている。本来なら……というより、常識的に考えれば、K国の政治体制が
おかしいと、だれしも思うはず。しかし彼らは、そうは思っていない。日本の繁栄ぶりを
見ながらも、こう思っている。「この日本が繁栄しているのは、私たちが犠牲になったから
だ」「今も犠牲になっているからだ」と。
貧者の論理がまちがっているというのではない。しかし富者の論理だけでものを考える
と、失敗する。そのよい例が、経済学である。
ほとんどの近代経済学は、その富者の論理だけで成り立っている。国際政治にしても、
そうだ。大きく見れば、アメリカのイラク政策、イラン政策、さらにはK国政策も、アメ
リカという富者の論理ばかりが先行している。だからいつも限界にぶつかる。あるところ
までは正当性をもつが、それを乗り越えることができない。いつもそこで第三世界の反撃
をくらう。
●加工される貧者の論理
だからといって、K国の核開発やミサイル開発を容認せよというわけではない。こうし
た貧者の論理を当てはめても、とうてい理解できないほど、K国の論理は、常軌を逸して
いる。むしろ貧者の論理を、逆手(さかて)に取って、自分たちを正当化している。
そこで今度は、イランでのミサイル発射実験である。K国は、自国で開発した長距離ミ
サイルを、イランで実験していたという(5月16日)。
日本にとっては、とんでもないニュースである。が、ここでもやはり貧者の論理が働く。
この日本でも、かつてこう言ったニュースキャスターがいた。当時は夜のニュース番組を
代表するキャスターだった。
K国の核開発問題に触れながら、こう言った。「何、言っているんですか。アメリカだっ
て、核兵器をもっているではありませんか!」と。どこか吐き捨てるような言い方だった。
つまり、「核兵器を思う存分もっているアメリカが、K国の核兵器開発を問題にするのはお
かしい」と。
しかし忘れてならないのは、K国の核兵器開発は、「日本向け」のもの。かねてから、K
国の政府高官たちは、そう繰り返し述べている。「韓国向け」ではない。もちろん「中国向
け」でもない。「アメリカ向け」という説もあるが、アメリカに対しては、「脅し」にすぎ
ない。
私はこの発言にあきれて、即座にテレビ局に抗議の電話を入れた。あのA新聞社の系列
のA放送である。「拉致問題は、日本政府のデッチあげ」と主張してやまなかった、あのA
新聞社である。
貧者の論理は貧者の論理でも、富者によって加工された貧者の論理である。
●経済制裁
そういうK国に対して、経済制裁は、当然のことである。もっとわかりやすく言えば、
私たちは、目下、戦争状態にある。かつて「戦争は政治の延長である」と言った政治家が
いたが、戦争といっても、ある日、突然、始まるものではない。それまでの(くすぶり)
があって、ある日、ボッと火が燃えあがる。
わかりやすく言えば、すでに戦争は始まっているということ。私たちがなすべきことは、
K国というよりも、K国の体制を崩壊させること。独裁政権であるがゆえに、ほかに方法
はない。
が、この経済制裁を、つぎつぎと骨抜きにしているのが、ほかならぬK国の隣国の韓国
である。それについてはすでにたびたび書いてきたので、ここでは省略するが、今度は、
米中韓Kの、4か国首脳会議を画策している。南北首脳会談も画策している。もっとも4
か国首脳会議については、アメリカが異議を唱えたため、韓国政府は、「6か国協議の枠内
での4か国首脳会議」(5月16日)と、言いなおしている。
どうであるにせよ、現在の韓国は、イコール、K国と考えてよい。つまりこの日本は、
韓国とも、すでに戦争状態にあるとみるべきである。
●東京に核兵器が!
