2010年7月9日金曜日

*Education now in Japan

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子育て最前線の育児論byはやし浩司   10年 7月 9日
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http://bwhayashi2.fc2web.com/page006.html

メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!

【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●今日は、勉強!

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ワイフが言うには、最近、私が書く原稿は、おもしろくない、と。
「いつも書くことが決まっている」と。

つまりそれだけジャンルが、決まってきたということ。
「ジャンル」というのは、フランス語で、「部門」「種類」「種別」という意味。
学者がよく使う言葉である。

そこで今日は、勉強。
新しい情報を、吸収する。
まずは手元にある、『2010年版・時事用語・最重要キーワード』(成美堂出版)。
これに目をつけた。

「勉強」という以上、自分でジャンルを選んではいけない。
最初のページから、読みこなす。

+++++++++++++++++++++

●(政治1)麻生新内閣

「2008年9月、麻生太郎氏が92代目の総理大臣に選ばれた。
内閣発足直後に中山国交省が失言を理由に辞任。
また深刻な国際金融危機への対応を迫られるなど、前途多難な船出となった」(本文P6)。

 このとき麻生内閣は、「暫定内閣」とか、「選挙までの臨時内閣」とか、言われた。
しかしご存知の通り、麻生総理大臣は、やめなかった。
支持率が10%台になっても、任期一杯、ギリギリまでがんばった。
その結果、自民党は、大敗北。
「麻生だけには勝たせたくない」という無党派層、つまり浮動票層の票が、どっと民主党
に流れた。
その結果が、「今」。

 が、政治とは皮肉なもの。
今度は、民主党の小沢幹事長が、がんばった。
政党支持率が10%台になっても、「私は国民を信ずる」とかなんとか、トンチンカンなこ
とを言って、がんばった。

 日本人は、いつの間にか、デモをするという「牙(きば)」を抜かれてしまった。
外国なら、デモどころか、暴動すら起きても、おかしくない。
で、その代わりというわけでもないが、「支持率」が、私たちの声を反映する。

支持率30%……危険水域(内閣は、解散もしくは、総辞職を考慮する。)
支持率20%……崩壊水域(内閣は、解散もしくは、総辞職する。)
支持率10%……暴動水域(内閣は、国民の袋叩きにあっても、おかしくない。)

 ところでこの「牙(きば)」について。
つまり「日本人は、おとなしくなった」。
デモの仕方すら、忘れてしまった(?)。
これについては、今から11年前に、こんな原稿を書いたことがある。
当時の中日新聞に載せてもらった。

++++++++++++++++++

●教育と政治(Political Apathy itself is to be ashamed.)

++++++++++++++

教育と政治は分離する。
当然のことである。
私も、子どもたち(生徒たち)と
接するときは、政治の話は、
いっさい、しない。
してはならない。

しかし教師であるなら、当然、
政治に関心をもつべきである。
それが教育の場でないなら、
政治の話をして、当然。
意見を述べて、当然。

子どもの未来を考えていくと、
その向こうに(政治)がある。
政治抜きに、子どもの未来を
語ることはできない。

が、この日本には、おかしな
偏見が蔓延している。
高校生あたりに「6か国協議を
どう思う?」と問いかけても、
即座に、「ダサイ!」とはねのけられて
しまう。

あるいは政治的に無関心である
ことが、(常識的な人間の条件?)と
思われている。

しかしこんなバカげた民主主義国家
が、どこにある?
税金の使われ方すら知らない国民が、
どこにいる?

私が10年間に書いた原稿を、
もう一度読んでみてほしい。

++++++++++++++

●無関心な人たち

 英語国では、「無関心層(Political Apathy)」というのは、それだけ
で軽蔑の対象になる。非難されることも多い。だから「あなたは無関心な人だ」と言われ
たりすると、その人はそれをたいへん不名誉なことに感じたり、ばあいによっては、それ
に猛烈に反発したりする。

 一方、この日本では、政治については、無関心であればあるほど、よい子ども(?)と
いうことになっている。だから政治については、まったくといってよいほど、興味を示さ
ない。関心もない。感覚そのものが、私たちの世代と、違う。

ためしに、今の高校生や大学生に、政治の話をしてみるとよい。ほとんどの子どもは、「セ
イジ……」と言いかけただけで、「ダサ~イ」とはねのけてしまう。(実際、どの部分がど
のようにダサイのか、私にはよく理解できないが……。「ダサイ」という意味すら、よく理
解できない。)

● 政治に無関心であることを、もっと恥じよう!
● 社会に無関心であることを、もっと恥じよう!
● あなたが無関心であればあるほど、そのツケは、つぎの世代にたまる。今のこの日本が、
その結果であるといってもよい。これでは子どもたちに、明るい未来はやってこない。

では、なぜ、日本の子どもたちが、こうまで政治的に無関心になってしまったか、である。

● 文部省からの三通の通達

日本の教育の流れを変えたのが、三通の文部省通達である(たった三通!)。文部省が19
60年に出した「文部次官通達」(六月二一日)、「高校指導要領改定」(一〇月一五日)、そ
れに「初等中等局長通達」(一二月二四日)。

