2010年1月2日土曜日

*Short Advices by Hiroshi Hayashi

○「やればできるはず」は、禁句
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たいていの親は、「うちの子は、やればできるはず」と思う。しかしそう思ったら、すかさず、「やってここまで」と思いなおす。何がそうかといって、親の過関心、過負担、過剰期待ほど、子どもを苦しめるものはない。それだけではない。かえって子どもの伸びる芽をつんでしまう。そこで子どもには、こう言う。「あなたは、よくがんばっているわよ。TAKE IT EASY!(気を楽にしてね)」と。

○子育ては本能ではなく学習
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 だれしも、「頭の中では、わかっているのですが、ついその場になると……」と言います。子育てというのは、もともと、そういうものです。そこでいつも同じようなパターンで、同じような失敗をするときは、(1)あなた自身の過去を冷静に見つめてみる。(2)何か(わだかまり)や(こだわり)があれば、まず、それに気づくことです。あとは時間が解決してくれます。

○子育ては世代連鎖する
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 子育ては、世代を超えて、親から子へと、よいことも、悪いことも、そのまま連鎖します。またそういう部分が、ほとんどだということです。そういう意味で、「子育ては本能ではなく、学習によるもの」と考えます。つまり親は子育てをしながら、実は、自分が受けた子育てを、無意識のうちに繰りかえしているだけだということです。そこで重要なことは、悪い子育ては、つぎの世代に、残さないということ。

○子育ては見本を見せる
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 子育ての重要な点は、子どもを育てるのではなく、子育てのし方の見本を、子どもに見せるということです。見せるだけでは、足りません。包みます。幸福な家庭というのは、こういうものだ。夫婦というのは、こういうものだ。家族というのは、こういうものだ、とです。そういう(学習)があって、子どもは、親になったとき、はじめて、自分で子育てが自然な形でできるようになります。

○子どもに優位性を見せつけない
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 子どもに、勝とうと思わないこと。つまり親の優位性を見せつけないこと。どうせ相手にしてもしかたないし、本気で相手にしてはいけません。ときに親は、わざと負けて見せたり、バカなフリをして、子どもに自信をもたせます。適当なところで、親のほうが、手を引きます。「こんなバカな親など、アテにならないぞ」と子どもが思えば、しめたものです。

○子育ては重労働
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 子育ては、もともと重労働です。そういう前提で、します。自分だけが苦しんでいるとか、おかしいとか、子どもに問題があるなどと、考えてはいけません。しかしここが重要ですが、そういう(苦しみ)をとおして、親は、ただの親から、真の親へと成長するのですよ。そのことは、子育てが終わってみると、よくわかります。子育ての苦労が、それまで見えなかった、新しい世界を親に見せてくれます。どうか、お楽しみに!

○子育ての前に生きザマを
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 子育てをしながらも、親は、親で、自分の生きザマを確立します。「あなたはあなたで、勝手に生きなさい。私は私で、勝手に生きます」と。そういう一歩退いた目が、ともすればギクシャクとしがちな、親子関係に、風を通します。子どもだけを見て、子どもだけが視野にしか入らないというのは、それだけあなたの生きザマが、小さいということです。あなたはあなたで、したいことを、すればいいのです。

http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/++++++++++++++++はやし浩司

○問題のない子育てはない
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子育てをしていると、子育てや子どもにまつわる問題は、つぎからつぎへと、起きてくる。それは岸辺に打ち寄せる波のようなもの。問題のない子どもはいないし、したがって、問題のない子育ては、ない。できのよい子ども(?)をもった親でも、その親なりに、いろいろな問題に、そのつど、直面する。できが悪ければ(?)、もっと直面する。子育てというのは、もともとそういうものであるという前提で、子育てを考える。

○解決プロセスを用意する
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英文を読んでいて、意味のわからない単語にぶつかったら、辞書をひく。同じように、子育てで何かの問題にぶつかったら、どのように解決するか、そのプロセスを、まず、つくっておく。兄弟や親類に相談するのもよい。親に相談するのも、よい。何かのサークルに属するのもよい。自分の身にまわりに、そういう相談相手を用意する。が、一番よいのは、自分の子どもより、2、3歳年上の子どもをもつ、親と緊密になること。「うちもこうでしたよ」というアドバイスをもらって、たいていの問題は、その場で解決する。

○動揺しない
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株取引のガイドブックを読んでいたら、こんなことが書いてあった。「プロとアマのちがいは、プロは、株価の上下に動揺しないが、アマは、動揺する。だからそのたびに、アマは、大損をする」と。子育ても、それに似ている。子育てで失敗しやすい親というのは、それだけ動揺しやすい。子どもを、月単位、半年単位で見ることができない。そのつど、動揺し、あわてふためく。この親の動揺が、子どもの問題を、こじらせる。