いろいろな意見がある。「原爆の1発や2発、(東京に落ちても)、どうということはない」
という意見もある。どこかの科学者が、ある雑誌で、堂々とそういう意見を披露していた(雑誌「S」)。
あるいは「K国には、核開発をする能力はない」と主張している学者も多い。
しかしそのK国が、どうやら水面下で、イランと結びついているのがわかってきた。K
国はミサイル技術を提供し、イランは、核開発技術を提供する。……となると、今までの
図式が総崩れとなる。「K国、一国だけなら……」と考えていた人も多いかと思うが、それ
がグローバルな問題へと、ここで一気に拡大する。
中東問題もからんでくる。米中、米ロ問題もからんでくる。もしそうなれば、(現実にそ
うなりつつあるが……)、それこそまさにK国の思うツボ。国際社会の混乱を引き寄せなが
ら、つぎに一気に、日本をおどしにかかってくるはず。
そのとき、アメリカとの間に、相互不可侵条約のようなものであれば、仮にK国が日本
を攻撃しても、アメリカはK国に対して、手も足も出せない。日本は日本で、憲法9条に
制約されて、防衛に徹するしかない。
たとえば仮に今、東京でK国の核兵器が爆発しても、日本は、それに対してK国に反撃
することもできない。もちろん今は、日本は、アメリカの核の傘のもとにあるから、一応、
アメリカがK国に反撃してくれることになっている。
しかしそのアメリカにしても、自国を犠牲にしてまでも、日本を守ってくれるだろうか。
そんな疑問もないわけではない。
●ではどうするか?
日本にとっての最良のシナリオは、K国が自己崩壊すること。これはK国の人たちのた
めでもある。あのFさん(韓国へ亡命したK国の元政府高官)や、韓国に脱北した人たち
も、みな、そう言っている。
が、これに猛烈に反対しているのが、韓国政府であり、中国政府ということになる。と
くに韓国のN大統領の論理は、貧者の論理の上に成り立っている。
「朝鮮半島が南北に分断されたのは、アメリカのせい」「しかも、こうした悲劇の基礎を
作ったのは日本」と。
それが反米、反日運動の原点にもなっている。加えて、(1)「日本ごときに韓国が蹂躙
(じゅうりん)された」という憎しみ、(2)独立を自分たちの力でなしえなかったという
不完全燃焼感(以上、M氏談)もある。
以上を考えていくと、私たち日本人がなすべきことは、ただひとつ。現在の日韓経済戦
争に勝利することである。わかりやすく言えば、韓国経済をたたきつぶす。
……こう書くと、かなり過激な意見に聞こえるかもしれないが、日本はそうでなくても、
向こう(=韓国)は、その気で、日本の常に挑戦をいどんできている。それがわからなけ
れば、韓国の中央N報、朝鮮N報、東亜N報の各紙を、ほんの少しでもよいから目を通し
てみることだ。
「日本に勝った」「日本に負けた」の記事が、連日のように、トップ記事として並んでい
る。
……何はともあれ、東京とのど真ん中で、たった1発でも、核兵器が爆発してからでは、
遅いのである。それだけは忘れてはならない。
(07年5月17日記)
Hiroshi Hayashi++++はやし浩司
●母のこと
「貧者の論理」というと、特別の人だけがもつ論理に考えるかもしれない。
しかし実際には、そうでない。
私だって、あなただって、その立場になれば、もつ。
私の母だって、そうだ。……そうだった。
私は結婚する前から、実家に住む母に、収入の約半分を仕送りしてきた。
今のワイフと結婚するときも、それを条件として、ワイフと結婚した。
だからワイフは、以後、20年以上、何ひとつ不平や不満を言わず、それをつづけてくれた。
が、一度(保護)(依存)の関係ができると、それを断ち切るのは容易なことではない。
最初は感謝されるが、1~2年もすると、それが当たり前になり、さらに1~2年もすると、今度は相手側から請求されるようになる。
仕送りの額を減らしたり、遅らせたりすると、かえって相手の反感を買ってしまう。
私の母のばあいは、泣き落とし戦術というか、そのつど、メソメソと泣き言を言ってきた。
兄もそうだった。
何かほしいものがあると、「~~がないで困る」「~~が壊れた」と電話をかけてきた。
こうして冷蔵庫、ステレオ、テレビなどなど。
コンロまで、別枠で、私が買って与えるようになってしまった。
そんなある日、私は私の山荘へ母と兄を招待した。
山荘といっても、小さな山を買い、6年かかって、造成した土地である。
毎週土日に、ワイフと2人で、工事をした。