 この三通の通達で、中学、高校での生徒による政治活動は、事実上禁止され、生徒会活
動から、政治色は一掃された。さらに生徒会どうしの交流も、官製の交流会をのぞいて、
禁止された。当時は、安保闘争の真っ最中。こうした通達がなされた背景には、それなり
の理由があったが、それから40年。日本の学生たちは、完全に、「従順でもの言わぬ民」
に改造された。その結果が、「ダサイ?」ということになる。

 しかし政治的活力は、若い人から生まれる。どんな生活であるにせよ、一度その生活に
入ると、どんな人でも保守層に回る。そしてそのまま社会を硬直させる。今の日本が、そ
れである。構造改革(官僚政治の是正)が叫ばれて、もう10年以上になるが、結局は、
ほとんど何も改革されていない。このままズルズルと先へ行けばいくほど、問題は大きく
なる。いや、すでに、日本は、現在、にっちもさっちも立ち行かない状態に追い込まれて
いる。あとはいつ爆発し、崩壊するかという状態である。

 それはさておき、ここでもわかるように、たった三通の、次官、局長クラスの通達で、
日本の教育の流れが変わってしまったことに注目してほしい。そしてその恐ろしさを、ど
うか理解してほしい。日本の教育は、(日本人の心も)、こういう形で、中央官僚の思うが
ままにあやつられている。

+++++++++++++

もちろん、極右であることも、極左であることも、
望ましいことではない。(否定はしないが……。)

ものごとは、常識を基点にして考える。
あるいは常識の上に常識を重ねながら、考える。
私たちが何よりも警戒しなければならないのは、
「極端化」である。
「先鋭化」ともいう。
とくに政治の世界では、警戒した方がよい。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●教育の結果

 つまり私たち日本人が、こうまでおとなしくなってしまったのは、「教育」が原因という
こと。
ここに「教育」のもつ、「力」というか、「恐ろしさ」がある。
今のあなた自身を振り返ってみればよい。
あなたはなぜに、そうまで従順なのか。
従順であるのが悪いというのではない。
しかし「牙(きば)」を抜かれてしまった。
あなた自身がつまり、「教育」の結果ということ。

 もっとも今は、デモをして声を張り上げるような時代ではない。
(ときとばあいによっては、大切だが……。)
今は、こうしてネットを通して、意見を発表する。
世論を動かしていく。
ツイッター(Twitter)で、国が動く時代である。

『時事用語』(成美堂)の第1ページを読んで、そんなことを考えた。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 文部省通達 たった3通の通達 牙を抜かれた日本人 デモ禁止 教
育と政治)


Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●(政治2)北海道洞爺湖サミット

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『時事用語』(成美道)は、北海道洞爺湖サミットを、2番目に取りあげている。
いわく「主要国の首脳が集まるサミットが、2008年7月に北海道の洞爺湖で行われた。
最大のテーマは、環境問題で、温暖化ガス排出量削減をめぐって、先進国と新興国の思惑
の違いが、浮き彫りになった」(P8)と。

 この洞爺湖サミットは、計22か国とEUが参加する、過去最大規模のサミットとなっ
た。
が、ここで注意!
「最大」イコール、ベストではない。
数が多ければ、それでよいということではない。
たとえば日本には、「審議会」という、あやしげな会がある。
官僚たちが、自分たちの意見を通すために、利用する会である。

(1)まず、イエス・マンを集める。
各界の著名人から選ぶ。
(2)座長には、官僚の息のかかった人を選ぶ。
審議会そのものを、官僚サイドで用意する。
(3)議題、議論項目などは、あらかじめ官僚側で用意する。
当日、その場で、印刷物として配布されることが多い。
(4)それによって審議会を開き、最終的に「答申」という形で、結論を出させる。
この文書も、官僚側で用意することが多い。
(5)「答申」は、できるだけ抽象的、あいまいなものほど、よい。
数字や具体的な内容は、ほとんど書かないことになっている。
(6)官僚たちは、それをお墨付きにして、あとは好き勝手なことをする。
「審議会で決まった。控えおろう!」と。

 この審議会について、審議会のメンバーですら、「どうして私が選ばれたのかわからない」
と疑問にもつことがある。
どこかでその審議会について書いたことがある。
その原稿をあとで、さがしてみる。

 で、その前に一言。
参加国が多いと言うことは、「お祭りにはなる」。
しかし議論らしい議論は、無理。
審議会でも、メンバーが多ければ多いほど、発言時間は少なくなる。
仮に20人とすると、1人、5分ずつ発言して、それだけで、100分。
審議会は、それでおしまい。
つまり官僚たちは、自分たちにとって都合の悪い審議会ほど、メンバーを多くする。
メンバーを多くして、発言を封ずる。

