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子育て最前線の育児論byはやし浩司 10年 1月 13日
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どうか、お楽しみください。(↓をクリックしてみてください。)
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メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!
【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【心のクッション】
●人はなぜ怒るか
++++++++++++++++++++
(怒り)にもいろいろある。
その中でも、ちょっと変わった怒りもある。
「変わった」というよりは、「極端な」といったほうが、
正しいかもしれない。
実際の例をいくつかあげながら
怒りについて、考えてみたい。
++++++++++++++++++++
(例1)
Hさんは、その少し前から認知症の疑いがあった。
今年65歳、女性。
もの忘れがひどくなりつつあった。
そんなある日、クラブのメンバー(友)と、電話でこんなやり取りをしたという。
H「今度の会合は、AA台にあるBBというレストランでしましょう」
友「わかりました、AA台のBBですね」と。
で、しばらくほかの話をしたあと、終わり際に、友人が
「じゃあ、AA台のBBで……」と言ったときのこと。
突然、Hさんは、パニック状態になってしまった。
「私、BBなんて言っていません。CCです!」
友「だって、あなた先ほど、BBって、言いましたよ」
H「言っていません。どうしてそんなウソをつくのですかア!」と。
ふつうの激怒ではない。
ギャーギャーと泣き叫ぶようにして、そう言ったという。
【例2】
同じく、そのHさんのこと。
親類(Hさんの従兄)の1人も、そうした異変に、薄々気がつき始めた。
それでその親類が、Hさんの夫に、それとなくそれを伝えようとしたときのこと。
親類は、Hさんのことを心配して、それを伝えようとした。
こうした病気は、早期に発見し、治療を始めれば、進行を遅らせることができる。
が、Hさんの夫は、逆に怒ってしまったという。
「Hは、思い込みがはげしいところはあるが、頭は何ともない!
頭はいい!」と。
あまりの剣幕に、従兄のほうが、たじたじになってしまったという。
【例3】
内容は同じような話だが、Xさん(45歳、女性)も、このところ様子が
おかしい。
ガスコンロの火を消し忘れたり、風呂の湯を止め忘れたりする、など。
あるいは3~4日も、気分が悪いといっては、床に伏したままになることもあった。
そこで夫が、Xさんを、心療内科へ連れていこうとした。
が、これにXさんが、猛反発。
逆上というか、まるで狂人のようになって暴れて、抵抗したという。
【例4】
つぎの話は、以上の話を、私の友人に話したとき、その友人から聞いた話である。
その家には、90歳を過ぎた母親がいた。
そのときすでに、要介護度3前後の認定を受けていた(旧認定基準)。
そこでその友人が、いろいろ考えた末、特別養護老人ホームへ入居の手続きを
しようとした。
それを聞いた、友人の妹たち2人が、友人の家にやってきて、これまた大激怒!
「親を、施設に入れるな!」と。
●怒り
これらの怒りに共通するのは、「心のクッション」がないこと。
心に余裕がない。
心は緊張状態にあり、そこへ何らかの刺激が加わると、一気にそれを
解消しようとして、精神状態が不安定になる。
ふつうなら、こういうとき、理性が感情の暴走にブレーキをかける。
が、そのブレーキが働かない。
このことから、こういうケースのばあい、(怒り)は、つぎの二段階を経て、
(怒り)になることがわかる。
(1) 心が緊張状態にあって、不安や心配が入り込むと、それを一気に解消
しようとして、不安定になる。
(2) 感情が暴走し、理性によるブレーキが働かなくなる。
●では、どうするか
(怒り)は、(心のクッション)と、大きく関係している。
(心のクッション)が、大きい人は、相手の心を、暖かく包み込むことができる。
そうでない人は、そうでない。
そのまま相手の心を、冷たくはね返してしまう。
私の印象では、(あくまでもそう思うだけだが)、認知症か何かになると、この
心のクッションが、たいへん薄っぺらくなる。
心の余裕そのものがなくなり、ささいなことで、激怒しやすくなる。
お金にたとえるのも不謹慎なことかもしれない。
しかしたとえば懐(ふところ)に、何百万円ももっている人は、寿司屋でも、好きな
寿司を注文することができる。
