2010年7月17日土曜日

*Belief for Man






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 彡彡人ミミ      彡彡彡彡彡
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q 0―0 MMMMM ∩ ∩ MM m
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 子育て最前線の育児論byはやし浩司      8月   11日号
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●掲示板投稿より(AD・HD児、場面かん黙児)

++++++++++++++++++

最近、掲示板へ、2件の投稿があった。
1件は、AD・HD児についてのもの。
もう1件は、場面かん黙児についてのもの。
2件とも、そうした子どもをもつ親からの
相談だった。

この2件で特徴的なことは、親たちが、
それぞれの子どもについて、正式な診断名を
掲示板の中で、明記していること。
つまり医師の診断を受けていること。
そういう相談であれば、それについて書く私と
しても、返事を書きやすい。
言い替えると、この段階まで親が、自分の
子どもを理解するのは、容易なことではない。
そこに至るまでには、長い道のりと、迷い、
心配、不安がある。
病院へ連れていくについても、相当な覚悟と
決断が必要である。
その上での診断名である。

が、それまでの苦しみが長ければ長いほど、
自分の子どもがどういう状態であるかを
知ることにより、かえってほっとするのも事実。
「ああ、そうだったのか」と。

もちろんそれで問題が解決するわけではない。
解決するわけではないが、そこをスタートラインに
して、前に向かって歩み出すことができる。

それに今は、子どもに問題があったからといって、
(個人)の責任にする時代ではない。
みなが、将来の日本、あるいは将来の世界を
支える子どもとして、暖かく見守る時代である。
この浜松市でも、そうした子どもたちを重点的に
集め、指導、教育している学校がふえている。
「拠点校」と呼んでいる。

そうした拠点校へ、むしろ親の方が望んで
子どもを通学させる時代になってきている。
S小学校(拠点校)の校長は、こう話してくれた。

「昔は、『お宅のお子さんには、問題がありますよ』
と言っただけで、親たちは、半狂乱になったものです。
が、今は、ちがいます。
親たちの方から、『お願いします』といって、子ども
たちを連れてきます。
みなさんの表情が、たいへん明るくなったのには、
驚かされます」と。

この問題は、そういう問題。
深刻に考える必要はない。
また深刻に考えたところで、どうにもならない。
大切なことは、繰り返しになるが、「今」を
スタートラインにして、前向きに考えること。
大切なことは、どんな子どもであれ、前向きに、
伸び伸びと、生きていくこと。
その道筋を用意してあげること。

今時、AD・HD児にしても、場面かん黙児にしても、
「問題」と考える人はいない。
モーツアルトも、チャーチルも、エジソンも、みな、
AD・HD児だった。
最近の研究によれば、あのアインシュタインも、
AD・HD児だったと言われている。

また場面かん黙児にしても、その年齢がくれば、
自己管理能力が発達してくる。
小学3~4年生前後を境に、急速に「角」が
取れてくる。
症状が残ることは多いが、だからといって、それが
どうしたというのか。

私自身は、ペチャペチャと調子よくしゃべる子ども
より、静かで、沈思黙考型の子どもの方に、
より人間的な深みを覚える。
どうしてそれがいけないことなのか?

2つの記事を、並べて掲載する。

++++++++++++++++++++

(1)【Mさんより、はやし浩司へ】

2年に渡って勝手なことを書いているバカな母親です。

これまで13年間毎日怒り続けてきた私は何だったのだろうと思う
出来事がありました。

これまでも教育センターの教育相談なるものを
受けたことも数回ありましたが、わからなかったこと。

そう、春休みに思い立って児童精神科に受診しました。

医者の最初のひとこと
「ADHDのお母さんはどこの家でも毎日起こっています。
 白黒はっきりさせましょう。」
でした。

なるほどと思うありがたいお言葉!

