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子育て最前線の育児論byはやし浩司 10年 3月 12日
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メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!
【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●大学生、貧乏盛り
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親元から離れて暮らす大学生への仕送り額が、
25年前の水準まで落ち込んでいることが10日、
全国大学生活協同組合連合会(東京)の調査でわかった。
(以上、読売新聞記事より)
++++++++++++++++++
読売新聞は、つぎのように伝える(2010年2月10日)。
『・・・調査は全国31大学の学生を対象に昨年10~11月に実施し、9660人か
ら回答があった。
マンションやアパートなど自宅外(寮を除く)から通う大学生への仕送り額は、月7万
4060円(前年比3520円減)で、月7万4240円だった1984年並みに下がっ
た。仕送りゼロと回答した学生は全体の10・2%(同1・9ポイント増)に上り、70
年以降で初めて1割を突破した。
不況の影響からアルバイト収入も減少し、月2万2370円(同2230円減)となっ
た。奨学金は前年比2100円増の月2万6430円で、仕送りなどの減収分を補ってい
る様子がうかがえる。
一方、支出を切り詰める傾向も続き、住居費以外の支出はすべて減少。特に食費は月2
万3350円(同1080円減)で、1976年以降で最低の金額になった。
大学生協連では「08年秋のリーマンショック以降、親の生活が厳しくなり、仕送りが
減っている。アルバイトにも頼れず、弁当を持参したり、研究室に炊飯器を持ち込んでご
飯を炊いたりといった食費節約の努力をする学生が目立つ」と話している』(以上、読売新
聞より)。
●月、7万4060円
親からの仕送り額の平均は、月、7万4060円。
この額は、1984年並という。
25年前というと、私が、37、8歳のころ。
私が大きな転機を迎えたころである。
このころ、私は、2つの世界から、足を洗った。
ひとつは、東洋医学の世界。
もうひとつは、教材作りの世界。
幼児教室も、閉鎖寸前まで追い込まれた。
私にとっても、何かときびしい状況だった。
もっとも貧乏学生の話になれば、私だって負けない。
この私だって、学生のころ、実家からの仕送りは、1年生のとき、8000~9000円。
4年のときも、1万2000円前後だった。
つまり下宿代だけ。
学費、その他の諸費用は、すべてバイトで稼がねばならなかった。
(学費は、月額1000円で安かった。1年生のとき。)
●奨学金制度の充実を!
欧米では、奨学金制度が発達している。
企業も、「税金としてどうせ取られるなら・・・」と、その分を奨学金として、学生に渡し
ている。
つまり奨学金として支出すれば、その分だけ、税金から控除される。
そのため学生たちは、「どこの大学へ入るか」よりも、「どこから奨学金を得るか」のほう
に、より強い関心をもっている。
そのために動き回る。
いくら大学への入学が決まっても、お金がなければ、勉強できない。
もちろん優秀な学生には、大学からも奨学金が出る。
が、日本では、それをしない。
奨学金制度が貧弱なことは、すでにみなさん、ご存知のとおり。
理由など、今さら、ここに書くまでもない。
●貧乏は悪いことではない
若いうちに、貧乏をしっかりと経験しておく。
そこを原点として、あとは、はい上がる。
ただバイト、バイトの学生生活にも、問題がある。
本を買うためにバイトというのはわかるが、携帯端末の使用料金のためにバイトというの
は、おかしい。
いわんや遊興費を稼ぐためにバイトということなら、もとから大学など行かなければよい。
その前に、「何のための大学か」ということになる。
大学の英文科といっても、高校の教科書より簡単なテキストを使っているところは、い
くらでもある。
最近もある女子大生(英文科3年)にこう聞いてみたことがある。
「目的格補語って、何?」と。
するとその女子大生は隣にいた別の女子大生に話しかけながら、「何だったけ? どこかで
聞いたことがある~~ウ」と。
そこそこに名前の通った、私立の大学である。
●学費
もちろんこの7万4060円には、大学への納入学費は含まれていない。
またこの額は、あくまでも平均。
読売新聞の記事にも書いてあるように、仕送りゼロと回答した学生が、全体の10・2%
もいることに、注目しなければならない。
月に、20~30万円も仕送りをしてもらっている学生がいる一方、ゼロの学生もいる。
さらに親に車を買ってもらったり、何かの資格を取るためと親をだまし、金を取っている
学生もいる。
そういう学生も含めて、平均「7万4060円」である。
が、「仕送りゼロ」というのは、私にも想像がつかない。
私のばあいもバイトをしたが、試験期間中は、それもできなかった。
そんなときは、朝、夕の2食だけで、何とか生き延びた。
最長、20日間、生き延びた。
夏場は、大学のプールを風呂代わりにした。
ときどきパチンコ屋を回り、落ちている玉を拾って、それでタバコ代を稼いだこともある。
が、それとて下宿代だけは、親に出してもらったから、できた。
「仕送りゼロ」というのは、「勉強もゼロ」ということではないのか。
10年ほど前だが、年に数回、講義に顔を出しただけで卒業できたと投書欄に投書してい
た大学生(?)すら、いた。
●無駄な教育
無駄な教育イコール、税金の無駄づかいと考えてよい。
もとから勉学意識のない学生が、大学に入る。
だから遊ぶ。
国にそれだけの余裕があれば、話も別だが、今のような状況で、子どもたちに、そこまで
ぜいたくをさせる必要はない。
大学をもっと選別して、閉鎖すべき大学は、閉鎖する。
一方、お金をかけるべき学生には、お金をかける。
お金をかけるべき大学には、お金をかける。
たとえば大学への進学率を、欧米並みに日本ももっと下げたらよい。
少なくとも少子化に並行して、大学の数を減らすべきではないのか。
が、それもだめなら、これも欧米並に、落第制度をもっときびしく活用したらよい。
「年に数回、講義に・・・」という学生がいること自体、異常なのである。
(1)奨学金制度の充実。(2)大学の選別化。(3)落第制度の厳格化。
読売新聞の記事を読んで、私は、この3つを考えた。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司
BW はやし浩司 仕送り額 平均仕送り額
+++++++++++++
ついでに以前書いた原稿を
再掲載します。
+++++++++++++
●教育費の公的支出割合
++++++++++++++++++++++++++++++
日本の公的支出割合は、OECD(経済協力開発機構)の
調査によれば、対GDP比において、日本は3・3%と、28
か国中、下から2番目だった(2009年9月9日)。
わかりやすく言えば、その分だけ親の負担が大きいということ。
「全教育費に占める私費負担の割合は、33・3%と、
韓国に次いで、2番目に高く、平均の2倍以上だった」(中日新聞)と。
++++++++++++++++++++++++++++++
●子ども大学生、親、貧乏盛り(When boys are Univ. students, Parents in Japan are the
poorest.)