しかし小銭しかないと、ハラハラしながら食べなければならない。
同じように、心の中に(大きなもの)をもっている人は、ささいなことでは、動じない。
そうでない人はそうでない。
たとえばそれが(思い込み)であるにせよ、何かの信仰をもっている人は、外部の人に
対して、おおらか。
いつも満足そうな笑顔を浮かべている。
科学者にしても、思想家にしてもそうだ。
「宇宙だ」「哲学だ」「真理だ」と言っている人は、それだけ、ささいなことでは、動じな
い。
言い換えると、このタイプの(怒り)と闘うためには、(怒り)そのものと闘うというよ
りは、それによって動じない(大きなもの)を、もつこと、ということになる。
大きければ大きいほど、よい。
それがそのまま(心のクッション)となる。
先にあげた4つの例では、つまりは加齢や認知症の進行とともに、(大きなもの)が心から消えたことが理由と考えてよい。
思考能力そのものが低下するから、自分の住む世界そのものが、小さくなってしまう。
「AA台のBB」であろうが、「AA台のCC」であろうが、心に余裕のある人だったら、
「あら、まちがえました。ごめんなさい、ホホホ」で済んだ話である。
つまりこれが結論ということになる。
(1) 常に、大きな世界で生きよう。
(2) 常に、大きなテーマをもち、それについて考えよう。
(3) 常に、新しいことに興味をもち、それにチャレンジしよう。
(4) 常に、自分の文化性(絵画、音楽などの芸術性)を高めよう。
(5) 常に、生きることを原点に、真・善・美の追求をしよう。
その結果として、私たちは、自分の(心のクッション)を大きくすることができる。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司
BW はやし浩司 心のクッション 怒り 怒りの対処法 心の余裕)
【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●意欲
++++++++++++++++
このところ、ときどき、スーッと
意欲そのものが減退していくのを
感ずることがある。
「やりたい」と思う意識そのものが、
薄れる。
恐らく視床下部あたりから出る信号が
弱くなり、その瞬間、ドーパミンの
分泌が減少するためではないか。
+++++++++++++++++++
●マイナスの一次直線
何ごとも、「やりたい」と思ったときにする。
それが老後を、前向きに生きるコツ。
最近、それを強く思うようになった。
そのことは、反対に、意欲を喪失した老人たちを見ると、わかる。
何もしないで、ただボーッと、テレビの前に座っているだけ。
もちろんテレビなど、見ていない。
何も考えていない。
画面に映る光の信号を、目で追っているだけ。
だれしも、ある日、突然、ああなるわけではない。
マイナスの一次直線的に、長い時間をかけて、ああなっていく。
であるとするなら、すでに今、私たちは、そのマイナスの一次直線に乗っている
と考えたほうがよい。
その第一が、意欲の減退ということになる。
●「今度は、海のそばに建てる!」
私は40代のはじめ、山荘造りに執念を燃やした。
小さな山を買い、毎週、ワイフと2人で、ユンボを操り、土地を造成した。
石を組み、ダンプで砂利を運んだ。
土地づくりだけで、6年もかかった。
そのころの私を思い出しながら、今、自分でも、「よくやったなあ」と思う。
で、そのあと1年で、山荘を建築した。
山荘本体だけは、地元の建築会社に建ててもらった。
で、その直後のこと。
私は、ワイフにこう宣言した。
「今度は、海のそばに建てる!」と。
もちろん今は、もうそんな元気はない。
意欲もない。
むしろ今は、山荘をどうやって売るか、そればかりを考えている。
●意欲
意欲は、それがあるうちに、生かす。
なくなったら、最後。
そのままどこかへ消えてしまう。
だから、今、したいことがあったら、する。
しなければならない。
「また、今度」とか、「気が向いたらしよう」などと考えていたら、そのうち
何もしなくなる。
好奇心にしても、そうだ。
このところときどき、ものを書いているときも、そのことがどうでもよくなって
しまうことがある。
今朝も久しぶりに経済問題について、自分の考えを書いていた。
が、そのときも、「こんなことを書いて、何になるのだろう」と思ってしまった。
おまけに正義感も薄れてきた。
ズルイ人を見かけても、「まあ、いいじゃないの」と思うことが多くなった。
その分、人間が丸くなったというか、自分自身が、ズルくなったというか。
よくわからないが、その一方で、「これではいけない」と、自分で自分に
言って聞かせる。
●体力と気力
気力も体力と同じ。
あるいはたがいに連動している。
東洋医学では、気力も体力も、同じものと考える。
