2009年9月23日水曜日

*Herbibourous Boys

●ルーム・ウォーカー使用記

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ルーム・ウォーカーを使用するようになって、1週間が過ぎた。
いろいろなものを買ってきたが、これほど役に立ったものはない。
・・・と言えるほど、現在のところ、役に立っている。

毎日、計40分前後は、ルーム・ウォーカーの上で歩いている。
汗をかいている。
それが楽しい。
終わったあとは、気分もよい。

そのルーム・ウォーカーを使っていて、いくつか気づいた点がある。
これから買う人のために、メモの形で、残しておきたい。

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(1)手はできるだけさげた姿勢で歩くのがよい。

 取っ手が前と前上部についているが、それにつかまっていると、
だれかに引っ張ってもらいながら歩いているような感じになる。
これでは、運動の目的が半減する。
 そのため手はできるだけさげた状態、つまり取っ手の下のほうに、
手を軽くあてているだけといったふうに、歩いたほうがよい。

(2)顔は45度くらい上を向けて歩く

 最初のころは、どうしても顔が下向きになる。
姿勢が悪くなる。
だから顔を45度くらい上に向けながら、歩く。
姿勢がまっすぐ伸びて、その分だけ、足が前方にさっさと出るようになる。

(3)音に注意

 これは自分でしてみて気がついたことだが、右足と左足が作る足音の質が異なる
ときがある。
たとえば、パタ・ペタ・パタ・ペタ……と。
利き足とそうでない足のちがいかと思ったが、そうではない。
原因は歩き方。
歩き方が、まずい。
そこで自分の足音を聞きながら、どうすれば同じような足音になるかを調整する。
まっすぐ、交互に同じように力を入れてあるくと、パタ・パタ……と同じような
音になる。
これで自分の歩きかたを、矯正することができる。

(4)歩き方

 右足と左足の流れを平行にして歩く……これを「平行歩き」という。
右足と左足が一直線になるよう歩く……これを「直線歩き」という。
右足が、左足ラインを、左足が右足ラインを歩くようにして歩く……これを「ちどり足歩き」という。
ほかに「小また歩き」「大また歩き」など。

 自分でいろいろな歩き方を試してみた。
うしろ歩きに歩く方法試してみた。
横歩きに歩く方法も、試してみた。

 私の印象では、上記の「ちどり足歩き」というのは、美容効果もあるのではないか。
腰部がそのつど、ぐいぐいとひねられるような感じになる。
ただし長くつづけるのは、無理。
そのうち歩くだけで精一杯といったふうになり、汗がジワリと出てくるようになると、
いろいろな歩き方を試す余裕がなくなってくる。

 今は、1回、20分が限度。
もう少し先になったら、30分はつづけてみたい。
テレビを見ながら、あるいは雑誌を読みながら歩くのもよい。

 そんなわけでメーカーに一言。
雑誌を読みながらできるように、雑誌を置けるような、パネルのようなものを取りつけてほしい。

(補記)60歳を過ぎて、「健康を取り戻すなんて無理」と考えている人へ

 自分でやってみて気がついたが、60歳すぎても、健康は増進できる。
今回のルーム・ウォーカーもそうだが、毎回、回を重ねるごとに、足腰が軽くなっていくのを実感できる。

 あきらめてはいけない!
現在、体重は、60キロ。
数か月前までは、68キロ台もあった。
苦しい闘いがつづいたが、今は、その状態で、以前と同じような生活ができる。
足の裏の痛みも、かなり楽になった。
頭の働きも快調になった。

だから、あきらめてはいけない!
まだまだ、人生、これから!

(はやし浩司 ルーム・ウォーカー ルームウォーカー ルーム・ランナー
ウォーキングマシン ウォーキング・マシン ランニング・マシン ランニング
マシーン)


Hiroshi Hayashi++++++++Sep 09++++++++はやし浩司

●草食男子

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だれがつけた名前かは知らないが、「草食男子」という
言葉がある。
あちこちで耳にする。
「肉食男子」に対する言葉として、「草食男子」という。

ヤギとかウサギのような草食動物のように、おとなしく、ハキがなく、穏やかで、やさしい。
そういう男性を、「草食男子」という。
「性欲も淡白な傾向が見られる」(Life、10月号)とか。
性欲も淡白?