○自分なら……?
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賢い親は、いつも子育てをしながら、「自分ならどうか?」と、自問する。そうでない親は親意識だけが強く、「~~あるべき」「~~であるべきでない」という視点で、子どもをみる。そして自分の理想や価値観を、子どもに押しつけよとする。そこで子どもに何か問題が起きたら、「私ならどうするか?」「私はどうだったか?」という視点で考える。たとえば子どもに向かって「ウソをついてはダメ」と言ったら、「私ならどうか?」と。

○時間をおく
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言葉というのは、耳に入ってから、脳に届くまで、かなりの時間がかかる。相手が子どもなら、なおさらである。だから言うべきことは言いながらも、効果はすぐには、求めない。また言ったからといって、それですぐ、問題が解決するわけでもない。コツは、言うべきことは、淡々と言いながらも、あとは、時間を待つ。短気な親ほど、ガンガンと子どもを叱ったりするが、子どもはこわいから、おとなしくしているだけ。反省などしていない。

○叱られじょうずにしない
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親や先生に叱られると、頭をうなだれて、いかにも叱られていますといった、様子を見せる子どもがいる。一見、すなおに反省しているかのように見えるが、反省などしていない。こわいからそうしているだけ。もっと言えば、「嵐が通りすぎるのを待っているだけ」。中には、親に叱られながら、心の中で歌を歌っていた子どももいた。だから同じ失敗をまた繰りかえす。

○人格攻撃はタブー
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先生に叱られたりすると、パッとその場で、土下座をしてみせる子どもがいる。いわゆる(叱られじょうずな子ども)とみる。しかしだからといって、反省など、していない。そういう形で、自分に降りかかってくる、火の粉を最小限にしようとする。子どもを叱ることもあるだろうが、しかしどんなばあいも、最後のところでは、子どもの人権だけは守る。「あなたはダメな子」式の、人格の「核」攻撃は、してはいけない。

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○「核」攻撃は、タブー
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子どもを叱っても、子どもの心の「核」にふれるようなことは、言ってはいけない。「やっぱり、あなたはダメな子ね」「あんたなんか、生まれてこなければよかったのよ」などというのが、それ。叱るときは、行為のどこがどのように悪かったかだけを、言う。具体的に、こまかく言う。が、子どもの人格にかかわるようなことは言わない。

○子どもは、親のまねをする
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たいへん口がうまく、うそばかり言っている子どもがいた。しかしやがてその理由がわかった。母親自身もそうだった。教師の世界には、「口のうまい親ほど、要注意」という、大鉄則がある。そういう親ほど、一度、敵(?)にまわると、今度は、その数百倍も、教師の悪口を言い出す。子どもに誠実になってほしかったら、親自身が、誠実な様子を、日常生活の中で見せておく。

○一事が万事論
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あなたは交通信号を、しっかりと守っているだろうか。もしそうなら、それでよし。しかし赤信号でも、平気で、アクセルを踏むようなら、注意したほうがよい。あなたの子どもも、あなたに劣らず、小ズルイ人間になるだけ。つまり親が、小ズルイことをしておきながら、子どもに向かって、「約束を守りなさい」は、ない。ウソはつかない。約束は守る。ルールには従う。そういう親の姿勢を見ながら、子どもは、(まじめさ)を身につける。

○代償的過保護は、愛情にあらず
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「子どもはかわいい」「私は子どもを愛している」と、豪語する親ほど、本当のところ、愛が何であるか、わかっていない。子どもを愛するということは、それほどまでに、重く、深いもの。中には、子どもを自分の支配下において、自分の思いどおりにしたいと考えている親もいる。これを代償的過保護という。一見、過保護に見えるが、その基盤に愛情がない。つまりは、愛もどきの愛を、愛と錯覚しているだけ。

○子どもどうしのトラブルは、子どもに任す
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子どもの世界で、子どもどうしのトラブルが起きたら、子どもに任す。親の介入は、最小限に。そういうトラブルをとおして、子どもは、子どもなりの問題解決の技法を身につけていく。親としてはつらいところだが、1にがまん、2にがまん。親が口を出すのは、そのあとでよい。もちろん子どものほうから、何かの助けを求めてきたら、そのときは、相談にのってやる。ほどよい親であることが、よい親の条件。

