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子育て最前線の育児論byはやし浩司 2010年 9月 29日
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HTML(カラー・写真版)を用意しました。
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メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!
【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
(9月1日)の相談より
【O県のRTさんより、はやし浩司へ】
以前にも息子の件でご相談させていただきました。
以前の相談内容です。
息子は現在、中学2年生、14歳です。↓
中学に入ってから登校する時、偶然同じ学年の子と会っても挨拶もせず避けるように行っ
てします。
学校では積極的に自分から動くことはなく、授業中もうつむいていることが多い、という
ことです。
息子は周りを気にするあまり、自分が見えていない。主人と話すときも自信がなさそうな
小さな声でボソボソ話したり、黙り込んでしまいます。
人の話をCと聞いて、自分の考えを人に伝えることが苦手なように 思えます。
あれから1年…
今回の相談なんですが…
担任の先生やクラスも変わって少しですが、自分を出せるようになってきたと思います。
今から実家に帰るという時に、息子の部屋からを女子の水着・体操服がでてきたんです。
私は訳が分からず、真っ先に主人に言いました。主人も信じられない顔していました。
主人は息子を2階の部屋に呼び2人きりで話をして、その後は、みんなで実家に帰りまし
たが気分はずっと落ちこんでいる状態です。
私の実家にもよる予定でしたが、急きょ、主人と息子だけ先に家に帰ることになり私と娘
だけ実家に寄りました。
家に帰ってからの主人と息子の様子を聞きました。
まず、その持ち物は好きな女の子のものだということ。
忘れ物を取りに教室へ行ったときに、見つけて誰もいなかったから盗ってしまったこと。
後で先生の方から持ち物が無くなったが知らないかとクラス全員に聞いたが黙っていたこ
と。
主人はかなりのショックで息子に対してどう接したらいいのか悩んで、仕事も手に付かな
いといった状態です。
その日は息子の部屋をすべて見て押し入れの中からはアダルト系のマンガも出てきて、そ
れは友達から借りたのがきっかけで自分で買うようになったようです。
とにかく、マンガやゲームなどすべて部屋から出して部屋をすっきりキレいにして、過去
のことは忘れて、これからは生まれ変わった気持ちで頑張っていこうと約束しました。
それから半月たちましたが、部屋にはマンガが転がり、夏休みの宿題も結局進まず主人が
徹夜で手伝い、ギリギリ終わらせたのですが、息子本人は焦りもなく、主人に対しても何
も言わず学校に行きました。
自分の思いを出すのが苦手で、宿題も読書感想文など自分の考えをまとめる宿題は一切手
に付かない状態で主人が考える始末。
夏休みの部活中にも携帯を持って行ったことで呼び出され、ガラスを割って(ドアに鍵が
かかってたので窓から入ろうとして手で押したら割れた)、呼び出され、もうどうしていい
のか……勉強も苦手意識が強く、積極的にできません。
来年は受験も控え心配です。
このままでは自分の意見や気持ちも言えない。
それが原因で大人になって悪い方向にいかないか。
心配で仕方ありません。
今の息子の気持ちを前向きにポジティブに子供らしく向けるにはどうすればいいのでしょ
うか。
主人や息子のために私は何ができるのでしょうか。
どうか内容はわからないようにお願いいたします。
わがままを言って申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
【はやし浩司よりRTさんへ】
「役割混乱」という言葉を知っていますか。
RTさん、あなたの子ども(U君としておきます)は、今、自分らしさをつかもうと必死
でもがいています。
が、それができない。
何をしても、親(=あなた)に頭から否定されてしまう。
あなたのメールを読んだとき、いちばんドキッとしたのは、つぎの部分です。
『……とにかく、マンガやゲームなどすべて部屋から出して、部屋をすっきりキレいにし
て、過去のことは忘れて、これからは生まれ変わった気持ちで頑張っていこうと約束しま
した』と。
あなたはU君の住む世界を、粉々に破壊しています。
気がついていますか?
悪玉親意識(=親風)が強すぎるというか、ふつうの常識では考えられない行為です。
だれが、「すべて部屋から出した」のですか?
だれが、「部屋をすっきりした」のですか?
「過去のことをわすれて……」とは、どういうことですか?
「生まれ変わった気持ち」とは、どういうことですか?
あなたは一方的に、自分の(わがまま)をU君に押しつけているだけ。
私にはU君の悲鳴が聞こえてきます。
悲鳴です。
が、それも言えない。
口に出すこともできない。
言えないほどまでに、あなたはU君を押さえつけてしまっている。
異常な過干渉と過関心。
加えて異常なまでの過保護。
『……夏休みの宿題も結局進まず主人が徹夜で手伝い、ギリギリ終わらせた』という部分
が、それです。
中学2年生の子どもが、親に手伝ってもらって、宿題を終わらせた?
U君のほうが助けを求めてきたのですか?
もしそうなら、それでよし。
しかし実際には、あなたがU君の宿題の進ちょく状況を調べ、終わらせたのではないです
か。
もしそうなら、生まれ変わるべきは、U君のほうではなく、あなたのほうです。
くだらない親意識は捨てなさい。
学歴信仰は捨てなさい。
U君をひとりの人間として認め、U君の立場に立って、U君の苦しみや悲しみを理解しな
さい。
いちばん悲しい思いをしているのは、U君です。
アダルト漫画すら、自由に読めない。
あなたには男子の生理が理解できないようですね。
「男」は、「女」ではありませんよ。
私も中学2年生くらいのときから、その種の本を読みあさっていました。
が、あなたは「女」の立場だけで、「男」を理解しようとしている。
あなたはそれに気づいていますか?
こんな状態になりながらも、『勉強も苦手意識が強く、積極的にできません。来年は受験も
控え心配です』とは?
こうした問題には、必ず2番底、3番底があります。
今が最悪ではなく、さらに最悪な状態になって、「まだ以前のほうがよかった」とわかるの
です。
U君はすでに2番底から3番底へ向かっています。
へたをすれば、4番底へ!
覇気のない、ナヨナヨとした、つまり社会人として自立できない人間になってしまいます
よ。
あなたのメールを読んでいると、私の母を思い出します。
私の母が、あなたそっくりだったからです。
だから私の兄は、生涯、母の奴隷のような人生を送ってしまいました。
母は「J(=私の兄)は、生まれつきああだ」を口癖にしていましたが、生まれたときか
ら、子どもの性格がわかる親などいません。
この問題は、『ポジティブに子供らしく向けるにはどうすればいいのでしょうか』という
ような生易しい問題ではありません。
今より状況を悪くしないことだけを考えなさい!