区別しない。
だから加齢とともに、体力が衰えるように、気力も、衰える。
これはしかたのないことかもしれないが、だからといって、何もしないでよい
ということでもない。
体力を鍛えるように、気力も鍛える。
東洋医学的な発想によれば、体力を維持することによって、気力も維持することが
できる。
言い換えると、体力を鍛える。
その結果として、気力も増進する(?)。
●確実性の問題
そこでワイフに、先ほど、こう言った。
「ぼくは、今、新しいパソコンがほしい。
が、そういう意欲も消えたら、ぼくもおしまいだね」と。
それを聞いて、ワイフは、ややきびしい表情をしてこう言った。
「そうね、だったら、今、買えばいいのよ」と。
あと10年もすると、新製品にすら、興味を示さなくなるかもしれない。
「新しいパソコンがほしい」という気持ちも、なくなるかもしれない。
これは可能性の問題ではなく、確実性の問題である。
だれだって、そうなる。
私だって、あなただって、例外はない。
私だって、あなただって、最後は、ああなる。
それだって、運がよければ……という話だが……。
が、そうなったら、私も、おしまい。
だから今日も、何冊か、新しい本を買ってきた。
手当たりしだいというか、私の知らない世界について書いてある本を選んだ。
とにかく、新しい世界に挑戦していくしかない。
つまりそういう形で、自分の意欲を、奮(ふるい)い立たせる。
●生きがい
で、こうした意欲を支えるのが、(生きがい)ということになる。
それについては何度も書いてきた。
生きがいさえあれば、……といっても、その生きがいをもつのはたいへんな
ことだが、何とか、老後を前向きに生きていくことができる。
生きる意欲も、そこから生まれる。
そこで私は気がついた。
最近、私の生活から、緊張感が薄れてきた。
ときどき意欲の減退を感ずるのは、そのためではないか。
日々は平和で、平穏。
それに平凡。
今のところ、大きな問題はない。
それが心のどこかで、意欲の減退とつながっている(?)。
では、どうするか?
2010年から、新しい企画として、たとえば、映画評論もしてみたい。
旅行記も別コーナーで、立ち上げてみたい。
それとこの浜松市の紹介を、1住民の立場で取り上げてみたい。
……などなど。
この1年間、「BW公開教室」に力を入れてきた。
収録したYOUTUBEは、現在、1400本になりつつある。
(1400本だぞ!)
1本が、平均9分として、9x1400÷60で、210時間ということになる。
何度か迷ったことはあるが、とにかく、やり遂げた。
2010年も、何か目標を決めて、それをやり遂げたい。
批判したい人がいれば、すればよい。
笑いたい人がいれば、笑えばよい。
私はだれもしなかったことを、した。
そこに私がしたことの意味がある。
(自画自賛!、それとも慰め?)
●あとは健康論
意欲の減退は、要するに脳間伝達物質によるところが大きい。
だから栄養面、精神面、生活面、プラス、運動面でのケアを大切にする。
ひとつずつクリアしていくしかない。
その努力を怠ったとたん、あの暗くてジメジメした、死の待合室に向かって、
まっしぐら!
ところで最近、たいへん気になっていることがある。
余計なことで、不愉快に思う人もいるかもしれないが、こういうこと。
定年退職と同時に、家の中でブラブラし始める人がいる。
そういう人が、多い。
私の周辺でも、7人のうち、5人が、そういう生活をしている。
それを理想の老後生活と考えている人も多いようだが、本当にそう考えてよいのか。
話をよく聞くと、「仕事は、もうこりごり」と言う人が多い。
しかし一度、なまった体は、もとには戻らない。
若いときならまだしも、60歳を過ぎたら、そうである。
「2、3年、休養でもして、65歳くらいになったら、また仕事をしよう」などと
考えていたら、それはまちがい。
そのときは、働きたいという意欲そのものが消える。
働いても、長つづきしない。
体がそれについてこない。
さらに言えば、脳みそそのものが、柔軟性を失う。
新しい仕事を覚えられなくなる。
新しい環境に適応できなくなる。
こればかりは、自分の意思ではどうにもならない。
だから……。
これは余計なことかもしれないが、仮に退職しても、何らかの形で、(仕事)を
つづけたほうがよい。
エンジンでいえば、軽くかけたままの状態にしておく。
いきなりスイッチを切るようなことをすると、エンジンはそのまま冷えて使いものに
ならなくなってしまう。
似たようなことは子どもの世界でも、よく起こる。
たとえば燃え尽き症候群などになり、やる気をなくしてしまう子どもがいる。
親は、オール・オア・ナシング(All or Nothing)とばかり、すべての塾やおけいこごとを
やめたりする。
が、そんな極端なことをすれば、今度は、立ちあがりに苦労する。