予約や諸般の事情で3ヶ月間かかってわかったこと。
うちの息子はADHDでした。不注意優位型。中程度。IQは100。
先生は「息子さんはこれまでよくがんばっていましたよ」と
とてもほめてくださいました。

いつものように私の勝手な満足ですが、
ADHDと診断されてよかった。
それなら、個性を生かして行く道があるからです。

薬の治療を始めました。
コンサータは集中度が上がったのが本人にもわかるようです。
ただし、あまりに気持ちが悪くなるようなので、
ストラテラに変更中です。

薬が良いとは思いませんが、黒板を写すような作業が苦手なことも判明。
授業などに集中できるためには、必要な手段かと思っております。

兄弟関係も30%はADHDとのことで、妹もこれから検査を受ける予定です。

私はといえば、丁度去年の今頃からこの1年間、これからは、独身のときの
ように仕事をがんばる!という方向で残業の毎日です。
子供たちには少し不自由もあるかもしれませんが、
今仕事をしなくていつ働く!、
なぜダンナばかりが何の不自由もなく働く!そして
私に自慢する!です。
毎日、不満だらけなのは言うまでもありませんでした。
ただ、今の私はとにかくお金のために働く。それだけです。
でもこれからは、死ぬときは、いい人生だったと思えるような
生き方をしたいと(またまた自己満足ですが)、心がけていこうと思っています。

ところで、話しは戻りますが、ADHDは、私の中では
花粉症くらいに考えることにしています。
いろいろあって、たまたま検査でわかったことなので、
知らなければ知らないで、私がいつも怒っているキチガイだった、
で終わったことかもしれません。
ただし、わかった以上本人の特性を見つける、
もしくは、本人の一生に関わることなので、どうアドアイスすればよいのか?
または、何もしなくてよいのか?
そのあたりを教えていただけないでしょうか?

よろしくお願いいたします。


Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

(2)【Kさんよりはやし浩司へ】

はじめまして。
小学3年の息子の事でご相談させて頂きたく書き込み致しました。

先日ネットで検索して初めて知った
場面緘黙症に息子の状態が当てはまります。
ただ症状はとても軽い方だとは思います。
youtubeで先生の動画も拝見いたしました。

このまま放って置いて、自然治癒しそうな感じではありますが
大人になっても
同じ状態であったり更に酷くなると困ると思い
数日前、心療内科を受診し、
心理テストや診断の予約を1ヵ月後にとりましたが
症状が軽い場合、子供にとって
はっきりと病名等を診断された方が良いのか
それとも逆効果になってしまわないか、と悩んでいます。


息子は4人兄弟姉妹の末っ子で
生まれた時から一番おとなしく人見知りが激しい子供で
あまり外に出ず、家の中でよく遊ぶ子供でした。
3歳児健診の時にも
本人は分かっている筈なのに図形や絵柄を答えられず
保健士さんから何度か様子を尋ねる電話を頂きました。
その後、幼稚園、小学校へとすすみますが
毎年かわる担任の先生にはなかなか慣れず
授業中の本読みでもほとんど声が聞こえないような状態です。
懇談ではいつも
先生が話しかけても恥ずかしそうにしていたり
目玉をきょろきょろさせているが
ちょこちょこ悪い事もしているし友達とも遊んでいるので
心配無いですよ。と、どの先生にも言われていました。

先日、3年になって初めての懇談では
先生が話を聞きたいと思って息子に何か尋ねても
全く答えないし、しびれを切らせてイエスかノーで答えられる質問に変えたら
声はでないけど首を振って答える。
何を考えているのかわからないので指導がしにくい、
先生に慣れるのに1年もかかる様では・・・と言われました。
その夜、私が息子に
『どうして先生と話さないの?』と尋ねると
『こころの中で先生に返事したいと思っているのに声が出ない』と言いました。
それでネット検索していると場面緘黙にたどり着きました。