なおす方法など、あるわけないでしょ。
U君を今のようなU君にしたのは、あなた自身だからです。
盗みは悪いことですが、女性の水着や体操服に興味をもつのは、自然なことです。
中学2年生ですよ!
女性に興味をもち始めたことを、喜びなさい。
それが原動力となって、もろもろの「性的エネルギー」、つまり「生きる活力」へとつなが
っていくのです。
フロイトやユングの学説に、一度は目を通してみてください。
(「はやし浩司 性的エネルギー」で検索をかけてみてください。)
それともあなたは、U君を牧師か何かにでもするつもりですか。
私がU君なら、一日も、あなたのそばにいたくないですよ。
(だから私は郷里から飛び出すことばかり、考えていましたが……。)
力で抑え込んだところで、無意味です。
一方的な「約束」で、どうこうなるような問題ではないからです。
またどこかで水着や体操服を盗んでくるだけです。
それにはっきり言いましょう。
あなたはU君を愛してはいない。
愛しているフリをしているだけ。
U君を自分の支配下において、あなたのロボットにしたいだけ。
自分の不安や心配を解消するための道具として、U君を利用しているだけ。
こういうのを、「代償的過保護」といいます。
「はやし浩司 代償的過保護」で検索してくだされば、いくつか原稿を読んでいただける
はずです。
つまりはストーカーと同じ、身勝手な愛。
率直に言って、ここまで家庭教育が失敗していると、手のつけようがないです。
恐らくあなたがU君を妊娠したときから、そして生まれたときから、すでに親子のリズム
が狂いっぱなし、狂っていた。
その結果が今です。
もしすべきことがあるとすれば、(1)すべてをあきらめて、(2)U君をあなたの呪縛か
ら解き放ってやること。
今は自我の形成、さらには自我の同一性の確立に、たいへん重要な時期です。
U君が何をしたいのか、それを理解し、その方向にU君が進めるような環境づくりをして
あげることです。
が、それとて、1年単位の時間が必要です。
私の印象では、それもむずかしいのでは心配しています。
「生まれ変わるべき」は、あなた自身だからです。
あなたには、それができますか?
できないなら、いつまでも親風を吹かしていないで、あきらめなさい。
それがU君に伝わったとき、U君ははじめて、一歩、足を前へ踏み出すことができるので
す。
ともかくも、あなたの「否定的な育児姿勢」。
「何をしてもだめ」と。
これがすべての元凶です。
その上で、「勉強だけはせよ」と。
U君の苦しみや悲しみには、いっさい耳を傾けない。
あなたは本当に、「親」と言えるのですか!
(1) 子どもの部屋には入ってはいけません。
入って、勝手にあれこれ調べてはいけません。
(2) 男子の「性」の問題は、父親に任せなさい。
女性のあなたが出る幕ではありません。
(3) 受験勉強は、なるようにしかなりません。
U君に任せて、自然の流れの中に、U君を置いてあげなさい。
(4) 学校での様子をあれこれ聞き出すような、スパイ行為はやめなさい。
U君のほうから相談でもあれば話が別ですが、いちいちそれを知り、U君を叱った
ところで意味はありません。
かえってU君を、自我の崩壊へと導くだけです。
中学2年生といえば、おとなですよ。
あなた自身も、そうだったでしょ。
何よりも重要なことは、U君を1人の人間として認め、U君の横に立ってやること
です。
親としてではなく、「友」として、です。
「まだ間に合います」などという気休めを言うのも、疲れました。
ともかくも今は、「これ以上、状態を悪くしないこと」だけを考えて対処してください。
「ポジティブ」などと、おこがましいことは考えないこと。
そのときがきたら、子どもは、自ら必ずポジティブになります。
「そのとき」というのは、「自分の進むべき道を見つけたとき」という意味です。
そのときは、あなたは子どもを信じ、子どもをうしろから支えてやります。
私も三井物産という会社をやめ、幼稚園の講師になるといったとき、母は電話口の向こう
で泣き崩れていまいました。
「浩C(=私)、あんたは道を誤ったア!」と。
そういう母親にだけは、なってはいけませんよ!
きびしい意見を書きましたが、多くの親は、子どもに何か問題が起きると、子どもをな
おそうとします。
しかし子どもは、「家族の代表」に過ぎません。
今は、そういう考え方をします。
そういう視点で、U君の問題をもう一度、考えなおしてみてください。
いいですか、親が子どもを育てるのではないですよ。
こうした問題をかかえ、それを乗り越えることによって、親が成長するのです。
つまり子どもが親を育てているのです。
今、U君は、あなたを懸命に育てようとしています。
だからあなたはもっと謙虚になって、U君に負けを認めなさい。
「お母さんが悪かったわ」と。
「ごめんね」と、すなおにあなたが言えたとき、U君はあなたに心を開くでしょう。
それができたら、またメールをください。
それができなければ、私ではなく、だれかほかの人に相談してください。
では、また。
はやし浩司
浜松市
Hiroshi Hayashi++++++++Sep. 2010+++++++++はやし浩司
●雑感(9月3日)
●床屋
おととい、床屋に行ってきた。
いつもひげ剃りは断っている。
感染症がうつされたら、たまらない。
一応、カミソリはそのつど消毒、殺菌することになっているらしい(県の衛生部)。
しかし最近の床屋は、どこもいいかげん。
前の人に使ったカミソリを、そのまま使っている。
が、おとといは断るのを忘れてしまった。
散髪が終わると、そのままひげ剃りに……。
ア~ア!
が、油断は禁物。
車に乗るとすぐ、エタノールで顔を消毒。
そのときはわからなかったが、けっこう、あちこちで目には見えない切り傷を
作られていた。
その部分で、エタノールが、シカシカと肌にしみる。
床屋はそのつど、粉状の止血剤をまぶしたり、熱いタオルで顔を押さえたりする。
しかしそれで安心してはいけない。
HIV(エイズ)にせよ、肝炎にせよ、こうして人から人へと感染していく。
言い換えると、床屋でのひげ剃りは、今はもう必要ない。
とくに子どもには、必要ない。
もしそれでも……というのなら、床屋も医院なみの消毒設備を備えるべき。
つまりそれくらいの衛生意識を床屋もしっかりと、もつべき。
(1) 子どもが床屋へ行くときは、店主に、「ひげ剃りはしないでほしい」と、
はっきりと言うこと。
(2) 順番を待っているようなとき、カミソリをどのように消毒しているか、よく
観察すること。
あぶない店(?)では、ひげ剃りをしっかりと断ること。
Hiroshi Hayashi++++++++Sep. 2010+++++++++はやし浩司
●BW教室(数の勉強)「幼児教育とは」
++++++++++++++++++++
幼児を教えるときのコツは、子どものもつ
リズムに合わせて、テンポの速いレッスンを
展開すること。
ダラダラとしたとたん、子どもの集中力が
失われる。
で、今週は、「数の学習」。
この数の学習で大切なことは、つねに刺激を
与えつづけ、子どもの頭を熱くすること。
冷やさない。
いろいろな角度から、子どもの頭を刺激する。
子どもの学習能力は、おとなのそれより
何倍も速い。
すぐ先を読むようになる。
思考をパターン化する。
そのためつねに意外性を用意し、思考が
パターン化するのを防ぐ。
同時に「数は楽しい」という印象づくりを
しっかりとする。
そのために、教える側の私が楽しむ。
楽しめば、子どもも楽しむ。
その「楽しさ」が重要。
こうした指導を幼児期にしておけば、あとは
子どもは子ども自身のもつ力で、自分で
伸びていく。
それが幼児教育。
+++++++++++++++++++
【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【第三の選択】
●猛暑
暑い!