 「洞爺湖サミット」という名前すら、もう記憶から消えかかっている。
覚えている人も少ないのでは……?
その参加国が、22か国+EU!
当時の日本の福田首相としては大成功のつもりだったかもしれない。
しかし結果は、「成果ゼロ」。
「サミット最終日に開かれたG8とEUおよび新興8か国からなる、主要経済国会合(M
EM)では、……具体的な数値目標を定めるまでには至らなかった」(同書)とある。

+++++++++++++++++++++

(以下、2007年10月に書いた原稿より)

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●バウチャー制度

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まず6年前に書いた、新聞記事
をそのまま紹介する。

この中で、私はアメリカのバウチャー
制度について、少し触れた。

+++++++++++++++++

●教育の自由化

アメリカでもオーストラリアでも、そしてカナダでも、学校を訪れてまず驚くのが、その
「楽しさ」。
まるでおもちゃ箱の中にでも入ったかのような錯覚を覚える。

写真は、アメリカ中南部にある公立の小学校(アーカンソー州アーカデルフィア、ルイザ・
E・ペリット小学校。生徒数三百七十名)。教室の中に、動物の飼育小屋があったり、遊具
があったりする。

 アメリカでは、教育の自由化が、予想以上に進んでいる。まずカリキュラムだが、州政
府のガイダンスに従って、学校独自が、親と相談して決めることができる。オクイン校長
に「ガイダンスはきびしいものですか」と聞くと「たいへんゆるやかなものです」と笑っ
た。

もちろん日本でいう教科書はない。検定制度もない。

たとえばこの小学校は、年長児と小学一年生だけを教える。そのほか、プレ・キンダガー
テンというクラスがある。四歳児(年中児)を教えるクラスである。費用は朝食代と昼食
代などで、週六十ドルかかるが、その分、学校券(バウチャ)などによって、親は補助さ
れている。驚いたのは四歳児から、コンピューターの授業をしていること。また欧米では、
図書館での教育を重要視している。この学校でも、図書館には専門の司書を置いて、子供
の読書指導にあたっていた。

 授業は一クラス十六名前後。教師のほか、当番制で学校へやってくる母親、それに大学
から派遣されたインターンの学生の三人で当たっている。アメリカというと、とかく荒れ
た学校だけが日本で報道されがちだが、そういうのは、大都会の一部の学校とみてよい。
周辺の学校もいくつか回ってみたが、どの学校も、実にきめのこまかい、ていねいな指導
をしていた。

 教育の自由化は、世界の流れとみてよい。たとえば欧米の先進国の中で、いまだに教科
書の検定制度をもうけているのは、日本だけ。オーストラリアにも検定制度はあるが、そ
れは民間組織によるもの。しかも検定するのは、過激な暴力的表現と性描写のみ。「歴史的
事実については検定してはならない」(南豪州)ということになっている。

アメリカには、家庭で教えるホームスクール、親たちが教師を雇って開くチャータースク
ール、さらには学校券で運営するバウチャースクールなどがある。行き過ぎた自由化が、
問題になっている部分もあるが、こうした「自由さ」が、アメリカの教育をダイナミック
なものにしている。

+++++++++++++

バウチャー券というのは、学校
教育に対してだけしか利用できない、
クーポン券のことと思えばよい。
「商品券」でもよい。

たとえば年間、10万円のバウチャー
券を支給されれば、親は、それを
「学費」として使用することが
できる。

わかりやすく言えば、それにより、
親が国から直接、援助を受ける
ことになる。

「では現金でそれをすればよい」
というふうに考える人もいるかもしれ
ない。

しかし現金だと、それが何に使われるか
わからない。親によっては、遊興費に
流用してしまうかもしれない。

そこでバウチャー券ということに
なる。少し前までは、「クーポン券」
(東京都など)と呼ぶ政治家もいた。

(バウチャー=voucher……
証票、証明書、引換書、商品券のこと
(IMIDAS))

++++++++++++++

 日経ニュースサイトは、つぎのように伝える。

 『政府の教育再生会議(N座長)が検討している「教育バウチャー(利用券)」制度の素
案が、10月27日、明らかになった。保護者が利用券で子供の通う学校を選ぶ仕組みを
まず特区を使って地域限定で導入。小中学校だけでなく高校、幼稚園にも拡大する。公立、
私立から幅広く学校を選択したり、低所得者世帯の私学就学を援助したりする案も検討す
る。

 同会議は教育バウチャー制度について年末にまとめる第3次報告に盛り込む方針。政府
は早ければ来年度にも導入したい考えだが、詰めるべき点も多く想定通り実現するかどう
かは微妙だ』と。

 このバウチャー制度は、日本の教育にとって、画期的な制度となる。この制度により、
従来の国や自治体による補助金制度が、根本的な部分で、ひっくり返ることになる。

 従来の補助金制度では、(国や自治体)は、(学校や幼稚園などの学校法人)という(法
人組織)に、補助金を交付してきた。けっしてハンパな額ではない。だから学校や幼稚園
は、上から落ちてくる補助金だけを見ていればよかった。