少しでもよいから、子どもの好きなことを残し、それをさせておく。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hay
ashi 林浩司 BW はやし浩司 意欲 意欲減退 やる気 子どものやる気 老後
のやる気 老後の過ごし方)
Hiroshi Hayashi++++++++Dec. 09+++++++++はやし浩司
●遊戯王(カード・ゲーム)
+++++++++++++++++
昨日、生徒を連れて、近くのビルの
地下にある、お化け屋敷へ連れていった。
小学4年生の子どもたちである。
2人だけが、「入る」と言った。
S君(男児)と、Sさん(女児)である。
が、入ったとたん、私の体に
しがみついてきた。
あとはキャーッ、ギャーッの連続。
要所ごとに、「もうリタイアする」と。
それでも子どもバージョン。
以前、聞いた話によると、台の上に
封筒を置いたとき、死人の手がその
台の向うから出てきて、置いた人の
手をつかむということだった。
が、それはなかった。
そんなことをすれば、子どもたちは、
気を失ってしまったかもしれない。
++++++++++++++++
そのお化け屋敷の隣が、カード・ゲーム・コーナーになっていた。
遊戯王とか、ポケモンのカードを使って、若い人たちが、ゲームに夢中になっていた。
年齢は、20~30歳前後か。
ときどき、「ターン・エンド」とか、「ドロー」とか、小さな声を出してする人もいたが、
みな、黙々と、それをしていた。
おもしろそうだった。
そこでそこにいたF君に、「遊び方を知っているか?」と聞くと、「ぼくは2位に入賞した
ことがある」と。
どこかで、そういう試合(?)に出たことがあるらしい。
そこで教室に返って、20分ほど、遊戯王の遊び方の講義を受けた。
実のところ、それほど長い時間、受けるつもりはなかった。
私だって、ある程度の遊び方は知っていた。
が、F君の得意そうな顔を見て、そのままつづけてもらった。
私という「先生」に、ものを教えるのが、うれしくてたまらないといったふうだった。
その興奮状態は、帰るときまでつづいた。
「今度、カードをもってきてあげる」
「先生にも、カードを分けてあげる」
「最強カードは、(神)だよ」と。
で、その(神)のカードは、3種類あるのだそうだ。
値段は、3000円とか。
「神様が3人もいたら、喧嘩になってしまうぞ」と言ったが、F君には理解できなかった
らしい。
しかし久しぶりに、楽しいときを過ごした。
遊戯王……それぞれのカードに、攻撃力と防御力が、数字で表示してある。
そのカードを交互に出しあって、相手を倒したり、相手に倒されたりする。
持ち点(4000点)が、ゼロになったら、その人の負け。
これが遊び方の基本だが、その間に、カードの攻撃力を2倍にしたりする隠し技など
がある。
カードとカードが合体すると、(これを「融合」というが)、攻撃力がさらに強く
なったりする。
どこか麻雀の遊び方に似ている。
カードゲームというのは、そういう遊びをいう。
●金(ゴールド)の暴騰
金価格が、暴騰している。
明らかに、バブル。
金そのものの需要は減っている。
にもかかわらず、暴騰している。
昨日は、1グラムあたり、3600円前後で取り引きされている。
わかりやすく言えば、行き場を失った投資資金が、金に向かっているということ。
さらに不気味なのは、同時に、ドルの価値が下がっていること。
簡単に言えば、ドル・キャリー・トレードであぶれた資金が、金というバクチの
世界に流れこんでいる。
しかしこれは「投資」という「投資」ではない。
何も産み出さない。
不毛の投資。
簡単に言えば、バクチ。
ドルをもっている人が、ドルをもっていても、目減りするから……という理由だけで、
金を買っている。
2012年ごろまで、アメリカは現在の金利政策をつづけるということだから、
当分は、金価格の暴騰はつづくかもしれない。
……と、だれしも考える。
経済雑誌も、おおむね、そのような筋書きで、金の価格を予想している。
が、国際経済というのは、その裏をかいて、突然ひっくり返る。
そういうことがあるから、この先のことは、だれにも予想できない。
つまり最後に、だれがババを引くか。
そこへ行き着く。
ババを引いた人が、大きく損をする。
昨年、プラチナは、1グラム7000円前後まで暴騰したあと、一気に、3000円台
まで急降下した。
そういうこともある。
売り逃げた人は、儲けた。
しかしそれができた人は、プロ中のプロだけ。
そこらのオバチャンまで、「金だ」「金だ」と騒ぐようになったら、金取り引きからは、
手を引いたほうがよい※。
街中でも、「金を、高価買い取り」という看板が目につくようになった。
今が、そのとき?