自宅でも私や兄が強く怒ると
言葉が全く出てこなくなり、スネると机の隅っこにまるまって入ったりしますし
近所の大人には挨拶もできないので
先生と話せない様子は目に浮かびます。
かと言って、おもちゃ屋のおじさんとは親しくも無いのに会話したり
一人でお使いや歯医者に通ったりは出来ています。
はじめて逢ったお友達とも遊んだりできますが
自分から遊ぼうと誘いに行くことはほとんど無いようです。

心療内科を受診した日の夜、
『頑張って話すようになるわ』と突然私に言ってきたので
『別に頑張らなくてもいいよ』と、言っておきましたが、
次の学校での本読みは大きな声では無いけれど
いつもより声がでていたそうです。
(担任には経過報告しましたが心療内科を受診した事に
相当驚かれていました)

ここまでの息子の状況だけですと、
私もそう気にする事も無かったと思うのですが
気がかりなのが父親との関係(遺伝)です。
20年間一緒に暮していても気づかなかった
多重債務と嘘が原因で2~3年の別居後、
カウンセラーとも相談し昨年協議離婚したのですが
父親も場面緘黙だったのだろうと思い当たる節がたくさんあります。
質問しても返事を待つのに長い長い時間がかかったり
親しい方からお祝いを頂いてもお礼が言えなかったり(頭だけ下げる)
無口で義母の友達でさえ声を聞いたことが無いと言っていました。

父親の話は息子にしていませんが
父親と同じようになって欲しくない。という強い願いが私にあります。
それが根本にあるので、
本当なら息子は通わなくても良い程度なのに
心療内科に向かわせているのかもしれない・・・・
と、その判断ができずに悩んでいます。

普段はなるべく明るい雰囲気で毎日暮せる様
冗談や馬鹿な事を言ったり、
母親というより友達の様な感覚で暮しています。

長々とまとまりの無い文章で申し訳ございません。
何かアドバイス頂けると嬉しいです。
宜しくお願いいたします。

(以上、2編、原文のまま)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

【はやし浩司より、Mさん、Kさんへ】

●AD・HD児

 ADHD児については、小学3、4年生を境に、症状は急速に改善してきます。
子ども自身の自己管理能力が発達してくるためです。
中学生になるころには、どこか騒々しさは残りますが、その子どもの過去を知らない
人には、ほかの子どもたちと区別すらできなくなります。

それに反比例して、もともとの(良さ)が前面に出てきます。
能力的にも恵まれた子どもであることが多く、ものおじないしない態度、積極性、
行動力がよいほうに作用します。

 大切なことは、それまでに症状をこじらせないこと。
指導する先生にとってはたいへんでしょうが、私自身は、薬物の投与には、あまり
賛成ではありません。
以前は、リタリンを投与していました。
2000年前後のことです。
当時すでに本場のアメリカでは、リタリンの副作用が問題になり、投与を控える動きが
ありました。
私はいち早くその文献を手に入れ、それを翻訳してHP上で発表したことがあります。

 で、今は、リタリンについては、現在、原則として、どこの治療機関も投与を
控えています。
つまり、「安全性」という点から、こうした精神薬には疑問をもっています。
専門のドクターとよく相談して、投与するにしても慎重に決定してください。
(コンサータについては、投与する医療機関を限ることで、制限を加えています。)

●場面かん黙児

 また場面かん黙児については、自分の子どもがそうであることに気づくだけでも、
たいへんな進歩です。
「進歩」という言い方は失礼かもしれません。

 実のところ、そうであるかないかは、この私でも、会った瞬間に判断できます。
しかし教育の世界では、診断名を口にするのは、タブー中のタブーです。
ですから知らないフリをして、指導を始めますが、多くの親はそれでは納得しません。
子どもをはげしく叱ったり、あるいは私の指導の仕方がおかしいとか言って、教室
から去っていきます。
教える側が、はげしい虚脱感というか、虚しさを覚えるのはそういうときです。

 が、診断名をつけてもらえば、また親もそれを納得すれば、指導ができます。
そこがスタートラインになります。
いろいろな文献を資料として与えたり、またそういう子どもを専門に指導している
施設を紹介したりもできます。
「心の問題」ですから、解決方法は、いくらでもあります。