 それがバウチャー制度により、国や自治体の補助金が、一度(子どもをもつ父母)を経
由することになる。そのバウチャー券を手にした父母は、学校や幼稚園に対して、バウチ
ャー券という商品券で、学費を支払うことになる。

 つまり親のほうが、学校法人を選択、管理するようになる。当然のことながら、今まで
は、(上)だけを見ていればよかった学校や幼稚園は、バウチャー制度によって、今度は(下)
も見なければならなくなる。それだけきびしい環境に置かれることになる。

 だいたいにおいて、今までの補助金制度そのものが、おかしい。国や自治体は、(法人)
は助けるが、(個人)は助けない。これは欧米の常識とは、逆。欧米では、(個人)は助け
るが、(法人)は助けない。

 バウチャー制度は、そうした日本的な常識を、打ち壊す威力をもっている。あるいはそ
の第一歩となるかもしれない。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
バウチャー バウチャー券 boucher)


Hiroshi Hayashi++++++++Oct 07++++++++++はやし浩司

●小・中9年制

+++++++++++++++

欧米では、教育の自由化は、予想
以上に進んでいる。

学校で教えるカリキュラムすら、
それぞれの学校が独自で決めている。

アメリカでは、公立学校であっても、
入学年度を、自由に決めている。

PTAの権限も、日本のそれとは比較に
ならないほど強い。教師の任命権
すら、もっている。つまりPTAが、
「あの教師は不適格」と判断すれば、
その教師はクビになる。

大学教育にしても、単位の共通化は、
今では、常識。EU(ヨーロッパ)
では、完全に共通化されている。

つまりどこの大学で、どのように勉強
しようが、単位さえ集めれば、それで
大学の卒業資格が与えられる。

こうした流れをみると、日本の教育
改革は、50年は遅れた。

けっして大げさなことを言っている
のではない。

私が学生だった1970年のオーストラリア
においてですら、単位の共通化は、
常識だった。

たとえば、メルボルン大学で、1年、2年を
過ごし、そのあと北京大学で1年勉強すれば、
帰国後は、4年生になれた。

アメリカでは、公立、私立を問わず、
転籍、転学は自由。日本でたとえれば、
1年と2年は早稲田大学で過ごし、3年目
からは静岡大学へ転籍できる。そういうことが
平気でできる。

もちろん学部の変更も自由。法学部で入学
し、そのあと、工学部へ転学するというよう
なこともできる。

教育再生会議は、今度、「小・中9年制」
の検討を答申したが、「今ごろねえ……」という
のが、私の実感。

こうした諮問会議で注意しなければならないのは、
たいてい座長と呼ばれる人は、それなりの権威者。

つづくメンバーは、「どうしてそういう人が
選ばれたかもわからない」(T教授)という、
文科省寄りのYESマンばかり。

議案も進行も、すべて役人のお膳立てによって
進められる。

諮問機関そのものが、お役人の(お墨付き機関)
として機能することが多い。

お役人は諮問機関で出された答申をもとに、
あとは「控えおろう」「下に……!」と、
あとは自分たちのしたい放題。

教育再生会議がそうだとは思わないが、そういう
疑いの目は、じゅうぶんもって見たほうがよい。

そういう中で生まれた、「小・中9年制」である。

つまり「地域の実情に応じて、4・3・2などと、
学年のまとまりを設ける」(日経)と。

この「地域の実情」という部分が、クセモノ。
おかしい。何かヘン。何かを隠している?

それについてはまた別の機会に考えるとして、
数字的な制度だけをいじっても、意味はない。

ほんとうに日本の教育を再生させようとするなら、
たとえばPTAの権限を強化するとか、そういう
内部部分の改革を目指さなければならない。
教師の任命権、解雇権まで踏み込む。

それに日本のような(格差社会)で、いくら
教育改革を唱えても、無駄。親たちは日常的な
生活を通して、その(格差)をいやというほど、
思い知らされている。

この(格差)があるかぎり、たとえば進学競争
はなくならないだろう。つまり、教育改革を
いくら唱えても、親たちは、進学率だけを見て、
学校の優劣を決めてしまう。また進学率が
あがるような制度を求めてしまう。

現に今、中高一貫校は、そういう流れの中で
動いている。

福田首相は会議の冒頭、「注目を集める会議と認識している。
国民全員が関心を持っている話題であり、
建設的な議論をしていただきたい」と求めたという(同)。

ほんとうかな?