ところで私は知らなかったが、投資信託で損を出した人は、多いという。
某経済雑誌によると、総じて約20%分の資産が、投資家から消えたという。
銀行や郵便局の窓口で、簡単に申し込めるのも、わざわいした。
そのため高齢者に被害者が多いとか(週刊B春誌)。
お金(マネー)というのは、汗水流して、稼ぐもの。
バクチをするとしても、その基本だけは、忘れてはいけない。
数字だけを見て、それに踊らされるようになったら、子どものするカードゲームと同じ。
その先に待っているのは、破産。
(注※)「そこらのオバチャン」説
つまりそこらのオバチャンまで騒ぐようになったら、(オジチャンでもよいが)、
すでに過熱状態にあるということ。
車にたとえて言うなら、ボンネットの上から、蒸気が出ているようなもの。
いつエンジンが爆発してもおかしくない状態とみてよい。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●琉球独立党
「沖縄が生き残る道は、日本(ヤマトンチュー)からの独立しかない」と。
そうして生まれたのが、琉球独立党。
党首は、YC氏(55歳)。
06年の沖縄県県知事選挙にも出馬している。
そのとき獲得した票数が、6220票。
その数を多いとみると、少ないとみるか……。
沖縄独立党は、それを「大勝利」と喜んでいる。
「我々を支持してくれる人が、6220人もいる」、あるいは「6220人にふえた」と。
「独立党」という名称からもわかるとおり、沖縄独立党は、「日米の支配状態を脱せ」を、
旗印にかかげている。
ほかにも「琉球共和国」とか、「石油採掘権獲得」などという言葉も並ぶ。
興味深いのは、「独立したあかつきには……」「国際入札で、アメリカ軍はもちろん、
日本の自衛隊、あるいは中国やロシアの軍隊を、(有料で)、駐留させる」(「日本のタブー」・
ミリオン出版)という部分。
しかしそうはうまく、いくものか?
どこか現実離れしている?
あるいは排他的民族主義?
中国は、台湾の独立を認めていない。
いずれは、台湾を自国の領土に編入しようとしている。
と、同時に、すでに、沖縄は、中国の領土であると主張し始めている。
その前に、もう一度、日米関係について考えてみたい。
つぎの原稿は、2006年の1月に書いたものである。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●対米追従外交?
++++++++++++++++
たしかに日本の外交は、戦後一貫して、
「対米追従外交」(経済評論家・T氏談)
である。
事実は、事実。それは、もうだれの目にも、
疑いようがない。
しかし一方で、国際外交は、どこまでも
現実的でなければならない。
現実を見失ったとき、国際外交は崩壊する。
同時に、その国は、進むべき道を、
見誤る。
++++++++++++++++
対米追従外交を、批判する人は多い。経済評論家のTJ氏も、そのひとりである。三井
物産時代のかつての同僚ということで、肩をもちたい気持ちもないわけではないが、なら
ば聞く。今の日本にとって、どうして対米追従外交であってはいけないのか。
「追従」「追従」というが、追従しなければならない「現実」がそこにある。
あの中国は、ものの10分足らずで、(あるいは数分で)、日本中を廃墟と化すことがで
きる。それだけの核兵器を、すでに保有し、実践配備をすませている。
忘れていけないのは、戦争というのは、兵器だけでするものではないということ。日本
にとって脅威なのは、兵器もさることながら、その兵器を底流で支える、士気である。反
日感情である。中国人がもっている、その反日感情には、ものすごいものがある。
いったんどこかでそれに火がつけば、悲しいかな、今の日本に、それをくい止めるだけ
の武器もなければ、実力もない。もっとわかりやすく言えば、日本の平和がかろうじて守
られているのは、(中国側から見れば)、その背後に、アメリカという巨大な軍事国家がひ
かえているからにほかならない。
また在日米軍を支えるための、多額の負担金を問題にする人もいる。たしかに日本は、
2006年度だけでも、「思いやり予算」(=在日米軍駐留経費)と称して、2326億円
もの負担金を支払っている。先に問題になった、沖縄からの基地移転費用についても、こ
れとは別に、「3500億円までなら支払ってもよい」と、日本側は、回答している。
この額を多いとみるか、少ないとみるか?
