●憎むvs恨む
人を恨んだり、憎んだりするのも、たいへん。
ものすごいエネルギーを消耗する。
だったら、恨んだり、憎んだりするのは、やめたらよい。
反対に、その人のために、祈ってやる。
「どうか、心を平安に」と。
というのも、恨まれたり、憎まれるような人は、そういう人。
放っておいても、自ら墓穴を掘っていく。
定められた運命に沿って、自らの道を選んでいく。
私やあなたが、どうこうしたところで、その運命は、変えられない。
あとのことは、その人自身の運命に任せればよい。
●相手にしない
こういう私の意見に対して、ワイフはこう言う。
「憎むも、恨むもないわよ。何も考えなければいいのよ」と。
つまりあれこれと気を回すから、こちらも疲れる。
まったく忘れてしまえば、それでよい、と。
ワ「話しあったところで、何も解決しないでしょ」
私「そうだね」
ワ「どうせわかる相手でないし……」
私「そう。そういう限界は、このところよく感ずる」
ワ「そうよ」と。
●人生のドラマ
人生にはいろいろなことがある。
その(いろいろなこと)が、無数のドラマを作り、それが人生を楽しくする。
みながみな、聖人でも、この世の中は、つまらない。
(悪人でも、困るが……。)
あっちで衝突し、こっちで衝突し、そうした(衝突)の中から、ドラマが生まれる。
もっとも当事者は、とことん神経をすり減らすが……。
それに人とのトラブルは、できるだけ避けたい。
平凡は、それ自体が、美徳。
だから……。
あなたの身の回りに、恨んだり、憎んだりしなければならないような人がいたら、
無視すればよい。
ただひたすら、無視。
あとはワイフが言うように、忘れる。
忘れて、自分の心の平安を大切にする。
Hiroshi Hayashi++++++++Oct. 09+++++++++はやし浩司
●相続問題
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相続問題が、これほどまでに厄介なものとは、
思わなかった。
人間の欲得には、際限がない。
その際限のなさが、相続問題を、こじらせる。
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●額には関係なし
数億円の相続財産があるというのなら、まだわかる。
争うだけの価値は、ある(?)。
しかし実際には、わずか数百万円の財産を取りあって、兄弟姉妹が、骨肉の争いを
繰り返す。
そんな例は、いくらでもある。
金銭問題がこじれると、とかく人間関係はこじれやすい。
そこへ相続問題がからむと、さらにこじれる。
たいてい泥沼化し、やがて悪臭を放つようになる。
●1円ももらえなかった
A子さん(現在60歳)の父親が亡くなって、もう20年になる。
A子さんは、現在、85歳の母親と、2人暮らしをしている。
そのA子さんが、こんな話をしてくれた。
「歳をとればとるほど、人はお金に執着するようになる」と。
85歳になった母親が、毎日、お金の話ばかりしているという。
やや認知症ぽいところはあるが、その年齢の女性にしては、平均的とのこと。
●20年も前の話
A子さんの母親は、今でもことあるごとに、こう言うという。
「私は、(亡くなった夫の)実家から、遺産分けをしてもらっていない」と。
亡くなった……といっても、先にも書いたように、それからもう20年になる。
その夫には、2人の兄弟がいた。
(亡くなった夫も含めて、3人。
うち2人は、すでに他界。現在は、末の三男が郷里の実家に住んでいる。)
亡くなった夫は、その中の二男だった。
たいした財産ではなかった。
G県の山奥の、もとはと言えば、小作農。
しかも夫が生きている間は、夫婦喧嘩ばかりしていた。
そんな妻であっても、亡き夫の相続財産に執着し、「私たちは、遺産相続を
してもらえなかった」「1円ももらっていない」と。
●兄弟関係
こだわる人は、こだわる。
こだわらない人は、こだわらない。
それが相続問題である。
「親の財産など、最初からアテにしないこと」とは言うが、その年齢が
近づいてくると、何かと気になる。
日ごろから、兄弟姉妹関係が良好なら、まだ救われる。
が、関係がおかしくなると、とたん、相続問題が浮上する。
「判を押す」「押さない」がこじれて、裁判沙汰になるケースも少なくない。
●便利な『ダカラ論』
義兄はこう話してくれた。
「ぼくにも、2人の妹がいるが、あいつら、ときとばあいに応じて、ダカラ論を
うまく使い分ける」と。
お金を払う話になると、「私らは女だから」「家を出た身分だから」と言う。
つまり「払わない」「払う必要はない」と。
しかしこと遺産相続の話になると、「私らも、子どもだから」と。
「子どもだから、分け前にもらう権利がある」と。
つまり自分の都合に応じて、『ダカラ論』を、うまく使い分ける、と。
相続問題がからんでくると、その『ダカラ論』が、がぜん、多くなる。
●遺言
こうした問題が起きないようにするには、親自身が、自分の死後をしっかりと
見つめながら死ぬしかない。
親の威光(?)がまだそれなりの力がある間は、こうした問題は、地下にもぐっている、
しかし親の威光が鈍り始めたとたん、表に顔を出す。
冒頭に書いたように、「額」の問題ではない。
(もちろん相続財産が巨額であれば、問題は起きやすいが……。)
そこで「遺言」ということになる。
しかしこれは公正証書として、文書化しておく必要がある。
というのも、私の母もそうだったが、そのつど世話になる人に向かって、
「あの家はお前にやる」「この家はあなたにあげる」などと言ったりする。
それを聞いた人は、その言葉を真に受けてしまう。
それが騒動の原因になる。
●協議分割
財産分与の仕方には、いろいろある。