++++++++++++++++++
8年前(2001年)に書いた
原稿を、再掲載。
++++++++++++++++++
子どもの教育費を考える法(学費を安くせよ!)
親が子どもの学費で苦労するとき
●親、貧乏盛り
少子化? 当然だ! 都会へ今、大学生を一人送ると、月々の仕送りだけで、毎月二七
万円(九九年東京地区私大教職員組合連合調べ、学費含む)(※)。が、それだけではすま
ない。アパートを借りるだけでも、敷金だの礼金だの、あるいは保証金だので、初回に四
〇~五〇万円はかかる。それに冷蔵庫、洗濯機などなど。パソコンは必需品だし、インタ
ーネットも常識。となると、携帯電話のほかに電話も必要。入学式のスーツ一式は、これ
また常識。世間は子どもをもつ親から、一体、いくらふんだくったら気がすむのだ! そ
んなわけで昔は、『子ども育ち盛り、親、貧乏盛り』と言ったが、今は、『子ども大学生、
親、貧乏盛り』という。大学生を二人かかえたら、たいての家の家計はパンクする。
●親の負担が大きい日本
一方、アメリカでもオーストラリアでも、親のスネをかじって大学へ通う子どもなど、
さがさなければならないほど、少ない。たいていは奨学金を得て、大学へ通う。企業も税
法上の控除制度があり、「どうせ税金に取られるなら」と、奨学金をどんどん提供する。し
かも、だ。日本の対GNP比における、国の教育費は、世界と比較してもダントツに少な
い。欧米各国が、七~九%(スウェーデン九・〇、カナダ八・二、アメリカ六・八)。日本
はこの一〇年間、毎年四・五%前後で推移している(UNESCO調べ)。大学進学率が高
いにもかかわらず、対GNP比が少ないということは、それだけ親の負担が大きいという
こと。日本政府は、あのN銀行という一銀行の救済のためだけに、四兆円という大金を使
った。それだけのお金があれば、全国二〇〇万人の大学生に、それぞれ二〇〇万円ずつの
奨学金を渡せる!
●もの言わぬ従順な民
が、日本人はこういう現実を見せつけられても、誰も文句を言わない。教育というのは
そういうものだと、思い込まされている。いや、その前に日本人の「お上」への隷属意識
は、世界に名だたるもので、戦国時代の昔から、そういう意識を徹底的にたたき込まれて
いる。いまだに封建時代の圧制暴君たちが、美化され、英雄化され、大河ドラマとして放
映されている! 日本のこの後進性は、一体、どこからくるのか。親は親で、教育といい
ながら、その教育を、あくまでも個人的利益の追求の場と位置づけている。世間は世間で、
「あなたの子どもが得をするのだから、その負担はあなたがすべきだ」と考えている。だ
から隣人が、子どもの学費で四苦八苦していても、誰も同情しない。こういう冷淡さが積
もりに積もって、その負担は結局は、子どもをもつ親のところに集中する。
日本の教育制度は、欧米に比べて、三〇年は遅れている。その意識となると、五〇年は
遅れている。かつてジョン・レノンが日本の税関で身柄を拘束されたとき、彼はこう叫ん
だ。「こんなところで、子どもを育てたくない」と。「こんなところ」というのは、日本の
ことをいう。彼には彼なりの思いがいろいろあって、そう言ったのだろうが、それからほ
ぼ三〇年。この状態はいまだに変わっていない。もしジョン・レノンが生きていたら、き
っとこう叫ぶに違いない。「こんなところで、孫を育てたくない」と。私も三人の子どもを
もっているが、そのまた子ども、つまりこれから生まれてくるであろう孫のことを思うと、
気が重くなる。日本の少子化は、あくまでもその結果でしかない。
(参考)
※……東京地区私立大学教職員組合連合の調査(一九九九年)によると、関東圏内の三一
の私大に通う大学生のうち、約九三〇〇人の学生について調べたところ、次のようなこと
がわ
かったという。親の平均年収 ……一〇三四万円(前年度より二四万円減)
受験費、住居費、学費、仕送りの合計金額 ……三二二万円
子どものために借金した親 ……二八・〇%(自宅外通学のばあい)
親の平均借り入れ額 ……一七六万円
教育費の負担が「たいへん重い」と答えた親……四四・六%
このため、子どもの学費は、親の年収の三一・八%を占め、平均仕送り額は、一二万一
〇〇〇円。そこから家賃の五万六九〇〇円を差し引くと、自宅外通学生の生活費は六万四
〇〇〇円ということになる(以上一九九八年度)。
(参考)
●かたよった日本の行政予算
これは2001年度、静岡県浜松市における予算案だが、それによれば、歳出のうち、
土木費が25・0%、民生費が19・5%、公債費が12・1%、教育費が10・3%、
衛生費が9・4%、以下総務費9・3%、商工費4・5%、となっている。
教育費が少ないのはともかくも、土木費が25%(4分の1)というのは、世界的にみ
ても異常としか言いようがない。家計にたとえるなら、月収50万円の人が、毎月、13
万円ものお金を家や庭の増改築に使っているようなものだ。こうしたいびつな予算配分が、
結局は子どもをもつ親の負担となってはね返ってくることを忘れてはならない。
+++++以上、2001年ごろ書いた原稿より(中日新聞掲載済み)+++++
この中で、1999年の調査結果を書いた。
ここに出てくる数字と、今回公表された数字を比較してみたい。
【1999年】
スウェーデン9・0、カナダ8・2、アメリカ6・8)。日本はこの10年間、毎年4・5%
前後で推移している(UNESCO調べ)。
【2006年】(今回、公表)
アイスランド……7・2%
デンマーク、スウェーデンとつづき、
日本は、2005年の3・4%より、さらに0・1%さがり、3・3%。
とくに大学などの高等教育費は、0・5%と、各国平均の1%の半分以下!