本当に暑い!
今日は昼寝をしただけで、気分が悪くなってしまった。
軽い熱中症にかかったらしい。
軽い頭痛と吐き気。
私は子どものころは、暑さには強かった。
というより、夏の暑さが好きだった。
夏が近づいてくると、それだけでワクワクした。
そんな私だったが、今年の夏は、身にこたえる。
8月の気温にしても、平年より2~3度高かったという。
その暑さが今日もつづいている。
が、その前にみなさん、「平年」という言葉にだまされてはいけない。
平年というのは、過去30年間の平均気温をいう。
10年ごとに過去30年間の平均をとり、それを「平年」という。
だからたとえば、50年ごとに平均気温が10度ずつあがっても、
「平年より2~3度高い」で終わってしまうこともある。
仮にこの先、同じような夏が30年もつづけば、それが「平年並み」となる。
だから地球温暖化(火星化)にしても、50年前と比べてどうなのか。
100年前と比べてどうなのか。
そういう比較をしてみて、はじめてわかること。
たとえば私の子ども時代。
ちょうど50年前。
昨年は「冷夏」だったという。
しかしそれでも、私が子どものころの夏よりは、暑かった。
気温が30度を超えるのは、毎年梅雨が明けてから。
7月15~20日前後。
それに当時の夏は短かった。
8月15日の盆を過ぎるころには、冷気を含んだ秋風が吹き始めた。
川の水は冷たく、足を入れることもできなかった。
私たちは土手の上から、どこかものほしげに川面(かわも)をながめた。
それが夏の終わりだった。
●たった10年で!
どうなるのか?
この先、地球は、どうなるのか?
それを考えると、ときどき足元をすくわれるような不安感に襲われる。
私たちのことはよい。
もうじゅうぶんに人生を楽しんだ。
それに……。
地球が火星化するころには、私たちはこの世にいない。
が、子どもたちは、そうでない。
現在、5歳、6歳の子どもたちが、今の私の年齢になるころには、地球温暖化の
問題は、さらに深刻化しているはず。
忘れてならないのは、たった10年前には、科学者たちはこう言っていた。
「2100年ごろには、地球の気温は、3~4度上昇するだろう」と。
が、すでに瞬間的ではあるにせよ、2~3度も上昇している。
たった10年で!
子どもたちを見ながら、申し訳ない気持ちになるのは、私だけだろうか。
今の今も、無力感を覚えながら、日々を何となくごまかして生きている。
そこにいる大罪から、わざと目をそむけながら、生きている。
「これではいけない」と思いつつ、結局は何もできない。
できることもない。
そのかわりデスクの横にある、カタログに目を通しながら、「つぎはどんな
パソコンを買おうか」などと考える。
この無責任。
無感覚。
危機意識のなさ。
あるいは人間というのは、それを繰り返しながら、ますます鈍感になっていく
ものなのか。
つまり日々の日常性の中に身を隠し、脱力感とあきらめを繰り返しながら、
鈍感になっていく。
●第三の選択
若いころ、『第三の選択』※という本を読んだ。
実際には、テレビを見て『第三の選択』という言葉を知り、そのあとあわてて、
その本を書店で求めて読んだ。
恐ろしい本だった。
人類を救済するための方法が書かれていた。
核兵器で大気に穴をあけるとか(第一の選択)、地下に生活基盤を移すとか(第二の選択)、
そんなようなことが書いてあった。
が、結局は一部の人類だけを救済し、あとは自滅するのを待つというような内容の
本だった。
それが第三番目の選択とか。
あとになって、ただのSF小説と知ったが、それを読んだときには、あまりのリアルさに、
身が震えた。
が、それが今、可能性を超えて現実の選択になりつつある。
60億以上の人々を救うことは、不可能。
人間が生来的にもつ欲望をコントロールするのは、不可能。
それをキリスト教で「原罪」というのかどうかは知らないが、もし人間が生まれながらに
してもつ「罪」があるとするなら、欲望こそが、「原罪」ということになる。
だったら、一部の人間だけを救い、残りの私たちはいさぎよく「死」を選択する。
人類が全滅するよりはよい。
一部の人たちが、私たち人間が生きたという証(あかし)を、未来へ残してくれる。
もしその希望すら失ってしまったら、それこそ人間は何のために生きているのかという
ことになる。
●阿鼻地獄
が、私が本当に恐れるのは、地球の火星化ではない。
その火星化に至るプロセスの中で、人間が地獄を経験すること。
それはまさに人間を人間の燃える火で焼く、阿鼻地獄。
どんなに想像力が豊かな人でも、その阿鼻地獄までは想像できないだろう。
人間が心の内部から破壊される。
そのとき人間は悪魔と化し、人肉をむさぼるようになる。
先に書いた「原罪」には、それほどまでに恐ろしい力がある。
……私たちにはそれに耐える力があるか?
それを乗り越えるだけの道徳や倫理、哲学を構築することができるか?
またそれまでに間に合うか?
「絶望」という言葉に敗れてはいけない。
最期の最期まで、人間は人間らしく生きる。
それは果たして可能なのか?