子どもをもつ親たちが注目しているのは、
どうすれば自分の子どもが、進学競争に
有利になるかということ。

ついでに、教育再生会議では、大学への
飛び級入学についても議論されているという。

これについても、一言。

たとえばアメリカでは、原則として、
小中学校でも、無学年制。どこの学校へ
行っても、学年という「数字」はない。

教室の前にあるのは、そのクラスの責任者
である、教師の名前だけ。

飛び級を自由化するためには、同時に、
「落第」に対する意識を変えなければならない。

アメリカでは、先生が、「お宅の子を、
もう一度、ヒロシ教室で教えます(=落第
させます)」と言うと、親たちは、喜んで
それに従う。

落第ということが、日常茶飯事になされている。
飛び級というのは、その反射的効果として
浮かび上がってくるもの。

「飛び級」という片輪だけを論じても意味は
ない。

+++++++++++++++

以前、書いた私の原稿(中日新聞
発表済み)を載せる。

+++++++++++++++

家族の心が犠牲になるとき 

●子どもの心を忘れる親

 アメリカでは、学校の先生が、親に「お宅の子どもを一年、落第させましょう」と言う
と、親はそれに喜んで従う。「喜んで」だ。ウソでも誇張でもない。あるいは自分の子ども
の学力が落ちているとわかると、親のほうから学校へ落第を頼みに行くというケースも多
い。

アメリカの親たちは、「そのほうが子どものためになる」と考える。が、この日本ではそう
はいかない。子どもが軽い不登校を起こしただけで、たいていの親は半狂乱になる。先日
もある母親から電話でこんな相談があった。

何でも学校の先生から、その母親の娘(小二)が、養護学級をすすめられているというの
だ。その母親は電話口の向こうで、オイオイと泣き崩れていたが、なぜか? なぜ日本で
はそうなのか? 

●明治以来の出世主義

 日本では「立派な社会人」「社会で役立つ人」が、教育の柱になっている。一方、アメリ
カでは、「よき家庭人」あるいは「よき市民」が、教育の柱になっている。オーストラリア
でもそうだ。カナダやフランスでもそうだ。

が、日本では明治以来、出世主義がもてはやされ、その一方で、家族がないがしろにされ
てきた。今でも男たちは「仕事がある」と言えば、すべてが免除される。子どもでも「勉
強する」「宿題がある」と言えば、すべてが免除される。

●家事をしない夫たち

 二〇〇〇年に内閣府が調査したところによると、炊事、洗濯、掃除などの家事は、九割
近くを妻が担当していることがわかった。家族全体で担当しているのは一〇%程度。夫が
担当しているケースは、わずか一%でしかなかったという。

子どものしつけや親の世話でも、六割が妻の仕事で、夫が担当しているケースは、三%(た

たの三%!)前後にとどまった。その一方で七割以上の人が、「男性の家庭、地域参加をも
っと求める必要がある」と考えていることもわかったという。

内閣総理府の担当官は、次のようにコメントを述べている。「今の二〇代の男性は比較的家
事に参加しているようだが、四〇代、五〇代には、リンゴの皮すらむいたことがない人が
いる。男
性の意識改革をしないと、社会は変わらない。男性が老後に困らないためにも、積極的に
(意識改革の)運動を進めていきたい」(毎日新聞)と(※1)。

 仕事第一主義が悪いわけではないが、その背景には、日本独特の出世主義社会があり、
それを支える身分意識がある。そのため日本人はコースからはずれることを、何よりも恐
れる。それが冒頭にあげた、アメリカと日本の違いというわけである。言いかえると、こ
の日本では、家族を中心にものを考えるという姿勢が、ほとんど育っていない。たいてい
の日本人は家族を平気で犠牲にしながら、それにすら気づかないでいる……。

●家族主義

 かたい話になってしまったが、ボームという人が書いた童話に、『オズの魔法使い』とい
うのがある。カンザスの田舎に住むドロシーという女の子が、犬のトトとともに、虹の向
こうにあるという「幸福」を求めて冒険するという物話である。あの物語を通して、ドロ
シーは、幸福というのは、結局は自分の家庭の中にあることを知る。アメリカを代表する
物語だが、しかしそれがそのまま欧米人の幸福観の基本になっている。

たとえば少し前、メル・ギブソンが主演する『パトリオット』という映画があった。あの
映画では家族のために戦う一人の父親がテーマになっていた。(日本では「パトリオット」
を「愛国者」と訳すが、もともと「パトリオット」というのは、ラテン語の「パトリオー
タ」つまり、「父なる大地を愛する」
という意味の単語に由来する。)「家族のためなら、命がけで戦う」というのが、欧米人の
共通の理念にもなっている。家族を大切にするということには、そういう意味も含まれる。
そしてそれが回りまわって、彼らのいう愛国心(※2)になっている。

●変わる日本人の価値観

 それはさておき、そろそろ私たち日本人も、旧態の価値観を変えるべき時期にきている
のではないのか。今のままだと、いつまでたっても「日本異質論」は消えない。が、悲観
すべきことばかりではない。

九九年の春、文部省がした調査では、「もっとも大切にすべきもの」として、四〇%の日本
人が、「家族」をあげた。同じ年の終わり、中日新聞社がした調査では、それが四五%にな
った。
たった一年足らずの間に、五ポイントもふえたことになる。これはまさに、日本人にとっ
ては革命とも言えるべき大変化である。

そこであなたもどうだろう、今日から子どもにはこう言ってみたら。「家族を大切にしよう」
「家族は助けあい、理解しあい、励ましあい、教えあい、守りあおう」と。この一言が、
あなたの子育てを変え、日本を変え、日本の教育を変える。