『子ども、大学生、親、貧乏盛り』の意味は、ここにある。
今回政権を取った民主党は、これを5%にするといっている。
おおいに期待したい。
が、同時に、こんなことも言える。
私などは国民年金しかないので、死ぬまで働くしかないと思っている。
が、その一方で、月額30万円前後の年金を手にして、優雅な生活を楽しんでいる
老人も多い。
そういう老人個人には、責任はないが、こんな偏(かたよ)った行政予算をしている
国は、OECDの調査結果を見てもわかるように、この日本だけ。
どうして元公務員たちの年金が、私たちの5倍近くもあるのか!
最近、私の友人はこう言った。
「この日本では、自営業など、バカ臭くて、そのうちだれもしなくなるだろう」と。
ホント!
江戸時代の士農工商という身分制度が、形を変えて、そのまま現代の世界に復活している。
「士」だけが特権階級を形成し、残りの93~94%の民衆は、増税にあえぐ。
そのあたりから根本的に改善しないかぎり、結局はそのしわ寄せは、子どもをもつ
親にのしかかってくる。
それにしても、たったの3・3%とは!
その一方で、土木費が、25%!
どこの公共施設も、超の上に超がつくほど、立派。
豪華。
そんな施設の中で、何が、「育児相談会」だ。
笑わせるな!
【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【服装の乱れ?】(国母和宏選手の服装の乱れ問題)(改)
●「日本人よ、障子を開けて、外を見ろ」
+++++++++++++++++++
国母和宏選手(東海大)の公式服装の着方が
乱れていたと批判されている問題で、日本選手団の
橋本聖子団長は12日(日本時間13日)、
同夜開催される開会式への国母選手の出席を
取りやめさせると発表した。
(2010年2月)
+++++++++++++++++++
●報道記事より
まず毎日JPの記事を紹介する。
++++++++++++以下、毎日JPより++++++++++++++
バンクーバー五輪のスノーボード・男子ハーフパイプ日本代表、国母和宏選手(東海大)
の公式服装の着方が乱れていたと批判されている問題で、日本選手団の橋本聖子団長は
12日(日本時間13日)、同夜開催される開会式への国母選手の出席を取りやめさせる
と発表した。17日に予定されている競技には、橋本団長の判断で参加できることにな
った。国母選手は会見に同席し、「責任を重く感じています」と謝罪した。
国母選手は会見で「応援してくださる方々に、雪の上でいい滑りを見せられるよう頑張
ります」と述べ、開会式については「チームのみんなと出たかった。残念です」とした。
批判の電話などが多数寄せられた全日本スキー連盟(SAJ)では、日本オリンピック
委員会(JOC)に国母選手の大会出場辞退を申し出た。これを受け、橋本団長が12日
に国母選手と話し合った結果、大会出場を認めることが決まった。橋本団長は「私がすべ
ての責任を負い、全力でサポートしたい」とした。また、「責任を取るのは大会で自分を出
し切ること。子供たちに夢を与えるのが、いまの彼の仕事だ。本人は反省している」と述
べた。
国母選手はバンクーバーに移動した際、公式ブレザーを着用しながら、ネクタイを緩め、
ズボンを腰の低い位置まで下げるなどしていた。また、10日に開かれた会見では「反省
してまーす」と語尾を伸ばして語ったが、反省の色が見られないとの批判も出ていた。
++++++++++++以上、毎日JPより++++++++++++++
つづいて、YAHOO NEWSより
++++++++++++以下、YAHOO NEWSより++++++++++++++
スノーボード男子ハーフパイプ日本代表の国母和宏選手(東海大)の、公式服装の乱れと
会見での態度が問題となっている件について、国母選手が在学する東海大学がWebサイト
に「大学といたしましても誠に遺憾に思っております」などとする見解を掲載した。
++++++++++++以上、YAHOO NEWSより++++++++++++++
また毎日新聞は、つぎのように報じている。
++++++++++++以下、毎日新聞より++++++++++++++
公式服装が乱れていたと批判されているスノーボード男子ハーフパイプ日本代表、国母
和宏(東海大)は、12日(日本時間13日)に行われた開会式の出席を取りやめた。
同日午前、日本選手団の橋本聖子団長と話し合いを持ち、国母に参加自粛を促した。全
日本スキー連盟は出場辞退を申し出ていたが、橋本団長の判断で、17日の競技には出
場する。
国母と橋本団長は12日、記者会見して謝罪した
++++++++++++以上、毎日新聞より++++++++++++++
●東京オリンピック
私が高校生のとき、東京オリンピックが開催された。
もう40年以上も前のことである。
そのときのこと。
日本選手団は、一糸乱れぬ入場行進をして見せた。
「一糸乱れぬ」である。
歩き方、顔の向け方、礼の仕方、などなど。
手の上げ方、その角度まで、同じだった。
それを報道しながら、ニュースキャスターたちは、「すばらしい行進です」と、ほめちぎっ
た。
が、一方、欧米の選手たちは、バラバラ。
バラバラというより、行進の「体」をなしていなかった。
それを見て、その当時の私は、「何と、だらしない行進なんだろう」と思った。
思ったが、今から思うと、私というより、日本人の感覚ほうが、世界の常識から、ずれて
いた。
●乱れた服装?