仮に日本有事ということにでもなれば、日米安保条約が発動されて、日本は、アメリカ
軍の庇護下に入る。が、そのときアメリカ側が負担する金額は、ぼう大なものになるはず。
あの韓国でさえ、こんな試算を出している。
「朝鮮半島有事の際には、韓国は、アメリカから1300兆ウォン(約158兆円)分
の軍事装備を、無償で借りることができる」(朝鮮日報・K論説委員)と。(158兆円
だぞ!)
現に今、となりのK国は、日本攻撃を目的として、核兵器を開発している。が、そのK
国に対して、この日本には、満足な交渉能力すら、もっていない。拉致問題ひとつ解決で
きない。そういう日本が、どうして核開発問題を解決できるというのか。
韓国にしても、いまや日本の同盟国と考えている人は、ほとんど、いない。いつなんど
き、中国と手を組んで、日本に襲いかかってくるか、わかったものではない。K国とさえ、
手を組むかもしれない。少なくとも、現在のN大統領政権というのは、そういう政権であ
る。
日本は、そういう立場である。つまりそういう立場であることを棚にあげて、「自主権」
なるものをいくら唱えても、意味はない。わかりやすく言えば、日本は、アメリカに追従
するしか、今のところ、生き残る道はない。「追従」という言葉に語弊(ごへい)があるな
ら、「密接な協調」でもよい。
戦後、日本という国が、かろうじて平和を保つことができたのは、日本人が、平和を愛
したからではない。(こういうばあい、「愛する」という言葉は、腸から出るガスくらいの
意味しかないが……。)
日本が平和を保つことができたのは、背後にアメリカ軍がいたからにほかならない。が、
もしアメリカ軍がいなければ、そのつど日本は、毛沢東・中国、スターリン・ソ連、金日
成・K国、さらに李承晩・韓国に攻撃されていただろう。これまた悲しいかな、日本はそ
ういうことをされても文句が言えないようなことを、先の戦争でしてしまった。
日本は、アメリカに追従せざるをえなかったし、基本的には、今も、その状態はつづい
ている。それが「現実」である。
もちろん私も、このままではよいとは思っていない。いつか日本も、アメリカから独立
し、日本は日本として、独自の道を歩まねばならない。しかしその前提として、この極東
アジア、東北アジアに、相互の信頼関係が築かれなければならない。それがないまま、「日
本は日本だ」「日本が国内で何をしようが、日本の勝手」と言い切ってしまうのは、今の日
本にとっては、きわめて危険なことである。
その一例が、日本のK首相によるY神社参拝問題ということになる。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●沖縄の独立(?)
琉球独立党のYC氏(党首)には悪いが、もし沖縄が独立すれば、沖縄はそのまま中国
の支配下に入る。
中国が、黙っていない。
また中国は、現状においては、そんな甘い国ではない。
ないことは、チベット問題ひとつみても、わかるはず。
尖閣諸島周辺には、天然ガスや石油など海洋資源が眠っている。
であるならなおさら、中国は、沖縄の独立を認めるわけがない。
2005年に書いた原稿を、そのまま紹介する。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●台湾問題は、日本の問題
++++++++++++++++++++++
どうして、中国は、日本が主張する経済水域の中で、
ガス油田の開発および採掘を始めたのか。
どうして日本の抗議に対して、中国は耳を貸そうと
しないのか。
実は、この問題に裏には、台湾、さらには沖縄(琉球)
の領有権問題がからんでいる。
雑誌「諸君」(11月号)の中の記事を参考に、この
問題を考えてみたい。
+++++++++++++++++++++++
中国と台湾。その中国は、台湾は、中国の領土と主張し、もし台湾が独立宣言をするよ
うなことがあれば、中国は武力介入も辞さないと、ことあるごとに宣言している。
つまり台湾の独立は、許さない、というわけである。
しかし、この問題は、そのまま日本の問題と考えてよい。中国に視点を置いてみれば、
それがわかる。中国の東には、台湾がある。しかしその台湾の向こうには、沖縄(琉球)
がある。もし台湾が独立してしまえば、沖縄(琉球)は、ますます、中国から遠ざかって
しまう。
仮に台湾が、中国の領土の一部になれば、つぎに中国が領有権を主張してくるのは、実
は、沖縄(琉球)なのである。これは私の被害妄想でも、憶測でも、何でもない。
