●『地方公務員SS物語(別)』のコラム
私は、自分のBLOGの中に、つぎのようなコラムを書いた。
まず、それをそのまま再掲載する。
この中で注目してほしいのは、「産経新聞」という文字と、「平成13年度の国民経済計算年報」という文字である。
それだけをしっかりと念頭に置いて、私の書いたコラムを、もう一度、よく読んでみてほしい。
なおこの元の原稿を最初に書いたのは、2005年。
少し古い原稿である。
******以下、私の書いたコラムより******
……現在、国家公務員や地方公務員が、いったい、いくらの給料を手にしているか、それを正確に知っている人は、ほとんどいない。公表している団体も、自治体もない。しかし計算方法がないわけではない。
そこで国家公務員の給料を知るための、もっとも簡単な方法は、(総人件費)を(公務員数)で割るというもの。産経新聞は、この方法で、国家公務員(行政職国家公務員)の給料を算出している。それによれば、全国の行政職国家公務員約33万2000人の人件費の総額は、4兆6571億円だそうだ(産経新聞05・06)。
この数字から計算すると、国家公務員1人当たりの人件費は、何と、年間1403万円(!)ということになる。(1403万円だぞ! 4兆6500億円÷33・2万人で計算)そして社会保障費だけで、国家税収、約43兆円の約半分を、使っていることになる(ギョッ!)。
ちなみに、平成13年度の「国民経済計算年報」によれば、日本人の給料は、おおむね、つぎのようになっている。
1人当たりの人件費
(国家公務員) ……1403万円(上記算出方法)
公務員 ……1018万円
電気・ガス・水道の公営事業団体 ……795万円
金融・保険業 ……678万円
トヨタなどの自動車産業 ……629万円
日本の民間企業に働く労働者の平均 ……448万円(この数字は02年)※
(※……企業規模100人以上、事業所規模50人以上の事業所、約3万4000事業所
のうちから抽出された約7500事業所の平均。つまり平均といいながら、中規模以上の
企業で働く勤労者の平均。小企業、弱小企業、個人経営店を含めると、さらに低くなる。)
みなさん、おわかりか?
******以上、私の書いたコラムより******
●反論
これらの数字をもとに、私は、保護司という「無給の国家公務員」について書いた。
「もし保護司を国家公務員に加えるとなると、(総人件費)÷(国家公務員数)における、分母を大きくすることになるのではないか」と、あくまでも、私が感じた疑問をそのまま書いた。
それが『地方公務員SS物語(別)』を主宰しているライターの逆鱗に(?)触れたらしい。
手厳しい反論記事が載っていた。
それをそのまま紹介させてもらう。
******以下『地方公務員SS物語(別)』のコラムより******
【誤った官民給与比較論】ツッコミ史上最大規模で・・・
作成日時 : 2010/05/24 21:01
毎度おなじみ、誤った官民給与比較論者にツッコミを入れるコーナーです。
今回のお題は、「はやし浩二」氏という方の書いた記事。内容的には、相手様にコメントを書き込めば済むかと思ったのですが、ちょっと、下書きしているうちに、予想外の展開となりまして、そうはいかなくなりました・・・
↓とりあえす、下記の斜体の記事は、下記より引用です。
http://blog.goo.ne.jp/bwhayashi/e/52db2bd8a068f3bd2640edfea5b1f884
全国の行政職国家公務員約33万2000人の人件費の総額は、4兆6571億円だそうだ。(注※ 平成17年度予算に占める国家公務員の人件費)
つまり、これらの数字から計算すると、国家公務員1人当たりの人件費は、何と、年間1403万円(!)ということになる。(1403万円だぞ! 4兆6500億円÷33・2万人で計算。)
何故、国家公務員の人件費を、行政職国家公務員の数で割り戻すのでしょうか?
全国30万人の特別職国家公務員のみなさんは、国から給料をもらっていないのでしょうか?
そんなおかしなコトはありません。
人件費総額を全職員数の半分で割って、どうすんですか?