「国母選手はバンクーバーに移動した際、公式ブレザーを着用しながら、ネクタイを緩
め、ズボンを腰の低い位置まで下げるなどしていた」という。
写真も紹介されていたが、髪の毛も、長髪で、アフリカン・スタイル。
シャツも、そでが外に出ていた。
が、結論から先に言えば、どうしてそれが乱れた服装なのか?
国母選手は、国母選手なりに、そういう服装を、意図的に、かつ、ファッショナブルに表
現してみせた。
私はその写真を見たとき、「マイケル・ジャクソン、そっくり」と思った。
つまりマイケル・ジャクソンの服装に、よく似ていた。
それがわからなければ、あのビル・ゲイツ氏を見ればよい。
彼は世界中を飛び回って、公式の場で講演を重ねている。
が、いつもヨレヨレのシャツに、ジーパン姿である。
●きちんとした服装
一方、ではきちんとした服装というのは、どういう服装をいうのか?
「講演」という言葉を使ったので、私のことを書く。
私は今でも、講演をするたびに、どんな服装で行くべきか、悩む。
本当なら、ありのままの服装で行きたい。
ありのままの服装で、ありのままの自分を話したい。
が、会場がホテルであったり、何かの大会であったりすると、どうしても服装まで、硬
くなってしまう。
ネクタイを締め、ブレザーを着て行く。
が、そのつど、こう思う。
「どうしてこんな服装をしなければならないのか?」と。
日ごろの私は、そんな格好など、したことがない。
●ファッション
ファッションということになれば、国母選手の服装は、どこも乱れていない。
腰パンがだめだというなら、どうしてだめなのか、その理由をきちんと説明できる人はい
るだろうか。
自分たちの服装とちがうからといって、それを乱れていると考えるなら、それこそ、まち
がっている。
まちがっていることは、人生を半世紀以上生きた人なら、みなわかる。
たとえば江戸時代には、職業によって、着物の色が決まっていた。
柄や使う色の数も制限されていた。
そうした名残は、戦後になっても残っていて、「ホワイトカラー」とか、「ブルーカラー」
という言葉になった。
江戸時代には、士農工商の工民は、青い色の着物しか着られなかった。
それが「ブルーカラー」になった。
さらに言えば、私が子どものころには、(男の色)、(女の色)というのまで決まっていた。
だから男の私が、赤いズボンや、赤いシャツを着るなどということは、考えられなかった。
考えられなかったというより、ありえなかった。
●画一性
画一性が、いかに不気味なものであるかは、その外の世界に住んでいる人にはわかる。
あのOM事件のとき、OM真理教の信者たちは、みな、白い装束に身を包んでいた。
それを見て、だれしも、不気味と感じた。
が、そう思う私たちだって、欧米人から見た、私たちの姿に気づいていない。
あるアメリカ人(女性、当時30歳くらい)は、こう言った。
「ヒロシ、この前、海へ行って、驚いた。
日本の女子高校生たちは、みな、黒い水着で泳いでいた。
気味が悪かった」と。
そこで私が、「では、アメリカの高校生たちは、どんな水着で泳ぐのか」と聞くと、その
女性は、こう言った。
「みんな、自分の好きな水着を着る」と。
この話は、30年近くも前の話だが、それ以後、日本人の意識が変わったかというと、そ
れはない。
というより、欧米人の感覚は、さらに先に進んでいる。
●意識のちがい
服装が乱れているかどうかは、結局は、それを着る人、見る人の意識の問題ということ
になる。
「乱れている」という基準は、他人に不快感を与えるかどうかで決まる。
そのとき、自分のもっている基準で、その服装を判断してはいけない。
たとえば臭いとか、不潔とか、そういうことであれば、「乱れている」ということになる。
しかし腰パンであろうが、シャツのそでが出ていようが、あるいはユルユル・ネクタイで
あろうが、どうしてそれが問題なのか?