(ただ場面かん黙児については、解決しようと子どもを追い込んではいけません。
そういう子どもであると認めた上で、5年単位の根気のつづく指導が必要です。
あるいはそういう子どもであることを忘れて指導すること。
『暖かい無視』というのは、そういう子どものためにある言葉と考えてください。)

●Mあん、Kさんへ

 ともあれ私は2つの投稿記事を読んで、久々に心が軽くなるのを感じました。
「そうなんすよ」と、そういう言葉が、自然と私の口から漏れました。
言い替えると、「日本も、ここまで進歩した」ということです。
ほんの10年前、15年前には、考えられなかったことです。
子どもたちや、子どものかかえる問題を見る目が、大きく変わってきたということです。
たとえば以前は、幼児教育といえば、お遊戯にお絵かき、あとは季節ごとの行事を
追いかけるだけのものでした。
またそれをもって、幼児教育と誤解している人が多かったです。

 が、今は、心理学や大脳生理学、さらには教育学の3つが、三位一体となって、
子どもの世界をながめるようになってきています。
「治療」という言葉はあまり好きではありませんが、それぞれの問題について、
さらに科学的な原因追及も進んでいます。
当然のことながら、教師のレベルも高くなり、専門性も要求されるようになって
きています。
あと10年もすれば、簡単な診断名をつけるくらいは、現場の教師にも許される
ようになるかもしれません。
(医療機関は反対するでしょうが……。)

 ともあれ、この2人の親には、「それでよかったのですよ」と。
そう言いたいです。
あとはここをスタートラインにして、前に向かって進んでいく。

 最後に、Kさん(場面かん黙児)についてですが、(1)早急な解決は、
あきらめなさい。
(2)それがその子どもの性格として、受け入れなさい、です。
本人は、もうじゅうぶん、がんばっています。
ここであれこれ言うと、かえって子どもが自信をなくしたり、神経症を発症したり、
症状をこじらせてしまいます。
そのかわり、ほんの少しでも改善が見られたら、おおげさにそれをいっしょに
喜んでみせてあげてください。
「よかったわ」「すばらしかったわ」「うれしかったわ」とです。
(3)あとは5年単位の時間をみてください。
「5年前とくらべて、どうか」とです。
1~2単位の変化で、一喜一憂しないこと。
またこの問題は、(何も問題ではありませんが)、そういう問題です。

 ただ周囲の先生や子どもたちには、誤解を招きやすいので、それとなく、
率直に子どもの診断名や症状名を話しておくことも大切です。
私のところでも、ときどきこのタイプの子どもが、いじめの対象になることがあり
ます。
そういうときは、相手の親(いじめをする子どもの親)に、手紙を書いたり、
会って話をしたりして、理解を求めるようにしています。

 ともかくも、掲示板への投稿、ありがとうございました。
あとは、ヤフーの検索エンジンなどを使って、「はやし浩司 ADHD」、
あるいは「はやし浩司 場面かん黙」などを検索してみてください。
具体的な指導法は、あちこちに書いてきました。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 ADHD児 AD・HD児 場面かん黙児 緘黙児 はやし浩司)


Hiroshi Hayashi+++++++July. 2010++++++はやし浩司


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●信念と態度

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私は子どものころから、信念に乏しい人間だった。
今も、その傾向がつづいている。
付和雷同型というか、よい意味では、和合型人間。
悪い意味では、優柔不断型人間。
それには私の生い立ちが、深く関与している。

では、私の「信念」とは何か。
たとえば社会心理学の世界には、「態度」という言葉がある。
その「態度」というのは、ズバリ「信念」をいう。
ものごとに対して、どのような信念をもっているか。
それを「態度」という。