そのほかの特徴としては、

(1) 恋愛に消極的
(2) 家庭的
(3) 繊細
(4) 優しそう
(5) 協調性が高そう(同書)とある。

 全体的に見れば、マザコンタイプの男性ということになる。
本来なら、父親が、母子関係の中に割って入り、男児の女性化を修正しなければならない。
が、その父親の存在感が薄い。
あるいは父親自身が、マザコン的。
子どもがそうであっても、それに気づかない?
あるいはそのまま受け入れてしまう?

 本来、男性というのは、「肉食的」。
女性とくらべても、肉食的。・・・のはず。

●性欲

たとえば視床下部に性欲を司る部位がある。
「内側視索前野」と呼ばれる部分だが、別名、「第一性欲中枢」とも呼ばれている。
ここから「セックスをしたい」という指令が発せられる。
この内側視索前野は、男性のそれは、女性のそれの2倍ほどの大きさがある。
つまり男性のほうが、その分だけ性欲に対する欲求が、はげしいということになる。

 大きいから、それだけ「はげしい」と短絡的に結びつけることはできないが、長い進化の過程でそうなったと考えるのが、妥当。
もし男性も女性も、同じように攻撃的になってしまったら・・・。
あるいは反対に、男性も女性も、同じように受動的になってしまったら・・・。
その時点で、人類は、滅亡していたことになる。

 つまり本来、育て方で、男児が女性化するということはあっても、性欲まで「受動的」になるということは、ありえない。
(それとも育て方次第で、内側視索前野が萎縮するとでもいうのだろうか?)

 私が書きたいのは、「草食男子」であっても、こと性欲については、ふつうの男子と、とくに大きなちがいはないということ。

●肉食女子

 「草食男子」に呼応して、「肉食女子」という言葉も、流行っている。
男性に対して、攻撃的で積極的な女性をいう。
ネーミングとしては、おもしろいが、やはりこと性欲に関していえば、女性は女性。
ただ、私は食べ物によって、男性も、女性も、性欲に関しては、ある程度の影響を受けるのではないかと考えている。

 たとえばニンニクがある。
私はニンニクを食べると、そのあとなどは、いつも、(いつもより)、強力な性欲を感ずる。
そういうことはある。
が、肉食女子というから、性欲面においても、攻撃的で積極的ということにはならない。

 ただ女性のばあい、セックス中枢が、満腹中枢(食欲中枢のひとつ。食欲中枢には、満腹中枢と摂食中枢がある)に近いため、満腹度によって大きく影響を受けるとされる。

これに対して男性のばあいは、セックス中枢が、摂食中枢、つまり空腹感を覚える中枢に、より近いところにあるため、空腹感によって大きく影響を受けるとされる。

●女性化する男子

 男子の女性化は、すでに20年近くも前から、指摘され、問題になっている。
その中でもとくに注目されているのが、環境ホルモン説。
以前、私が書いた原稿をさがしてみた。
つぎのは、10年ほど前に書いた原稿である。

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【環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)と、男児の女性化】

 小学校の低学年児について言えば、いじめられて泣くのは男の子、いじめるのは女の子という、図式がすっかり定着してしまっている。それについて、以前書いた原稿を、先に転載する。

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●進む男児の女性化(中日新聞に掲載済み)

 この話とて、もう15年近くも前のことだ。花柄模様の下敷きを使っている男子高校生がいたので、「おい、君のパンツも花柄か?」と冗談のつもりで聞いたら、その高校生は、真顔でこう答えた。「そうだ」と。

 その当時、男子高校生でも、朝シャンは当たり前。中には顔面パックをしている高校生もいた。さらにこんな事件があった。市内のレコードショップで、一人の男子高校生が白昼堂々と、いたずらをされたというのだ。その高校生は店内で5、6人の女子高校生に囲まれ、パンツまでぬがされたという。こう書くと、軟弱な男子を想像するかもしれないが、彼は体格も大きく、高校の文化祭では一人で舞台でギター演奏したような男子である。私が、「どうして、声を出さなかったのか」と聞くと、「こわかった……」と、ポツリと答えた。

 それ以後も男子の女性化は明らかに進んでいる。今では小学生でも、いじめられて泣くのはたいてい男児、いじめるのはたいてい女児、という構図が、すっかりできあがっている。先日も一人の母親が私のところへやってきて、こう相談した。「うちの息子(小2)が、学校でいじめにあっています」と。話を聞くと、小1のときに、ウンチを教室でもらしたのだが、そのことをネタに、「ウンチもらしと呼ばれている」と。母親はいじめられていることだけを取りあげて、それを問題にしていた。が、「ウンチもらし」と呼ばれたら、相手の子どもに「うるさい!」と、一言怒鳴ってやれば、ことは解決するはずである。しかもその相手というのは、女児だった。私の時代であれば、相手をポカリと一発、殴っていたかもしれない。