○許して忘れ、あとはあきらめる
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子どもの問題は、許して、忘れる。そしてあとはあきらめる。「うちの子にかぎって……」「そんなはずはない」「まだ何とかなる」と、親が考えている間は、親に安穏たる日々はやってこない。そこで「あきらめる」。あきらめると、その先にトンネルの出口を見ることができる。子どもの心にも風が通るようになる。しかしヘタにがんばればがんばるほど、親は、袋小路に入る。子どもも苦しむ。

●強化の原理
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子どもが、何かの行動をしたとする。そのとき、その行動について、何か、よいことが起きたとする。ほめられるとか、ほうびがもらえるとか。あるいは心地よい感覚に包まれるとか。そういう何かよいことが起こるたびに、その行動は、ますます強化される。これを「強化の原理」という。子どもの能力をのばすための大鉄則ということになる。

●弱化の原理
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強化の原理に対して、弱化の原理がある。何か、行動をしたとき、つまずいたり、失敗したり、叱られたりすると、子どもは、やる気をなくしたり、今度は、その行動を避けるようになる。これを弱化の原理という。子どもにもよるし、ケースにもよるが、一度弱化の原理が働くようになると、学習効果が、著しく落ちるようになる。

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●内面化
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子どもは成長とともに、身長がのび、体重が増加する。これを外面化というのに対して、心の発達を、内面化という。その内面化は、(1)他者との共鳴性(自己中心性からの脱却)、(2)自己管理能力、(3)良好な人間関係をみるとよい(EQ論)。ほかに道徳規範や倫理観の発達、社会規範や、善悪の判断力などを、ふくめる。心理学の世界では、こうした発達を総称して、「しつけ」という。

●子どもの意欲
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子どもは、親、とくに母親の意欲を見ながら、自分の意欲を育てる。一般論として、意欲的な母親の子どもは、意欲的になる。そうでない母親の子どもは、そうでない。ただし、母親が意欲的過ぎるのも、よくない。昔から、『ハリキリママのションボリ息子』と言われる。とくに子どもに対しては、ほどよい親であることが望ましい。任すところは子どもに任せ、一歩退きながら、暖かい無視を繰りかえす。それが子育てのコツということになる。

●ほどよい目標
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過負担、過剰期待ほど、子どもを苦しめるものはない。そればかりではない。自信喪失から、やる気をなくしてしまうこともある。仮に一時的にうまくいっても、オーバーヒート現象(燃え尽き症候群、荷卸し症候群)に襲われることもある。子どもにとって重要なことは、達成感。ある程度がんばったところで、「できた!」という喜びが、子どもを伸ばす。子どもには、ほどよい目標をもたせるようにする。

●子どもの恐怖症
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恐怖症といっても、内容は、さまざま。対人恐怖症、赤面恐怖症、視線恐怖症、体臭恐怖症、醜形恐怖症、吃音恐怖症、動物恐怖症、広場恐怖症、不潔恐怖症、高所恐怖症、暗所恐怖症、閉所恐怖症、仮面恐怖症、先端恐怖症、水恐怖症、火恐怖症、被毒恐怖症、食事恐怖症などがある。子どもの立場になって、子どもの視線で考えること。「気のせいだ」式の強引な押しつけは、かえって症状を悪くするので注意。

●子どもの肥満度
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児童期の肥満度は、(実測体重Kg)÷(実測身長cmの3乗)×10の7乗で計算する。この計算式で、値が160以上を、肥満児という(ローレル指数計算法)。もっと簡単に見る方法としては、手の甲を上にして、指先を、ぐいと上にそらせてみる。そのとき、指のつけねに腱が現れるが、この腱の部分にくぼみが現れるようになったら、肥満の初期症状とみる。この方法は、満5歳児~の肥満度をみるには、たいへん便利。

●チック
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欲求不満など、慢性的にストレスが蓄積すると、子どもは、さまざまな神経症的症状を示す。たとえば爪かみ、指しゃぶり、夜尿、潔癖症、手洗いグセなど。チックもその一つ。こうした症状を総称して、神経性習癖という。このチックは、首から上に出ることが多く、「おかしな行動をする」と感じたら、このチックをうたがってみる。原因の多くは、神経質で、気が抜けない家庭環境にあるとみて、猛省する。

●子どもの姿は正確に
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あなたの子どもに、あなたはどのようなイメージをもっているだろうか。中には、問題があるのに、「問題はない」と思いこんでいる親がいる。反対に、問題がないのに、「問題がある」と思いこんでいる親もいる。子どもの姿を正確にとらえるのは、たいへんむずかしい。子どもの概念と、現実の子どもの間のギャップが大きければ大きいほど、親子の関係はギクシャクしたものになりやすい。