●火星
20万年前。
一説によると、火星にも豊かな海があったという。
どうやら陸もあったらしい。
川が流れた痕跡もあちこちに残っている。
が、それがこれまた一説によると、現在の地球温暖化と同じようなことが起き、
火星は今に見るような火星になったという。
地球より小さな惑星だったこともあり、温暖化は一気に進んでしまったらしい。
原因は何であれ、地球も今、同じような運命をたどりつつある。
恐ろしいのは、その変化が、だれの目にもわかるほど、速いということ。
ジワジワ……とか、徐々に……というのではない。
世界のあちこちで、ドカン、ドカンと起きている。
まだ散発的だからよい。
こうした変化がやがて連続性を帯びたときがこわい。
ひとつのドカンが終わる前に、つぎのドカンが起きる。
それがこわい。
不測の事態が不測の事態を呼び起こし、そのとき地球は、一気に破滅へと向かう。
よく誤解されるが、地球温暖化は、2100年に終わるわけではない。
もしここで化石燃料の使用をいっせいにやめたとしても、「温室効果」はそのまま
残る。
つまり地球の温暖化は、そのあともつづく。
2100年は何とか通り抜けることはできても、2200年にはわからない。
2200年は何とか通り抜けることはできても、2300年にはわからない。
一説によれば、そのころ地球の気温は、400度近くまで上昇するだろうと言われて
いる。
400度だぞ!
●おバカ博士
今夜も暗い話を書いてしまった。
「今夜こそ、明るい話題を」と思ったが、やはり書いてしまった。
できれば日々の日常性の中に身を隠し、「我、関せず」と、のんびりと生きたい。
またそういうテーマにしぼって、ものを書きたい。
それにこんなことを書いても、かえって読者の皆さんを不安にするだけ。
解決方法もない。
そう、どこかのおバカ博士のように、パワーストーンでも売って、気休めを
したほうがよいのかもしれない。
「このブレスレットを腕に巻いていれば、悪魔は退散する」とか、何とか言って。
値段は、4万5000円。
もとは中国から仕入れた、安物の宝石。
5色の宝石。
バカバカしい……。
バカバカしいが、人間は一方で、それ以上にバカなことを毎日している。
私もしている。
あなたもしている。
その結果が、今に見る、「地球温暖化」ということになる。
だれがあのおバカ博士を、どうして笑うことができるだろうか?
……ということで、兎にも角にも、「精進」あるのみ。
日々に研鑽あるのみ。
そうそう数日前、ある従兄弟とこんな会話をした。
私の母の三回忌をどうするかと聞いてきたので、「考えていない」と答えると、
「親の三回忌をしないで、どうする!」と。
今年の夏の暑さを考えたら、三回忌どころではない。
ないが、私はこう答えた。
「近く、寺へ行って、供養してもらってきます」と。
そう答えた自分が、限りなくバカに思えた。
情けないほど、バカに思えた。
そう、もし第4の選択肢があるとするなら、みんなバカになって、バカのまま
死ぬこと。
ひょっとしたら、そのほうがよいかもしれない……とまあ、とんでもないことを
書き始めたので、この話はここまで。
とりあえず明日は土曜日だから、「原罪」について考えてみたい。
人間が生来的にもつ「欲望」について、考えてみたい。
では、おやすみなさい!
ワイフは、すでに床に入って寝息をたてている。
(2010年9月3日、午後11時45分。
まこの時刻になっても、首下を流れる汗がまだ止まらない!)
●不眠
時刻は今、午前2時30分。
2時間半も、寝床でもがいていたことになる。
原因は、寝る前に飲んだ、ウーロン茶(?)。
近くのコンビニで買ってきた。
濃厚なウーロン茶だった。
それを約1リットルも飲んだ。
それで頭が冴えてしまった。
最近は少なくなったが、ときどきこういうことがある。
眠るタイミングをはずすと、そのまま寝損ねてしまう。
今がそうだ。
「早く眠らなければ……」と思えば思うほど、頭が冴えてしまう。
で、思い切って起きてしまった。
床から出て、居間へ。
電気をつけて、このパソコンに電源を入れた。
どうせ明日は土曜日。
……というか、すでに土曜日。
こういうときは、なるように身を任せるのがよい。
眠くなったら寝る。
●週刊誌
そのコンビニで、ワイフが買い物をしている間、いくつかの週刊誌を
立ち読みした。
その中のひとつの週刊文春。
「世界恐慌が近い」という記事が載っていた。
現在の世界経済は、あの世界恐慌の前の状況にたいへん似ているとか。
それに民主党の党首選挙。
「小沢一郎は、強制訴追を避けるため、党首選挙に打って出た」と。
総理大臣になれば、強制訴追されないですむ。
……いろいろな説が交錯している。
たしかに世界の経済はおかしい。
民主党もおかしい。
どちらもつかみどころがないほど、混乱している。
ドロドロというか、グチャグチャ。
まさに一寸先は闇。
明日、何が起きてもおかしくない。
●眠くなってきた
少し眠くなってきた。
先ほど精神安定剤を半錠と、睡眠導入薬をひとかけら口に入れた。
風はぐんと涼しくなった。
よかった。
一説によると、人間は、2、3日くらいなら、眠らなくてもだいじょうぶだそうだ。
それよりも気をつけなければならないのは、ストレス。
「眠らなければならない」と自分を追い込むと、それがかえってストレッサーに
なってしまう。
心身によくない。
だからここは自然体で臨むのがよい。
ウム……。
かなり眠くなってきた。
まぶたが重くなってきた。
明日は、(といっても、今日だが……)、近くのパソコンショップへ行ってくる。
2テラバイトのハードディスクが、9000円弱で売りに出されるとか。
買うかどうか、まだ決めていない。
が、ほしい!
2テラバイトというのは、つまり2000ギガバイト!
「すごい!」の一言。
それにしてもハードディスクも安くなったものだ。
たった10年前には、10ギガのハードディスクに驚いた。
それが今では、2000ギガ!
そのチラシを見ていれば、たぶん、眠ってしまうはず。
では、みなさん、今度こそ、本当に、おやすみなさい!
そうそう先ほど床の中で、母の三周忌は簡素にすますと決めた。
「地蔵十王経」(=日本でできた偽経※)の言いなりにはなりたくない。
あんなのは迷信以上の迷信。
(私は自分でCと調べたぞ!)