 女子が男性化するのは時代の流れだとしても、男子が女性化するのは、どうか。私はなにも、男女平等論がまちがっていると言っているのではない。男子は男子らしく、女子は女子らしくという、高度なレベルで平等であれば、それはそれでよい。しかし男子はいくらがんばっても、妊娠はできない。そういう違いまで乗り越えて、男女が平等であるべきだというのは、おかしい。いわんや、男子がここまで弱くなってよいものか。

 原因の一つは言うまでもなく、「男」不在の家庭教育にある。幼稚園でも保育園でも、教師は皆、女性。家庭教育は母親が主体。小学校でも女性教師の割合が、60%を超えた(98年、浜松市教育委員会調べ)。現在の男児たちは、「男」を知らないまま、成長し、そしておとなになる。あるいは女性恐怖症になる子どもすら、いる。しかももっと悲劇的なことに、限りなく女性化した男性が、今、新時代の父親になりつつある。「お父さん、もっと強くなって、子どもの教育に参加しなさい」と指導しても、父親自身がそれを理解できなくなってきている。そこでこういう日本が、今後、どうなるか。

 豊かで安定した時代がしばらく続くと、世相からきびしさが消える。たとえばフランスは第一次大戦後、繁栄を極めた。パリは花の都と歌われ、芸術の町として栄え、同時に男性は限りなく女性化した。それはそれでよかったのかもしれないが、結果、ナチスドイツの侵略には、ひとたまりもなかった。果たして日本の未来は?

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●環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)

 こうした男児の女性化について、環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)原因説がある。ここでいう「環境ホルモン」という言葉は、NHKが放送番組用に作った言葉で、正確には「内分泌かく乱化学物質」という。

 この環境ホルモンは、ホルモンそのものではない。「生体のホルモン受容体に作用するなどして、ニセのホルモンとして働いたり、その反対に、ホルモン受容体をブロックすることで、ホルモン本来の作用を妨げたりする化学物質」(福島章著「子どもの脳が危ない」・PHP新書)ということになる。

 その結果、環境ホルモンは、さまざまな影響を、体におよぼす。そのうちでも、近年、問題になっているのが、生殖機能への影響である。福島章氏の「子どもの脳が危ない」に書かれている事例を、ここにあげてみる。

●多摩川のコイの7割が、メスであった(91年)。しかもオスの精巣の発達が不完全であり、雌雄同体のコイも発見された。原因は洗剤などに含まれる、ノニルフェノールだと言われている。
●イギリスでは、ニジマスやローチという魚のオスの精巣がやはり不完全であった。原因はやはりノニルフェノールと言われているが、ピルに含まれている女性ホルモンという説もある。
●カナダのセントローレンス川では、白鯨のオスがメス化して、メスの妊娠率が低下しただけではなく、ガンが多発していることがわかった。
●アメリカでは、ハクトウワシの孵化率が低下した。アジサシやカモメなどの鳥類では、オスのメス化が進んでいる。
●フロリダ州のミッシシッピーワニのペニスが小さくなり、精巣機能が低下し、血中のテストステロン(男性ホルモン)が低下しているのがわかった。

 さらに人間に与える影響としては、「男子の精子数が減少しているだけでなく、元気がなくなった」という報告も、多いという。たとえば、「91年に、デンマークのスキャケベック博士は、ここ50年の間に、男性の1回の射精に含まれる精子数が、1ミリリットルあたり、1億1000万から、6000万に、42%も減少し、さらに受胎に必要な精子数2000万以下の男性は、この間に3倍に増加した」(同書)そうだ。

 こうした影響からか、人間についても、男性の性衝動が弱くなったという報告もある。男児の女子化が、その流れの中にあるとしたら、これはたいへん深刻な問題と考えてよい。

 そこで私たち親は、この問題に対して、どう対処したらよいかだが、とりあえず注意すべきことは、食器や調理道具から、プラスチック製品を取り除くということ。とくにプラスチック製品が、何らかの形で、熱湯とふれるようなときが、危険だという。環境ホルモン、つまり内分泌かく乱化学物質の大半は、これらのプラスチック製品から溶けでるという。カップヌードルなども、発泡スチロールの容器の中から一度、陶器の茶碗などに移してから、熱湯をかけるとよい。