家だけは、地元の建築会社に建ててもらった。
その山荘を見て、母は、こう言った。
「どうせ建てるなら、M町(実家のある町)に建ててくれればよかった」
「そうすれば、私が使えた」と。
私の夢がかなったことを、母は喜んでくれるものとばかり思っていた。
が、母には、母の論理があった。
「親孝行をするのが、先。息子であるお前が、親よりいい生活をするのは許せない」と。
そうは言わなかったが、私には、そう聞こえた。
だからといって、母を責めているのではない。
母は母で、貧者の論理で、ものを考えていた。
●机上の空論
貧者の論理は、人間が原罪的にもつ(欲望)と深くからんでいる。
そのためにひとたび扱い方をまちがえると、その論理に毒されてしまう。
正常な判断力、思考力すら、見失ってしまう。
これは人間性の問題というよりは、油断の問題と考えてよい。
つまり人は、いつもどこかで、(保護)(依存)の関係を保ちながら、他の人と交わっている。
それが複雑にからみあっている。
保護している人も、べつの場面では、だれかに依存している。
依存している人も、べつの場面では、だれかを保護している。
が、ひとたびどこかで油断すると、そうした関係が、貧者の論理に毒されるようになる。
嫉妬、ひがみ、ねたみ、うらみ、いじけが、その人の心をゆがめる。
心そのものがゆがむため、自分でそれに気づくことは、まずない。
その一例が、現在のK国ということになる。
韓国側が、観光事業を止めたことを、「被害」と、受け止める。
そして観光事業を再開しないことを、「悪用」と、とらえる。
韓国政府は先に、トウモロコシ1万トンの援助を申し出た。
それについても、「少なすぎる?」という理由で、K国側は、受け取りすら拒否している。
私たち日本人からすると、「どこまでいじけるか?」ということになる。
しかし彼らは、けっして自分たちが、いじけているとは思っていない。
それが正当な行為と信じ切っている。
貧者の論理に毒されると、そういうものの考え方をするようになる。
で、冒頭の話になる。
経済学にもいろいろある。
そのつどいろいろな学者が自説を披露する。
しかしこと経済については、(国際外交もそうだが)、理論どおりには機能しない。
「援助してやったから、貧しい国の人たちは、感謝しているはず」
「~~億ドル、渡したから、これで国の再建はできるはず」と。
しかしこうした論理は、貧しい国の人たちには、通用しない。
彼らには、彼らを支える論理がある。
それが、「貧者の論理」ということになる。
言い換えると、貧者の論理にメスを入れないかぎり、経済学も、国際政治学も、いつまでたっても机上の空論で終わってしまう。
私は、それを書きたかった。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 貧者の論理 ゆがんだ心 歪んだ心 嫉妬 ひがみ いじけ 恨み)
Hiroshi Hayashi++++++++Nov.09+++++++++はやし浩司
●36億円!
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もちろん私の中にも、貧者の論理が
巣くっている。
「36億円」という数字をみたとき、
それを感じた。
++++++++++++++++++
●ケタはずれ
あまりにもケタはずれなので、驚いた。
鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐる、政治資金収支報告書の
虚偽記載問題に関して、驚くなかれ、鳩山首相の実母が、自己名義の口座から、
何と計約36億円を引き出し、現金化していたという。
36億円だぞ。
新聞などの報道によれば、「現金化された資金の一部が、首相の政治資金に
充てられた可能性もあるとみて、東京地検特捜部が、慎重に調べている」(C新聞)
とのこと。
今のところ、「首相への貸付金なら、法的な問題は生じない」とし、「悪質ではない」
という理由で、直接の担当者については、在宅起訴程度ですませる予定という。
●悪意性はない?
親子の間だから、多少の金銭の動きはあるだろう。
政治活動ともなれば、なおさら。
しかしその額が、問題。
約36億円!
つい先日、民主党のOZ党首の、3億円の献金が問題になった。
そのあと、自民党のAS前首相の、2億5000万円の機密費が問題になった。
しかし36億円というのは、1桁、桁がちがう。
その36億円について、「貸付金なら問題はない」「悪質性はない」とは!