国がちがえば、服装もちがう。
たとえば子どもたちは、「男の人がスカートをはいたら、おかしい」と言う。
しかし世界には、男でも、スカート、もしくはそれに似た服を着ている民族は、いくらで
もいる。
スコットランドやマレーシアを例にあげるまでも、ない。
インドネシアの民族衣装だって、それに近い。
●自由の象徴
40年以上も前の、あの東京オリンピックを思い出してみてほしい。
残念ながら、団長の橋本聖子氏は若い。
若いから、当時の日本を知らない。
だから「乱れている」という。
しかし今、日本の選手団だって、欧米人にならって、バラバラの入場行進をしているでは
ないか。
またそのほうが自然。
「自由」の象徴。
「乱れている」というのなら、あのころを基準にすれば、日本の選手団全員、乱れている。
開会式を、全員、辞退したらよい。
●ルール?
「一糸乱れぬ」という、あのきわめて全体主義的な、どこかの独裁国家の軍事パレード
的な行進感覚が、いまだに、この日本に残っている。
今回の国母選手の服装問題に関する記事を読んだとき、まっさきに、私はそれを感じた。
むしろ欧米人の感覚からすれば、「日本人も変わったなあ」と、むしろそちらのほうに感心
するかもしれない。
日本人というと、画一的でおもしろくない。
それが欧米人がもつ、日本人観である。
そうした感覚は、欧米の映画に出てくる日本人を見れば、よくわかる。
欧米的であることが、すべて正しいというわけではない。
しかし一度は、欧米人の視点から、日本をながめてみたらよい。
むしろ今だに、学校の教科書よろしく、制服を決め、その着方まで決めている日本のほう
が、おかしい。
狂っている。
日本のオリンピック理事会は、「スポーツにはルールがある」というようなことを理由に
して、国母選手を非難している。
ルール?
ルールは、競技の世界でこそ、守るべきもの。
またそこで守れば、じゅうぶん。
どうして服装にまで、ルールがあるのか?
●軍国主義時代の亡霊
恐らくさらに40年後には、開会式の服装すら、自由になるだろう。
今は、それはわからない。
私たちだって、40以上も前の、あの東京オリンピックのとき、あの行進を見て、「日本人
はすばらしい」と思った。
しかし今になってみると、私たち日本人のほうが、世界の(非常識)だった。
軍国主義時代の亡霊を、そのまま引きずっていた。
そのことは、あのK国の軍事パレードを見ればわかる。
ああいう軍事パレードをする国を、だれも「正常」とは思わない。
自由が一方にあって、その上で、ああした行進をするなら、まだ理解できる。
しかし国全体が、そして国民一人ひとりが、みな、日常生活の中で、軍事パレードをして
いる。
もちろん、あのK国には、思想の自由はない。
●反省?
まあ、あえて言うなら、国母選手の服装は、発展途上国である、この日本では、早すぎ
たということ。
理解されなかったということ。
おおかたの日本人は、眉をひそめたであろう。
そういう(常識)の壁を破るのは、簡単なことではない。
また国母選手も、そこまで肝がすわっていたわけではない。
だから記者会見場では、頭をさげ、うなだれていた。
橋本聖子団長は、こう述べた。
「責任を取るのは大会で自分を出し切ること。子供たちに夢を与えるのが、いまの彼の仕
事だ。本人は反省している」と。
「子どもたちの夢」?
・・・いろいろ書きたいことはある。
山ほどある。
が、そんなことで、子どもたちの夢は、破れない。
またそんなことは、夢でも何でもない。
もしそうなら、マイケル・ジャクソンは、世界中の子どもたちの夢をつぶしたことになる。
●結論
日本人よ、もうこういうバカげた画一性を、他人に押しつけるのをやめよう。
オリンピック選手は、競技の場で、勝負すればよい。
どんな格好あろうが、またどんな服装をして行こうが、そんなことは競技とは関係ない。
そういう(自由)が基本にあって、その上で、何らかの統一性をもたせるというのであれ
ば、それはそれ。
私も納得する。
しかしその(自由)も知らないような民族が、過去の亡霊に引きずるのは、まちがってい
る。
何も教科書問題とからめるわけではないが、欧米先進国の中で、「検定制度」をもうけて
いるのは、この日本だけ。
文科省は、「国定と検定はちがう」と反論している。
が、どこもちがわない。
また「欧米にも検定機関がある」と反論しているが、オーストラリアにしても、検閲す
るのは、(性的表現)と(暴力的表現)のみ。
むしろ(歴史)などは、検閲してはいけないと、釘をさしている。
国母選手が、あっさりと謝ってしまったことのほうが、問題。
本来なら、教育の自由を守るべき母校の大学が、国母選手を批判しているほうが問題。
どうして出身校の大学が、「大学といたしましても誠に遺憾に思っております」などと発言
するのか。
発言できるのか。
それこそ、世界の笑い物。
欧米では、今では、大学の単位は共通化され、「出身校」という概念そのものがない。
だからこうした発想は、欧米では、まったく理解されない。
報道記事の中には、「国母和宏選手(東海大)」と、わざわざ大学名を入れているのもある。
つまりこうした書き方そのものも、世界の非常識。
今回の国母選手の、服装問題を考えたとき、私の結論は、ただひとつ。
日本人よ、「障子をあけて外を見ろ」(豊田佐吉の言葉より)。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi
Hayashi 林浩司 BW 国母選手 国母和宏選手(東海大) 服装の乱れ 乱れ問題 オ
リンピック 開会式辞退 はやし浩司 国母和宏選手)
【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
2月13日、今朝、あれこれ
一雨ごとに、寒くなったり、暖かくなったり・・・。
数日前は、一度、4月の陽気になった。
が、一転、今朝は、寒い。
朝、起きると一番に、ウォーキングマシンで、20分、歩いた。
このところ、運動不足。
現在体重は、2キロオーバーの、62・2キロ。
食事の量を減らしているが、やはり運動不足。
明日あたり、ワイフと近くの山に登ってみよう。
●金(ゴールド)バブルの崩壊?