※1……これを受けて、文部科学省が中心になって、全国六か所程度で、都道府県県教育
委員会を通して、男性の意識改革のモデル事業を委託。成果を全国的に普及させる予定だ
という(二〇〇一年一一月)。

※2……英語で愛国心は、「patriotism」という。しかしこの単語は、もともと「愛郷心」
という意味である。しかし日本では、「国(体制)」を愛することを愛国心という。つまり
日本人が考える愛国心と、欧米人が考える愛国心は、その基本において、まったく異質な
ものであることに注意してほしい。


++++++++++++++++++++

(資料)(日経ニュースより)

●教育再生会議が福田政権で初会合、「小・中9年制」検討で一致

 教育再生会議(野依良治座長)は10月23日、首相官邸で福田政権発足後初めての総
会を開き、論議を再開した。柔軟な教育カリキュラムを編成できるようにするため、現行
の小中学校の「6・3」制を見直し、9年制の義務教育学校の創設などを検討することで
一致した。

 教育再生は安倍晋三前首相が憲法改正などと並んで掲げた重要政策の一つ。安倍氏の辞
任で論議が中断していたが、福田首相は冒頭「注目を集める会議と認識している。国民全
員が関心を持っている話題であり、建設的な議論をしていただきたい」と求めた。

 学校制度の見直しは小中一貫の9年制学校をつくり、地域の実情に応じて「4・3・2」
などの学年のまとまりを設ける案を軸に検討する方向。大学への飛び級入学を促進するた
め一段の要件緩和を進める必要があるとの意見も相次いだ。

一方、年末を予定していた三次報告のとりまとめ時期を巡っては「もっと時間をかけるべ
きだ」との異論も出た。

以上、Hiroshi Hayashi++++++++Oct 07++++++++++はやし浩司

●ゆとり教育

+++++++++++++

ときとして外国から日本を
ながめたほうが、日本のことが
よくわかる。

日本の(ゆとり教育)が始まった
とき、それをまっさきに喜んだ
のが、隣の韓国。

そして今回、その(ゆとり教育)が
見直されることになった。

それにもっとも危機感を抱いて
いるのも、隣の韓国という
ことになる。

++++++++++++++

●東亜N報の記事より

 まず、韓国の東亜N報が、書いている記事をそのまま紹介する。日本の実情を、かなり
客観的にながめている。興味深い。参考になる。

+++++東亜N報(10・29日より)++++++++

日本の中央教育審議会(中教審)は、中間報告書で、ゆとり教育が難関にぶつかった原因
を分析し、「授業時間を大幅に削減したため、基礎知識を十分に習得できなくなり、思考力
と表現力も育てることができなかった」などの反省項目を列挙する予定だ。

中教審は96年から、思考力や表現力、思いやりなど、「生きていく力」を育成することを
公教育の目標として提唱してきた。

02年から施行された現行の学習指導要領は、詰め込み主義教育を改善するという名分に
よって、小中学校の学習内容を以前より約30%削減し、授業時間も約10%減らした。

中間報告書の反省項目には、授業時間の削減のほかにも、△「生きていく力」の概念と必
要性を教師と父兄に十分に説明できなかった、△子どもの自主性を尊重したことで、学生
指導をためらう教師が増えた、△家庭と地域の教育能力が低下している事実を十分に把握
できていなかったという内容などが含まれるもようだ。

中教審は、ゆとり教育が難関にぶつかった原因の一つとして、「ゆとり」を強調しすぎたた
め、教師が、基礎知識を教えることまで詰め込み主義教育と誤って理解した点を挙げた。

文科省が提出し、中教審が現在審議中の学習指導要領改正案は、英語、国語、数学などの
主要科目の授業時間を10%増やし、選択科目を大幅に縮小する内容を盛り込んでいる。

文科省は、このように事実上ゆとり教育を廃棄する方向に政策を旋回しながらも、公式的
には「ゆとり教育の理念は間違っておらず、運用上の問題にすぎない」と主張している。

にもかかわらず、諮問機構である中教審が「反省文」を発表するのは、誤った点を具体的
に説明しなければ、一線の学校が教育政策を転換する理由を十分に理解できないと判断し
たためだ。

+++++++++以上、東亜N報記事より+++++++++++

 ゆとり教育が始まったとき、おおむね、教科内容は、1年レベルがさがった(小学校)。
楽といえば、楽。教えるのが、ほんとうに楽になった。

 しかしそれも、2年はつづかなかった。3年目に入ると、それが(当たり前)になり、
教える側からすると、その(楽)が消えた。

 が、私の教室では、今でも、ゆとり教育の始まる前のカリキュラムで教えている。たと
えばかけ算にしても、小2の夏休み前から、教えている。が、ゆとり教育では、10月か
ら教えることになっている。小2の算数だけを見ても、3~4か月、後回しになったとい
うことになる。

 で、その(ゆとり教育)が見直されることになった。当然である。日本を包む国際環境
がきびしさをます中、それに逆行する形での(ゆとり教育)である。当時の韓国は、「これ
で日本を追い抜かせる」と喜んでいた。

 が、それでほんとうに子どもたちに(ゆとり)ができたかというと、それは疑わしい。
たとえば私立中・高学校では、文科省の示すカリキュラムを無視した授業が始まるように
なった。

 現にこのあたりの私立中学校では、英語にしても、公立中学校よりも、6か月から1年、
先取りの教育を展開している。数学にしても、そうだ。(中学1年生で、関係代名詞の勉強
をしているところもあるぞ!)