形式的な儀式をすれば、それでよいというものでもない。
それで死者を悼むことができるというのは、どう考えても納得できない。
「墓参りだけは……」とは思うが、この暑さではどうにもならない。
もう少し涼しくなったら、考えよう。
……ということで、私には私なりの生き様がある。
これからはその生き様を、もっと明確な形で貫きたい。
残りの人生も少なくなってきた。
親類がどう言おうと、私の知ったことではない。
自分の生き様を確立できないような人は、世間に迎合して生きればよい。
好きなように私を批判すればよい。
(注※「第3の選択」Infoseek HPより)
『……米ソの間の秘密協定が疑われる中、ガーシュタイン博士はとうとう第3の選択の内
容を明らかにする。それは環境の悪化によって住めなくなる地球を捨て、人類の選ばれた
一部だけでも火星で生き延びさせるという驚くべき内容であった。(ちなみに第1は核兵器
で大気の層に穴をあけ熱を逃がす。第2は地下に生活基盤を移す。もちろん選ばれし人々
のみ)』(以上、「Infoseek HP」より。)
(注※「地蔵十王経」)
【堂々たる迷信】(初七日、四十九日の法要)
●地蔵十王経
「地蔵十王経」の由来については、ウィキペディア百科事典が、詳しく書いている。
難解な文章がつづくが、そのまま紹介させてもらう。
+++++++++++以下、ウィキペディア百科事典より++++++++++
仏教が中国に渡り、当地の道教と習合していく過程で偽経の『閻羅王授記四衆逆修生七往
生浄土経』(略称として『預修十王生七経』)が作られ、晩唐の時期に十王信仰は成立した。
また道教経典の中にも、『元始天尊説鄷都滅罪経』、『地府十王抜度儀』、『太上救苦天尊説消
愆滅罪経』という同名で同順の十王を説く経典が存在する。
『預修十王生七経』が、一般的な漢訳仏典と際立って異なっている点は、その巻首に
「成都府大聖慈寺沙門蔵川述」と記している点である。漢訳仏典という用語の通り、
たとえ偽経であったとしても、建て前として「○○代翻経三蔵△△訳」のように記すのが、漢
訳仏典の常識である。
しかし、こと「十王経」に限っては、この当たり前の点を無視しているのである。この点
が、「十王経」類の特徴である。と言うのは、後述の日本で撰せられたと考えられる『地蔵
十王経』の巻首にも、同様の記述がある。それ故、中国で撰述されたものと、長く信じら
れてきたという経緯がある。ただ、これは、『地蔵十王経』の撰者が、自作の経典の権威づ
けをしようとして、先達の『預修十王生七経』の撰述者に仮託したものと考えられている。
また、訳経の体裁を借りなかった点に関しては、本来の本経が、経典の体裁をとっておら
ず、はじめ、礼讃文や儀軌の類として制作された経緯に拠るものと考えられている。
+++++++++++以上、ウィキペディア百科事典より++++++++++
要するに、「地蔵十王経」というのは、中国でできた偽経の上に、さらに日本でできた偽経
ということ。
が、この「地蔵十王経」が、日本の葬式仏教の基本になっているから、無視できない。
たとえば私たちが葬儀のあとにする、初七日以下、四十九日の儀式など、この
「地蔵十王経」が原点になっている。
+++++++++++以下、ウィキペディア百科事典より++++++++++
死者の審理は通常七回行われる。没して後、七日ごとにそれぞれ秦広王(初七日)・初江王
(十四日)・宋帝王(二十一日)・五官王(二十八日)・閻魔王(三十五日)・変成王(四十二
日)・泰山王(四十九日)の順番で一回ずつ審理を担当する。
ただし、各審理で問題が無いと判断された場合は次の審理に回る事は無く、抜けて転生し
ていく事になるため、七回すべてやるわけではない。一般には、五七日の閻魔王が最終審
判となり、ここで死者の行方が決定される。これを引導(引接)と呼び、「引導を渡す」と
いう慣用句の語源となった。
七回の審理で決まらない場合も考慮されており、追加の審理が三回、平等王(百ヶ日忌)・
都市王(一周忌)・五道転輪王(三回忌)となる。ただし、七回で決まらない場合でも六道
のいずれかに行く事になっており、追加の審理は実質救済処置である。もしも
地獄道・餓鬼道・畜生道の三悪道に落ちていたとしても助け、修羅道・人道・天道に居た
ならば徳が積まれる仕組みとなっている。
なお、仏事の法要は大抵七日ごとに七回あるのは、審理のたびに十王に対し死者への減罪
の嘆願を行うためであり、追加の審理の三回についての追善法要は救い損ないを無くすた
めの受け皿として機能していたようだ。
現在では簡略化され通夜・告別式・初七日の後は四十九日まで法要はしない事が通例化し
ている。
+++++++++++以上、ウィキペディア百科事典より++++++++++
つまり人は死ぬと、7回の裁判を受けるという。
死後、七日ごとにそれぞれ、
(1)秦広王(初七日)
(2)初江王 (十四日)
(3)宋帝王(二十一日)
(4)五官王(二十八日)
(5)閻魔王(三十五日)
(6)変成王(四十二日)
(7)泰山王(四十九日)の順番で一回ずつ審理がされるという。
ただし、各審理で問題が無いと判断された場ばあいは、つぎの審理に回ることはなく、
抜けて転生していくことになるため、七回すべてやるわけではないという。
一般には、五十七日の閻魔王が最終審判となり、ここで死者の行方が決定される。これを
引導(引接)と呼び、「引導を渡す」という慣用句の語源となったという(参考、引用、
ウィキペディア百科事典より)。
わかりやすく言えば、最終的には、五十七目に、閻魔王が、その死者を極楽へ送るか、地
獄へ送るかを決めるという。
私たちも子どものころ、「ウソをつくと、閻魔様に、舌を抜かれるぞ」とよく、脅された。
しかしこんなのは、まさに迷信。
霊感商法でも、ここまでは言わない。
もちろん釈迦自身も、そんなことは一度も述べていない。
いないばかりか、そのルーツは、中国の道教。
道教が混在して、こうした迷信が生まれた。
極楽も地獄も、ない。
あるわけがない。
死んだ人が7回も裁きを受けるという話に至っては、迷信というより、コミック漫画的で
すらある。
法の裁きが不備であった昔ならいざ知らず、現在の今、迷信が迷信とも理解されず、葬儀
というその人最後の、もっとも重要な儀式の中で、堂々とまかり通っている。
このおかしさに、まず私たち日本人自身が気づべきである。
「法の裁きが不備であった昔」というのは、当時の人たちなら、「悪いことをしたら地獄へ
落ちる」と脅されただけで、悪事をやめたかもしれない。
そういう時代をいう。
「死」というのは、どこまでも厳粛なものである。
そういう「死」が、ウソとインチキの上で、儀式化され、僧侶たちの金儲けの道具になっ
ているとしたら、これは問題である。
このおかしさ。
そして悲しさ。
仏教を信ずるなら信ずるで、もう一度、私たちは仏教の原点に立ち戻ってみるべきではな
いだろうか。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て
はやし浩司 Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 地蔵十王経
初七日 四十九日 法要 偽経 第3の選択 第三の選択 地球温暖化 地球火星化)
Hiroshi Hayashi+++++++Sep. 2010++++++はやし浩司
【付記】地上オゾン(光化学オキシダント濃度)
●もうひとつの地球温暖化問題
++++++++++++++++++++
2年前と、7年前に書いた原稿を、
再掲載します。
++++++++++++++++++++
●地上オゾンの恐怖(Photochemical Oxidant)
Photochemical Oxidant is to affect the growth of plants and vegetables on earth.