いくらそうであっても、貧者は、それでは納得しない。
●消えた36億円
それにしても興味深いのは、つぎの2点。
(1) 36億円という巨額の資金は、どこへ消えたのか。
(2) 貸付金とはいうものの、そんな借金を、この先、どうやって返済するのか。
この先、その中身は特捜部の捜査によって、少しずつ明らかになるだろう。
しかしいろいろな見方ができる。
ひとつは、母親から鳩山総理大臣に対する、生前贈与。
毎月、小口に分けて送金したということから、それが疑われる。
だから鳩山総理大臣は、政治資金に使ったというよりは、自分の(財産)として、
それをプールした可能性も、なくはない。
仮に政治資金として使われたとするなら、それによって利益を受けた人もいるはず。
どこに、どのように使われたのか。
考えれば考えるほど、疑惑がわいてくる。
●貧者のひがみ
週に1回、温泉街にある温泉に行く。
1回の入浴料金は、1000円。
ゆかたを借りると、プラス300円。
たいてい帰りには、回転寿司の店に寄って、一皿100円の寿司を食べる。
あるいは全国チェーンのラーメン店に寄る。
計、2000円。
夫婦で遊んでも、4000円。
計算するのもバカ臭いから、数字を並べてみる。
温泉+回転寿司 4000円
鳩山首相のポケットマネー 3600000000円
「0」の数だけ並べ比べても、それがわかるはず。
それでも、まあ、自分としては、リッチなほうっだと思っている。
好きなことを、予算を考えないでできる。
(たいした予算ではないが……。)
しかしそれでも、36億円という金額は、想像できない。
しかも新聞報道によれば、毎月5000万円。
それを6年間!
●論理という非論理
いつの間にか、この日本は、こんなバカげた国になってしまった。
こういう話を耳にするたびに、(まじめ)さが、この国から色あせていく。
つまり自分のしていることが、バカ臭くなっていく。
もう少しわかりやすい例で説明しよう。
あなたには3人の子どもがいる。
みんな、腹をすかせている。
電気代もガス代も、節約しなければ、生活できない。
そんな中、隣の家を見ると、煌々と明かりがついている。
垣間見る台所には、食べ物が山のようになっている。
そんなとき、だれかがあなたにこう言ったとする。
「この世は、より働くものが、よりよい生活ができる。
そうでないものは、そうでない」と。
あなたはその論理に、素直に納得するだろうか。
●毎月5000万円、6年間!
そういう人が、日本の総理大臣をしている!
私はこの事実が、許せない。
たとえばあのK国では、首都のP市に住む人だけが、それなりによい生活が
できるという。
P市に住めるというだけで、特権階級。
一方、地方では、09年の秋になってから、餓死者が出始めているという。
そういう話を聞くと、私たちは、こう思う。
「何て、バカげた国なんだろう」と。
しかしそういう国を、だれが笑うことができるのか。
笑うことができないだけではない。
結局は、私たち日本人も笑われている。
いくら「悪意性はない」と言っても、そんな論理は、まともな世界では通用しない。
はっきり言えば、狂っている。
一国の首相の母親が、毎月5000万円だと!
それを6年間も!
●退陣あるのみ
何が、民主主義だ。
民主党だ。
名前を聞いて、あきれる。
民主主義の本質を、根底からひっくり返している。
民主主義そのものを、否定している。
これほどまでの不平等を、自ら放置し、容認するばかりか、その不平等の上に、
どっかりと腰をすえている。
36億円というポケットマネーは、そういうお金。
どうしてそういう人物が、日本の首相でありえるのか。
日本の首相で、いてよいのか。
自民党のあのAS前首相には、うんざり。
がっかり。
その上、鳩山首相まで!
いったい、私たちは何を信じたらよいのか。
最後に一言。
この問題は、「悪意性がない」とか、あるとかいう問題ではない。
私たちが今感じている、このやりようのない(怒り)。
それが、問題。
挫折感。
失望感。
それが、問題。
昨日の世論調査によれば、民主党の支持率こそ、50~60%前後だそうだが、
鳩山首相個人への支持率は、10%前後しかないという。
当然のことだ。
あのAS前首相の支持率より低くなったことを、忘れてはいけない。
「民主党」のために、鳩山首相、ならびに、OZ氏は、即刻退陣したらよい。
がんばればがんばるほど、民主党に与えるダメージは、大きくなる。
日本の民主主義は、後退する。
Hiroshi Hayashi++++++++NOV.09+++++++++はやし浩司
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