俗世間でいう、「表面的な様子」のことではない。

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●信念

 信念にも2種類、ある。

(1) 注入された信念。
(2) 自己創造した信念。

 注入された信念というのは、カルト教団の信者たちが共通してもっているような
信念をいう。
(自分で考えた信念)ではない。
(与えられた信念)をいう。
特徴の第一は、みな、言うことが同じ。
テープレコーダーを回したような意見を口にする。

 これに対して(自己創造した信念)は、自分で作り上げた信念をいう。
特徴としては、そこに至るまでの長い道のりがある。
それに常に柔軟性を保留している。
進歩もするし、ばあいによっては、後退もする。
「ひょっとしたら、どこかに穴(まちがい)があるかもしれない」という迷いもある。

 もちろんその中間型というのもある。
ある程度の指導を受けながら、その上に自分の信念を作り上げていく。
あるいは似たような信念をもつものどうしが集まって、信念を一定の形に仕上げていく。

●カルト

 カルトの特徴には、いろいろある。
ざっと思いつくまま並べてみる。

(1) 排他性(ほかの思想を否定する。)
(2) 独善性(自分たちだけが正しいと思い込む。)
(3) 隔離性(他者との交わりを制限する。)
(4) 絶対性(教祖、教団を絶対視する。)
(5) 催眠性(指導の一部に、催眠的方法を取り入れる。)
(6) 集団性(つねに集団行動をし、個人的行動を制限する。)
(7) 誇大性(ささいな事実を、誇大視する。)
(8) 神秘性(神秘的な要素を重要視する。)
(9) 権威性(釈迦、キリストなど、最高権威をもちだす。)
 
 幼児期から少年少女期にかけての教育(?)ほど、効果的とされる。
そのため、フランスやベルギーなどでは、カルト教団への入信年齢を逆にきびしく
制限している。
(日本では野放し。)
さらにその危険性から、国よって、(1)政治活動を禁止したり、(2)営利活動
を禁止したりしている。
(日本では事実上、野放し。)

●「柱」

 一般的に原始的な信念は、わかりやすく、人に受け入れやすい。
観念的、抽象的であればあるほど、人に受け入れやすい。
たとえば日本の武士道など。
(だからといって、武士道がまちがっていると書いているのではない。誤解の
ないように。)

 一方、哲学的思想をもった信念は、わかりにくく、人に理解されにくい。
事実や解釈に基づいた思想性があればあるほど、人に理解されにくい。
たとえば平和運動や人権運動など。

 どうであれ人は信念という「柱」をもつことによって、自分の生き様を補強する
ことができる。
思考プロセスとして機能するため、それぞれのばあいに信念に応じて、ものを考え、
結論をくだすことができる。
わかりやすく言えば、信念は、「生きていくための便利な道具」ということになる。
が、もちろんそれだけには、終わらない。

●「態度」

 信念には、それを支えるに足りる、強い意志がなければならない。
意志がなければ、ただの思想。
で、その意志がどういう状況で、どう作られるかが問題。
それにはその人の人生観、哲学観、過去の経験が集約される。
が、それは簡単なことではない。

たとえば真・善・美に追求にしても、一朝一夕にできることではない。
そこに至る過程には、長い道のりと時間、忍耐と苦痛、努力と精進が必要。
その結果として、意志が総合されて、「信念」へと固まる。
社会心理学で言う「態度」は、そうして生まれる。

●坂本龍馬

 で、最近は、坂本龍馬ブーム。
書店へ行っても、「坂本龍馬」の文字が、あちこちから飛び込んでくる。
私と縁がないわけではない。

 私がオーストラリアへ渡ったとき、私の世話人になってくれたのが、正田英三郎氏。
美智子皇后陛下の父親である。
その正田氏のもとで、事務手続きをしてくれたのが、坂本二郎氏(東京商工会議所
所属)。
坂本龍馬の直径のひ孫氏。
その坂本龍馬は、自分の信念に命をかける。
どういうプロセスを経て、そのような強固な信念をもつようになったかは知らない。
当時の殺伐とした社会状況が、大きく影響していたのかもしれない。
が、「命をかける」だけなら、イラクで自爆テロを繰り返す若い女性にだってできる。
大切なのは、やはりそれを支える「強固な思想」ということになる。
坂本龍馬には、それだけの思想性はあったのか?