According to the recent research done by Agricultural Environment Technical Center of
Japan, in China the production of cereals would be dropped abt . 40%~60% by the year
of 2020.
+++++++++++++++
TK先生から、地上オゾンの話を
聞いてから、もう7、8年になる。
中国から流れてきた排気ガスが、
光化学オキシダントとなって、植物の
光合成に影響を与えるというのだ。
TK先生は、当時、すでに沖縄などでは、
20%近く収穫量が落ちているという
ような話をしてくれた。
(聞き覚えなので、この数字は不正確。)
しかしそれがますます現実味を帯びてきた。
読売新聞は、つぎのように伝える。
++++++++++以下、読売新聞++++++++++
中国大陸からの大気によって、光化学オキシダントの濃度が上昇する
「越境汚染」問題で、日本海沿岸部のある地点のコメの収量を調べたところ、
内陸部との比較で、約1割少なくなっているとする研究結果を、
農業環境技術研究所(茨城県つくば市)が、20日、山口県で
開かれた日本農業気象学会で発表した。
光化学オキシダントは近年、日本海の離島などで、高濃度で観測され、
昨年は新潟、大分県で注意報が発令された。
農作物の収量減少は実験から推測されてはいたが、部分的とはいえ、
実際に濃度と収量の関連が裏付けられたのは初めて。
研究は、長谷川利拡主任研究員によるもの。品種と肥料水準は、
同一の日本海沿岸部の1地点と約30キロ内陸に入った1地点を選び、
1980年からの収量データを比較した。両地点の近くで測定された
光化学オキシダントの5~9月の平均濃度は、2001~05年の
平均では沿岸地点が0・045ppmで、内陸地点の0・031ppm
より高かった。
濃度は沿岸、内陸ともに上昇していたが、沿岸では96~05年にかけて、
毎年、内陸部の2倍にあたる0・001ppm高くなっていた。
両地点の玄米の1平方メートル当たりの収量は、
沿岸は80~96年は平均588グラムだったのが、
97~05年は560グラムに減った。逆に内陸では、
577グラムから609グラムに増えた。
80年代は沿岸の方が内陸よりも多かった収量が、
90年代半ばから逆転し始め、2000年以降は内陸が沿岸を常に上回った。
沿岸では、内陸と異なり、夜になっても光化学オキシダント濃度が下がらなかった。
夜間に海からオゾンが流れ込み、昼間の高濃度を保ったとみられる。
小林和彦東大教授(農学)によると、収量が減るのは、
光化学オキシダントの主成分であるオゾンが植物の葉の中に入り、
光合成作用を妨げるため。農作物への影響について、
中国では研究者らが「2020年には濃度が0・055ppmを超え、
大豆、トウモロコシ、小麦の収量が40~60%減少する」と推定している。
+++++++++以上、読売新聞(3月20日)+++++++++++++
とくに気になるのは、最後の部分。そこには、こうある。
「中国では研究者らが、2020年には濃度が0・055ppmを超え、
大豆、トウモロコシ、小麦の収量が40~60%減少すると推定している」と。
わかりやすく言えば、光化学オキシダント濃度(地上オゾン)がふえるため、
中国では、2020年には、大豆、トウモロコシ、小麦の収穫量が、半減する
というのだ。
しかしこれは何も、中国だけの話ではない。
読売新聞によると、すでに新潟県、大分県では、「注意報」まで発令
される状態になっているという。
今では酸性雨による木々の立ち枯れなど、珍しくも何ともない。
この日本でも、ごくふつうの景色になってしまった。
そこへ今度は、光化学オキシダント!
さらにそれに加えて隣の韓国では、中国からの黄砂による健康被害まで
報告されるようになっている。
黄砂は、大気汚染とは、直接には関係ない。
しかし(大気汚染)→(温暖化)→(砂漠化)→(黄砂の大量発生)と
つなげてみると、元凶は、やはり大気汚染ということがわかる。
不測の事態が、また別の不測の事態を生み出す。
このドミノ倒しによって、地球環境は、爆発的に悪化する。
ほんの7、8年前には、科学者の間では、ほんのうわさ話にしか過ぎなかった。
「地上オゾン」という名前すら、世間ではほとんど知られていなかった。
私が5年前に書いた原稿を載せる。日付は、03年の4月になっている。
+++++++++++++++++
●異常気象
このところ、SARS(新型肺炎)だとか、北朝鮮問題とか、何かと世相が、騒がしい。
で、そういう騒がしさにまぎれて、おととい(4月17日)、静岡県のS町で、31・5度
という、観測史上はじまって以来という、気温を記録した。たしか昨年(02年)は、5
月末に、30度を超えたと思う。そのときも、「観測史上はじめて」という言葉を聞いたよ
うな気がする。(あいまいな記憶で、申し訳ありません。)それが今年は、去年より、約4
0日も、早まったことになる!
私が子どものころは、30度を超えるのは、毎年梅雨あけの、7月に入ってからだった。
それがふつうだった(岐阜県)。30度を超えると、「真夏日」ということになり、川で泳
ぐのが許された。しかしそれとて、梅雨があけてからのこと。だいたい7月10~15日
過ぎのことだった。しかし今では、4月の中旬に、30度を超える!? ゾーッ!
