●9月8日夜記(2011)
●1万5000テラベクレル?
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1万5000テラベクレルと聞いても、
ピンとこない。
東京電力は、「4700テラベクレル」と
発表していた。
原子力保安院の言うことは信用できないが、
東京電力の言うことは、さらに信用できない。
が、日本原子力研究開発機構は、「1万5000
テラベクレル」と発表した。
汚染水として海洋にたれ流された放射性物質の
量である。
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『……福島第一原発では4月に高濃度の汚染水が海に漏れ出たことがわかっていますが、日本原子力研究開発機構がまとめた試算で、海に漏れ出た放射性物質の量は1万5000テラベクレルにのぼることが新たにわかりました。
(中略)
東京電力は4月上旬の数日間に海に放出した放射性物質の量について4700テラベクレルと推定していますが、「今のところ、放出量について見直す必要があるとは思っていない」と説明しています』(TBS-I)と。
●広島型原爆
1万5000テラベクレル?
10の12乗を「テラ」という。
だから1万5000テラベクレルというのは、1万5000x1000000000000ということになる。
が、それでもピンとこない。
日常では、こんな数字は使わない。
出てこない。
そこで広島型原爆の数字を参考にしてみる。
「電気出力100万キロワットの原発を、数年運転すると、1万3600京ベクレルの放射性物質が生まれる。
その量は、広島型原爆の数千発分に相当する」(横尾試算「原発事故」宝島社)と。
この世界では「京(けい)」という単位が使われる。
10の16乗をいう。
だから1万5000ベクレルは、15000000000000000=1・5京ベクレルということになる。
が、これでもピンとこない。
放射性物質の量は、面積で割らなければならない。
しかし相手は、海。
これだけの量が、海に拡散されたということになる。
が、その量にしても、横尾試算の、1万分の1。
この世界では、数字だけが勝手にひとり歩きしている。
ただ感覚的に理解できることは、この先、この日本でもチェルノブイリと同じような悲劇が繰り返されるだろうということ。
海といっても、そこには魚がいる。
魚が汚染される。
その魚を、私たちが食べる。
魚は勝手に動き回るから、牛や野菜より、タチが悪い。
なおあのチェルノブイリでは、1880京ベクレルの放射性物質が放出されたという(京大グループ、同書)。
結果、事故後3年も経てから、チェルノブイリの原発から300キロも離れた地域まで高汚染地域が広がっていることが明らかになった。
200~300キロ離れた、ベラルーシ共和国から11万人の人たちが強制移住させられたのも、そのころである。
福島第一原発から、東京まで、約250キロ。
だいたい日本原子力研究開発機構の、「1万5000テラベクレル」という数字も信用できない。
この量とて、「3月21日から4月30日までの期間」の量ということらしい。
つまり40日間だけで、これだけの量。
それ以外は、空中へ散った。
陸方面に散った。
悪く考えれば、そうなる。
チェルノブイリでは、人々に症状が現れ始めたのは、2~5年後。
ピークを迎えたのは、10年後。
福島第一原事故は、収束など、していない。
被害が出てくるのは、これからということになる。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●自己開示
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自己開示……どこまで自分をさらけ出すことができるか?
仮面(ペルソナ)を脱ぎ捨て、あるがままの自分を
外の世界に向かって、表現できるか。
今日は、それについて一日、考えた。
ほとんどの人は、自分を飾り、偽り、体裁を構い、
世間体を気にして生きている。
あるがままの自分を、さらけ出して生きている人など、
さがさなければならないほど、少ない。
こんな男性(70歳)がいる。
2人の息子がいるが、長男のほうは、重度の発達障害者で、
40歳を過ぎた今も、完全介護の施設で日々を過ごしている。
が、その男性(父親)は、その長男を隠し続けている。
実家は浜松市にあるが、その実家へすら、長男を連れて
きたことは一度もないという。
ほとんどの人は、その男性に長男がいることさえ知らない。
一方、こんな家族もある。
私の近所の人だが、レストランなどでよく見かける。
子どもの1人がダウン症で、だれが見ても、それとわかる。
しかしその家族は、明るい。
祖父母も健在。
その子どもを隠そうともせず、いつも堂々と(!)、
レストランなどで食事をしている。
その様子が、実に、楽しそう。
それを見る私のほうがうれしくなるほど、楽しそう。
重い障害があるにせよ、どうしてそれを隠すのか。
時代も変わった。
ものの考え方も変わった。
障害児に対する世間の見方も変わった。
が、何よりも変わったのは、親の意識。
浜松市の北にS小学校という学校がある。
障害児教育の拠点校にもなっている。
その小学校の校長が、こんな話をしてくれた。
「以前はというと、みな障害児教室へ入るのを
いやがりました。
しかし今は、親のほうが、頼んでやってきます」と。
親に隠される子どもこそ、あわれ。
かわいそう。
同時に私たちは、そういう親の了見の狭さに驚く。
人間的な浅はかさに驚く。
いろいろな思い、いきさつ、環境、事情があることはわかる。
しかしそれでも、私はそういう親がいることを、子どもの立場で残念に思う。
どうして我が子を隠さねばならないのか!