 ……という話は、また別のところで考えたい。
私が書きたいのは、坂本龍馬にせよ、それと対峙した新撰組にせよ、どこかに
狂信性もあったのではなかったかということ。
思想性を裏付ける文書が、あまり残っていないことにもよる。

●信念の人

 私も自分の人生の中で、「これは信念の人」と思えるような人には、あまり出会って
いない。
命をかけて、正義と闘ったような人をいう。
ただ誤解がないように言っておきたいのは、欲得の追求のために闘志を燃やすというのは、
「信念」ではない。
わかりやすい例としては、「金儲け」がある。
さらに最近の例としては、日本の相撲界がある。
「国技」とは名ばかり。
国技意識など、どこにもない。
おそらく「国技」の意味もわかっていないのでは?

 一方、K国による拉致問題に取り組んでいる人たちがいる。
横田めぐみさんの両親が、そうである。
ああいう人たちを見ていると、本当に頭がさがる。
神々しい尊ささえ感ずる。
「信念」、つまり「自己創造した信念」には、そういう力がある。

●信念

 人生も、カウントダウンの段階に入った。
平均寿命まで残り16年。
この段階で、「信念」と言えるものをもっている人は、幸福な人だ。
信念に燃え、そこに命をかけている人は、幸福な人だ。

 が、私には、それがない。
闘うといっても、不毛の荒野の中で右往左往しているだけ。
泡ぶくの波の上で、見栄や体裁に踊らされているだけ。
自分が何を求め、どこへ進んでいるかさえ、わかっていない。
信念など、自分に求めようもない。
これでよいとは思っていないが、しかしだからといって、どうしようもない。
そういう状況で、今日も始まった。
2010年7月11日。

 ところで昨夜は、ワイフと、映画『プレデターズ』を観てきた。
途中であくびが出るほどのダ作。
意味のない戦闘映画。
制作費も、ほとんどかかっていない。
星は1つか2つの、★。
ついでに一言。
信念のない映画というのは、ああいうのをいう。
ボケ防止には役に立つかもしれないが、観るだけ時間の無駄。
お金の無駄。

 ということで、みなさん、おはようございます!

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司
 BW はやし浩司 信念と態度 社会心理学 態度 心理学でいう「態度」 信念の人)


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【7月12日】(2010)

●新しい動画

新しい動画にチャレンジしてみた。
ファイルの変換ができなかったので、再生したものを、一度ビデオカメラに
収めた上で、YOUTUBE上に公開してみた。

+++++++++++++++++++++

value="http://www.youtube.com/v/Imh1Q0HHFQg&hl=ja&fs=1">name="allowFullScreen" value="true">value="always">src="http://www.youtube.com/v/Imh1Q0HHFQg&hl=ja&fs=1"
type="application/x-shockwave-flash" allowscriptaccess="always"
allowfullscreen="true" width="425" height="344">


+++++++++++++++++++++

Hiroshi Hayashi+++++++July. 2010++++++はやし浩司

●タコのパウル

水槽の中に飼われたタコが、試合の勝敗を予想する?
そんな愉快な映像が、テレビに流れた。

2組の国旗を入れた箱にエサを入れておく。
タコがそのうちのどちらかを選んで、フタを開けて中に入る。
そのチームが、試合に勝つ。
タコの名前は、パウル。

サッカーのW杯について、そのタコのパウルが、
全8試合すべての試合予想を、的中させたという。
サンケイ新聞は、つぎのように伝える。

『……神託タコとして有名になった「パウル君」の“予言”どおり、11日に行われたワ
ールドカップ南アフリカ大会の決勝戦を制したのは、延長戦の末にオランダを破ったスペ
インだった。

 これでパウル君は、先に的中していたドイツ戦7試合と合わせて、『全試合的中』という
偉業を成し遂げた……』(2010年7月12日)と。

8試合というと、2の8乗分の1の確率。
2x2x2x2x2x2x2x2=256、つまり256分の1の確率。
もしこれが本当なら、「ありえない確率」ということになる。

ありえない!