気象庁には、「平年並み」という言葉がある。しかしこの言葉ほど、いいかげんな言葉は
ない。気象庁がいう平年並みというのは、過去30年間の平均気温をいう。だからもし3
0年ごとに5度ずつ気温が上昇したとしても、平年並は、平年並になってしまう? 「今
年の気温は平年並みです」と。
しかし地球温暖化は、確実に進行している。しかも予想より、はるかに早いペースで進
行している。数字の上では、この半世紀で、1度前後しか上昇していないというが、実感
は、とてもそんなものではない。気象庁は、ひょっとしたら、世界の指導者と申しあわせ
て、ウソを言っているのではないのか? ……つまりそう思ってもおかしくないほど、実
感気温とかけ離れている。
たとえば気象庁の記録によれば、2000~02年度においてさえ、この浜松市での最
高気温は、31度前後(8月)ということになっている。しかしこんなのは、まっかなウ
ソ。昨年は、わりと涼しかったほうだが、それでも浜松市内では、連日、40度近くは、
あった。「今日の最高気温は、32度でした」などと報道されるたびに、私は温度計を見な
がら、「どこの気温のことを言っているのか?」と思った。
しかしそれにしても、深刻な話である。地球温暖化が進めば、やがて地球は火星のよう
になると言う人もいる。今のまま温暖化が進めば、その可能性は、きわめて高い。そこま
でいかなくても、あと10年もすれば、2~3月期に、30度を超えるようになるかもし
れない。そうなれば日本の気象状態は、完全に狂う。
……と、まあ、地球温暖化の問題を考えていると、SARSや北朝鮮の問題が、小さく見
えてくるから不思議である。それにSARSや北朝鮮の問題は、まだ人間の力で何とかな
る。が、地球温暖化はそうではない。人類滅亡どころか、すべての生物が死滅する。
だから、地球温暖化を考えていると、「どう解決するか」ということよりも、「どう静かに
滅亡するか」という問題になってしまう。いや、滅亡するなら滅亡するで、かまわない。
問題は、それまでのプロセス。人間は、決して静かには滅亡しないだろう。恐らく(とい
うより、確実に)、まさに地獄を経験するに違いない。秩序やモラルは崩壊し、殺人や暴力
が、日常的に横行するようになる。略奪や殺人が、日常的に横行するようになるかもしれ
ない。知能が高い分だけ、「末期」は、悲惨(ひさん)なものになる。
そこで人類には希望がないのかというと、方法がないわけではない。一つは宇宙へ飛び
出すという方法。もう一つは、人類がたくわえた知識や知恵を、コンピュータの形で後世
に残すという方法。地球の周辺に、何かのガスをまいて、それで太陽光線をさえぎるとい
う方法。あるいは太平洋のど真ん中で、数千発の核兵器を爆発させて、地球の大気に「穴」
をあけるという方法などがある。
どこかSF的だが、しかしすでにそういう方向で考えている科学者もいるという。いざと
なれば、方法はいくらでもある?
しかしまあ、人間も、好き勝手なことをしたものだ。もっとも、私たちおとなは、自業
自得としての結果だから、あきらめることができるが、かわいそうなのは、子どもたちで
ある。これから先、どういう未来を経験することやら? 申し訳ないことをしたと思うの
と同時に、考えれば考えるほど、気が重くなる。たいへん悲観的なことを言うが、この問
題だけは、もうくるべきところまできたような感じがする。単純な問題ではないだけに、
どこから手をつけてよいのかさえわからない。たとえばこんなこともある。
ところで「地上オゾン(対流圏オゾン)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。種々
の排気ガスや煙が化学的に反応して、それが地上オゾンになるという。温室効果ガスの一
つだが、その地上オゾンが、5%ふえると、農作物が約20%減少するという※。そこで
あの北朝鮮だが、近年、農業生産が慢性的に不振状態にあるという。その原因のひとつが、
地上オゾンではないかと言われている。
もちろん韓国も影響を受けているらしい。もちろんその発生源は、中国、ロシア。日本も、
沖縄あたりに影響が出始めているという。農作物だけではない。森林も影響を受ける。そ
してその結果として、ますます地球の温暖化は進む……。あああ。
(030419……この原稿は、去る、4月19日に書いたものです。)
※……この数値は、ある科学者から直接、会話の中で聞いたもので、確たる根拠があるわ
けではありません。ただ沖縄地方における地上オゾン濃度の上昇率と、農作物の減少率が
根拠になっていると、その科学者は言っていました。(了解をもらっていないので、名前を
出すことができません。)
(注)ここでいうTK先生というのは、光合成、触媒の世界ではよく知られた、田丸謙二
先生をいいます。
+++++++++++++++++
最後に、昨日、こんなニュースが新聞に載っていた。
何でもあの火星から、塩のかたまりが、見つかったという。
しかもその塩のかたまりが、何百か所から見つかったという。
つまりかつては、火星にも海があったということ。
このことが何を意味するか?
一説によれば、火星にも人間のような知的生物がいたという。
その知的生物たちが、現在の地球人と同じように、発展とともの(?)、
火星温暖化を招いてしまったという。
もちろんこれはSF的な話でしかない。
……とまあ、いろいろ考えられるが、そこでどうだろう。
このあたりで、名前を変えてみたら……?
「地球温暖化」ではなく、「地球火星化」と。
そうすれば、もう少し、ことの深刻さを、より多くの人にわかって
もらえるようになるかもしれない。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司
Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 地球温暖化 地球火星化
光化学オキシダント 地上オゾン はやし浩司)
Hiroshi Hayashi++++++++Sep. 2010+++++++++はやし浩司
【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【雑感】(9月1日)「虚しさ」をテーマに(改)
+++++++++++++++++
文章が雑だったので、推敲しなおして
みました。
+++++++++++++++++
●老いる
老いることは、たしかにさみしい。
失ったもの、去っていった人たち、なくした時間などなど。
そういった思い出が、波打ち際にヒタヒタと打ち寄せる波のようにやってきては、
また去っていく。
さみしいと言えば、さみしい。
さみしくないと書けば、嘘になる。
しかしそのさみしさに、時として、酔いしれる。
静かに時の流れの中に身を置き、ふと涙ぐむ。
それが老いるということではないか。
ときどきあのときの、あの人は今ごろ、どうしているだろうと思う。
元気でいるだろうか。
それとも、もう亡くなっているだろうか。
確かめる方法がないわけではない。
しかしそれを確かめたところで、どうなる?
そのあと何をする?
●虚しさ
定年後の再就職という言葉もある。
しかし定年後の再就職というのは、若いときの就職とは、本質的にちがう。
もしだれかが私にこう言ったとしよう。
「一生懸命がんばってください。10年後は、課長になってもらいます」と。
しかしそんな申し出に応ずる人はいない。
課長職に魅力を感ずる人はいない。
またその目的のためにがんばる人もいない。
私たちはすでに、その虚しさというのを、いやというほど知っている。
ただ私のばあい、その虚しさを、オーストラリアで学生をしていたころ知った。
当時の日本は、まさに高度成長期。
だれもが迷わず大企業を選択し、出世を夢見て、企業戦士としてがんばった。
当時の日本で、つまり日本の若者たちの中で、その虚しさを知っている人は、
いったいどれくらいいただろうか。
●教育学博士?
ところで昨日、A・Cというタレントについて書いた。
肩書は「教育学博士」ということになっているが、教育学の博士?
(教育学だぞ!)
何度かテレビで講演をしているのを聞いたことがあるが、私は何も得るものはなかった。
専門用語もまったくと言ってよいほど、口から出てこなかった。
たとえば日本では、「○○大学教育学部教授」という肩書を使う人はいる。
しかし「教育学博士」という肩書を使う人はいない。
が、その博士?