●聞きじょうずになる
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子どもの姿を正確にとらえるためには、聞きじょうずになること。自分の子どもでも、他人の子どもと思い、一歩退いて見るようにする。教師でも話しにくい親というのは、子どものことになると、すぐカリカリするタイプ。何か言おうとすると、「うちでは問題はありません」「塾では、しかkりとやっています」と反論する。しかしそう反論されると、「どうぞ、ご勝手に」となる。

●自己愛者は、注意
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自己中心性が肥大化すると、自己愛者になる。完ぺき主義で、他人の批判を許さない。すべてを自分(あるいは自分の子ども)中心に考えるようになる。こうなると、子育ては、独善化する。他人の批評に耳を傾けなくなるからである。子育てじょうずな親というのは、ものごとに謙虚である。その謙虚さが、心に風穴をあける。まずいのは、「自分は正しい」と思いこんで、他人の意見を聞かないこと。

http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/++++++++++++++++はやし浩司

●非行を防ぐ鉄則
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(したいこと)と(していること)が一致しているとき、子どもの心は、安定する。しかし(したいこと)と(していること)が一致していないと、子どもの心は、急速に不安定化する。非行の多くは、こうして始まる。そこで重要なことは、いつも、(子どものしたいこと)に静かに耳を傾けて、それを(していること)に結びつけていく。これを心理学の世界でも、自我の同一性(アイデンテンティ)と呼ぶ。

●善行は日常から
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あなたの子どもを善人にしたいなら、日常的な、ごくささいなことから、約束やルールを守る姿を、子どもに見せておく。そういう積み重ねが、あなたの子どもを善人にする。つまり日々の積み重ねが、月々の積み重ねとなり、それが年々、積もって、その人の人格となる。あなたが、平気で空き缶をポイ捨てしていおいて、あなたの子どもに「いい子になれ」は、ない。

●シャドウをつくらない
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あなたが仮面をかぶればかぶるほど、あなたの背後に、その正反対のシャドウ(影)ができる。子どもというのは、そのシャドウをそのまま受けついでしまう。よく例に出されるのが、佐木隆三の『復讐するは、我にあり』である。敬虔な牧師の息子が、殺人鬼になるという小説である。緒方拳の主演で、映画にもなった。父親は牧師をしながら、息子の嫁と不倫関係になる。そうしたシャドウが、その息子を殺人鬼にしたとも考えられなくはない。

●子どもには、ウソをつかない
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子どもには、ウソをつかない。これは親子関係を守るための、最後の砦(とりで)と考えてよい。もしウソをつきたくなかったら、だまっていればよい。飾ったり、見栄をはったりしてもいけない。ありのままを、すなおに見せておく。あとの判断は、子どもに任せればよい。

●ウソはていねいにつぶす
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子どもは、よくウソをつく。いろいろなウソがあるが、その中でも、空想したことを、あたかも本当のことのように話す子どもがいる。空想的虚言(妄想的虚言)というのが、それ。はげしい親の過干渉が日常化すると、子どもは、この空想的虚言を口にするようになる。そういうとき親は、子どもをはげしく叱ったりするが、反省すべきは、むしろ親のほうである。こうしたウソは、ていねいに、つぶす。言うべきことは言いながら、あとは時間を待つ。

○計算力と「数」の力
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子どもにとって、計算力と、「数」の力は、別のものと考えてよい。たとえば(3+4=7)は、計算力があればできる。しかし「7は、5と□」という問題は、計算力だけでは、カバーできない。ほかに「3と□で、6」「□は、3と4」など。小学1年生の問題だが、それができる子どもは、スラスラとできる。しかしできない子どもは、何度説明しても、できない。それがここでいう「数」の力ということになる。

○「遊び」を大切に
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自動車のハンドルでも、「遊び」があるから、運転できる。その「遊び」がなく、ギスギスだったら、運転できない。子どもの勉強も、その運転に似ている。多くの親たちは、「勉強」というと、机に向かって黙々とするものだという偏見と誤解をもっている。しかしそれは大学の研究者のような人がする勉強であって、少なくとも、子どもの勉強ではない。小学校の低学年児だったら、30分机に向かって座って、10分、勉強らしきことをすれば、よしとする。

○リズムをつかむ
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子ども自身がもつ、学習のリズムは、みな、ちがう。数分きざみに、騒いだり、しゃべったりする子どももいれば、5分くらい静かに作業したあと、1~2分、休んだりする。勉強にとりかかるまでに、10分以上かかる子どももいれば、すぐ、勉強に入れる子どもいる。大切なことは、それぞれのリズムに合わせて、指導するということ。とくに子どもが小さいうちは、そうする。

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