 タコの頭のよさは、いろいろな面で証明されている。
たとえばフタつきのビンの中にエサを入れておくと、タコは、自分でそれを開けてしまう
など。
しかもたった一度、ビンの開け方を教えただけで、つまり1回の学習だけで、開け方を
覚えてしまうという。
が、予想は、別。

 何かのトリックがあったのでは?


●民主党敗北

 今回の参議院議員選挙で、民主党が敗北した。
敗因は、消費税問題というが、それはおかしい。
敗因は、小沢一郎氏である。
あの人がギリギリまでがんばりすぎた。
浮動票層(無党派層)の人心が離れすぎたところで、やっと辞任。
鳩山前内閣の支持率も、10%にまでさがっていた。
もし小沢一郎氏が幹事長のままで選挙に臨んでいたら、先の麻生元内閣の二の舞を
演じていたはず。

 消費税については、もうだれの目からみても、増税はやむをえない。
日本経済は、そこまで病んでいる。
ただしそれには条件がある。
行政サービスを落としてでもよいから、公務員の人員と給料を削減すること。
道路がガタガタになってもよいから、無駄な公共事業を削減すること。

 数日前も私は印鑑証明を取るために、近くの市の出先機関に足を運んだ。
2枚の印鑑証明を取るだけで、900円。
1枚、450円。
それを手にしたとき、「こんな紙切れ1枚が、450円!」と思った。

 それで事務員たちは、自分の給料を得ているわけではない。
給料は、もちろん設備機器一式も、すべて別枠の税金で支払われている。
つまりこうしたサービスは、それこそ紙代+印刷代程度ですむはず。
それを450円とは!

 民衆から、しぼり取れるものは、すべてしぼり取ってやれ……という姿勢が、
こんなところでも、かいま見ることができる。
それこそどこかの政党が言っていたように、もう「鼻血も出ない」。
それをまず是正すること。
その姿勢を示すこと。
消費税アップは、そのあとの問題。


●ヨーロッパの飛行機

 EU(フランス)では、飛行機がバス化している。
チケットは、インターネットで買うことができる。
それをプリントアウトして、飛行機に乗る。

 席は決まっていない。
早い者勝ち。
つまり私たちが電車やバスに乗るような感覚で、飛行機に乗る。
値段は、安い。
空席があれば、800円(日本円)とか、1000円で乗れる。
ばあいによっては、300円でも乗れるという。

 今や世界の航空業界は、そこまできている。
が、ひとり立ち遅れているのが、日本。
欧米から日本へ来るときは、たとえばフランスから日本へ来るときは、大韓航空で
ソウルまで来る。
ソウルで、日本の飛行機に乗り換えて、日本の各地へ来る。
そのほうが料金が、安いという。
しかもだ、フランス→ソウルの料金のほうが、ソウル→名古屋の料金より安いときも
あるという。

 先週、フランスから遊びに来てくれた、サラーンさんが、そう教えてくれた。

 また驚くほど高額なのが、日本の鉄道料金。
日本へ来た外人が、みな、そう言う。
(もっとも彼らは、JRが発行するフリーパス券を買うことが多いが……。
それだと安く列車に乗ることができる。
ただし日本人は、買うことができない。)

 そう言えば、先日幼稚園児と話していたときのこと。
「新幹線に乗ったことがない」と言った子どもが多いのには、驚いた。
3~4割の子どもが、そうではないか。
みな、車で移動するのだそうだ。
たとえば家族で浜松ー東京を往復すると、新幹線だと、5万円前後(大人2人、子ども
2人)もかかる。
車で走れば、高速料金を含めても、1万円前後ですむ。