金(ゴールド)の価格が、グイグイとさがって、少し戻し、またグイグイと
さがっている。
こういうときあわてて金に手を出すと、ババをつかむことになる。
金バブルが、崩壊しつつある。
数か月前、1オンスが1000ドルを超え、それが1200ドルを超えた。
日本では、グラム、3600円前後まであがった。
メチャメチャな額と言ってよい。
で、昨日あたりは、3200円台。
底をみきわめるのは難しいが、長期的な流れをみると、2800円台が正常値。
バブル崩壊ということになれば、さらにさがる。
さがったまま、その価格で低迷する。
こういうときは、一歩退いて、静観するのがよい。
●K国情勢
あのK国が、いよいよおかしくなってきた。
もとからおかしい国だから、今さら、驚かない。
しかしそれ以上に、おかしくなってきた。
日本にとって最善のシナリオ・・・それはK国を自然崩壊に導くこと。
朝鮮半島が混乱して困るのは、韓国と中国。
この日本ではない。
あえてこちらから喧嘩することはないが、韓国や中国に対して、おかしな友邦
意識をもつのは禁物。
国の(距離)は、メジャーで計ってはいけない。
メジャーでは、計れない。
距離的に近いからといって、「近い国」ということにはならない。
韓国や中国は、日本にとっては、もっとも遠い国。
K国は、さらに遠い国。
韓国では、このところ毎日のように、TOYOTAのリコール問題を一面で
報じている。
もちろんこの日本のことを心配して、ではない。
彼らにしてみれば、それがうれしくてたまらない。
アメリカでは、TOYOTAから現代車に乗り換えたら、1000ドル割り引くという
キャンペーンを始めた。
昔も今も、韓国という国は、日本にとって、そういう国である。
●不気味な上海B株
バブルといえば、中国。
中国経済。
いつそのバブルがはじけるか?
ハラハラ、ドキドキ・・・。
中国政府は金利を高めに誘導して、バブルの沈静化を始めた。
しかし焚き火でも、水をかぶせすぎると、爆発する。
すでに世界の機関投資家たちは、どうやって私たち庶民にババを引かせるか、
その準備段階に入った。
つまり私たち素人にババを引かせて、そのまま逃げる。
そこらのオジチャンやオバチャンが、書店の金融雑誌コーナーに並ぶようになったら、
あぶない。
そのとき、中国経済は、崩壊する。
注視、上海B株!
●2年前の記事
2年前の6月26日の、ABC・NEWSを読む。
それには、こうある。
「N. Korea Gives Up Some of Its Nuke Secrets」、つまり「北朝鮮、
核開発の秘密をあきらめる」と(2008年6月26日)。
08年といえば、あのC・ヒル氏が、ひとりではしゃいでいたときである。
そのC・ヒル氏の報告に基づいて、時のジョージ・ブッシュ大統領は、
「今日、北朝鮮は、核開発の詳細な内容を示した資料を、アメリカ政府に
渡した」(同ABC・NEWS)と。
そしてさらにこれに基づいて、アメリカ政府は、北朝鮮を、テロ支援指定国家
から解除し、さらに「"Axis of Evil" — off the list of countries that support "terror."」、
つまり「悪の枢軸」という呼び名を改めた(同)。
記事には、それを誇らしげに発表するG・ブッシュ大統領の写真が掲載されている。
C・ヒル氏が、G・ブッシュ大統領に、どのようなことを報告したかは知らない。
が、このとき北朝鮮から渡された資料というのは、ペラペラの、数枚の程度の紙だった
という。
そのことは、あとになってわかった。
つまりこの記事を読んだだけでも、当時のアメリカ政府が、いかに方向音痴だったかが
わかる。
が、その流れは、今も変わっていない。
アメリカにも官僚主義というのがある。
その官僚たちの思考回路は、今も、同じ。
ボズワースの動きから、目を離してはいけない。
●小沢一郎幹事長
方向音痴といえば、民主党。
不支持率が、支持率をとうとう超えてしまった。
「小沢一郎、やめろコール」が、80%近くにまで上昇している。
にもかかわらず、鳩山首相は、「小沢続投」と。
方向音痴というか、自分たちが今、どこにいるかさえ、わからなくなってしまった(?)。
今は、そんな感じがする。
●今日は土曜日
とくに予定はないが、午後5時に、1人、人に会う約束になっている。
が、私は、休日に、こうした約束を入れるのが好きではない。
それによって、せっかくの休日が、その約束によって制約されてしまう。
窮屈といえば、窮屈。
「5時までに、帰ってこなければならない」とか、「5時には、家にいなければ
ならない」とか。
そんなふうに考えてしまう。
しかし約束した以上、しかたない。
会うしかない。
とくにやりたいことはないが、今日は、「合成写真」にチャレンジしてみたい。
新しいソフトが手に入った。
2枚の写真をうまく合成すると、たとえば私が、火星の上を歩いているかのような
写真にすることができる。
今までも何度かやってみたが、意外と難しい。
・・・そう言えば、またまた私のビョーキが始まった。
何でもよい。
新しい電子機器がほしい。
メチャメチャ複雑なものほど、よい。
分厚い説明書がついているのが、よい。
箱を開けたとき、電子機器特有の、あのにおいがプ~ンと出てくる。
あれがたまらない。
ズシリとした説明書。
それを手にしたときの感触が、たまらない!