この記事の論証は、この時点から、狂っていたのです。
この数字を見て、驚かない人はいないだろうと思う。もうメチャメチャな数字と言ってよい。
はい。私は、この記事を書いた、はやし浩二氏の無茶苦茶さに、驚きました。
しかし、これは、まだ、序曲にすぎなかったのです・・・
平成13年度の「国民経済計算年報」によれば、日本人の給料は、おおむね、つぎのようになっている。
1人当たりの人件費
公務員 ……1018万円
電気・ガス・水道の公営事業団体 ……795万円
金融・保険業 ……678万円
トヨタなどの自動車産業 ……629万円
日本の民間企業に働く労働者の平均 ……448万円(この数字は02年)※
この表は、最後の1行を除き、某・ゴシップ紙に掲載されていたものですが、若干、言葉回しが違いますね。(どうでもいいけど)
国民経済計算年報は、給料(給与所得)ではなく、退職金や雇用保険、社会保障費等の雇用者負担の総計であり、この資料は、「雇用者所得」と呼ばれるものです。
↓ で、ツッコむと、最後の1行は、513.0万円が正解です。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html
↓ ちなみに、448万円は、同年の国税庁民間給与所得実態調査の数値に合致します。
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2002/menu/03.htm
つまり、わざと「雇用者所得」と「給与所得」を比べているわけですね。
これを、情報操作と言わずして、何と言うのでしょう。
また、雇用者所得とは、個人業主と無給の家族従事者を除くすべての者と定義されています。
↓こちらがその定義。
http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/yougo/d03.html#4
つまり、雇用者所得とは、国税庁民間給与所得実態調査と同様に、パートやアルバイト等を含めた定義と類推されます。
フルタイム労働の正規公務員とアルバイトを比べて、給与格差を論じることに、意味はありません。
え?
国民経済計算年報の公務員雇用者所得にも、非正規雇用公務員が入ってるんじゃないかって??
ありえません。
公務員の非正規率は3割強(※自治労資料)。
その条件で、「アルバイト込みの公務員の平均雇用者所得」が1,000万円超というモデルを構築しようとすると、正規公務員の「平均給与所得」が、1,300万円を軽々突破・1,400万円に迫ることとなります。
「雇用者所得」で、計算すると、平均2,000万円/年ほどになってしまいます。
ありえるかぁぁぁぁぁ!!!
おっと、脱線ww
ということで、そんな荒唐無稽な数値と、人事院・総務省が公表している資料と比べれば、国民経済計算年報の公務員雇用者所得が、正規職員のみの数値であるなことは明白です。
日本の民間企業に働く労働者の平均 ……448万円(この数字は02年)※
(※……企業規模100人以上、事業所規模50人以上の事業所、約3万4000事業所のうちから抽出された約7500事業所の平均。つまり平均といいながら、中規模以上の企業で働く勤労者の平均。小企業、弱小企業、個人経営店を含めると、さらに低くなる。)
企業規模100人以上の、いわゆる民間の中でも、めぐまれた企業に働く労働者の平均人件費は、448万円!
しかし国家公務員は、1400万円以上!
ナ、何と、3倍近いもの給料を手にしていることになる。
どこまで、ウソを並べれば気が済むのでしょう?
↓ 448万円という数値は、統計上、従業員1人以上の事業所で、パート・アルバイトを含むことが、データ元に明記されています。
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan/top.htm#a-03
また、ここでも「給与所得」と「雇用者所得」を、同列に並べて比較しています。
正直、このような情報操作には、うんざりします。
あまりに汚い手口です。
以上、ツッコミ終了。
そう、ツッコミが終了しただけなのです・・・
これで、トラバを打ち込んで、すべて終わると思ったのですが、コトは私の想像を超えていました。
はやし浩二氏は、この記事を、複数のサイト・ブログに、何度も繰り返し、アップしていたのです・・・onz
↓こんな感じ・・
(※注:以下、当問題を扱った、私のBLOGの各ページ、12ページを並べる。はやし浩司)
なんと迷惑な・・・
刑法第233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
まぁ、刑法のこの条文が適用されることはないでしょうが、ちょっと、はやし浩二氏には、この条文の精神をご一考願いたいと思います。
とりあえず、気付いた全サイトにトラバ打ち込んで、注意喚起しようと思いますが、まさか、このような大量のTBを打ち込むコトをする羽目になろうとは・・・当初の想像を完全に超えていました。
まぁ、これだけ、トラバ打ち込めば、気付かないことはないでしょうし(溜息)。
前向きに、良いリアクションがあることを期待しましょう。
******以上、『地方公務員SS物語(別)』のコラムより******
●私たちが知りたいのは、「反論」ではなく、「事実」。
「地方公務員SS物語(別)」を主宰しているライターがどういう人物なのか、私にはわからない。
上記コラムを掲載している、BLOG(ウェブリブログ)上で調べてみたが、「公務員の人らしい?」というところまではわかったが、それ以上は不明。
「地方公務員捨遺物語」というBLOG名からして、現在、「地方公務員をしている人」らしい。
しかたないので、ここではライターを、「X氏」としておく。
それはさておき、私たちが知りたいのは、「反論」ではなく、「事実」。
つまり給与実態。
ならば、現在、地方公務員にせよ、国家公務員にせよ、手にしている給料を公開すれば、それですむ話。
何も個人の給料を公開せよと言っているのではない。
「株式年報」に記載されているような、「平均給与」でよい。
それすらしないから、私たちは疑心暗鬼になる。
「私たちは、平均~~~万円、もらっています」「だからここに書いてある数字は、デタラメです」と。
が、そういうことをしないで、一方的に、「どこまで、ウソを並べれば気が済むのでしょう?」とは?