 なお女性のばあい、最近若い人の乳がんがふえているが、その原因も、ここにあげたノニルフェノールではないかと言われている。注意するにこしたことはない。
(02-11-26)

●世の男性諸君よ、スケベであることを喜ぼうではないか。もっともっとスケベになって、妻たちを、ハッピーにしてあげようではないか。種族を後世に残すために。

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●終わりに

 「草食男子」……これからこの名前は、あちこちで使われるようになるだろう。
しかし一言。

 動物の世界のことをよく知っている人なら、こう反論するだろう。
「草食動物がおとなしいというのは、ウソ」と。

 草食動物が、草食動物的に見えるのは、あくまでも人間の目に、そう見えるだけ。
一方、肉食動物が、肉食動物的に見えるのは、あくまでも人間の目に、そう見えるだけ。
食べる餌が、動くか動かないかのちがい。
食べる餌が動かないから、草食動物は、はげしく動き回る必要はない。
が、食べる餌が動けば、肉食動物は、それに応じて、はげしく動かねばならない。
それが(見た目のちがい)となっている。

 その時期になれば、草食動物だって、雌を取り合って、はげしい闘争を繰り返す。
肉食動物だって、おとなしいときには、おとなしい。

 さらに、こと性欲に関して言えば、草食男子も肉食男子も、ちがいはない。
同じように、肉食女子も、草食女子も、ちがいはない。
ちがいはないが、もし本当に「性欲も淡白」(同書)ということであれば、ことは深刻。
環境ホルモンだけが原因とは言えないが、何らかの原因が、だれにもわかる程度に、この10年で人間にも影響が出始めたとも考えられる。
で、もしそういう男性を、「草食男子」というのなら、ただ単なる言葉の遊びとしては、すまされなくなる。

 繰り返すが、ことは深刻!

(はやし浩司 草食男子 草食男性 肉食女子 性欲 男女の性欲 視床下部 内側視索前野 環境ホルモン はやし浩司 内分泌かく乱化学物質 食欲中枢 満腹中枢 摂食中枢 はやし浩司 男児の女性化)


Hiroshi Hayashi++++++++Sep 09++++++++はやし浩司

●前頭連合野

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前頭連合野は、言うなれば、知性と理性のコントロール・センター。

その働きを知るためには、ひとつには、「夢」の内容を知るという方法
がある。
夢を見ているときには、前頭連合野は、働いていない。
そのため、人は、支離滅裂な、前後に脈絡のない夢を見る。

言い換えると、もし前頭連合野の働きが弱くなれば、私たちの思考は、
ちょうど夢を見ているような状態になる。
もしそうなれば、自分でも、何をどう考えているか、さっぱりわからなく
なるだろう。
もちろん自分の考えをまとめることさえできない。
電車に乗り遅れる夢を見るように、ただあわてふためくだけで、それで
終わってしまう。

いつもの私の夢が、そうだ。

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●前頭連合野

 人間の脳みその、約3分の1は、前頭連合野と呼ばれる部分だそうだ。
人間は、とくにこの部分が発達している。
そのため、猿やチンパンジー、古代人の骨格と比べても、人間の額は大きく、広い。
言うなれば、知性と理性のコントロール・センター。
それがこの前頭連合野ということになる。
が、もしこの前頭連合野の働きが鈍くなったら・・・。

 私たちの思考は、ちょうど夢を見ているときのような状態になると考えられる。
というのも、人間が眠っている間というのは、前頭連合野も、眠った状態になっている。
反対に、そのことから、前頭連合野の働きを、私たちは知ることができる。

●今朝の夢

 実のところ、今朝の夢というのは、よく覚えていない。
夢というのは不思議なもので、半日もたつと、それが今朝の夢だったのか、それとも何日も前に見た夢だったのか、わからなくなる。

 が、今朝見た夢は、こんなものだった。

 山の中の、どこかの駅に向かっている。
新幹線の中のようだが、窓がなく、貨物室のようになっている。
それが川沿いを走ったり、山の中を走ったりしている。
ところどころ線路が切れているが、新幹線は、そのまま走り続けている。
が、やがて、森のようなところをぐるりと回ったところで、新幹線は止まる。