 それまではというと、私立中・高校は、公立中・高校の受け皿的な存在だった。が、今
は、完全に逆転している。公立中・高校が、私立中・高校の受け皿的な存在になってしま
った。つまりその分、受験競争がはげしくなった。子どもたちは、小学4、5年制から、
進学受験予備校に通うようになった。

 文科省のおかしな制度いじりが、(東京という中央では、それなりにうまく機能していた
のだろうが)、地方の教育を、今、こうして混乱させている。まずもって、文科省は、それ
に気づくべき。反省すべき。

 さらに学校の教師にしても、忙しさのあまり、悲鳴をあげている。それについて書いた
原稿が、つぎのもの。

++++++++++++++

●忙しくなる、教師の世界

 私たちが中学生や高校生のころには、先生には、「空き時間」というものがあった。たい
てい、1時間教えると、つぎの1時間は、その空き時間だった。

 その空き時間の間に、先生たちは、休息したり、本を読んだり、生徒の作品を評価した
り、教材を用意したりしていた。

 しかし今は、それが、すっかり、様(さま)変わりした。

 このあたりの小学校でも、その「空き時間」が、平均して、1週間に、1~2時間にな
ってしまったという(某、小学校校長談)。

 だから今では、平日、学校の職員室を訪れても、ガランとしている。先生の姿を見るこ
とは、めったにない、

 「いわゆる企業や工場の経営論理が、学校現場にも及んでいるのですね。少人数による、
習熟度別指導をする。2クラスを3人の先生で教える(2C3T方式)、さらには1クラス
を、2人の先生で教える(TT方式)が、一般化し、先生が、それだけ足りなくなったた
めです」と。

 この結果、再び、詰めこみ教育が復活してきた。先生たちは、プロセスよりも、結果だ
けを追い求めるようになってきた。が、問題は、それだけではない。

 余裕がなくなった職場からは、先生どうしの交流も消え、そのため、「精神を病む教師が
続出している」(同)という。とくに忙しいのは、教頭で、朝7時前からの出勤はあたりま
え。さらにこのところの市町村合併のあおりを受けて、制度や、組織、組織の定款改革な
どで、自宅へ帰るのは、毎晩、7時、8時だという。

 何でもかんでも、学校で……という、親の安易な姿勢が、今、学校の先生たちを、ここ
まで追いこんでいるとみてよい。教育はもちろん、しつけから、家庭指導まで……。たっ
た1~2人の自分の子どもでさえ、もてあましている親が、20~30人も、1人の先生
に押しつけて、「何とかしろ!」はない。

 さらに一言。

 1995年前後を底に、学習塾数、塾講師数ともに減少しつづけてきたが、それがここ
2000年を境に、再び、上昇する傾向を見せ始めている(通産省・農林通産省調べ)。進
学競争が、激化する様相さえ見せ始めている。

 私の周辺でも、子どもの進学問題が、数年前より、騒がしくなってきたように感ずる。
さて、みなさんの周辺では、どうであろうか?
(はやし浩司 空き時間 2C3T 習熟度別指導 TT 指導システム 激化する進学
熱 進学指導 詰め込み教育)

++++++++++++++++

 バネというのは、ゆるめるのは簡単。しかし一度ゆるんだバネは、もとには戻らない。
あるいは戻すのに、何倍もの時間と努力が必要。「主要科目の授業時間を10%増やし、選
択科目を大幅に縮小する内容を盛り込んでいる」というが、そうは、うまくいくものか?

 教育というのは、20年先、30年先を見ながら組み立てる。今、改革しても、その効
果が現れるのは、20年後、30年後。

 文科省の改革(?)は、どれも後手後手という感じがしないでもないのだが、そう思う
のは、はたして私だけだろうか。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 審議会 バウチャー制度 教育の自由化)


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●映画

++++++++++++++++

毎週、1、2本の映画を観ている。
最近見たのでよかったのは、
『プリンス・オブ・ペルシャ』。
『アバター』に並ぶ、大作。
『アバター』よりも先に発表されていたら、
それなりの賞を受賞していたかもしれない。

が、始まって、10分足らずで出てきて
しまった映画もある。
邦画の『BOX』。
『BUTTON』(洋画)とまちがえた。
結構、観客は入っていたが、ああいう映画は、
私の肌に合わない。
だから出てきてしまった。