線条体の中に、そういう受容体ができてしまっている。
そこへ猛烈な勢いで、ドーパミンが作用している。
私には、それがよくわかる。
これから早速、ソフトをインストールして、写真を合成してみたい。
・・・ということで、今日も始まった。
時刻は、もうすぐ午前7時になるところ。
みなさん、おはようございます。
Hiroshi Hayashi++++++++Feb.2010+++++++++はやし浩司
●文章力
このところ文章力が落ちてきたように思う。
あとで自分で読み返してみたようなとき、それがわかる。
「文章力」といっても、「表現力」のことではない。
(「表現力」というのは、その文章のもつ(深み)によって決まる。
より深く考える。
そのより深く考えた部分を、どう表現するか。
切り口が深い文章ほど、またそれがよくわかる文章ほど、よい。
それを決めるのが、「表現力」ということになる。)
一方、文章力というのは、いかに適切な言葉で、的確に表現するか、その力をいう。
読みやすければ読みやすいほど、よい。
その力が落ちてくると、あとで読みなおしてみたようなとき、「こういう言葉を使えば
よかった」とか、「どうしてこんな回りくどい言い方をしたのか」と思うことが多くなる。
それにこのところ、言葉の使い方にも、ミスが多くなった。
「表す」と書くべきところを、「現す」と書くなど。
たとえばここでいう「文章力」というのも、正確には、「文章表記力」ということになる。
しかし「表記力」というのも、おかしい。
正しくは、何というのか?
それに文章全体がもつリズムも大切。
私はそのリズムを大切にしているが、調子が悪いときに書いた文章には、そのリズムが
ない。
これもあとで読み返してみたようなとき、それがわかる。
よい文章というのは、読んでいても、気持ちよい。
書いてあることが、スイスイと頭の中に入っていく。
そうでないときは、一文ごとに、食べものが喉でひっかかるように、頭の中でひっかかる。
読んでも意味がわからないというのは、文章としては、最悪。
誤解されるというのも、よくない。
で、ためしに何か、書いてみる。
(1)の文章は、未校正、未推敲の文章。
(2)の文章は、(1)の文章を校正、推敲したもの。
たまたま今、テレビで、衆院予算委員会の国会中継をしている。
それを見ながら、感じたことを書いてみる。
(1)国会中継
ハイビジョン画像になると、議員の髪の毛一本一本まで、はっきりと映る。
たった今、鳩山首相が答弁に立ったが、うっすらと化粧している様子まで、よくわかる。
それに・・・今、気がついたが、鳩山首相の手作が、小刻みに震えている。
血栓性の脳梗塞か何か、あるのかもしれない。
ハイビジョンというのは、そこまでテレビに映し出す。
(2)国会中継
ハイビジョンテレビでは、議員の髪の毛一本一本まで、はっきりと見える。
たった今も、鳩山首相が答弁に立ったが、うっすらと化粧をしている。
そんな様子まで、わかる。
それに・・・今、気がついたが、鳩山首相の手先が、小刻みに震えている(?)。
小刻みだが、たしかに震えている。
血栓性の脳梗塞か何か、あるのかもしれない。
そういう意味では、ハイビジョンテレビというのは、恐ろしい。
そこまでこまかくテレビに映し出す。
・・・映し出してしまう。
(1)の文章より、(2)の文章のほうが、私はよいと思うが、それは私の印象。
そこでその印象をたしかなものにするために、しばらく文章を熟成させてみる。
「熟成」というのは、少し時間をおいて、読みなおしてみるということ。
そのとき、コツがある。
その文章を、自分の文章としてではなく、他人の文章として読む。
一歩、退いて読む。
もちろんそのとき、内容的に正しいかどうかも、判断する。
こうして文章というのは、文章になる。
つまりこうして、よみやすい文章を書く力が、「文章力」ということになる。
その文章力が、落ちてきた。
あとで読みなおしてみたとき、自分でも、下手な文章だなと思うときがある。
以前は、あまりそういうことはなかったが、このところ、そう思うことが多くなった。
それだけ集中力が落ちてきたのかもしれない。
勘が鈍ってきたのかもしれない。
言い忘れたが、文章力というのは、しばらく書いてないと、確実に低下する。
大切なことは、毎日書くこと。
Hiroshi Hayashi++++++++Feb.2010+++++++++はやし浩司
●茶番劇
++++++++++++++++++++++
あなたは大会社の常務。
実質上の会社のオーナー。
その会社で、あなたの若い部下が、不祥事を犯した。
あなたの知らないところで、あなたの印鑑を
勝手に持ち出し、私文書を偽造した。
何億というあなたの個人資産を、右から左へと動かした。
そのためあなたに、脱税の疑惑がかけられた。
あなたにとっては、まったく身に覚えのない話。
それどころか、あなたはそれによって、検事に二度まで取り調べられた。
もしそういうとき、あなたなら、どうするだろうか?
あなたなら、あなたの部下をどうするだろうか?
あなたがその常務なら、まっ先にあなたは、その部下をクビにするだろう。
背任罪で訴えるかもしれない。
横領はなかったにしても、あなたが受けた心的被害には、ものすごいものがある。
怒りに狂って、夜も眠られないかもしれない。
が、あなたはその部下をクビにしなかった。
クビにしなかったばかりか、部下のもとには、あなたの、腹心中の腹心の
弁護士を送った。
会社の顧問弁護士である。
で、部下は起訴され、拘置所から出てきた。
その部下に、あなたは、こう言った。
「そっと見守りたい」と。
???