 中央にプラットフォームがあって、その向こうには、別の電車が待っている。
ローカル線である。
切符を買うために、駅舎へ向かうが、料金がわからない。
長野を通って、仙台へ行く・・・というようなことを、私は話している。
途中、高い山を電車は越えるらしい。
山の途中には、ひなびた温泉街がいくつも並んでいる・・・。

●小鳥の思考

 理屈で考えれば、矛盾だらけの夢である。
夢の内容に連続性がない。
それに非合理。

 そこで私は、ふとこう考えた。
前頭連合野がまだ未発達だったころの人間は、こうした思考方法を、日常的にしていたのではないか、と。

 もちろん目の前に見える(現実)に対しては、現実的な行動をする。
餌となる食べ物があれば、それを口にするまでの行動を開始する。
危険が迫れば、それを回避するための行動を開始する。

しかしこと(思考)ということになると、それをまとめあげ、合理的に判断し、前後を論理的につなげる能力はない。
恐らく、目を閉じたとたん、私たち人間が夢を見ているときのような状態になるのではないか。

 ミミズが地面をはっている。
その横に、大きな木の枝がある。
木の枝の中には、おいしそうな種がいっぱいつまっている。
それを高い空を飛びながら、上から見ている、と。

 小鳥なら、きっとそんな光景を思い浮かべるかもしれない。
もちろん言葉もないから、それを的確に、別の鳥に知らせることもできない。

●理性の源泉

 が、人間のばあいは、目を閉じても、それで前頭連合野の活動がそこで停止するわけではない。
目を閉じていても、言葉を使って、ものごとを論理的に考え、理性的な判断をくだすことができる。
それがしっかりとできる人のことを、理性的な人といい、そうでない人を、そうでない人という。
程度の差は、当然、ある。
言うなれば、神に近いほど、理性的な人もいれば、反対に、動物に近いほど、そうでない人もいる。
その(ちがい)は何によって生まれるかといえば、結局は行きつくところ、(日々の鍛錬)ということになる。

 このことは幼児期前期の子どもたちを見れば、よくわかる。
エリクソンが、「自律期」と名づけた時期である。

●自律期

 年齢的には、満2歳から4歳前後ということになっている。
実際には、乳幼児期を脱し、少年少女期へ移行する、その前の時期までということになる。
この時期の子どもは、親や先生に言われたことを忠実に守ろうとする。
この時期をとらえて、うまく指導すると、いわゆる(しつけ)がたいへんしやすい。
が、この時期に、(いいかげんなこと)をしてしまうと、子どもはやがて、ドラ息子、ドラ娘化する。

 ものの考え方が享楽的になり、自己が発する欲望に対して、歯止めがきかなくなる。
わがままで、自分勝手。
感情のコントロールさえ、ままならなくなる。

 つまりこの時期に、前頭連合野の働きが活発になり、ある程度の形がその前後に形成されると考えてよい。
もちろんそれ以後も、前頭連合野の形成は進むだろうが、原型は、その前後に形成されると考えてよい。

●夢と前頭連合野

 そこでこう考える。
夢の中でも、前頭連合野を機能させることはできないものか、と。
しかしそれでは、睡眠が妨げられることになる。
ただ、ときどき、ほとんど起きがけのころだが、夢と現実が混濁するときがある。
そういうときというのは、かなり理性的な判断(?)ができる。
「これは夢だぞ」と、自分で、それがわかるときさえある。
あるいはこんなこともあった。

 この話は少し前にも書いたが、こんな夢を見たことがある。

 歩いていて、その男女の乗った車に、体をぶつけてしまった。
中から男が出てきて、ワーワーと大声を出して、私に怒鳴った。
で、私は目を覚ましたが、そのときのこと。
私はそれが夢だったと知り、もう一度、夢の中に戻りたい衝動にかられた。
夢の中に戻って、その男女の乗った車を、足で蹴飛ばしてやりたかった。

 が、このとき、脳のほとんどは覚醒状態にあったが、前頭連合野だけは、まだ半眠の状態であったと考えられる。
前頭連合野が正常に機能していたら、「蹴飛ばしてやる」ということは考えなかったかもしれない。
それ以前に、「夢は夢」と、自分から切り離すことができたはず。

 ・・・などなど。
前頭連合野の働きをわかりやすく説明してみた。
今度の高校生のクラスで、こんな話を、子どもたちにしてみたい。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW 前頭連合野 前頭前野 理性の府 夢と理性)

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