 「公共性の強いものほど、高額」。
それが今、日本の常識になりつつある。


Hiroshi Hayashi+++++++July. 2010++++++はやし浩司

●「みんなに嫌われている」

++++++++++++++++

ときとして、本音がボロリと出ることがある。
心理学の世界でも、それを説明する専門の
言葉がある。

たとえば目の前に背の低い男性がいたとする。
そういうときだれしも身長の話は、避けようとする。
が、そういうときにかぎって、話題が身長のほうに、
向いてしまう。
「私なんか、足が短いから、ズボンをさがすのに
苦労します」とか、など。

言い終わったあと、「しまった!」と後悔する。

++++++++++++++++

●嫌いな相手

 そこに嫌いな相手がいたとする。
しかし「嫌い」とは、言えない。
で、そういうときは、こう言ってしまう。

「あなたはみんなに、嫌われている」と。

 「みんな」という言葉の中に、自分を押し込めて、そう言う。
つまりそういう言葉のほうが、「あなたのこと、嫌い」と言われるより、強烈。
強烈な打撃を相手に与える。……与えてしまう。
つまり言われた人は、かなり深刻にその言葉をとらえてよい。

 こういうケースのばあい、表面的な様子にだまされてはいけない。
よくあるのが、夫婦のばあい。
見た目には仲がよい。
しかし夫婦の(見た目)ほど、アテにならないものはない。
たがいに(そうでなければ不幸)という思いから、仲がよい夫婦を演ずることが多い。
これを反動形成という。

●反動形成

 仲が悪くなれば、最終的には離婚。
それを避けるために、本来の自分を押し殺して、別の自分(人格)を演ずる。
仲がよいフリをして見せたり、言わなくてもよいのに、「好きよ」とか、「愛している」
とか言ってみせたりする。

 つまりそういう形で自分の心を偽る。
偽りながら、本来の自分とは正反対の(自分)を形成する。
教科書にも出てくるのが、長男、長女のケース。

 下の子どもが生まれると、上の子どもは嫉妬が原因で心をゆがめることが多い。
親の愛に不安をいだいている子どもほど、嫉妬しやすい。
で、上の子どもは下の子どもを憎んだり、嫌ったりするようになる。
が、それを表現することは、まずい。
自分の兄(姉)としての立場を、失ってしまう。
そこで上の子どもは、(よくできた兄、あるいは姉)を演ずるようになる。

 意識的な演技というよりは、無意識的な演技。
これが「反動形成」である。

 夫婦のばあい、夫婦相互で、それぞれが反動形成を演ずることがある。
俗に言う「仮面夫婦」というのが、それ。

●仮面

 しかし仮面は仮面。
ときとして、本音が吐露(とろ)することがある。
「心情的吐露」という。
それが冒頭にあげた、「あなたはみなに、嫌われている」という言葉ということになる。

 「私が嫌っている」とは言えない。
そこで自分を不特定多数の中に押し隠しながら、「みんなが……」と言う。
夫婦の間だと、妻が夫に、こう言ったりする。

「あなたは家族みんなに嫌われているのよ」「家族だけではないわ。親戚の人たちにも
嫌われている」と。
つまり、もしあなたがあなたの妻にそう言われたら、あなたは妻に、かなり嫌われて
いると判断してよい。
「かなり」というより、「生理的レベルで嫌われている」と判断してよい。
つまり修復は、不可能。……というか、かなりむずかしい。

 が、かえってそういう妻ほど、献身的で、マドンナ的な妻を演ずる。
演ずるという意識もないまま、演ずる。
それが反動形成ということになる。
そういう形でも取り繕わないと、自分の立場がなくなってしまう。
家族が崩壊してしまう。

 そういう意味では、夫婦というのは、10年、20年単位で「形」をつくる。
外見からだけでは、簡単に見抜くことはできない。
というひとつの例として、「みんなに嫌われている」という言葉を考えてみた。

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