あえて公表する必要はないにしても、私は私。
自分をさらけ出して、堂々と生きる。
私はそこに生きることのすばらしさを覚える。
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●条件反射のメカニズム(アルコール中毒+砂糖は白い麻薬)
かつての私もそうだった。あなたもそうだった。
が、今、思春期の子どもの心の中では、猛烈な「性的エネルギー」(フロイト)が、わき起こっている。
「生的エネルギー」(ユング)でもよい。
最近の研究によれば、脳の中の視床下部というところが、どうやらそういった信号の発信源ということがわかってきた(サイエンス誌・08年)。
その視床下部からの命令を受けて、ドーパミンという脳間伝達物質が放出される。
このドーパミンが、脳の中の線条体(報酬と行動要求に関する中枢部)というところを刺激すると、猛烈な(欲望)となって、その子ども(もちろんおとなも)を支配する。
ふつうの反応ではない。
最終的には、そうした欲望をコントロールするのが、大脳の前頭前野(理性の中枢部)ということになる。
が、「意志の力だけで、こうした衝動を克服するのはむずかしい」(N・D・ボルコフ)という。
線条体が刺激を受けると、「あなたは、目的達成に向けた行動を起こせというメッセージを受けとる」(同誌)。
もちろん欲望といっても、その内容はさまざま。
食欲、性欲、生存欲、物欲、支配欲に始まって、もろもろの快楽追求もその中に含まれる。
わかりやすく言えば、脳の中で、どのような受容体が形成されるかによって決まる。
たとえばアルコール中毒患者やニコチン中毒患者は、それぞれ別の受容体が形成されることがわかっている。
N・D・ボルコフについては、こんな論文も発表している。
いわく「アメリカの国立薬物乱用研究所の、N・D・ボルコフ(女性研究者)は、つぎのような論文を発表している。
……過食症ラットのばあい、砂糖を多く含むエサを与えたあとに、ナロキソンというオピオイド拮抗剤(脳内快楽物質の働きを妨げる薬)を投与すると、禁断症状が起こる。
モルヒネを注射したあとに、ナロキソンを投与したのと同じく、禁断症状が生ずるのだ。この結果から、糖分の多いエサを食べつづけることによって、身体的な依存が生じていたことがわかる。
人間でも同じ反応が起こるなら、禁断症状を緩和する処置が、ダイエットに役立つかもしれない」(日経・サイエンス・07・12月号・P55)と。
条件反射および「中毒性」のメカニズムが、また一歩、科学的に解明された。
●9月9日(2011)
慢性的な睡眠不足がつづくと、私のばあい、軽い頭痛が始まる。
こめかみの奥が、シクシクと痛み出す。
マッサージをしたり、湿布薬を貼ると、そのときは軽減する。
が、やがた再びシクシクと痛み出す。
が、慢性的な睡眠不足というのは、自分ではわかりにくい。
それが生活習慣になっている。
しかし睡眠時間を計算してみると、たしかに短い。
平均して、4~6時間。
これではいけないと、昨夜は、早めに床についた。
精神安定剤(これは睡眠薬の代わりに使っている)+漢方薬。
いつもの2倍、のんだ。
その効あってか、今朝は、7時ごろ目が覚めた。
睡眠時間は、たっぷり8時間。
頭痛は消えていた。
このあとも、1~2時間、昼寝をするつもり。
で、もうすぐ私の誕生日。
ワイフは、「新しいパソコンを買ったら……?」と言ってくれる。
が、今の私はふつうのパソコンでは、満足しない。
その分だけ、値段も高い。
が、こうしてパソコンに向かって、文字を叩けるのも、今の内。
やがてボケたら、脳みそ、そのものが使い物にならなくなる。
それにもうひとつ。
こうした(欲望)は、抑圧しない方がよい。
欲求不満は、精神をゆがめる。
アルコール中毒の人が、断酒をしたときと同じ状態になる。
イライラ感は、それ自体が大きなストレッサー。
体の免疫力を低下させる。
肉体の健康にも、よくない。
だから適当に発散する。
つまり買う。
私「もう2年も買ってないしね」
ワ「だったら、いいんじゃないの?」
私「そうだな」と。
で、さっそく数日前から、機種選びを始めた。
昨日も、駅前のBカメラへ行き、カタログを集めてきた。
今朝も、あちこちのサイトをのぞいている。
が、どれもイマイチ。
ノートにしようか?
デスクトップにしようか?
が、こういうときが、いちばん楽しい。
●福島の子どもたち
福島県に住む子どもたちの尿から、放射線が観測されているという。
これはたいへんなことと考えてよい。
で、ある市民団体が、学校ごとの集団疎開を訴えている。
当然のことだが、しかし3・11から、すでに6か月が経過している。
原子力保安院や東京電力が、いかにいいかげんなことばかり言ってきたかは、今になってはっきりしてきた。
ウソは言わないが、本当のことも言わない。
冒頭に書いた、1万5000テラベクレル(日本原子力研究開発機構)という数字にしても、すでに何か月も前にわかっていたという。
しかし政府は国際機関に対して、東京電力が発表した数字を報告してきた。
こういう小細工を、平気でする。
いろいろ事情はあるだろうが、今からでも遅くない。
福島の子どもたちは、一刻も早く、福島を離れた方がよい。
政府が動き出すのを待っていたら、半年はかかる。
が、そのうち子どもたちに症状が現れ始める。
そうなってからでは、遅い。
ところでこんな話も耳にした。
生徒の父親が、1か月ほど福島市で仕事をして帰ってきた。
話を聞いた。
いわく「みんな平気な様子でしたよ」と。
私「マスクをしている人はいませんでしたか?」
父「いませんでした」
私「緊張感はありませんでしたか?」
父「まったく、ありませんでした」と。
その話を聞き、私はキツネにつままれたような気分になった。
Hiroshi Hayashi++++++Sep. 2011++++++はやし浩司・林浩司
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