++++++++++++++++

●カイル

 「ボケ防止」のためということで、私たちは週1、2回、映画を観ることにしている。
が、今月は、講演旅行やワイフの誕生日会を兼ねて、あちこちの旅館に泊まった。
そのため映画館へ足を運ぶ回数が、少なくなった。
その代わりというわけでもないが、家でビデオを観ることが多くなった。
で、ワイフが今、夢中になっているのは、『カイル』。
連作モノ。

 昨夜第一巻を観た。
今夜、第二巻と、第三巻を観るという。
私も昨夜、横で観ていたが、(というのも、私は新しく買ったカメラをいじって遊んでいた
ので)、結構、おもしろかった。

 カイルとは、どういう人間なのか?
神か?
それとも宇宙人?
……というところが、おもしろい。
今夜が楽しみ。

●ドラマは芸術

 映画は、芸術である。
欧米では、(オーストラリアでも)、「ドラマ」という科目は、独立したひとつの科目になっ
ている。
それだけではない。
ドラマ(演技)を通して、その人物になりきることができる。
他人の心をのぞいたり、他者との共鳴性を養ったりすることができる。

 もちろんそうでない映画もある。
たとえばB・T氏の主演監督の『アウトレイジ』などは、予告編だけで、たくさん!
この2、3か月、毎回見せつけられた。
セリフまで暗記してしまった。
映画評論雑誌などでは、高く(?)評価されているようだ。
悪口を書けないから、高く(?)評価する(?)。

 確かに人間は、クソもするし、オナラもする。
しかしそういうものを赤裸々に表現したからといって、「人間性の表現」にはならない。
もしそれがわからなければ、一度、『レスラー(The Wrestler)』を観てみたらよい。
表現方法は、たぶん、どこか似ていると思うが、その(ちがい)がわかるはず。
その『レスラー』は、ベネチア映画祭で、金獅子賞を受賞している。
私も納得できる。


Hiroshi Hayashi+教育評論++June.2010++幼児教育+はやし浩司

●電気ショックを与えると、キノコがふえる?

+++++++++++++++++++

岩手大学の研究チームが、
シイタケなどのキノコを、
電気ショックで増やす方法を
編み出したという。

日本経済新聞社のHPに、
こんなおもしろい記事が載っていた。

いわく『岩手大学の高木浩一准教授らは、持ち運びできる小型の高電圧発生装置を開発し
た。これを農場に持って行って、ほだ木の両端に電極を付け、5万~12万5千ボルトの高
電圧の電流をほんの一瞬(1千万分の1秒)だけ、かけた。

 すると、電気ショックを与えたほだ木からは、何もしないほだ木に比べて、平均して約
2倍のシイタケが収穫できた』と。(2010年6月12日)

+++++++++++++++++++++

●人間も同じ

その理由について、

『……次の世代を早く残そうとする生存戦略ではないかとみる研究者はいる。傘状の子実
体は、植物で言えば花に相当する。子実体には、胞子をつくって生命を次世代につなぐ働
きがある。電気ショックなどで生存が脅かされたと感じる結果、子孫をつくろうという遺
伝子のスイッチが入るのかもしれない』と。

 ところで人間(男性)にも、同じような現象が見られることがあるという。
たとえば男性のばあい、(死の恐怖)を強く感ずると、脳下垂体の生殖本能が勝手に機能し、
勃KI→射S(BLOGでの禁止用語になるため、伏せ字。KI=起、S=精)すること
があるという。
ある人が、こう教えてくれた。
「昔、戦場で死んだ兵士を見たとき、中に、勃KIしたまま死んでいた人がいた」と。
シイタケなどのキノコと、どこか相通ずるようで、興味深い。
つまり私たちは、(死の恐怖)を覚えると、思わぬ力を発揮することもあるということらし
い。

●死の恐怖

 少し話は脱線するが、私は現在、「BW公開教室」と称して、教室の様子をビデオに収め、
それをYOUTUBEで公開している。

 これについては、こんな思いがある。

 「私が死んだら、今までしてきたことが、すべてそのまま消えてしまう。だからビデオ
に収め、残しておこう」と。
(残すほどの価値はないと思うが、それでも残しておきたい。)
もし今、ここに(死の恐怖)がなかったら、おそらくビデオに収めて残そうという気持ち
も、生まれなかっただろう。
平均寿命まで、あと16年。
健康寿命(つまり病気との闘いが始まる年齢)まで、あと6年。

 シイタケなどのキノコは、『電気ショックなどで、生存が脅かされたと感じる結果、子孫
をつくろうという遺伝子のスイッチが入るのかもしれない』という。
人間も、『死の恐怖などで、生存が脅かされると感じる結果、つぎの世代に何かを残そうと
いう遺伝子のスイッチが入るのかも知れない』。

 ダラダラと生きるのも、6年。
がんばって生きるのも、6年。
同じ6年なら、悔いの残らないように、生きたい!

 ……というようなことを考えながら、この記事を読んだ。
おもしろかった!

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 キノコに電気ショック 電気ショックで2倍)

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