連合国は、ポツダム宣言(1945)によって、日本の敗戦を明確に位置づけた。しか
しそのポツダム宣言の前に、ヤルタ協定(同、1945)、さらにその前に、エジプトのカ
イロでなされたカイロ宣言(1943)がある。
そのカイロ宣言の中には、「日本は、中国から奪取したすべての領土を、中国に返還すべ
き」という一文があるが、中国は、その中には、台湾はもちろんのこと、沖縄(琉球)も
含まれると主張した。毛沢東が、その人である。毛沢東は、その著書、『中国革命と中国共
産党』の中で、「沖縄(琉球)は、日本が中国から奪った領土である」と書いている(中西
輝政氏、指摘・「諸君」11月号)。
……こう書くと、「沖縄が、中国の領土だって?」と思う人がいるかもしれない。しかし
ここは、明確に述べておかねばならない。
琉球王朝、つまり沖縄は、江戸時代においては、薩摩の「附庸国」であると同時に、明
と清との朝貢関係をもっていた。つまり沖縄(琉球)は、幕藩体制の中では、一応、日
本の「領分」としながらも、日本では異国として扱われていたのである。
が、1871年、宮古・八重山島民が台湾に漂着し、54人が、台湾島民に殺害される
という事件が起きた。これに対して時の明治政府は、「日本国民を殺害した」として清国に
抗議、台湾へ出兵。そしてそのあと、日本は、北京条約で、清に沖縄(琉球)の日本への
帰属を認めさせる(参考、中島成久氏ゼミ資料)。
こういう流れからみると、つまりどこか力ずくで、沖縄(琉球)を日本の領土としてき
たという流れからみると、「沖縄(琉球)は、中国の領土である」と、中国が主張しても、
どこもおかしくない。少なくとも、「沖縄は、日本の領土である」という主張には、歴史的
根拠があまりない。つまりここが、日本最大のアキレス腱ということになる。
しかしその中国が、沖縄をあきらめたわけではない。かろうじて、本当にかろうじて、
今、中国がそれを主張しないのは、台湾問題があるからにほかならない。台湾が、中国の
コブなら、沖縄(琉球)は、そのコブの上のコブにすぎない。「沖縄(琉球)が、中国の領
土である」ということを主張するためには、まず台湾を、自分の領土に組みこまねばなら
ない。
わかりやすく言えば、台湾が、大きな壁となって、中国と日本の間に、またがっている。
中国にしてみれば、まず、台湾問題なのである。
つまりもうおわかりかと思うが、台湾問題が片づけば、つぎにやってくるのが、沖縄(琉
球)問題である。「台湾問題は、日本に関係ない」などと思っていたら、たいへんなまちが
いである。現に今、「沖縄は中国の領土である」と主張する知識人が、中国国内で、ふえ始
めている。
一方、ここ1、2年、米中関係は、急速に悪化の一途をたどっている。新たな冷戦時代
の始まりと説明する人も多い。最近になってアメリカのライス国務次官も、中国を、「明ら
かな脅威」と位置づけ始めている(05年8月)。台湾や日本にとって、脅威という意味で
はない。アメリカ本土にとって、脅威という意味である。
事実、それに呼応するかのように、中国の軍の近代化と拡充には、ものすごいものがあ
る。軍事費にしても、公表されている数字の3倍近くはあると言われている。あるいは、
それ以上かもしれない。
そこで、その中国がなぜ、こうまで、軍事力の拡充に熱を入れるかといえば、すでに中
国は、台湾や日本を飛び越して、アメリカとの戦争を、念頭に置いているからに、ほかな
らない。その中国は、これまたことあるごとに、「もし中台戦争にアメリカが介入してくる
ようなことがあれば、アメリカとの対決も辞さない」と主張している。
中西輝政氏は、つぎのような事実も指摘している。
「この(05年)7月、中国国防大学のエリート、朱成虎少将が多くの欧米記者を前に、
『アメリカが中台の武力紛争に介入したときには、中国は、アメリカ本土に、戦略核ミサ
イルによる先制攻撃を加える』という警告を発した」(同、「諸君」11月号)と。
そうなれば、沖縄はもちろん、日本の本土すらも、中国の核攻撃の対象となる。
……とまあ、こうした物騒な話はさておき、中国は、日本の主張する経済水域を、そも
そも認めていない。だから平気で、その中で、ガス油田の開発、採掘をすることができる。
だからいくら日本が抗議の、のろしをあげても、どこ吹く風。中国は、これから先も、ま
すます堂々と、日本の経済水域内に入ってきて、ガス油田の開発、採掘をするだろう。
ワイフ「そう言えば、沖縄って、日本とは、ちがうという感じがしていたわ」
私「あまり、そういうことは言わないほうがいい。もしそんなことを、日本人のお前が言