私が書いた数字は、冒頭にも書いたように、「産経新聞」に掲載した記事と、「平成13年度の国民経済計算年報」をもとにしている。
「某・ゴシップ紙」ではなく、「産経新聞紙」である。
ただ私も誤解していた点もある(※)。
その誤解を大きくとらえて、あたかもすべてウソとは!
仮にもし、このライターが公務員であり、当BLOGを隠れ蓑に、こうした記事を書いているとするなら、それこそまさに「言論の自由の圧殺行為」ということになる。
言うまでもなく、「言論の自由」は、憲法で保障された基本的権利。
刑法233条どころではないのである。
しかも残念ながら、私が書いたことは、「特定の人」の名誉を毀損したという「構成要件」を、充足しない。
「業務を妨害した」という「構成要件」をも、充足しない。
(注※)「誤解」というのは、「先に書いた無給の国家公務員」についてである。
X氏が指摘するように、無給の国家公務員を分母に入れると、国家公務員の給料は、「雇用者所得」で、計算すると、平均2,000万円/年ほど……」ということになってしまうらしい。
しかし私はそう断定して書いたわけではない。
「無給の国家公務員数が、分母に含まれているのではないか」という疑問を投げかけた。
そういうコラムである。
●公務員「1018万円」
で、X氏には悪いが、もう一度、「国民経済計算年報」をここに掲載する。
ちなみに、平成13年度の「国民経済計算年報」によれば、日本人の給料は、おおむね、つぎのようになっている。
++++++++++++++++
1人当たりの人件費
公務員 ……1018万円
電気・ガス・水道の公営事業団体 ……795万円
金融・保険業 ……678万円
トヨタなどの自動車産業 ……629万円
日本の民間企業に働く労働者の平均 ……448万円(この数字は02年)※
++++++++++++++++
百歩譲っても、公務員の「1018万円」(平成13年度)という数字は、そのまま残る。
この金額を多い額とみるか、納得できる額とみるか?
●終わりに……
現在、民主党与党を中心に、「仕分け作業」なるものが、進んでいる。
それを見ていて、驚くことしきり。
まさに「出てくるわ、出てくるわ!」といった感じ。
「へえ、そんなことまでしていたのか!」と。
改めて、国民一般のもつ(意識)と、官僚世界で働く人たちのもつ(意識)のちがいに、驚く。
同じような(意識のちがい)を、私は『地方公務員SS物語(別)』のコラムの中にも感じた。
とても残念なことだが……。
……ということで、あとの判断は、読者のみなさんに任せる。
このつづきは、私ももう少し資料を集めてから書いてみたい。
なおトラックバックを寄せてくれたX氏の指摘には、感謝する。
「この日本をよくしたい」という思いは、共通している。
なお私は「はやし浩司」で、「はやし浩二」では、ない。
(あえて実名を伏せてくれたのかもしれないが……?)
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 公務員の給料 国家公務員の給料)
Hiroshi Hayashi+教育評論++May.2010++幼児教育+はやし浩司
2010年5月25日火曜日
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