一般的には、兄弟に、遺産相続放棄をしてもらうという方法がある。
が、最近、よく使われるのが、「協議分割」という方法。
これは当事者どうしがあらかじめよく話しあい、それぞれの取り分を
数値で示しておくという方法。
もし長男がすべてを相続するというのであれば、分割割合のところに、「全財産」と
明記しておけばよい。
あとは相手方の、印鑑証明と実印の捺印、それに住民票があればよい。
●伏兵
が、この段階で、別の問題が起きることがある。
親が死ぬころというのは、息子も、娘も、その年齢になる。
平均的な家族で考えれば、60~70歳。
そのころになると、認知症の心配も出てくる人もいる。
そのときはよく納得して判を押したとしても、数か月、あるいは数年も
すると、「私は知らない」「判を押した覚えはない」と言って、騒ぎ出す。
そういうケースも、たいへん多い。
たいていは、その子孫がそれに同調する。
「書類が偽造された」「おやじは、叔父に財産を横取りされた」と言って、騒ぎ出す。
●無知
しかし民法の世界では、とくに不動産関係の世界では、「書類」がすべて。
書類に始まって、書類に終わる。
その書類に不備がなければ、よほどのことがないかぎり、(事実)がひっくり返る
ということは、ない。
不動産は、つぎつぎと転売されていくことが多い。
分割されることも多い。
その途中で、「契約無効」ということになると、それ以後の社会生活に深刻な
影響を及ぼす。
ここでいう「よほどのこと」というのは、公文書偽造のような犯罪性のある行為をいう。
(が、それでも一度動いた権利関係を、もとに戻すのはむずかしい。)
で、ある女性(64歳)は、法務局の窓口で、「私はこんな書類に判を押した覚えはない」
「署名した覚えはない」と言って、泣き叫んだという。
しかし印鑑は、その女性の実印。
署名したのは、その女性自身。
直筆。
結局、その女性は、一度は、相続放棄はしたものの、あとになって、惜しくなったらしい。それで腹を立てて、異議を申し立てた
が、こんな道理は、この世界は、通用しない。
そのあと弁護士に相談したというが、もちろん、門前払い。
●孫が相続権を争う?
司法書士をしている友人のM氏は、こう話してくれた。
「今では、遺産相続権者である当の本人というよりは、さらにその下の
息子や娘が、騒ぐケースがふえている」と。
たとえば実の親が死ねば、その息子や娘が、相続権者ということになる。
で、そういう相続権者が、相続を争うのは、まだ話がわかる。
が、実際には、さらにその息子や娘、つまり相続権のない息子や娘(=死んだ
実の親の孫たち)が、遺産相続をめぐって争うケースがふえているという。
M「つまりね、孫たちが、親にも取り分があるといって、親をたきつけて、
騒動を大きくするんだね」
私「……なるほど。孫の代になると、人間関係も希薄になっているから、その分だけ、
騒ぎやすいというわけか」
M「そうなんだよな。もらえるべきものは、もらうべきという、おかしな平等意識
ばかり、強くてね」と。
●教訓
繰り返すが、こと遺産相続に関しては、書類に始まって、書類に終わる。
その書類を、しっかりと整えておくこと。
さらに土地の権利関係においては、書類がすべてを物語る。
これは鎌倉時代の、地頭の時代からの常識。
ずっとあとになって、「そんなつもりはなかった」と言っても、
それこそ、「あとの祭り」。
実印を捺印するときはもちろん、署名するときも、それなりの覚悟と
確認をしっかりとすること。
遺産相続問題がからんでいるときは、なおさらである。
●付記
こうして兄弟姉妹が、バラバラになっていくケースは、たいへん多い。
ざっと私の周辺をながめてみても、すんなりとこうした問題が片づいていくケースは、
10に、1、2もない。
言い換えると、兄弟姉妹に幻想はもたないこと。
甘えはもたないこと。
その(甘え)が、騒動を大きくする。
だからくしくも昔の人はこう言った。
『兄弟は、他人の始まり』と。
まさに核心をついた言葉である。
Hiroshi Hayashi++++++++Oct. 09+++++++++はやし浩司
●認知症
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認知症は、こわい!
昨日、こんな話をワイフから聞いた。
何でもその女性の義母(68歳くらい)が、
毎晩のように、こう叫ぶという。
「ワシ(=私)のサイフを、嫁(=その女性)が盗んだ!」
「嫁が、夕飯を食わせてくれない!」
「嫁が、土地を勝手に処分してしまった!」と。
68歳と言えば、まだ若い。
ワイフは、「若年性アルツハイマー病らしいわね」と言ったが、
その可能性は、高い。
そういう話は、よく耳にする。
で、その母親には、3人の娘がいる。
その3人の娘が、義母の話を真に受けて、その女性に対して、
よくない印象をもち始めているという。
つまり、疑いの目で、その女性を見始めているという。
「私がきちんと説明しても、横目で、『そうかしら?』と、
いかにも疑っていますという顔で、私を見つめるのね」と。
で、その女性が夫(=母親の実子、長男)に、「お母さん、おかしいから、
病院へ連れていってみたら?」と声をかけるのだが、この夫が、また
たいへんなマザコン。
そのつど、「母は、何ともない」「お前がしっかりしろ」と、
反対に怒鳴り返されてしまうという。
で、こうなると、打つ手なし。
3人の娘たちは娘たちで、「自分の相続の取り分が少なくなる」と、もう、今から
そんな心配をしているという。
Hiroshi Hayashi++++++++Oct. 09+++++++++はやし浩司※
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