っていることを知ったら、中国人は、『そら、みろ!』と喜んで、飛びついてくるかもよ」
ワ「でも、事実は事実だから……」
私「日本としては、何としても、米中関係の悪化を、阻止しなければならない。これ以上、
悪化すれば、日本の平和どころの問題では、なくなってしまう」
ワ「K国の核開発問題も、どこかへ吹っ飛んでしまうわね」
私「そういうこと」と。
こうした中国の野望を封じこめるための方法は、2つある。一つは、中国の民主化運動
を、側面から支援して、中国を民主化すること。ブッシュ大統領も、「世界を民主化するこ
とが、世界に平和をもたらす方法」というようなことを言っている。
もう一つは、日本、東南アジアからインドにかけて、中国包囲網を構築すること。とく
に重要なカギを握るのが、すでに核保有国となったインドである。すでに、アメリカも日
本も、その方向で進んでいる。中国が、軍拡をつづけているかぎり、日本は、中国とはど
こかで一線を画す。でないと、それこそ敵に、塩を送るようなことになりかねない。
……とまあ、いっぱしの外交評論家のようなことを書いてしまったが、しかしこれらの
問題はそのまま、私たち自身の問題である。日本の平和と安全に、直接かかわってくる問
題である。これからも、これらの問題を追求していきたい。
(参考、「国家の覚悟が問われる秋」by中西輝政、「諸君」11月号)
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hay
ashi 林浩司 BW はやし浩司 琉球 沖縄 沖縄の領有権 沖縄独立党 ポツダ
ム宣言 ヤルタ会談 ヤルタ協定 沖縄問題)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●国際政治は、現実的に!
沖縄がかかえている問題は、よくわかる。
「(沖縄の)住民は、基地問題、低学歴、就職難で苦しめられている」(「日本のタブー」)。
そのとおりだと、私も思う。
YC氏は、同書のインタビューに答えて、こう述べている。
「沖縄独立なんていえば、妄想だの、荒唐無稽だのって、鼻で笑われたが、六千数百人
の有権者が、私の訴えに賛成したのも事実。
海や空の色とは裏腹に、基地の重圧、戦争の傷痕、財政難が住民の心を重くしている。
けれどこれはみんなヤマトンチューから押し付けられたもの。
だから私はこれをヤマトにお返しして、シマンチューのための琉球共和国を作ろうと言っ
ているのです」と。
が、その問題と、「独立」とは、まったく別の問題である。
ヤマトンチュー(日本)が気に入らないから、シマンチュー(沖縄)は独立すべきという
考え方は、沖縄の人たちにとっても、現実的ではない。
第一に、私たち本土の(?)人間にしても、「鼻で笑っている」わけではない。
また「押しつけている」わけでもない。
沖縄県の人たちに、「申し訳ない」と思っている人のほうが、多い。
それを一足飛びに飛び越えて、「独立」と言われると、私たちとて、どうしてよいのかわか
らなくなってしまう。
むしろ私が心配するのは、「独立」の向うに見え隠れする、YC氏自身の排他的民族主義。
民族主義というのは、より狭小になればなるほど、また先鋭化すればするほど、戦争の火
種となってしまう。
それが排他的であればなおさら、そうである。
あのアインシュタインも、TK先生への手紙の中で、こう述べている。
「exaggerated nationalism(誇張されたナショナリズム=国粋主義)こそが、すべての戦
争の原因である」と。
ともあれ、沖縄というより、沖縄県の問題は、日本全体の問題である。
そのことを気づかせてくれた、沖縄独立党の存在感は、大きい。
私たちは私たちで、「沖縄に独立されては困る」という発想からではなく、沖縄の人たちが
かかえる問題を、私たちの問題として考える必要がある。
たしかに私たちは、今まで、沖縄の人たちがかかええる問題について、あまりにも無関心
でありすぎた。
一方、沖縄の人たちは沖縄の人たちで、もう少し現実的なものの考え方をしてほしい。
いろいろな問題があることは、みな知っている。
だからこそ、それらの問題をひとつずつ解決していく。
私はそのほうが現実的だと思うし、建設的だと思う。
そういう意味で、いきなり「離婚」を訴える沖縄独立党の考え方には、どうしてもついて
いけない。
……イマイチ歯切れの悪い結論で、ごめん!
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