私よりはるかに高い立場にいる人ということになる。
私よりはるかに高い見識と学識のある人ということになる。
ああいうタレントが、(いくら肩書きがそうであっても、私は学者とは認めない)、
教育者として活躍しているのを見ると、いつもある種の虚しさを覚える。
恐らくその虚しさは、アフリカやアジアのへき地でボランティア活動をしている人たちが
感ずる、それと同じではないか。
ああいう一部のはねあがった人たちが、底辺でまじめにがんばっている人たちの心を、
平気で踏みにじる。
難民救済活動?
アフリカの難民救済活動?
ふつうの常識のある人なら、そんなおこがましいことはとてもできない。
●偽善
生きることには、いつも連続性がある。
その人がその人になるには、その土台に過去とのつながりがある。
それを連続性という。
たとえば教育学博士であるにしても、日本ユニセフの親善大使であるにしても、
そこに至る過去があるはず。
積み重ねがあるはず。
さらに言えば、その周辺に、心理学でいうところの役割形成があるはず。
つまりその人らしい、(それらしさ)があるはず。
たとえば大学の教壇に立って、教育者を教育したとか、あるいは街中のホーム
レスの人たちの食事を世話したとか、など。
さらに言えば、学校の先生たちを指導しているとか、(子どもたちを教えている
とか)、あるいは孤児を預かって世話をしているとか、など。
そういうことでもよい。
それがここでいう(それらしさ)ということになる。
そういうものをいっさい省略して、いきなり「王手!(=博士)」は、ない。
が、中には、(A・Cがそうというわけではないが)、善意ある人たちから
金をまきあげ、貧しい人たちを利用して、自分の利益や名声につなげていく人もいる。
私の恩師の松下哲子(のりこ)先生(幼稚園元園長)は、いつもこう言っていた。
「林さん(=私)、悪人の餌(えさ)にだけは、なってはいけませんよ」と。
悪人の餌になることは、自分で悪事をすることより、悪いことという。
その餌に、私たちはなっていないか?
一度、A・Cという人を観察しながら、私たちはそれを冷静に見つめなおして
みる必要がある。
また雑誌や写真雑誌の報道によると、同じ日本ユニセフの重鎮であるKT氏は、
写真撮影のときだけ、やせ細った難民の子を抱きあげ、そのあとすぐ体中を消毒して
いたという。
もしこれが事実とするなら、これほどまでに悪臭に満ちた偽善はない!
●30兆円
つい1か月ほど、「砂漠に水をまくようなもの」と書いた。
案の定、政府の対策は、何ら効果をもたらさなかった。
もたらさなかったばかりか、かえって円高を誘導してしまった。
某新聞は今朝になって、「焼け石に水だった」と書いている。
私のようなド素人にもわかるようなことが、どうして日銀の総裁や政府の指導者
たちに、わからないのだろう。
30兆円もバラまけば、その後遺症はかならずあとになって出てくる。
そのときが、心配。
へたをすれば、ハイパーインフレ!
日本経済の崩壊は、可能性の問題ではない。
時間の問題。
それが秒読み段階に入った。
日本と中国は2010年になって、16%以上も株価をさげている。
注視すべきは、その中国。
バブル経済が音をたてて崩れ始めている。
その威力は、ドバイショックの1000倍以上と言われている(某経済誌)。
また今年になって、6~7年も書きつづけてきた『日韓経済戦争』の記事を
私は停止した。
「今さら、何を!」と言った状態になってしまった。
この虚しさ。
脱力感。
イルボネ(日本人)よ、もう少し外の世界を見ろ!
緊張感をもて!
このままでは、日本は本当に沈没してしまうぞ!
●JAL問題
JAL問題は、日本の官僚社会の縮図。
そう思って、日本の官僚社会を見ればよい。
今の日本にとって重要なことは、JAL並みに、日本の官僚社会を破綻させること。
公務員の数を、半減、もしくは3分の1にすること。
人件費を減らし、無駄を省くこと。
日本という国そのものが、JALと同じ問題をかかえている。
「一度日本経済を破綻させるしかない」と考えるのではなく、「破綻する前に、やるべき
ことはやる」。
それが官僚社会の破綻。
……というか、行政改革の大断行。
ふつうの「改革」では、だめ。
「破綻」に近い、「改革」。
それにはCとした理由がある。
今のまま日本経済が破綻したら、イのいちばんに復活するのも、また官僚社会という
こと。
敗戦直後の日本を見れば、それがわかる。
あの文部省にしても、敗戦と同時にクビになった役人は1人もいない。
もっとも早く、きちんとした給料を受け取ったのは、ほかならぬ役人たちである。
次回もそうなる。
●民主党の小沢一郎
民主党が、解党か沈没かという瀬戸際に立たされている。
仮に小沢一郎が党首になり、総理大臣になったら……。
現在、小沢一郎の支持率は、15%前後。
たったの15%前後。
「私が党首になれば、支持率は回復する」というようなことを言っている。
そうかな?
そうなるかな?
小沢一郎は、現実検証能力を完全に失っている。
つまり外から見た自分の姿が、わからなくなっている。
これは日本人の私たちにとっても、たいへん悲しむべきことと考えてよい。
そういう人物が総理大臣に就任したら、それこそ日本はメチャメチャになってしまう。
なお小沢一郎は、どこかの講演で、尊敬すべき人物として織田信長をあげている。
中日新聞8月26日(2010)は、つぎのように報道している。
『……講演の中で尊敬する人物として、ふだんはあまり挙げたことのない好戦的な
織田信長に言及したのも、不気味といえば不気味』と。
アノネ、織田信長は、民衆のために立ちあがった人でも、また日本の民主主義を
求めて立ちあがった人でもないノ!
ただの餓鬼。
権力の亡者。
『世界の暴君』という本があるが、その中でも1、2を争う暴君。
そういう頭の狂った人を尊敬して、どうするノ?
……ということで、「虚しさ」についての原稿はおしまい。
今朝のテーマは、「虚しさ」。
本当にこの世の中、考えれば考えるほど、虚しさばかりが襲ってくる。
まじめに生きるのが、バカバカしくなる。
が、がんばるしかない。
今朝もメールでの相談が、3通も届いている。
まずそれから返事を書こう。
今日から9月1日。
2010年9月1日。
気温は早くも26度。
今日も30度を超えそう。
おはようございます。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司
BW はやし浩司 日本ユニセフ AC A・C 霊感商法 教育学
博士 小沢一郎 民主党 はやし浩司 JAL問題)
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2010年9月29日水曜日
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