怒るどころか、「そっと見守りたい」と。
こんなバカげた話が、どこにある?
こんな茶番劇が、どこにある?
それが今度の小沢疑獄事件の核心である。
で、その部下は、意気揚々と、拘置所から出てきた。
満面の笑顔を浮かべながら、カメラに向かって、手を振った。
こう言った。
「しばらく役職を離れますが、今までどおり仕事をつづけます」と。
TBSNEWs-iは、つぎのように伝える。
+++++++++++以下、TBSNEWS-iより+++++++++++++
民主党・小沢幹事長の資金管理団体の政治資金規正法違反事件で起訴された元秘書の石
川知裕衆院議員が、近く離党を表明し、12日にも離党届を提出する見通しとなりました。
石川議員に近い民主党中堅議員によりますと、石川議員は、「皆さんに迷惑はかけたくな
い」と述べ、離党する考えを伝えました。ただ、国会議員は辞職せず、今後も議員活動を
続けていく意向だということです。
また、小沢氏に近い民主党中堅議員によりますと、石川議員は近く離党を表明し、12
日にも離党届を党本部に提出するとの見通しを示しました。
石川議員の処遇をめぐっては「離党しなければ党内はまとまらない」など、離党は避け
られないという見方が大勢で、石川議員もこうした意見をもとに判断したものとみられま
す。
一方、10日夕方、新党大地の鈴木代表と会談した小沢氏は、「そっと見守りたい」と述
べて、石川議員の判断を尊重する考えを示したということです。
(2010年2月10日)
+++++++++++以上、TBSNEWS-iより+++++++++++++
●「もし・・・」
それが茶番劇かどうかは、「もし・・・」を、頭につけて考えてみれば、よい。
それでわかる。
それで簡単に見破ることができる。
このばあいは、「もし、本当に、小沢氏が、無実であるとするなら・・・」という前提で考
えてみればよい。
もし小沢氏が無実であるとするなら、小沢氏の秘書に5000万円という大金を渡した
業者の話は、どうなる?
業者がウソをついているか、それとも、小沢氏の秘書が、ネコババしたことになる。
「5000万円」というのは、明らかになった金額。
実際には、ワイロとして動いた金額は、10億円とも、あるいは、それ以上とも言われて
いる。
業者は、秘書に、「5000万円を渡した」と言っている。
具体的に渡したときの状況まで、証言している。
もしそうなら、つまり業者が言っていることが本当なら、秘書がそのお金をネコババした
ことになる。
あなたが「会社の常務」なら、そういうときどう判断するだろうか。
業者を疑う前に、あなたの部下を疑うだろう。
部下を問いただすだろう。
そして部下が逮捕されたら、あなた自身が、真相の究明を求めるはず。
警察や検事の取り調べに、積極的に協力するはず。
どうしてそんなとき、会社の顧問弁護士を、毎日のように拘置所へ送るだろうか。
・・・回りくどい言い方はやめよう。
民主党は、全体として、「記載ミス」を主張している。
「たかが記載ミス程度のことで、秘書が逮捕された」と。
しかしこういうのを、「すり替え」という。
わかっているくせに、つまり他人(=私たち一般庶民)をごまかすために、そういう。
が、天下の、あの東京地検特捜部が、たかが記載ミス程度のことで、動くか!
ものごとは、常識で考えろ!
目的は、贈収賄罪。
しかも金額がちがう。
桁がちがう。
が、秘書たちのかたい結束を打ち破ることができなかった。
みな、「知らぬ、存ぜぬ」を繰り返した。
5000万円についても、「受け取った覚えはない」と。
ということで、秘書たちは起訴されたが、そのお金を受け取ったであろうだれかは、
罪を問われることはなかった。
民主党幹部は、鳩山総理大臣も含めて、「これで一件落着」と、無言を貫いている。
民主党内部でも、だれもそれを問題にしない。
声をあげるものも、いない。
残るは、野党となった自民党だが、自民党にしても、へたに騒げば、まさにヤブヘビ。
おかしな共存関係。
何とも言えない、脱力感。
無力感。
「日本の政治も、こんなものかなあ」という思い。
「こんなことで、いいはずはないのになあ」という思い。
あるいは、「政治って、だれがやっても同じなのかなあ」という思い。
そういう思いが、つぎつぎと現れては、また消える。
ただ大切なことは、私たち1人ひとりが、もっと声をあげること。
おかしいものは、「おかしい」と、声をあげること。
時間はかかるかもしれないが、それが私たちの意識を変え、政治を変えていく。
(追記)
小沢一郎幹事長は、こう言った。
「しばらく民主党政権はつづく」と。
私たちの感じている脱力感を見越しての発言とも、考えられる。
「自民党もだめ」「民主党もだめ」「では、どうすればいいのか?」と。
つまり私たちの感じている脱力感を、逆手に取った。
「どうあがいても、オレたち、民主党しかないだろ」と。
たしかにそうだが、そうであるからこそ、民主党、なかんずく小沢一郎幹事長は、
もう少し謙虚であるべきではないのか。
権力の座についたことをよいことに、傲慢になった・・・というより、なりすぎて
しまった。
このまま鳩山政権が小沢一郎幹事長を、事実上の党首として、その存在を許すなら、
私たち浮動票層が、黙っていない。
とりあえずは、民意の力で、小沢一郎を、裁判所に引き出すこと。
その場で、白黒の決着をつけること。
そういう方向で、世論を高めていくしかない。
数日前の世論調査でも、80~90%の国民は、今回の不起訴処分に納得していない。
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